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2011年1月29日 (土)

ノーブレス・オブリージュとコンコルディアと

ローマから日本が見える  塩野七生  集英社

 ローマというと何となくローマの休日を思い浮かべてしまうんですが(笑)ローマはローマでもこちらのローマは紀元前からの話…ええ、ローマ帝国の生い立ちみたいなノリでしょーかねぇ?今は亡き大帝国も、その昔は住む人もいなかった七つの丘を持つ川のほとりからとゆー…人に歴史ありとゆーか、国に歴史ありとゆーか、とかくカエサル辺りからの帝国勃興期の方が取りざたされますが、うーん、その前の共和制や王制を振り返ると、ローマただものではないですねぇ(笑)

 詳細は本書を見よの世界ですが、何せローマという国は1000年の歴史ありなので、取り上げるとしたら際限がない(笑)ただ、どこを切り取ってもはーへーほーの嵐ですので、これまたアレですが…例えばローマの王制は次代は血縁関係なし、国民(ここではローマ市民か)が同意しないとなれないやんけとゆー…まさに王様という職業と割り切っていらっさるのね…割り切っていたといえば「政治とはあくまでも結果論です」が貫いているのも何だかなぁ(笑)マキャベリズムで行こうの世界か(笑)いい人か悪いひとかの違いが結果として善政ならばOKとゆー…「これが公人と私人の、評価の基準の違いでもあります」うーん、何が出来るかではなくて何が出来たかなんですね…マニュフェストよりアジェンダより、結果なんすよ、奥さん(誰?)

 後は言われてみれば納得の明言の宝庫かな?「改革者は、往々にして体制側と目される人の中から現れる」とか、「単に統率力があれば、それでリーダーになれるわけではない。人を率いる才能と同時に、人に慕われる才能を持っていなければ、周囲はリーダーとしては認めない」とか、「武器を持たない予言者は失敗を避けられない(@マキアヴェッリ)」とか、「カネの恨みは古今東西変わらない。それが誰一人、好きな人のいない、税金となればなおさらのことです。税の公正実施は、属州統治の安定にとって必要不可欠なことだったのです」とか(笑)ちなみに税については更に「複雑な税体系は徴収組織の拡大化につながるだけであり、ましてや財政危機だからといって税制を恣意的に変更するのはもってのほか。税制はひとたび定めたら、それをそのまま維持するのが最良の策である」だそーですよ、おぞーさん(誰?)

 アリス的にローマというと、どこが被るのだろーかとふと思ってしまったんですが、うーん、まぁアリスの雑学データベースにはローマの事も勿論入っているとは思うんですけど、一番に挙げられるとしたら、アリスが法学部出身のとこかなぁ?全ての道はローマに通ずではないですけど、全ての法はローマに通じていたりしての世界ですからねぇ…宗教ならユダヤ、哲学ならギリシャ、法ならローマとちょっと乱暴ですが例えられたりしますし…ただし、ローマ法は成文法ではないんですよね…ちなみにローマ法大全が出来たのは紀元後の6世紀の話…

 国を動かしていくには、政治とか軍とか経済とかがモロに絡んできて、何とゆーか男のロマンかなぁと(笑)本書はアウグスティヌス辺りまでの解説なのですが、いずれの登場人物も皆それぞれに凄かぁーかと…まぁ著者がカエサルファンのよーなのでカエサルプッシュは否めないんですけど(笑)結局、リーダーとはになるのかなぁ?「もし、リーダーが大衆に迎合することだけを考えていたら、民主政治はたちまち衆愚政治にと堕落してしまいます。かといって民主制のリーダーが世論を無視すれば、たちまち失脚の憂き目に遭う。これはまた事実です」とゆーリーダーのあり方もあれば、リーダーとは調整能力の優れた人ではなくて「大衆とはまったく違った資質を持った存在であって、また、そうでなければ時代を変えたりすることはできない」だとか…平時ではなくて有事に動けるって事でしょかねぇ?

 なのでブルータスに容赦ない…彼がこの時代の超インテリだったのは確かみたいですが、「いつの時代でも、知識人というのは現状洞察能力だけには優れているのですね」と言い切るし、カエサル後について「まったくアイデアがない。とにかく反対一本槍なのですね。カエサルを殺した後の計画なんてどこにもなかった」…ブルータスおまえもか(笑)

 後は国家比較としてローマと中国とかの古代帝国として対極にあったと「ローマ街道網はパクス・ロマーナにつながったのに対し、万里の長城はシナにパクスをもたらしはしなかったのです」塀を造るより道を造れって事なのかしら(笑)対ハンニバル戦のところで国家としてのアイデンティティについて触れ、比較として日本が出てきます。「それは、国際競争に勝つために日本の企業が日本的経営を完全に捨ててしまうようなものだと考えれば、分かりやすいかもしれません」と…でどーゆー事かとゆーと「たしかにアメリカ式の成果一本槍の経営方法を採れば、欧米のライバル企業にも勝つことができるかもしれない」と、結果が全てよねと頷きそーになる前に「だが、そうなったとき、はたしてその企業は日本の会社と呼べるのかということです。その会社はグローバル・カンパニーではあっても、もはや日本の企業ではありません。実際、CEOから従業員に至るまで、外国人が大多数を占めてくる可能性だって大いにある」…何だか鬼気迫ってきたぞなんですけど、省略すると意味がとっちらかりそーなので以下に進むと「そのような勝利を、はたして勝利と言えるのだろうかと、古代のローマ人なら言うのではないでしょうか。それは結局のところ、日本の企業が欧米の資本主義に呑みこまれただけではないかと」

 で結局「国際化はたしかに美しい単語です。しかし、それは一つの道を誤ると自分自身のアイデンティティを失った、単なる根無し草に終わる結果になりかねない。ローマ人はその危険性をよく知っていたのだと思います」…うーん、リストラの件も本来の意味はリストラクチャリング、再編成とか再構成の意味らしい…決してクビ切りの事ではないそーな…うーん、うーん…とゆー訳(?)ですので詳細は本書を読めですね(笑)目から鱗が落ちるぞぞぞ~

 目次参照  目次-社科

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