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2011年5月12日 (木)

動的平衡って何だ?

もう牛を食べても安心か  福岡伸一  文芸春秋

 タイトルが軽いのか?重いのか?人によるよな気がするけど、語り口は軽いというか、淡々としているのに、本当は怖い狂牛病の話みたいなノリかなぁ?甘く見ているとしっぺ返しを食らうよみたいな…むしろこのタイトル系でいくとしたら、もう農水省を信じて安心か?とか、もう厚労省を信じて安心か?とか、内閣府直轄、食糧安全委員会のリスク分析は本当か?とか(笑)いや、もー笑い話ではないんですけど、というより人の命(勿論牛その他の動物の命)もかかっているのだから、シリアスなお話なんですけど、この狂牛病につづく一連の話は、エコではなくてエゴですねん…まず言葉ありきで、狂牛病とは言ってはいけないの世界らしい…BSEと呼びんしゃいと…うーん、プリオンといい、言葉を制したものが世界を制すみたいで、この辺りも何とも政治的な臭いが(笑)売春じゃないんですよ、援助交際なんですよって言葉のすげ替えは世の倣いってか(笑)

 取り合えず、本書に関しては妊娠前のマダムに薦めるかなぁ?スクレイビーも狂牛病もヤコブ病もあり、シェーンハイマーからプルシナーまでの科学的知見とゆーのもアレだけど、脆弱性の窓のところ、クリティカル・ピリオドのバルネラブルのとこだけでも目を通した方が宜しいかと…「大人にとっては何でもないことが、赤ちゃんや子供、場合によっては胎児にとって致命的なダメージをもたらすリスクがありうる、という単純明快な原則である。薬物の副作用や化学物質による攪乱については十分認知された考え方だ」と…免疫抗体、母子免疫、初乳、タイトジャンクション…セキュリティーってここから始まるって、どーよ…

 アリス的に狂牛病…どこか被るかなぁと思いつつ、一つは関西圏が牛肉文化なとこかなぁ?結構アリスってばステーキとかローストビーフとか口にしてるし(笑)後はやはりとゆーか、事の始まり的なとこでイギリスとなれば、ウルフ先生の出番でしょーか?羊、牛と続いている訳ですが、イギリス政府の対応は本書を見る限りでは素晴らしスの一言で済みそー(爆笑)まずは肉骨粉ありきで、これ言葉通りに動物(家畜他)これを加熱、脱脂して乾燥させて粉砕したものを飼料として流通させていた、と…ある種究極のリサイクル…ちなみにレンダリングと言うそーな…で、これを牛が食べると…元の羊がスクレイビー病だったりしたら?更にここにきて急に発生率が上がったのは、オイルショックによる原油の値上げが…ええ、この飼料をつくるのにまず加熱処理します…油は使いたくないとなれば簡略化の連続法を導入し、低温化が進む…さて、どーなるでしょー?というよりどーなったでしょーでしょーか?

 疑わしきは罰せずかとゆー話なのか…まぁとにかく、「イギリス政府は1988年7月、肉骨粉飼料を反芻動物にタンパク質飼料として使用することを禁止した」と、「国内に限ったことだ」けど…まずは隣のフランスへ、フランス及びヨーロッパ各国が受け入れ拒否したら、アジア諸国へ、「危険なものを危険と知りながら、無警戒の別の国に売り抜ける。これは犯罪以外の何ものでもない」とな…さすが大英帝国やる事に歪みありません…

 まぁ素晴らしき政府に対しては日本も歪みねぇので今更ですが、イギリス産の肉骨粉がとれだけ輸入されたか「イギリスの輸出統計と日本の農水省の統計には大きな食い違いがある」とな…イギリス側からする1996年までに300トンを越える飼料が輸出されていると、対する日本の統計には「この記録がない」…でもって、「EUの執行機関・欧州委員会は、関係各国の狂牛病発生について四段階の評価をつけた報告書をまとめようとしていた。イギリスの統計からすると日本にはイギリス産肉骨粉が入っているので、危険度は高いほうから二番目の「Ⅲ」という評価になる予定だったという。しかし結局、この評価報告書は日本に対する部分だけ刊行されなかった。日本政府が評価の「辞退」を要請したからだ。EUが要求した国内調査の規模が大き過ぎ必要以上に労力がかかる、というのが農水省の言い分だった。「私の知る限り、政府の要請で作成を中止したのは日本だけ」と駐日欧州委代表部のロイター公式参事官は述べたという」…一番じゃないからいいんでしょーか(笑)

 さて本書はどこを取っても、ええぇーって叫べる絶叫系かもしれないんですけど、個人的に一番感心したのはイギリスのガンマー農業大臣ですかねぇ…「イギリスでは狂牛病渦で一時急激に落ち込んだ牛肉消費を回復せんとして、当時の農業大臣ガンマーが年端もいかない娘を伴ってカメラの放列の前で、ハンバーガーに喰らいつくパフォーマンスを行ってみせた。洋の東西を問わず、施政者の浅はかさは変わることがない。同じような光景はここ日本でもしばしば繰り返された。ここには食の安全と安心を事実を言葉で説明しようとする姿勢はどこにもない。"この俺様がこうやって食べてみせているのが何よりの証拠。しもじものお前たちも食べてみろ"という小児の喧嘩以下の根拠なきロジックで民衆をねじ伏せようとしているのだ」…もーこれは国民政党の国だものと開き直るしかないのか?ちなみにオチ(?)は、「これまで一貫して、狂牛病はヒトにうつることがないから安心してよいと主張していた政府の楽観論はもろくも崩れ去った。ハンバーガーを食べてみせた大臣はこのとき一体何を考えただろうか?」…人は考える葦であるってか(笑)

 目次参照  目次 生物

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