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2011年10月 3日 (月)

ヴェネツィアはもえているか(笑)

ヴェネツィアが燃えた日  ジョン・ベレント  光文社

 サブタイトルが、世界一美しい街の、世界一怪しい人々とあって、ヴェネツィア…半端ねぇ(笑)何とゆーか、欧米の人々の生き方ってやはりこちらから見ると、スゲェーとしか言いよーがないよーな?本書は1996年1月29日の夜から始まるんですが、これは何故かというと、この夜半、グラン・テアトロ・ラ・フェニーチェ(フェニーチェ大劇場)が全焼してしまったんですね…こちらは世界で最も美しいオペラハウス、世界で最も重要なオペラハウスだそーで、こりゃーいったいどーした事だと、ちょうど改修工事中だった事もあり、放火か?職務怠慢か?で街中騒然としていた中に、著者(米人)は長期休暇(?)で訪れる事になったとな…

 着いて見たら、そこは水の国だった…と、ただそこはただの水の国ではなかったんですねぇ…とにかく、街もですが、住民も皆強烈な個性の持ち主ばかり、まぁ読み物としてそーゆー特徴のある人が出ているんだろーけど、何とゆーかヴェネツィア凄すぎる…序章からして、「ヴェネツィア人はね、きみ、真実は決して語らないのだよ。われわれの本音は、常に、口で語ることの正反対なのだから」(@マルチェッロ伯談)とゆー訳でますます事態は混迷していくってか(笑)

 とにかく、普通に暮らしている人もコスプレ好き(別にアニオタではなく、制服好きのよー、色んな制服を持っていて毎日着替えて生活している人とか…)とか、いやもー市井の人も色々あるんですけど、さすがヴェネツィア、文化人が多いんですよ…もしくは文化・芸術と関わっている人が多いというべきか?例えばムラーノ島はヴェネツィアングラスの、まぁ日本で言ったら人間国宝みたいな人物が実の息子に精神的欠陥で訴えられるとか…いわゆる、家族内内紛ですか?イタリアというと家族経営がありがちですけど、これら同族経営ってやはり中で熾烈な派閥争いが多いみたいです…で、野心家の次男(三男?)とかゆー主流のトップに立てないとなると…親を倒してトップに立とうってそれどこの戦国時代ですか…のノリ…

 また、街が完全に島となって車もヘリも普通に入れないとなると、こちら世界で一番安全な街ともなるそーな…何故って公然と誘拐が出来ないから…一応、ヴェネツィア殺人事件も少ない(ない?)みたいです。ヴェネツィアで誘拐しよーとしたら、死角がなく、しかも船でとなると、現地民じゃないと無理…なので、政治的にテロに狙われている元高官とかが逃げてきていたり…いやー安全のレベルってそこなのか?

 アリス的にヴェネツィア?ここも島となれば、アリスの好きなクローズドサークルものになるんでないかい?の世界か?舞台装置が凄いので、これは映像にしたら物凄く映えそーだよなぁ…歴史的建物や、その建物の持ち主達の保存状態とか、これもまた凄い…ただ、相当資産家でないとキープし続けるのは難しいかも?だけど…椅子の張替え一つでも、布指定からして半端ない…そーゆーとこから手放すとしてもこれまた家族内で一波乱が…

 本書の縦軸は、先のフェニーチェの全焼問題なんですが、横軸的に出てくる人でスゲェ人々満載…まずはオルガ・ラッジのとこは、ほんまでっか?の世界…こちらの方、かのエズラ・パウンドの愛人だった方、そして晩年は死ぬまで一緒に暮らした方なのですが…この方が持っているだろーパウンド関係の書類(手紙、草稿?)が、どんだけの価値があるか?分からない位凄くて、この争奪戦の行方がスゲェ…孤独な独居老人に献身的なサポートをする優しい英米人の若(?)夫婦…赤の他人がここまでと涙さそう人情話が、やがて老女の書類の所有権の移動が明るみに、エズラ・パウンド基金創設に対しての暗躍、もー下手なドラマやミステリよりスリリングでございます…下心のない人はいないのか(笑)老女の娘や孫やヴェネツィア在住の隣人を含めて凄い事に…ただ、この夫婦、何もこのラッジ老女だけでなく、他にもペギー・グッケンハイムの件とか似たよーな事してるんですよ…ちなみにそこからかのグッケンハイム美術館(米)に入り込み、この本時点ではグッケンハイム美術館の館長夫妻という事になっているんですが…法律的に合法でも、人としてどーよ?と…うーん、アメリカがあれだけ弁護士いるの分かる気にさせられるとゆーか?しかもエール大学も一枚噛んでいて、さすがブッシュの母校なのか(笑)

 問題のフェニーチェの方も犯人は誰?で司法も入るけど、もー政治的な話じゃね?か?放火した犯人としても修復作業員達より、職務怠慢の市長以下、劇場支配人とかのメンバーが犯人の方がいいとか…何故ならセレブが犯人なら賠償金払わせる事が出来るんですよとか、再建工事を受ける企業はどこになるのか?ちなみにいずこも同じと見えて大企業が受注を受けても、仕事は丸ごと下請けに任せて自社は何もしないでその差額をもっていくと…そしてまた時々霞みのよーにマフィアの方の影がちらついたり…イタリアって半端ない…

 その中でも本書的には、ヴェネツィアの支援組織(会?)のセーブ・ヴェネツィアの内情が一番の縦軸かなぁ?一応、ヴェネツィアの文化財(建物や美術品など)を守ろう(もしくは修復しよう)みたいなセレブの会…元はヴェネツィアで始まったのに、気がつけばアメリカ人多しで、理事会もヴェネツィアだけでなくニューヨークで開かれると…(勿論パーティも/笑)どーゆー事かとゆーとヴェネツィアの普段パンピーが見れない、入れないとこに特別ご招待パーティー(欧州の王高貴族付/笑)にとてもお高い入場料を払って参加すると、で、そのお金で文化財を守ると…主旨はよく分かるが、どー運営していくかというよりもどっちが上か?もしくはどっちが正しいか?でヴェネツィア人対アメリカ人の対立が勃発…まぁヴェネツィアはヴェネツィア人のものというヴェネツィア人の理屈もよく分かるが、米人の金払って実働している者の言う事をきけとゆー態度がまさにアメリカ…これまた、ヘビとマングースの戦い(でもとっても社交的ってか/笑)で互いに自分の正しさから一歩も引かないとこが、これまた一神教の国だもの?なのか?

 豆知識としては、イタリアで一番高い弁護士はベルルスコーニが雇ってた弁護士とか(笑)、上記に書いた元英高官の逃亡先、最初はオーストラリアに行くはずだったのに、そんなIRAが潜伏してるとこに行くなと止めるスコットランドヤードとか(豪、海の人達だけじゃなかったのか…)あるんですけど、一番はこれまた上記の伊人対米人のセレブ対決のとこの米人のお言葉「ヴェネツィア人は世界で最も始末の悪いたかり屋だ」(@ランドルフ・H・ガスリー・Jr)かなぁ?どこぞの国○省の高官の講義を思い出したりしてはいけないんだろーなぁ(笑)取り合えず、ヴェネツィアの現代を知りたい人に本書をお薦めしとこー(笑)

 目次参照  目次 国外

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