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2011年12月23日 (金)

祖国とは国語だ。それ以外の何ものでもない…

一寸先はヤミがいい  山本夏彦  新潮社

 何の本かと言ったら、エッセイ集なんだと思うんだけど、それはそれ、この著者であるからして並じゃあありません(笑)よく言われる言葉に、近頃の若い者はとゆー年寄りの繰言みたいなのがあるけれど、何故か近頃の年寄りってものはとゆー話はあまり聞かないよな(笑)まぁ本書も爺の戯言と見るか、それとも至言と見るかで、全然違う話になるんだろぉなぁ(笑)読後の正直な感想としては、気骨のある年寄りだなぁかな?もう今時気骨のある人なんて老若男女問わず絶滅危惧種ですから(それとも絶滅したか/笑)この人があったと言うだけで、文化度というか、民度が計れるとゆーのも何ともなぁ(笑)

 とにかく四の五の言わず読めかな?読めば分かる(人には分かる)本だと思います…と思わされてるだけかもしれないけど(笑)もしかして書いている本人は誰にも分かるまいと思って執筆なさっていたかもしれないし(笑)もしくはカバにも分かると思っていたのかもしれない当たり前の事だったのかもしれないし(笑)

 本書は物の見方が一つではない事を著者の視点で教えてくれているよーな?政治に無関心についても「こんどの選挙にも私は投票しない。もともと国民は食えるかぎり政治に無関心である」とすっぱり言い切るし、争いについも「春秋戦国の時代に「義」のための戦さは一つもなかった。東京裁判をはじめあらゆる戦争裁判は偽善である」となるし、広告代理店についても「戦後テレビは活字を駆逐した。大企業は広告に一流女優を使いたい。金に糸目をつけない、海外ロケも辞さない、ゴールデンタイムに出したいとすれば制作費に幾らかかるか分からない。値切ればその値段で一流は使えない、二流になると言われれば企業は値切れない。ライバル会社には負けたくない。言い値で承知するほかない」と更にコピーについても「新しい文盲による日本語の破壊、と書いたことがある。企業の重役は何だこんなものと一蹴すればいいのにしない、彼らは古いといわれることを何より恐れる」いっつにゅーってか(笑)ちなみに尾崎紅葉は売文社を思い立って「商品の広告、英文の翻訳その他なんでも引受けます。ただし政治向きの建白書のたぐいは命にかえてもお断り申し上げ候」と書いたそな…

 またヒトに対しても「微視的に見れば各人の経験はユニークだが、巨視的にいえばみんな同じである」笑っていいかな(笑)でもって日本人については「戦国乱世のころわが国に布教に来たフロイス以下の宣教師は、日本人の入浴好きに驚き、街路に塵ひとつとどめてないのに驚き、皆々巧みに箸をつかって食事するのに驚いた」とな?今も昔も日本人って(笑)またガッツポーズについても戦前はしなかったそーで「勝敗がまだ決していないのに、そのつど喜んでするのは見苦しい。まして試合が勝利に終わったとき敗者の前ですることは絶えてなかった」何か剣道を思い出してしまった…そして冠婚葬祭は「二時間の辛抱」だそな(笑)

 公的な予算についても「ひとたび逮捕されると実名で書かれたが、予算があまると一本何万円もするワインを買って消化したという。さながら悪事のように書かれたが、どこでもやっていることである」…役人に夢みちゃいけないって事でしょか(笑)だから江戸の町人も「役人はワイロを取りたがるもの也、責めるはヤボ也、いくら取り替えても同じこと也と笑った」腐ったリンゴはどこも同じってか(笑)ニセ日本人についても「言うだけヤボである。「蒸気機関に目がくらみ」の一言で、電光のように分かるものには分かる、分からぬものには千万言を費やしても分かるまいから万事に休したのである」ニセというよりエセのよな?

 アリス的に山本夏彦…うーむ、エッセイという事でどかな?まぁアリスの雑学データベースには勿論入っていると思うけど?取り合えず、著者は「健康な人は本を読まない」と断じてらっさるので、もー本書く人がそれを言っていいのか(笑)まぁアリス的に関係のありそーなとことゆーと、「私はこの百年を関西が関東を滅ぼした時代だとみている」とあって、東京って…後は言葉関係のところで日本の辞書は新しい言葉をすぐに入れたがるが「リトレというフランス語の字引は新しい言葉はすぐ消え失せる、三十年たってなお生き残っているならやむを得ない、渋々採用すると聞いた」だとか(笑)カタカナ語を減らそうと国語審議会が言った事について「アカウンタビリティ、インセンティブなどは日本語に翻訳できない、しても分からない。だからカタカナで書いていいと言ったのは自分である。そしてたらあまりのカタカナぶりに驚いて言をひるがえしたのだから、あんまりな朝令暮改である」とか…ルビについても戦前の新聞は総ルビだったそーでそれが国語審議会の漢字制限によって今ある通りになり、何が得したって新聞社の新聞、ルビ係りの人件費削減ってか、ちなみに新聞各社は賛成したと「新聞は一私業のために国の言葉を誤ったのである。その罪万死に値する」とな、うわぁーっ…ちなみに「昔も今も文部大臣を伴食大臣という。どこにもポストのない閣僚にこの席を与えた。一国の言語を伴食大臣にまかせてこうなった」今だと文科大臣ですか(笑)ちなみに林望との対談では「国語審議会のメンバーの名を公表してリコールしてはどうかと言ったら、氏は賛成して、賛成と賛成が空中で鉢合わせする仕儀になった」とな(笑)

 アリス的とゆー事で小説のとことゆーと、小説の終わりですか?「松本清張で売れた時代が最後だったのだと私は第三者だから分かるが当人だから分からないのである」と…また賞関係も「名だたる賞をもらうとお前みたいなずぶの素人が受賞したのはコネか、運動したのだな、おれは苦節十年だぞと呪いの電話がかかってくるという」だそーで、やったなの准教授って(笑)

 さて、氏の凄いところは歯に衣をきせないとこでよくぞ生きていられたなぁと(笑)まずは新聞に対しては「新聞ははじめ薩長の藩閥政治反対の論陣を張った。藩閥政治が去って政党政治に移ると今度は政党の汚職を連日あばいて政治家を「財閥の走狗、利権の亡者」と糾弾した。それをまにうけた青年将校が浜口を犬養を倒すと、テロはいけないがその憂国の至情は諒とするはかばって、軍部独裁の端を開いた。汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼすのである」と言い切り、「新聞はよくキャンペーンというが、あれは他人と同じことを言えということで、言わなければ言えと強い、それでも言わなければ村八分にすることである。故にキャンペーンならみんなマユ唾だというたぐいを私は常に書いてきた」そな…更に言論の自由も「そとから言わせまいとする力なら、以前は創価学会、今はスポンサーである」…仕分けについても「削るには業者を上回る知識がなければならない。知識は勉強して相手を沈黙させるほどでなければならない。力くらべ知恵くらべである。何のために削るか、国民の税金だからだ、邦家のために削るのだ、相手は一流のゼネコンである。その水増しを見破るのは容易ではない」騙される方が悪いんだってか(笑)そして官僚は「外務省の機密費を詐取して競馬うま十四頭も買ったり、情婦にマンションを与えたりした元要人外国訪問支援室長を新聞はいつまでも「室長々々」と書いて名をあかさなかった。あれは「てっきり」犯人でないまでも、容疑者でなかったのか」でもって「一連の不祥事の筆頭が松尾克俊だと実名をあかしたのはいつからか、逮捕される前ではなかったか。いっぽう国際会議やレセプションのホテル代や車代を十年以上ごまかしていた別派の淺川明男課長補佐は、始めから実名をあげられていた。なぜか」正しい報道って…欠陥住宅についても名古屋の一級建築士の一団(欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会)について「ハウスメーカーのハウスの欠陥を枚挙したのである。会員が七十七社の実物を品定めしたのである」とな~

 戦後処理についても「私は生き残りの英国人捕虜を連想しました。彼らも謝れを連呼して、日本の首相がいくら謝ってもやめないので、この上何を謝れと仰有るのかと大使館員が聞いたら「知れたことよ金だ」とリーダー格が言ったそうです」とか、「ブッシュ(父)大統領が来日の直前、日本人記者に謝罪する気はないかと問われて「ない」ときっぱり答えた。原爆投下のことだなと直感したのだ。ここで謝罪して賠償問題でも生じたら、アメリカ人にとって為にはならない。大統領はないと断言してはじめて健康なアメリカ人なのである」とな…これが世界基準なんですねぇ…謝罪と賠償でなくて金がメインと…謝るだけならタダだと思っているのは日本人だけの感覚なのかも(笑)

 さてさて、最後に本書で一番スゲェとおろろいたとこはとゆーと、覆面記事(コラム)についての一節「こんなことを言うのは産経新聞の「遮断機」という匿名のコラムが、匿名を廃して実名を名乗ったら忽ち面白くなくなったからである」で「匿名にかくれて私怨をはらす、仲間ぼめする、卑怯だというが、もしそれが甚だしかったらその欄は信用を失う」となり、更に「あの戦前戦中、実名で陸海軍評ができるか、医師が医師の雑誌に忌憚なく病院評が書けるか、漱石崇拝に抗して退屈が予想される長編を読むことがいかに苦痛かを書くのは勇気のいることである。敵は幾万である。袋叩きにならなかったのは、白鳥が文壇のき宿だったからである。その代わり黙殺された」とな…うーん、ツィッターはともかくフェイスブックとか実名主義だからなぁ…その代わりアレルことが減ったというが、どーなんだろぉ?匿名には匿名の、実名には実名のそれぞれ弊害はあるはずなんだけど、世の中いつもどちらにか傾くからなぁ(笑)今更ながらですが、短いのに凄いエッセイがいっぱいなので、詳細は本書をドゾドゾドゾっ目から鱗だよぉーん(笑)

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