江戸の智恵 養老孟司 德川恒孝 PHP
サブタイトルが、三方良しで日本は復活するでして、何の本かというと著者二人による対談本、お題はズバリ日本かな(笑)片ややさぐれ開き直りドクター(と言ったら養老先生よりおとりまきに怒られそうだが/笑)と、対するは名前からもお分かりの通り将軍さまの末裔…この二人の丁々発止が物凄い勢いで進んでいきます。話しているテンポは物凄くゆったりとしているのに(ヴィウァルディのラルゴ位に/笑)内容は怒涛でして一つ一つのエピソードだけでも一つの小話できそーな感じ(笑)何か、たたみかける落語を聞いている気分になってしまった…泣いて笑って考えさせられる…もしかして物凄い本なのか(笑)
一例を上げていくと、まずは医療問題について「日本は世界で最も平均寿命が長く、乳幼児死亡率もたいへん低い国です。にもかかわらず「わが国では医療が崩壊している。早急に手をうたなければならない」という」(@養老)とか、「最近は、国の将来に直結する問題を考える人や、意思決定を行なう立場の人まで、深く考えるのをやめてしまったように感じます。私は、メディアやインターネットのような(IT)の拡大が原因であると感じていますが、どうでしょうか」(@徳川)とか、美意識についても「たとえ武器であっても、美しいものに反応するのは日本人の感覚です。感覚を重視するというのは「価値観が多様だ」ということで、さらにいうと、多様というのは「互いに見る世界が違う」ということです。したがって、日本の国民はお互いの見方の違いを重視する人たちといえます」(@養老)を受けて「日本人は自分と異なる意見に対しても比較的、寛容です。だからこそ海外の技術や文化をいち早く習得することができたのでしょう」(@徳川)とか、気質についても「本来、日本人の好奇心の強さは、それこそ戦国時代の昔から南蛮人の神父たちが特筆するほどのものだった」(@養老)とか…
まともとは何かで談合をあげ「競りの参加者たちのつけた値段が座長のもとに集められますが、最高額をつけた人には落札させない。二番目に高い値段をつけた参加者が商品を落札し、落札額は必ず公開されます。すると今度は、それでも手に入れたいという人と、落札者とのあいだで話し合いがもたれる仕組みだったそうです」(@養老)とか、世界経済とグローバルスタンダードについては「会長が10億円の年収が当たり前で、それを支えているのが多くの低賃金労働者という構図は、日本の考え方ではありません」(@徳川)とか、また日本の脳科学の一例として「脳はつねに社会や環境とつながりをもち、その接点のなかで複雑なネットワークを築いていく。脳と社会をつなげるという発想は、両者を切り離して考える西洋の脳科学研究ではほとんど見られません」(@養老)とか、連歌や連句の伝統に触れ「個性と自我が強い西洋の詩人はこれを簡単には真似できないそうです。複数の作者が、互いに違う言葉を紡ぎながら、なおかつ共同で一つの作品を作り上げるという手法はきわめて日本的です」(@徳川)とか、人の違いを怒らざれではないけど「変人を許容できない社会から英雄は絶対に生まれませんし、またそうした社会は早晩、弾力性を失って衰えるしかない」(@養老)とか…
四季が明確だということは寒暖の差が激しいということで「これほど気象条件の厳しいところで発達した文明はあまりないと思います」(@養老)過酷な生存環境であったらこそ「人々の生き方や考え方に、さまざまな特徴をもたらしています」(@養老)とか、宗教についても「とくに一神教が怖いと思うのは、妥協のないところです。互いに半分ずつ分けようとか、無駄な戦いを終わらせて両者とも浅傷で引き下がろう、というふうな折り合いがつけにくい。オール・オア・ナッシングの世界です」(@徳川)とか、海外での援助(建造物など)も日本は名前を前に出さない傾向があると「日本が最大の出資者として活躍しているアジア開発銀行の大変な仕事ぶりも、日本人はあまり知らない」(@徳川)とか…
国内行政について「なにか日本の行政全般に、戦略性のなさというものが共通してあるような気がするのです」「局面をきちんと把握し対策を立てていくのが、文科系の人の仕事だと思っていました。ところが理科系の人間が、モノを離れて社会のシステムまで考えなければならないというのは、おかしなことです」(@養老)とか、人材についても「人を育てるといえば「それが何のために役立つのか」とすぐなってしまい、それを「能力主義」と称しています。でも、本当はそんなことは取るに足らないものであり「これだけ人がいるのだから、一人ひとりの能力をできる限り活かしていこう」というのが、もともとの日本社会の姿でした」(@養老)とか、史観についても「江戸幕府はできるかぎり「国家の運営コスト」を下げようとした。それは同時に、自由を許したということでもあるのです。ところがメディアも教育者たちも、そういう言葉で江戸時代をけっして語らない。マルキシズムの影響を受けた歴史学の文脈に沿って、「封建時代は悪である」とか「人民を権力で統治した」というような話に、必ずなってしまう。はっきりいって、それはいまの中国ですよ。少なくとも、日本の政府はそうではないでしょう」(@養老)とか、吉宗が全国人口調査を実施したと「これは世界最初の大掛かりな人口調査でした。それ以来六年ごとに幕府は人口調査をやっています」(@徳川)とか…
高速料金無料化についても「省エネや温室効果ガスの排出削減という面から見てもおかしい」(@徳川)に「システム全体を考えないで、局所だけ考えるとそういうことになってしまう。結局、江戸時代と比べて管理職が無責任になったということですね」(@養老)とか、経済(商売)についても「「売り手良し」と「買い手良し」があっても「世間良し」がなければ、かえって社会的なコストが高くつくというこは、いまの社会でも十分に計算が成り立つと思います。その意味で、経済人の皆さんには、日々のビジネスにおいて「世間良し」を実践することで、全体的な社会コストがどれだけ浮くのかということを、真剣に考えていただきたい」(@養老)とか…
遺伝子的に日本人って遺伝子バンク?「人類はアフリカ大陸から少なくとも三回、移動を繰り返しているといいます。その三回の移動で伝えられた遺伝子のすべて受け継いでいる地域は、世界で日本だけ」(@養老)とか、教育現場で教師が一生懸命働いているだろうが「しかし心のどこかで「自分たちは子供たちよりも優位に立っている」と思い込んでいるふしがあるように感じます。子供に学ばせるとともに、子供から学ぶという姿勢が見られない。親たちも同じです」(@養老)とか、循環経済、社会とは何かといえば「グローバル経済という流れで、日本がアメリカのようにコーポレートカバナンスやコンプライアンスが必要だなどと訳知り顔にいわれます。それは決めごとがなければ何をやるのかわからない社員がいる会社に必要なのです。もともとガバナンスがきっちりできている会社では、そんな三百年も前から日本人がいってきたようなことを、いまさら英語でいわれたからといって感心することもない」(@養老)とか、ほんの一部抜粋ですが至言の嵐でございます(笑)詳細は本書を読め読め(笑)お家に一冊、職場に一冊とか(笑)
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