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2012年2月 5日 (日)

花の陰、赤の他人はなかりけり(笑)

果てしなく美しい日本  ドナルド・キーン  講談社

 何の本かというと、日本紹介本なんだろなぁと思う。ある種ガイド的なんだけど、いわゆる商業的、観光的、物見湯山的、もしくはメディア的なものではなくて、実に硬派な日本、論、かな?論というより、淡々と事実の羅列を並べているよーな気がしないでもないんですが、ただ、祭り一つとっても、どこの祭りを基本にするかで、全く違う様相を呈してくるよーな?日本の祭りというだけでパターンは一つではないとゆー…静かなのもあれば、賑やかなものもあるし…

 とはいえ、本書は三部構成で、一部が生きている日本、二部が世界のなかの日本文化、三部が東洋と西洋と題されているのですが、二部と三部は講演録らしく口語体で、しかも比較的近年なんですが、一部はこれ、1970年前半に翻訳本が日本で出版されたみたいなんですが、著者自身は50年代半ばに執筆していたらしいから、恐るべしキーンとゆーべきかも…戦後10年ちょっとでここまで日本を忌憚なく表現できる人はいなかったのではあるまいか?文章が、何も足さない、何も引かない、あるがままの日本とゆー感じなんですよ(笑)また、日本というと、京都幻想みたいな和的なもの万歳、なくなっていくのは許せんっとゆー懐古日本主義なとっこくの方多しの中で、都市化や高層ビルや高速鉄道もまた日本なんだよとこれまた淡々と語っておられまする…

 これは初っ端の序文で、本紙に掲載する写真を選択するところから如実に表れているよーな(笑)「外国人写真家は染めた布を京都の白河の流れで洗う光景や、刺青を入れた男たちや、祭のために着飾った子供たちの写真を、皆飽きもせずに撮っているようだった。一方、日本人の写真家たちは、霞のかかった山々など、自然の光景を好んだ。ほとんど誰一人として(日本人も外国人も)、お寺の中にいる人々や、日本の台所や、オフィスや、教室の様子を撮影した者はいなかった」とな…日常的な普通の日本とはとはとは(笑)

 アリス的に、日本というか日本論…どちらかというとこの立ち居地にいそーなのは毎度おなじみのウルフ先生か、海老原先生かなぁ?お題目が大上段過ぎて、パンピーにはどの辺りでバランスをとるかが問題のよな?大きく見れば日本は日本である、マルで終わってしまいそーだし、かといって小さく見れば細分化されすぎて可視化できるのか?まで行ってしまいそー(笑)まぁ本書は外の国の方向けに書かれたものでしょーけど、今日本人が読んでも日本ってこんな国だったんだと改めて発見があるよーな?その通りのよーな気もするし、何か違うよーな気もするけど、これも一つの日本なんだろなぁ?みたいな(笑)

 本書的には豆知識も満載で、例えば冷房が完備される前はサラリーマンも夏はスーツの上着もなく、ネクタイもしてなかったとか…クールビズって昔はそのままだったとか(笑)プライバシーにあたる日本語は存在しないとか…襖と障子って外国の方から見たらそんなに頼りないものなのか(笑)、西洋に比べると孤独な老人はマレだとか?

 ペリーが来航した時「日本はけっして幸福な国ではなかった」と何故なら「飢饉、病い、嬰児殺し」と絶対専制政治の諸悪によって生活は劣悪だったと、にも関わらず当時日本を訪れた人は「日本人は柔和で、礼儀正しく、規律を重んじる国民だった」そーな…全体的にキーン博士は江戸時代(もしくは武家政権時)が好みでないのかなぁ?とゆートーンのよーな?それともやはりどこまでも米人とゆーとこなのか(笑)

 まぁ日本とは一言でいうと過去が駆逐されずに未だにある現代国家とゆー事になるらしい(笑)和洋折衷の説明も出てきますが、このゴタマゼ感が日本かな(笑)全ての日本人が着物を着ていないのはおかしいと言う外国人に対して、現代でそんな事ある訳ないやんけ、第一不便だろっと言い放ちそれでも今をもってしても日常に(18世紀の装束である)着物を着れる(残っている)事の方が凄いんだぜ、と…そ、そーなのか?…

 また、宗教も日本では複雑な事柄だそーで「恐らく、世界でもこれほど複雑な国は少ないのではなかろうか」とあって、そんなに変だったのか?と今更驚いてはいけないのか(笑)美意識に対しても、はかなさの中に美を見出すタイプとか…で、花より団子ということわざに実質的なものを優先するかにみえてその実「花を政治や経済より重んずるのが日本人の特性である」とな(笑)

 経済についても「観察者にとって、日本ほど多くの矛盾を示している国はない」そーだし…日本の農家(農業)に対しても今も決して裕福とは言えないけど、他のアジア諸国や南欧のような悲惨さはないそーで「スペインやイタリアの農村では、子供たちの顔に恐ろしい栄養不良の兆候を見かけることがある」そな…ヨーロッパの農業も何か凄い事になってない?

 それと、翻訳本の多さも世界一らしい…更に「今日の作家は、日本の偉大な英雄である」だそーで、そっか、アリス英雄だったのか?更に「今日の日本の文学の異常な人気と、第一本で生活できる日本人の数の多さは、外国の作家たちの羨望の的である」とな…そんなに日本人本読んでないよーな気がするけど?違うのか?ちなみにルソーなんかの海外の作家は自分は優れていないけど人と違う認識に対し、日本の作家は自分と他人の違いはないけど自分の方が優れているとゆー感覚らしい(笑)上から目線万歳ってか(笑)

 さて、魏志倭人伝の昔から日本人観って清潔で礼儀正しいだそーで、これはポルトガルやスペインの宣教師がやってきても変わらないと(笑)ザビエルとかロドリゲスの件は有名なので先に飛んで出島のオランダ人医師たちが、それぞれに面白いけどケンペルもシーボルトもこれまた有名なので、ここではスウェーデン館じゃないけど、実はスウェーデン人だったツンベリーが帰国してからグスタフ三世に日本の鎖国政策と幕藩体制を推奨したとか…もしかしたらスウェーデンにも幕府できていたかもの世界か?その他ロンドンの日本人村とか、ロシアの日本語学校とか、ネタ的にあるあるなんですけど、詳細は本書をドゾっっっ…

 で最後に本書で一番日本的だなぁと感心したとゆーか、納得した件が「日本人は昔も今もそうですが、珍しいものを非常に喜んでいました。珍しいものを喜ぶことは必ずしも人間の本能ではないんです。外国のものを嫌うような国民もありますが、日本人は昔から珍しい動物、珍しい工芸品など、何でも欲しがっていました」とな…ええ、全く、好奇心は永遠に不滅ですって、どーよ(笑)

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