« 一部か?全てか? | トップページ | 歴史を知らないものは明日をも知らない… »

2012年4月 6日 (金)

インド人もびっくり?

インドカレー伝  リジー・コリンガム  河出書房新社

 タイトルからするとカレーの本なのかなぁと単純に思うんだけど、一応、章末ごとに一つ二つその章に出てきた料理のレシピが掲載されていりするんだけど、見かけに反して非常に硬派な本ではなかろーか?と…一口にカレーと言ってもその人によって、カレーが違うと、そもそもカレーなんてないみたいな話もできる訳で、まるで雲をつかむよーな禅問答かなと(笑)で、どゆ事とゆーと、まずは時間を戻してインドに戻りましょう、と…

 インドというとムガール帝国を想起するんですが、実はこのムガール帝…インド人ではなかったと…中東からやってきた王朝だったとな…だから、だから国民はヒンズー教徒なのに、王様達はイスラム教徒という状況から本書は始まっています。とぢらかというと本書は料理書というより歴史書とか社学的というか、比較文化論的な雰囲気の方が過多なよな気がするんですけど、開闢当時は故郷のメロンを懐かしんでいた王様も三代目ともなればメロンより現地特産のマンゴーの方が美味いじゃねぇーかとゆー…味覚の変化か、同化なのか、宮廷料理も現地化していく訳で、それがカレー料理も含まれているとゆー…

 これは後にやってくるポルトガル人やオランダ人やイラン人や中国人、そしてイギリス人も巻き込まれていくのにかわりなしなんですねぇ…ついでに言うと、世界に渡っていったインド人によってカレー料理は広まっていくのもありなんですよ(笑)勿論、イギリス国内もカレー屋さんいぱっいってか(笑)

 詳細は本書をドゾですが、著者がイギリス人なので、特にイギリスの東インド会社からの食のかかわりは傍目から見ると悲劇なのか?喜劇なのか?それが問題だってか?カレー的な話もアレですけど、肉を食うという事と紅茶普及の件は眼から鱗でした…

 アリス的にカレー、言うまでもなく英都大の学食のカレーは永遠に不滅です(笑)なんですが、カレー…日本人もそりゃカレーには愛着があるけど、イギリス人のカレー感は結構複雑かなぁ?今ではカレー粉も自国料理の棚にあるとしても、それでもカレーはカレーでインドはインドなんですよね…「イギリス人はカレーを大量に食べはするものの、それをつくるアジア人をかならずしも歓迎しているわけではない」とな…「イギリス人は文化のなかに入ってくる外国の料理を「自国のものに変える」嘆かわしい習慣がある」となり、「イギリス人の食生活にカレーが浸透しているのは、新しい多文化主義的な気配りからではなく、むしろイギリスの島国根性を表しているのである」と手厳しい…「イギリス人がエスニック・フードを自国のものと混ぜ合わせるのは、自分たちの好む範囲でしかコスモポリタンになれないことの表れと認めるだろう。つまり、いかにもイギリス的な食習慣のなかにエスニック料理を取り込めるかぎりにおいてなのである」…何とゆーか、食というのは変わり易いところもあり、そして全く変わらないところもありで、そう簡単にはいかないのはいずこの国も皆では(笑)

 とにかく、凄い内容なので興味のある方は是非本書をドゾ…ある意味歴史リアルなので、おおおおおぉーっなノリでもあるんですが(笑)例えば、もともとインドにいた人たちは菜食主義というか野菜とか米しか食べていない人たちだったらしく、ムガルの王様たちも引っ越してきてメシがまずい、肉がないと嘆く始末…この肉がない話は延々イギリス統治まで続く話で…徐々に現地に浸透していった模様…で、インドでの料理人がイラン系の方が多かった模様なのも、この肉食うか?(イスラムだから豚は食べないはずだが…)も焦点の一つだったよーで、それ以上に現地的に厳しかったのは、ヒンズー系ってカーストにのっとっていらっさるのは存じ上げていたんですけど、アーユルヴェータですか?それに食べていいいもの悪いものが決まっていて食べられないものがこれまたこちらから見ると多い…

 前述の肉も不浄なものの一つらしいのですが、それ以上にスゲェと感心したのは、カースト外にいる人と一緒にご飯を食べても不浄、ついでに言うとその人達が使用した食器までが汚染されたという事でそれ以降使用不可になり、食事をつくっている場所にその人たちが入った、掠っただけでも食事(食糧?)廃棄処分になるとゆー…いやー選民思想ってどこそれのアレが思いおこされますが、ヒンズーに至っては徹底度がこれまた半端ない…とゆー事はインド現地でイギリス人が雇っている現地の方が、カースト外にいるという事でイギリス人を不浄な者として見下しているという凄い構図も成り立つ訳で…帝国の末裔同士ぱねぇって事ですか…

 パネェと言えば、インドと言えばカレーと並んでチャイ(紅茶)ですけど、この紅茶を飲む風習もイギリス人がインド人に植え付けたものの一つなんですね…それも20世紀に入ってから本格的に展開していった模様で、個別訪問して紅茶を普及させたというから、イギリス人も半端ない…市場開拓は大切だよね…ということはインドのチャイって100年位の歴史しかないとゆー事なのか?でもって、食には保守的なインド人が何故うけいれたかというと、紅茶は中立な飲み物だったから…ええ、あのアーユルヴェータで食べていい、悪いに表記されていなとゆー…だから不浄じゃない大丈夫って…

 何とゆーか、あまりにディープなのでイギリス観はともかく、インド観は変わりそーな(笑)端からあげていったら、全文になってしまいそーなので、取りあえず章末のレシピの名前だけでもあげときます…何の料理かピンときた人はインド通って事でしょか?でも作り方見る分には分量がとっても多いよな(笑)
 チキンティッカ・マサラ、カバーブ、キチャリ、チキン・ビリヤーニー、グリーンマンゴーのシャーベット、ベビンカ、ヤシュ・ムサンナーのアッバム、ベサン・ラッドゥ、ラムコルマ、シャミカバーブ、ダンサク、グリーン・コリアンダー・チャツネ、ベンガル風ポテト、スパイス入り紅茶・マサラチャイ、レベッカのマサラチャイ、ラッシー、マンゴー・バターミルク・ラッシー、ニンブバニ、スーザンのチキン
 この他にも章内で当時の料理のレシピってこんなもんみたいなノリで掲載されていたりすんるんですけど、本書的には美味いとか不味い以前に、凄いの料理じゃなかろーか…で、ふと思うんですよ、瓶詰とか缶詰とかレトルトとかも偉大だなぁと思うんですけど、冷蔵庫って食の革命だったんじゃなかろーか?と…ついでに言うと物流も大切だよなぁ(笑)いやー、よそんちで自分ちのメシを食うって、とてつもなく大変な事だったんですねぇ…

 目次参照  目次 カレー  目次 国外

|

« 一部か?全てか? | トップページ | 歴史を知らないものは明日をも知らない… »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

カレー」カテゴリの記事

国外」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: インド人もびっくり?:

« 一部か?全てか? | トップページ | 歴史を知らないものは明日をも知らない… »