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2012年6月 2日 (土)

あんだーすてーとめんと?

物語 イギリス人  小林章夫  文芸春秋

 イギリスというと大英帝国で英国紳士のイメージが先行して早100年か150年経っているんだけど、W杯のフーリガンもイギリス人となるとどーなんだろー?とふと思う…ええ、それは一部の人なんですよ、と必ず断り書きが入るけど、そっすると英国紳士もどーなのだろーと聞きたくなるのが心情(笑)全部か?一部か?という問いの正当性ってどこにあるのか(笑)

 さて、イギリス人と一口に言ってもその民族的歴史は複雑というか、多彩?昔ケルト人が住んでいたし、ローマ人はやってくるし、その後アングル人やサクソン人、ゲルマン人にデーン人がどんぶらこと(笑)11世紀にはノルマン系フランス人に征服されているし、大英帝国になってからは植民地の人がやってくるし、ユダヤ人にも比較的寛容だったからユダヤ人もやってくるで、ある意味人種のるつぼって感じでしょーか?で、国内でもイングランド人にスコットランド人にウェールズ人に北アイルランド人と…ここまでくると果たしてイギリス人とは何ぞや?ってお題が立つのか?うーん…

 また、イギリスを語る時に必ず出てくる階級制のお話も…未だに色濃く残っているのが凄いよなぁとしか言いよーがないよな?スポーツも庶民がサッカーなら、セレブはクリケットとかポロになると…狩猟なんかもパンピーもやりますと聞くけど、本格的にやるなら規模が違う訳でそりゃ専用のカントリーハウスも必要になるよねぇな話だし…音楽だってセレブがハイドンやモーツァルトだとすると、下層中産階級がチャイコフスキーやメンデルスゾーンになるそーな…メンデルスゾーン、ワトソン先生も好きだったはずだが…

 一番おろろいたのが犬…階級によって飼う犬が違うとな…セレブだったらキング・チャールズ・スパニエルとかスプリンガー・スパニエルといった毛足の長い犬種となり、上層中間層でダルマシアン、イングリッシュ・セッター、ゴールデン・レトリバーとなって、その下になれば雑種が増えるとな…犬見ただけで飼い主の階級が分かるって、ドンダケェー…

 アリス的にイギリスとなると英国庭園になるんだけど、イギリスで庭に関心のある人が2000万人だそーで、「全人口から子供を除外すれば、二人に一人は庭師、もしくは庭師の予備軍となる」って…ウルフ先生も庭好きなのか(笑)

 さて、本書はイギリス人の有名どこを持ってきてイギリス人とはと進めていて、最初に出てくるのがハリファクス、17世紀末の政治家ですが、臨機応変というと聞こえがいいんですが、元祖日和見主義…あだ名が風見鶏…どっかで聞いた覚えのあるよな…この人の凄いところは「日和見主義者とは何か」という本まで書いているとこか?成程自己弁護なんですが、でもそれで一応平和政策で乗り切ったお人とゆー事になるらしー…まぁ上手くいったから何とかなっている訳で、平和政策も通じる相手を間違えるとどん底が待っているというのを実践したのが第二次世界大戦前のチェンバレンだとな…ちなみにフォークランド紛争の時のイギリス人の科白がチェンバレンでなくてよかったって…

 リアリストなイギリス人という事で出て来るのがイギリス初代首相のウォルポールでしょーか?バブルの崩壊を受けて首相になっただけに、みんなみんな貧乏がいけないんだと只管商売というか、国を富ませる事に首相まっしぐらってか(笑)それにしても金に進むと賄賂に進むというのは世の習いなのか裏工作と買収に走る腐敗政治に突き進むと…でもって消費税導入を求めて失脚するって…まるでどこかの国の政治を予言してるかのよーな気がするのは気のせいか(笑)

 そーいえばイギリス人をさす言葉としてジョンブルという言葉があるけど、これって「ジョン・ブル一代記」(ジョン・アーバスノット)というお話からだったんですねぇ…イギリスらしく政治風刺作品らしーんですが…それが巡り巡って今に至ると…で、更に驚いたのはイギリス女性とは「慇懃な家庭教師」タイプをイメージするけど、16世紀から18世紀前半まではイギリス女性は美しい、かわいいと絶賛されていた模様…良家の子女なら教育が行き届いていたし、将来の女主人になる能力もたけていたとか…できる女だったのか…

 さて、アリス的なとこというと小説のとこかなぁ?「小説とはおもしろい話を語ることにほかならない」(@ヴァージニア・ウルフ)だとか…それは確かにとうなずくしかないのか(笑)後はアリスの好きな旅行にかけてイギリスの添乗員付き旅行、所謂バックツアーが何故流行ったのか?でまずは便利という事もあったけど「外国語に悩む必要がなかったことも人気の理由だった」そな…意外ですけど英国人英語以外の言葉は苦手だとか「それが外国人嫌悪症に結びつくことがあるわけだ」とか…まぁ恐怖症とも言うの世界か?ちなみに傍から見たらイギリス人と一括りにしがちだけど、これまたイングランド人、スコットランド人、ウェールズ人は互いに外国人の感覚らしー…なのでこれまたお国自慢というか、差異というかで言葉の応酬もあるみたいで「このような一種の地域差別は、通常「レイシスト・ジョーク」、つまり人種をネタにしたジョークのうちに含められるもので、イギリス、いやイングランドにはたくさんある」って…

 他にもジェントリーとネイポップとか、ユーモアとウィットとブラック・ジョークとか、イギリス的なモノがあげられているんですが、本書の中で一番感動したのは長谷川如是閑の工場見学の件かなぁ?「工場の一隅に手工を以て農具を製造する小さい仕事場が残っている。これは会社が昔手工を以て麦扱道具を製造しておった時代の職工が一人二人なお生存しているのでその職工の為に今は全く会社に用のない道具を作らせて給料を与えてあるのだというのである、今いるのは80何歳の老人で60年前この会社に入ったというのだが生憎不在だったのは遺憾だったが、自分は予て英人の望んでおった一種の美点を実地に見て少なからず感服した」(@長谷川)さすが世界で最初に保険が出来た国といおーか、今なら効率化の一言で即リストラだよなぁ…こーゆーとこが「いわば地域の為政者として領民たちの保護、そしてもちろん支配も行っていたイギリス貴族や紳士たちの義務感が継承されたかたちで息づいているとも言えるからである」やはり、大英帝国はどこまでも大英帝国だったという事なんでしょかねぇ…

 目次参照  目次 国外

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