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2012年7月10日 (火)

ロンドンでお昼寝を(笑)

まどろみのロンドン  佐藤真  凱風社

 サブタイトルが映像作家の妄想スケッチで、それで文化庁派遣芸術家在外研修員として一年イギリスで暮らす事になった模様…本書はそのイギリスでの出来事を日本人の目で見たならば、かな?まぁ日本のおじさんと言っても、ご本人的にはお兄さんかもしれないが、そこはドキュメンタリー作家なので視点がちょっと違うというか、シビアかなぁ?物事をありのままに見るというのは結構きつい事だと思うんですよねぇ…建て前と本音の違いと言うべきか?著者によるとタイトルのまどろみのというのはロンドンにかかるのではなくて、ご本人にかかるべき言葉らしーのだが、てな訳でしょっちゅう転寝しているみたいなイメージあるけど、こちらからしたら凄い体力だよなぁと感心するお話かも…

 お題に上っているのは、目次によると塩、水道屋、犬、雨、ラウンドアバウト、地下鉄、テレビ、学校、シネマとなるのだが、ロンドンで出くわしたソレに日本的な感覚と、歴史考察かなぁ?そんなへヴィではないけど耳を澄ますとヤバイ系みたいな(笑)ちなみに塩って何に喚起されて出たお題かというと路上のナメクジなのだ…晩夏から初秋にかけて路上に足の踏み場もない程のナメクジが現れるって、ロンドンどんだけぇーな世界らしー…ここで日本人だよなぁというのがナメクジを見て思い出すのが塩、でナメクジのドキュメンタリーの話が出たり、ちなみに世界的にもカタツムリの専門家はいてもナメクジの専門家はいないそな…

 で、塩とあいなる訳だがここから誰しも一度は聞いた事のあるイギリス料理の評価に行きつく訳で…これも皆塩味に鈍感だからじゃない?になるよーな?味付けができないって事なのか?卓上の塩コショウで宜しくって…これを味の個人主義と言うそーだが、それならコックさんは何の為にいるのだろー?食材に火を通す為?その代わりデザートにかける情熱は半端ねぇになるそーな…お茶とお菓子…アフタヌーンティーこそ全てってか(笑)

 アリス的にロンドンというと、英国庭園とウルフ先生かなと…まぁともかくアリスもロンドンに滞在したら、どんだけ書く事があるんだろーと、つい想像したくもなるかな(笑)准教授は学会で行っているみたいだしなぁ…まぁでもアリスなら古書巡りとかになりそーな気がしないでもないけど(笑)

 さて、イギリスのインフラというか、光熱関係といおーか、公共機関というべきか?は相当ヤバイという話はこれまたよく聞くんだけど…本書の水道屋さんの章は二階のトイレが詰まって水漏れ、さぁどーするで…イギリスの住宅事情というか、建設事情、大丈夫なのか?と心配になってしまう…老朽化して壊れたならまだしも新築、基本的に設置ミスというか、配管間違えて建ててたって…そしてそれが分かるまで店子と大家さんと不動産屋(管理)もアレだけど、一番凄いのは工事の人が三人目にしてよーやくビンゴって…

 であてにならないのは地下鉄やバスも同じで…いや何か、ブルータスお前もか?な世界が展開していると…とにかく日本人的に凄いと思うのが初乗料金かなぁ?日本の倍しているというのは…ただこれまた福祉の国というか大人一人より子供とというかファミリーチケットの方がお得ってゆーのは…ただ日本と同じに改札の入り口も出口もチェックするのでキセル乗車はしにくいらしー(笑)まぁどこでもツワモノはいるけど…これがパリやローマの地下鉄となるとキセル天国らしー…パリにはその光景を映したドキュメンタリーもあるそーな…

 さて、著者は本職が映像系なのでテレビとシネマの章は一段力の入り具合が違うよな?ちなみに「イギリスのテレビ放送はお堅いばかりの型通りの番組が多いので、むしろ退屈だと言っていい」ってのはこれまたよく聞くけど、テレビ界全般的に「「どこかで見たことがあるような」は、ここイギリスに限らないイタリアに行った時も、フランスに行った時も、番組内容はどこも似たり寄ったり」だそな…「舞台装置の安っぽさから司会者役の人物のお下劣ぶりまで、品性や知性の欠片もないタレントどもがバカ騒ぎする日本の番組と瓜二つなのだ」って…これまたよく日本在住の外国人の皆様が日本のテレビ番組を自国に比べて酷いと言うのはどーなんだろ?隣の芝は青くなかったってか(笑)

 面白いのがテレビ始まりの日…1935年にベルリンでの放送開始が初めてになるらしーけど、認めてない国が多いそな…何故ならナチス政権下で行われたからって…例のデジタルに強制移行も「西欧諸国は、受像機の90%以上がデジタル受信機に買い換えられるまでアナログ放送を続けると明言しているし、隣の韓国でも95%以上になるまでアナログ放送はやめない方針である」とか、もはや誰の為のテレビ放送かか(笑)NHKの官僚体制も何だけど、何とゆーかテレビには明日がないとゆーのがしみじみと書かれている気が…「なんの危機感も感じないプロジューサーどもが既得権に胡座をかいてふんぞりかえっているのが現実だが…。実際、その現実に遭遇した者にしてみれば絶望感に襲われるばかりだ」ってオワタって事でOK(笑)「どの国でもテレビは政治家の手中にあるのです」というゴダールのお言葉は意味深だよなぁ…

 後はシネマのとこでのオリエンタリズムの正当性かなぁ?テレビの項のビックブラザー問題もアレですが、「「原始時代と同じ発達段階の原住民、不可解な中国人、従順なインド人、残酷で野蛮なアラブ人」といったオリエントのイメージは、植民地支配を正当化する一番の根拠となった。既に植民地支配がなくなった今日でも、オリエンタリズムに潜む<無意識の差別構造>は、少しも変わらず、厳然として残っている」とな…

 これはこれまた大英博物館のとこに被る通奏低音かもねぇで…所蔵品の返還問題も根は深いよなぁと…「大英博物館が自慢する古代文明の膨大なコレクションを眺めながら、私は考える。この莫大な所蔵品が、たとえ略奪や窃盗によらずとも、奴隷貿易の築いた富によって形作られたことを自省するイギリス人が一体何人いるだろうかと。大英帝国に、その巨万の富が蓄積される基盤となったのは、三角貿易の最も重要な柱のひとつであった奴隷貿易である」とな…更に著者の舌鋒は進んで「これは、どう言い訳しようが、人身売買であり人権侵害である。古代エジプトやメソポタミア文明など、大英博物館が誇るコレクションのほとんどすべては、本来の所有者になんの断りもなしに、イギリス植民者が持ち帰った品々である。ところが、イギリス人のコモンセンスからすると「学問や研究のために、情熱と精根を傾け尽くした収集活動の、どこに問題があるのだ」として疑問視すらすることがない」となななななぁー…これもまた無意識の差別構造の一端だそな…ルール好きのイギリス人だけど、そのルールはイギリス人のためのルールなんですよねぇ…限りなく、ためだけのに近いとしても(笑)

 目次参照  目次 国外

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