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2012年8月11日 (土)

虫愛ずる姫君?

虫取り網をたずさえて  東子・カウフマン  ミネルヴァ書房

 どーゆー本かというと昆虫学者の自伝である、というのが正しいのかなぁ?しかも、女性昆虫学者で、父親がドイツ人、母親が日本人で、生まれは青島(中国)、日本の女子校に通い大学は津田塾で、更に大学卒業後に第二次世界大戦きたぁーっな人生って、どーよ…今で言う普通のOLしてたはずなのに気が付けば、就職先の上海(中国)でスパイ容疑とスパイ勧誘で逃亡生活って…ここまででも十分波乱万丈な半生だと思うんですが、本人の突き進む道は昆虫学者ですから…ここまでは前振りなんですね(笑)

 戦後著者はイスラエルに渡ってヘブライ大学に入学して昆虫学を専攻すると、多分のこの辺りから著者のこれが私の生きる道なんでしょか?その後、ドイツのミュンヘン大学の院に進み博士号を取得すると、その後はアフリカが君を待っている状態ですか?ガーナ、タンザニア、ニジェール、ナイジェリアとフィールドワークに突入というより、没入していくんですねぇ…アフリカの任期が切れると米の大学に戻ってはいるんですが、それにしてもこの生涯現場主義には頭下がるなぁ…孤独な女一人旅もとい一人研究…相手は虫と猫だけって…精神的に相当つおいお人だったのだなぁと…

 てな訳で終の棲家も、米で自分の好きな研究生活を送る予定が、気が付ければケニアって…そして、そこでお亡くなりになっている訳で…もーこれは天晴れとしか言いよーがないよーな?

 アリス的に昆虫…ブラジル蝶のとこかなぁ?確かあそこに研究者呼ばれていたよーな?何とゆーかマニアここに極まれりなおにーさんだった記憶が?日本人的に昆虫というとファーブルをつい思い浮かべてしまうんですけど、この方お国のフランスでの知名度はかなり低い模様…昆虫系となるとどーも日本とかドイツとかイギリスになっていくるよーで…虫の声というのは欧米では雑音だとゆーのは本当なんだろか?

 さて、著者は半分日本人の血が流れているのだから日本との接点が幾つかあってもおかしくないんですけど、面白い位その手の表記は出てきません…晩年母親(妹もか?)は日本暮らしであるらしーんですけど、それも一行で終わっている感じだしなぁ…まぁ戦前戦中日本の軍部の扱いやら、日本での女子校女子大での扱いも著者的にはあまりいい思い出ではなさそーだしなぁ…アイヌの話は出てきてもネイティブアメリカンやロマの話は出てこないとこにも分かるよな…人生で一番楽しかったのがヘブライ大にいた時だと書いているとこも、そーゆー事なんでしょねぇ…

 でもそのヘブライ大とミュンヘン大を比較しているとこで「イスラエルでの過酷な生活とはまったく別物でした。イスラエルは敵に囲まれているために、全学生が性別に関係なく兵士であり、銃声がいつも聞こえ、軍の緊急招集がありました。誰もが真剣で、娯楽に割く時間は皆無といっていいくらいでした。ドイツでは状況が異なり、学生生活ははるかに気楽で平和なものでした」とか…それでもヘブライ大いた頃が「私の人生で最も幸せで輝かしい年月でした」になるんですねぇ…まさに人はパンのみに生きるに非ずってか…

 アフリカでの研究生活は、これまたまさに仕事という感じでしょか?その頃の現場の昆虫学者に求められていたのは、害虫と益虫の研究みたいです。当時(今も?)のアフリカ諸国の主幹産業って農業なので、それを促進させる事が国家プロジェクトな模様…勿論、本人だけでなく現地のスタッフもいるのですが、これがまた一筋縄ではいかないみたいで、ガーナでは昆虫学を専攻した唯一の二人を従えているのですが、この二人がフィールドワークに全くやる気なし…

 何故かと言えば「アフリカ人にとってそれは「汚い仕事」であり、決して「教養のある人」が行うたぐいの仕事ではありません。アフリカ人にとっての教育の目的は、大きな家に住み、大きな車を運転し、座り心地の良い肘掛椅子に座って大きな机の上に脚を乗せ、部下に命令を下し、自分の名前を時折署名しながら生活することなのです」って、それはどこの永田町とか霞が関ですか(笑)ちなみに後にドイツ帰りのフィールドワーク仕込みの修士が赴任してきたら、現地の人はそれを見て「魚売り」と囃し立てるのだとか…「これではアフリカが進歩しないのは当たり前!」と著者の!マーク使う位憤慨している模様…アフリカって…

 まぁ仕事も大変そーだけど、現地の生活も大変というより過酷に見えるのは気のせい?IITAに招かれてナイジェリアのイバダンに居を移した時は研究は平安で快適だったそーですが、下町は「アフリカ全土で、さらに言えば、世界の他の地域で見てきたながても最も混沌としていて、不潔で、危険で滅茶苦茶な街でした」とな…街中の様子が幾つか出てくるのですが、一番凄いのは「山と積まれた生ゴミが通りの両側にあり、その高さが限度を超えると崩れ落ち、車が通る道路の中央に侵入してくるのです。西アフリカの生ゴミの腐敗臭はすごいものです!それなのに、私は食糧雑貨を買うために、一週間に一度は街に行かなくてはならなかったのです」…で、その状態は現地の人によると「「それこそ繁栄のしるしなのです!」」となるらしー…伝染病とか発生しそーでそっちの方がこあいんだけど、誰も気にしないのか?

 でもって、日常のアフリカ人との遭遇というのが「イバダンを含め海岸沿いの街に住む各国の人々は、良く言えば、とても事務的です。海岸沿いのガーナ人が見せる態度など、友好的とはほど遠いものでした」で、例えば、迷子になって道を訊いたりすると答えない、そっぽを向く、指さすだけ、現地語で一言言うとかの対応が普通らしい…ナイジェリアそんなにい凄い国なのか?こんなにアフリカに精通しているはずの著者でも「ナイジェリアでの経験は聞いていたより、あるいは予測していたよりずっとひどいものでした」と言いきっているからなぁ…

 それでも最晩年はケニアに隠居するというのは、やはり根っからアフリカ好きなんでしょねぇ…縁のあったアジアの熱帯雨林地方でもなく、米なんだから中南米とか今なら流行りのコスタリカですか?でもなく、ただひたすらにアフリカなんですよねぇ…この辺り、著者は(多分)米人であり、半分日本人の血が入っていても、根はヨーロピアンだったとゆー事なのかなぁ、と(笑)

 詳細は本書をドゾですか?2/3は自伝を残り1/3は著者による科学(?)エッセイが掲載されています。まぁデビット・ホイル卿の仮説に対するスタンスを思うとアレですが、でもまぁ、彼女の恩師であるボーデンハイマー教授(ヘブライ大)によると「出版されている生物学の報告書の半分は不正確です。愚者だけが印刷されたページを信じ込むのです!」だそーですから(笑)

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