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2012年8月25日 (土)

お代官様にはかないません(笑)

これからの「正義」の話をしよう  マイケル・サンデル  早川書房

 サブタイトルが、いまを生き延びるための哲学なんですが、さて、今更説明する必要がないんじゃなかろーか?去年だか、一昨年だか、一世を風靡したハーバード大白熱教室でしたっけ?ハーバードで一番人気の授業の様子が放映されたのって?で、まぁ、その種本なのか?派生本なのか?どちらにしても、メインはタイトル通り、ジャスティスってか(笑)

 まぁこれが、アメリカの良心、もしくは建て前なんでしょねぇ(笑)臆面もなく正義を語れるなんて世界中探しても米人しかいない気がする(笑)ここで拍手喝采の米の学生達も卒業後にどんだけジャスティスしてられるのか?クリントンのジャスティスか?ブッシュのジャスティスか?はたまた国務省のジャスティスか?既に問題以前の気が(笑)

 本書は正義とは何か?というより、人生の決断ですかねぇ?その時正義が動いたというか?貴方なら、どーするぅぅぅ?みたいなノリで実際の実例がたくさん出てきます…さすが米なので、米の話が圧倒的に多いですが(笑)

 で、各種場面で、どゆ見解がとれるかというのが順に並んでいる感じかなぁ?功利主義、リパリタリアニズム(自由至上主義)、市場主義に、動機に生きるカントなら、平等じゃけんのロールズ、そして実に米的な政策というか行政ですかのアファーマティブ・アクションに、政治っすよ人生はのアリストテレスに、これまた実に米的な旗色はどっちな帰属主義ですかね?己はどこに所属してるんねん、信念はどっやねん、もしくは家族を大切にね、たとえ犯罪者でもですか(笑)そして個人の倫理観とはですか?無意識に内包されている宗教観も見過ごしにはできないと…環境をこれまた忘れずにね?か(笑)

 同じ出来事でも、それをどう判断し、解釈するか?はその個人それぞれの信念、倫理、哲学、宗教、環境、情報、立場etc.によるんだよという事か?そーいや、ダンテの神曲でもかのソクラテスがキリスト教徒でないという理由で地獄の業火にやかれている場面があったよな?キリスト教徒ではない人間からすると、これも一つの正義とは何か?に見えるのは気のせい(笑)

 アリス的に、この手の話はどだろ?准教授とアリスならアリスの方が正義とは何かと貫いているものがありそーだが、そこはオオサカンなので、負けはしても損はしないが根底にあると(笑)准教授の正義とは、本当に突き詰めて准教授個人の正義に行きつきそうで、うかつに近寄れない気がするんですけど?

 さて、本書は本当に突っ込みどころ満載で、詳細はまさに本書をドゾ。個人的には、米にはというか本書によるとフロリダ州には「便乗値上げ禁止法」があると知っておろろいた…フロリダではハリケーンがきてドッカンとなりモノもサービスも価格高騰という事らしー…で、これが市場原理主義、需要と供給で価格が決まるという人達によると正しい行いだとか…米の経済学者パネェ…そんな人の不幸につけこむよーな商売のやり方が正義なんて、なんて素晴らしい世界でしょー(笑)ノーベル経済学賞に米人が多いの納得させられる気がするわー(棒)困っている時こそお互い様という概念は米にはないんだろか?だって法律つくってまで阻止しなきゃいけないんだぜぇー(笑)

 また、金融危機に対応して米の金融会社を救済の為に税金を投入したとは記憶に新しいけど、それでその社員にボーナスが出ているとは何事?ついでに巨額(一人1億6500万ドルとか、あったりして/笑)のとなれば、何じゃそりゃ?となるのはこれまた当たり前だと思うんだけど、「自分の報酬に財務省が絶えず口を出してきて、それに従わねばならないと知れば、優秀な人材は集まってくれません」(@AIG・CEO)うーん、その優秀な人材によって引き起こされた金融危機はどーなるんだろ?正義とは何か?の前に責任感とは何か?について考えされられるが?多分この人達もどこぞの電力会社みたいに、想定外だから責任ありませーんの世界に住んでいらっさるんだな、きっと(笑)

 も一つ、これまた実に米的だと思わされたのが費用便益分析のところ…フィリップ・モリスのチェコでの行いですかね…チェコでは煙草は結構たしなまれているそーで、フィリップ・モリス的にウハウハだったけど、最近健康問題に敏感になってきているチェコ政府はたばこ税増税にするかなぁーと、で、ここでフィリップ・モリスがした事は費用便益分析ですよ、奥さん(誰?)これによって、増税よりもこのまま方がチェコ政府儲かりまっせという話だった、してその分析結果が「喫煙者が生きているあいだは国家予算の医療費負担が増えるものの、喫煙者は早死にするため、政府は医療費、年金、高齢者向け住宅などにかかる少なからぬ費用を節約できるのである」そですよ、おぞーさん(誰?)で、これの凄いとこは実際に「国庫の純益は年間1億7000万ドル」にもなりますよ、と具体的数値まで出ているとこだったりして…

 いつものよーに豆知識も満載で「アメリカの金持ち上位一パーセントが国中の富の三分の一以上を保有し、その額は下位九○パーセントの世帯の資産を合計した額より多い。アメリカの上位一○パーセントの世帯が全所得の四二パーセントを手にし、全資産の七一パーセントを保有している」そです…今さらながら米って…

 後、兵役についてはブッシュの時も結構問題になったけど、今更な話だったんですねぇ…南北戦争の時の徴兵免除の為に身代わりの人を雇った人達に、「鉄鋼王のアンドリュー・カーネギー、金融資本家のJ.P.モルガン、セオドア・ローズヴェルトの父親とフランクリン・ローズヴェルトの父親、のちのアメリカ大統領であるチェスター・A・アーサーとグローヴァー・クリーヴランドがいる」そで…米には英みたいなノブリス・オブリージェはどーなってんでしょかねぇ(笑)

 ちなみに現代の米軍の出身階級の構成はというと、「戦地勤務の新兵には、低所得者層から中所得者層の多い地域出身の若者がずば抜けて多い」そな…でもって「近年では、新兵の二五パーセント以上が高校を卒業していない」そで、「一般市民の四六パーセントが何らかの大学教育を受けているいっぽうで、一八歳から二四歳までの兵士で大学に通ったことがあるのはわずか六・五パーセントにすぎない」そな…かくて「イラクでアメリカのために戦っている人びとの圧倒的多数は、都市部のスラム街や地方の貧しい地域の出身だ」(@チャールズ・ランゲル)って…階級差別のない国だもの(笑)「公共への奉仕が市民の主な仕事ではなくなり、彼らが自分の体ではなく金銭で奉仕するようになると、国家の滅亡は近い」(@ジャン・ジャック・ルソー)だそーだが…

 さて、カントの理性についてもアレですが、ロールズのとこ辺りは実に今っぽい気が(笑)「実力主義の考えに従えば、自由市場は所得と富の公平な分配を実現するが、それには才能を伸ばす機会がすべての人に平等に与えられていることが前提となる。レースの勝者が報酬を得る四角があるのは、全員が同じ地点からスタートしたときだけだ」とな…で、ここでロールズは意義ありとなる訳で「実力主義は道徳的恣意性による有利性をある程度是正するが、正義とまでは呼べないと言う。全員が同じ場所からスタートしたとしても、レースに勝つ者はおよそ見当がつくからだ。それは一番速い走者である。しかし足が速いことは本人だけの手柄ではない。そこには裕福な家庭に生まれることと同じくらいの道徳的偶然性が働いている」とななな…真に平等はともかく、真に平等なゲームなどないって事ですか(笑)

 でまたこれが実に人間的なあまりにも人間的な流れとなって「自分の人生がぱっとしないのは運が悪かっただけだと言われても、彼の苦悩は減らない」とは、まことにしごくごもっとも(笑)神の見えざる手なんて事を本気で信じていた事が自分にもありましたってか(笑)

 アファーマティブ・アクションについての話はこれまた実に米的ですので詳細は本書をドゾ。しかし、これで過去の過ちがチャラになると思っているんだろか?米的には?米的正義ってスゲェ…

 アリストテレスの政治と善良の件りもパネェというか、今で言うと何か牧歌的?だけど、日本人的には第九章のたがいに負うものは何か?-忠誠のジレンマのとこですかねぇ…「日本は、戦争中の残虐行為への謝罪にはもっと及び腰だった。一九三○年代および四○年代に、韓国・朝鮮をはじめとするアジア諸国の何万人もの女性が日本兵によって慰安所に送られ、性的奴隷として虐待された。一九九○年代以降、日本はいわゆる「慰安婦」への公式の謝罪と損害賠償を求める国際的圧力の高まりに直面してきた。一九九○年代には、民間の基金によって被害者への支払がなされ、日本の指導者たちもある程度謝罪を行ってきた。しかし、二○○七年になってから、当時の安倍晋三首相になってから、慰安婦の強制連行の責任は日本軍にはないと強弁した。それに対してアメリカ連邦議会は、慰安婦の奴隷化への日本軍の関与について日本政府が正式に認め、謝罪することを求める決議をした」のとこでしょか…こちら、出典が二つのとこからきているのですが、一つがBarkanなんですけど、も一つがあのニューヨーク・タイムズなんですよ…うわー、さずが70年以上前からぶれない新聞やわぁー…ソースはどことか、ハーバード大教授のリサーチ力ってとか気にしちゃ駄目なんだろなぁ(笑)まさに、アメリカの、正義とは何か?なんですね、分かります(笑)

 とまぁ、楽しい旅だぁ…もとい愉快な正義、楽しい正義でしょか?本書のラストは、それでも米にしては珍しく、こーあるべきだとか、オレが正しいのじゃボケぇとか、真実は一つとかのノリになっていないとこが良かった探しかなぁ?そんな簡単に答えが出せるなら、2000年以上も哲学的命題にはなっていないだろーしなぁ(笑)

 目次参照  目次 文系

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