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2012年9月 1日 (土)

ミズカラキタルナリ?

自来也忍法帖  山田風太郎  文春ネスコ

 忍法帖シリーズを読破の旅、今回は自来也となりまして、舞台は主に伊勢・志摩・伊賀上野?なんでしょか?主に今で言う三重県、藤堂藩のお話となる模様…ご先祖様はあの藤堂高虎…戦国時代を上手く立ち回った人としてはトップレベルじゃね?なイメージですが、ここでの時代はかなり下って徳川家斉のご時世…

 さて、今回の黒幕は一人は中野播磨守清茂、またの名を向島の御隠居、石翁、元旗本の一老人、そして将軍家の寵姫お美代の方の養父…お美代の方には三人の子供がいて、内二人の娘は加賀と芸州に輿入れ済…何にせよ、将軍の第一の寵愛をうけた娘がいるのだから権勢は思いのままでござるというとこらしー(笑)

 で、今一人が、服部蛇丸、伊賀忍者にして、服部郷の首領、これまた許嫁を藩主の御国御前とし、これまた藤堂和泉守の寵姫となり一子竜丸二歳の母でもある綱手様…そしてこの女性も服部郷の娘という事は伊賀者だと…

 事の起こりは、その藤堂和泉守の嫡男が江戸城で怪死したところから、お家断絶騒動に…黒幕二人の思惑はそれぞれに違うから、ひと騒動は当たり前(笑)

 アリス的に、なんでやねん?と言えば、甲賀で御大が読みなさいというからですが、うーん、忍法帖って戦国、江戸、幕末と結構舞台あるって事なのか?今回は主に伊賀忍者がメインでしょーか?それと、伊勢、志摩、伊賀上野というと、ダリ繭か?の舞台と薄らと被るよな?位置的にはそーゆー関係なんですね(笑)

 何とゆーか、本書は日本的なハムレットかなぁ?主人公は、今回の一番の被害者である鞠姫様ですかねぇ?兄が江戸城で怪死してしまった為、本来なら、次男となる竜丸が次期藩主となるはずが、中野老人の横やりで、不本意ながら婿殿がやってくると…それはお美代の方の息子、石翁の孫、家斉の33番目の子供、何せ家斉には54人もの子供がいたというのだから、さぁ大変、どこの藩も押し付けられたらどーしよーの世界だったと…

 そんな訳で鳴り物入りで入り婿やってくるで、次期藩主の予定の鞠姫のお婿さん、徳川石五郎23歳。藩的には大変有り難やーの建て前、本音大変有り難迷惑な祝言となったとさ…しかもこの石五郎青年、喋れない上に痴呆だったと…うーん…

 権勢に物を言わせて孫の幸せしか考えていない石翁老人はともかく、服部の血を入れたい、服部郷の忍びの地位を高めたいと主君の嫡男を謀殺した蛇丸が、全ての始まりと終わりですかねぇ?ただ、予定していた長男死んだら次男に転がり込んでくるはずの椅子が横から入り婿がきて予定狂ってそれを排除する為に本編一冊かかる訳ですから(笑)

 詳細は本書をドゾですかねぇ~今まで、わりと山田作品って悲恋が多い気がしてきたんですが、本書は下ネタ系の道をまっすぐに進んでいっているよーで、その実純愛もの?で、ハピエンかなぁ?蛙の王子様のノリか?はたまた白鳥の湖のノリか?とにかく登場する人物の表と裏というか、どの人の正体が本当なのか?最後まで騙されてくれいの世界か?

 最初から最後まではっきりしているのが鞠姫ですかね?オフィーリアというより美女と野獣みたいなノリのよーな気がするが(笑)そして、本書で一番情けない男としては、彼女の父親たる藤堂和泉守ですかねぇ…家の為には娘を犠牲にするのも武家の習いはともかく、その後、敵に手玉を取られて実の娘を疑う始末…女に溺れた男の行く末か(笑)感覚的には普通のおっさんなんだろーけど、これが一国の主としては、どーよって、ご先祖様が泣いてるぞ(笑)

 でも、まぁ、狂想曲のよーな本書ではありますが、後味は少女マンガのよーで、宜しなんじゃないかなぁ?ただ一つ残念なのは甲賀蟇丸ですかねぇ…実に渋い味のある役どころなんで…個人的にはイチオシだったんだけどなぁ(笑)

 目次参照  目次 フィクション

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