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2012年10月26日 (金)

これはこの辺りに住まいいたすものでござる~

満月のわらい  立川志の輔  ぴあ

 何なんすか?コレ?の世界かなぁ(笑)著者名のとこを見れば一目瞭然、日本人なら誰でも知っている、ガッテンの人(笑)、もとい落語家の真打。で、何がどーして、こーゆータイトルかというと、著者曰く、「満月の會のいわば紙上再現ライブ」だそで、この満月の會って何というと、一年限定、毎月満月の晩に茂山家の狂言と著者の落語の饗宴会という事になるんでしょーか?所謂、一つのエッセイと思うのですけど、これが何とも読んでいるだけでも笑える出来(笑)いやー、狂言って、こんなに笑えるものだったんですねぇ…

 で、何で満月の夜ということになったかというと昔からパワーがあると言われる満月の晩に落語やったらどーだろーという思い付き?と「世の中には、ハイになるためにクスリの力に頼ろうとする困った人もいますが、月の力に頼ってみるなんて、雅びといいますか、ツキが出るといいますか、響きがいいじゃないですか」とな…月に吠えるんではなくて、月の晩にみんなで笑う、と(笑)

 でで、何が面白いって茂山千作ご本人がこれまた凄い…大蔵流狂言方のトップの人間国宝。しかも本書発行時で御年84歳…誰もが言う、「出てきただけで、面白い」…ちなみに初対面の時の息子さんの父親紹介「これが千作です。いま動いてますけど、時々動かなくなります」って…他にも「ぶっちゃけ、台所で食事しているのを見ててもおかしいです」とか「そこに居るだけでおかしいですよね。ですから、楽しいですよ、周りは」とか、「立ってるだけで面白い」とか、極めつけは「狂言出来なくなったら、ここに二十分座らしといても面白いと私は思う」って身内に言われるじーさまって…

 とにかく、このコラボの和気藹々さは異常ではなかろーか?ホスト役の著者も楽しんでいるし、饗宴の狂言師の方々も皆楽しそーなんですよ…まぁ、プロですから舞台の上では演技しているとしても、雰囲気が柔らかいのは分かるよな。さすが、お豆腐狂言ではなかろーか、と(笑)

 アリス的に狂言、どーだろ?ちなみに茂山さん家は京都、御所の近くにお住まいらしー…おお、英都の近くって事ですか?もー文化は京都に残すしかないよーな気がしてきた(笑)アリスの地元の大阪は、もーかんないものは切って捨てようホトトギスのノリになってきたしなぁー…京都市長が狂言好きという一言で何か日本人的にホッとしました(笑)ちなみに京都では市民狂言会がもー150回以上続いているそーで…

 狂言の序列って曲柄だそで…「能の世界でも神さまから始まる「神・男・女・狂・鬼」っていう序列がありますけど、狂言でも、脇狂言というおめでたい狂言から、大名が出てくる大名狂言、太郎冠者が活躍する小名狂言、聟や夫婦が出てくる聟・女狂言、そして鬼とか山伏が出てくる鬼・山伏狂言、お坊さんが出てくる座頭狂言、その他の集狂言、また舞狂言という風にいろいろありますが、最後はわりと荒々しくてダイナミックなもので終わる、という風に曲柄で順番が決まるんですよ」って、狂言も色々あるんだなぁ…

 この能との対比は本当に興味深いです。能の合間に狂言をやるというのが普通らしーんですが、この能がシリアス系で有名人系なら、狂言はお笑い系というか日常系…太郎冠者ってパンピー代表みたいな者ですしねぇ(笑)

 そして、もともと「狂言は式楽と言いまして、江戸時代を通じて武士のたしなみ、基礎教養の一つだったんです。で、狂言師は武士のお抱えだったものですから、先代からきっちりと習ったことをきっちり伝えることに専念していたんです。また、武士と言うのはあんまりげらげらと笑うもんじゃないので、笑わせすぎるような狂言はいけないという伝統があったらしいんです」とな…ちなみに茂山家は御所に出入りする他、井伊家お抱えだったそで…お家が御所の近くというのもお出入りだからとゆー事らしー…歴史は語るってか…

 ただ、東京の方の狂言には式楽的要素がかなり残っている模様…「昔のお城でやっておった伝統的な狂言をそのまま受け継いでやっておられます」そな…それに対してこちらの狂言は「庶民的な、お客さんによくわかっていただくような狂言」だとか…狂言は喜劇と割り切っているとこが凄いよな、ならば笑わせてナンボっていうのも…だって、伝統芸能なんだぜぇーしかも人間国宝なんだぜぇー(笑)

 そして、も一つ凄いのが新作狂言の作家の皆様…平岩弓枝、飯沢匡、小松左京、谷崎潤一郎、小佐田定雄(落語作家)、京極夏彦と出て来る出て来る…

 また、狂言の発祥が室町、安土、桃山時代という事で、下剋上の空気をまとっているのか、パンピーが主役で形成逆転ものが多いそな…そーゆー自由さがいいよねぇ…

 最後に千作先生いわく「狂言というのはストーリーの面白さよりも、やる者の芸の力で笑が生まれるんです。台詞だけ覚えてやっても、上っ面の芸になってしもて、芸に奥行きがなくなるんですわ」に尽きるよな…お豆腐狂言の神髄を見たっでしょか(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

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