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2012年12月17日 (月)

性質は自然である…

ケルト巡り  河合隼雄  日本放送出版協会

 一応NHKの番組派生本らしいのだが、本の構成的にはエッセイに近いかなぁ?ケルトに行って考えたみたいなノリとでもいおーか(笑)著者の立場というか、立ち位置は、文明人のなれの果てみたいだと言ったら著者のファン及び取り巻きの皆様にフルボッコに合いそーだけど、何とゆーか、異邦人かなぁ?西洋の果てでの東洋というより日本人的な雰囲気が、時に融合し、分離しているとでもいおーか(笑)

 近代というべきか、現代というべきか?物質・科学・理性がメインになって、切り捨てられたモノを拾いに行く旅とでも行ったらいいのか?人によっては無くしたモノだったり、忘れたモノだったり、捨てたモノだったり、いらないモノだったりするんだけど、結局振り出しに戻るみたいで、ケルトの民話を中心に、温故知新の旅かなぁ?

 ヨーロッパのキリスト教以前の世界がそこには残っていて、それが何故か日本の感性と被るみたいなとこがキモか?ちなみに本書にも掲載されているんですが、オシンの物語はまるで浦島太郎とそっくりなんですよ…今だったらオリジナル問題で訴訟になりそーな位(笑)

 そーゆー固有の文化が残っているのも、大陸の端っこ同士だからでしょか(笑)「地理と文化の関係は大きい。侵略の及ばないところに従来の文化は残るのだ」となれば、辺境には辺境の生き様があるとゆー事かなぁ?取りあえず、意識と無意識の世界を堪能してくらはいとゆー事で、本書は進んでいく模様(笑)

 アリス的にケルトと言えば、46番目の准教授のプロフィールからなんですが(笑)それにしてもケルト…女性的というか、母性的世界みたいで、あのケルトのぐるぐる渦巻き模様も「母性を象徴する渦巻き模様が、イギリス・アイルランドには多く存在する。これはケルト文明が母性原理に裏打ちされていたことと無縁でないように思われる」なんですねぇ…あの女性嫌いの准教授がケルト…どーゆーきっかけだったのか?そこが不思議だ(笑)

 後は、准教授の研究絡みになるのかなぁ?「これは、きちんと研究すべきだと思うが、犯罪は日本よりアメリカの方がよほど多い。凶悪犯罪など、日本とは比較にならないほどの件数が発生していると思われる。近代科学と合理主義によってアメリカは世界のトップを走っていると多くの人は考えているだろうが、そのひずみに落ち込んでしまった人もまた多いのである」とは、暗黒面ですか?と(笑)本書は、タイトル通りケルトメインなんですが、その話しの端々にナバホ(米原住民)のお話も出てきます。何とゆーか、ケルトとナバホ、全く同じ土俵にいるとは言えないと思うのですが、それでも土着の強みってあるもんだなぁーと納得させられるよな…

 結局、「キリスト教や近代科学だけでは解決できないことがあることを、ヨーロッパ人もわかってきたのです」と現地の魔女は言うと…取材に応じてくれた魔女宅は何となくカウンセラーみたいな感じだが、よろず相談所みたいなノリなのかなぁ?また、別の項では大学教授がドルイドの儀式に参加していたり、どーもキリスト教一本やりじゃない世界を模索している感じかなぁ?

 「近代に入ると、人間が自然を支配し操作して、自分の欲することを実現してゆくという傾向が急激に強くなる。それを極限にまで推し進めていった国がアメリカだろう」というのは、物質的繁栄では確かだろーしなぁ(笑)一神教で、科学万能主義で、理性と個の確立で、マネーイズオールの世界観も万能じゃなかったと…ユングみたいに「ここに移り住んでいる白人は、みな野蛮人だ。みながアメリカン・インディアンと呼んで馬鹿にしている人たちの方がはるかに気高い顔をしている」と渡米して書いているそーだが…モノではなくヒトを研究し続けた人の本音なんだろか…

 本書は、ある種アイルランド紀行みたいなノリなんですけど、ケルト巡りのタイトルは伊達ではなくて、コーンウォールの方にも訪れていらっさいます。それにこの前に著者が訪れたというナバホの話しはよく引き合いに出されてくるし、ドルイドから魔女からレイラインまでケルトの範囲は広いっスよ、奥さん(誰?)の世界が展開しています。大学の先生も幾つか出てきますし…詳細は本書をドゾ、かなぁ?

 で、最後に本書の行き着く先というか、著者の行き着く先は、アイルランドでも、イギリスでも、アメリカでもなくて、日本及び日本人の行く末のよーな?西洋思考にも染まりきらず、かといって東洋思考や古き日本を置き去りにしてきた日本人のこれからはどーなる?みたいな?感性の違いって、やはり大きいという事かなぁ?

 日本人なら分かる、話さなくても分かる感覚…空気読めも入るかもしれませんが(笑)「ヨーロッパやアメリカでパリバリっと生きている人と違い、日本人は心が少し無意識の方に広がっているところがある。だから、海外で見知らぬ日本人同士が顔を合わせたとき、初対面であっても、どこか気が合うような感覚を抱いたり、酒でも飲めば、すっかりうち解けたりする」というのは、説明されるまでもなく日本人なら誰しも、ああと納得の一言のよーな(笑)

 言語化に血道を上げている欧米人達と違って、非言語化が日常に普通にある日本人…この部分がケルトにもあるとな…言外というか、行間をいうか、それを読めて初めて一人前な気がするが、欧米的には曖昧で嘘つきで原始的なんだろなぁ…何でも、くっきりすっぱり言語に出来る、意識化出来ると信じているのは、ある種生き方楽なんだろか?はともかく「近代西洋が生み出した自然科学だけでは、もはやダメなのである。それを超える世界観、人生観を持っていないと、人は幸せになれない」は、けだし名言でしょーか…最終的に本書は21世紀の幸福についてなんだろか?

 最後に、本書で一番ハーヘーホーを思わされたとこは、「ケルト神話の面白さは、「世界の始まり」が記されていないところにある」のとこでしょかねぇ?やたら起源を叫ぶより、余程潔いと思えるんですが?いや、ケルト文化大人だよなぁ(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

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