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2013年1月 9日 (水)

清らかに、淡く、美しく?

酒と肴と旅の空  池波正太郎・編  光文社

 どゆ本というと、飲み食いの本でしょーか?作家によるエッセイ集だと思うんですけど、これが各作家によって視点が違うのがミソという事かなぁ?ほぼ殿方のエッセイ多しなんで、タイトル通りご飯といっても酒と肴がメインかなぁ?間違ってもデザートというか、スイーツの話しはほぼない(笑)

 それにしても男の人の旅の情景って、趣味に走っていないとなれば、後は酒飲んでいるか?煙草吸っているか?の描写多しの気がしないでもないんだけど?気のせい?まぁ本書は食もテーマも一つだから、特にそーなのかもしれないけど?

 編者によると、昔の食は家に人を招いての宴が多かった模様…だけど、最近はそういう風習はなくなってきて家庭料理が落ちたとゆー事らしい…「むかしの家庭料理よりも貧弱な料理を出し、客から金がとれるような世の中になってしまったのかも知れない」って…外食産業も今一という事なのか(笑)

 そういう点で一番ついているのはまっとうなお店に行くには味が分からないと意味ないよと言い切っているとこかなぁ?「インスタント・ラーメンになじんでいる人がわざわざそういう店に出かける必要もあるまいと思う。インスタント・ラーメンから昔風の味へは何段階かの階梯があって、その階梯を消化して初めて昔風の味が解るわけで、その何段階かを飛ばして、いきなり本物に飛びついても、うまくとも何ともないだろうにと思うのだが」(@高橋)は名言なんでしょーか(笑)

 個人的には、本書を読んで何故か無性に穴子が食べたい、と思ってしまった(笑)穴子と言えば、江戸前、大森蒲田羽田沖の気分でいたら…西は赤穂だったのか?済みません、赤穂って赤穂浪士とお塩と塩釜饅頭位しか知りませんでした…そんなに穴子の名産地だったとは…夜に宴会で穴子の白焼きはともかく、朝から穴子って…で再び夜に穴子丼…「赤穂の市内は、どこへ行っても穴子を焼く匂いがしていた」(@山口)って、ドンダケェー(笑)何かこれだけ穴子攻めって凄いよなぁでインパクト大というか、頭に残ってしまったりして(笑)

 アリス的には、アリスもオオサカンなんで食にはうるさい気が(笑)もっとも、日本の文章は「文学で、ちょっと食うのをあつかわなさすぎるんじゃないか、日本の作家は」(@開高)に「もう少し書いてもいいね。書いた人というと谷崎さんくらいか」(@阿川)だそーな?作家は色と食を書けて一人前と言うわりには、そんな事ないのか?

 後アリス的なとこでは、乱鴉じゃないけど少年の冒険で「その現場をたしかめようではないかと、四、五人が東京の地図をひろげて相談したときの胸のときめきは、いまも忘れない」(@池波)とかは、小学生の男の子の生態なんていつの時代も似ているのか?とか(笑)海奈良じゃないけど、東大寺のお水取りの話しがチラって出ているとことか、相国寺の瑞春院は「梅庭といえるほど品種もそろっていた」(@水上)とか…それにしても自分ちお寺の梅の実で梅干し漬けていたんですねぇ…

 大阪の話しがチラホラ出ているとこかなぁ?たこ梅というおでん屋が文学座の前にあったとか?料理は上方にはかなわないとか、でも大阪寿司は東の人間には甘く感じられるみたいとか…京都のどじょう料理は今一みたいなんだけど、やはりハモは違うみたいで、魚屋さんでも普通に販売しているとか、最も最近の錦市場はよそものが増えて地元買い物民は減っている模様…

 関東大震災前までお弁当屋さんに「ネコ弁」があったとか…鰹節と醤油と山葵で食べるみたいなので、どーも今でいう海苔弁に近いのかなぁ?昔から日本人ってこのご飯に味付けみたいなのが好きだよなぁ(笑)他に家庭の思い出のカレーの話しなんかも出てくるけど、この辺りのノスタルジーは書いてる本人と同世代じゃないとアレな気もしないでもないけど(笑)

 面白いと思ったのは西アフリカのサバンナにあるスンパラ(もしくはカールゴ)、日本でいうとこの「味噌のようなものだ」(@川田)そーで…塩気はないみたいなんですけど、豆があれば味噌っぽいものはどこでも出来るって事なのかなぁ?

 凄いと思ったのは豪のシドニーのタスマン海の岬、これまた全然知らなかったけど「心中や投身自殺で有名」(@壇)なんだとか…自殺の名所って世界各国にもあったんだなぁと変なとこで納得させられました…豪つながりであれですが、昔のカンタス航空の機内食にはカンガルーのスープが出た模様…今もあるのかなぁ?どこぞの何だか的にオケなのか?

 最後に海外的なお話のとこで、本書も色々出て来るのですが、開高、阿川両氏の意見が一致しているとこで、英と独の料理のまずさについて語っているとこでしょーか(笑)英料理について「それがどうしてああいうふうにまずくできるのかと思うほどまずい。あれ、どうやると、ああいうふうにまずく料理できるんだろう」(@阿川)に「ドイツ料理というのは、もう、ほとんど原罪的にまずいんだな」(@開高)と何かフォローのしよーもないよーな…で更についで「ロシアもいい勝負だぜ」(@開高)とあるのは…ヨーロッパ、ラテンじゃないと飯マズ国になるしかないのかと、ふと思ってしまったり(笑)

 他にも、面白エッセイ満載ですので、詳細は本書をドゾ。

 執筆者は、田中小実昌、吉田健一、安岡章太郎、太田愛人、池波正太郎、獅子文六、高橋義孝、金子信雄、立原正秋、大村しげ、山口瞳、丸谷才一、江國滋、宇能鴻一郎、山崎正和、邱永漢、川田順造、壇一雄、小島政二郎、團伊玖磨、吉行淳之介、水上勉、向田邦子、北杜夫、海溝健、阿川弘之

 目次参照  目次 食物

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