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2013年2月17日 (日)

透徹した文体を愛した人…

ローマ人の物語 9 ユリウス・カエサル ルビコン以前 中  塩野七生  新潮社

 前巻の続きなのだが、それまでがカエサル、ローマ編だったとすると、これからはカエサル地方編になるのだろーか?まずは紀元前61-60年にかけて一年程、遠スペイン属州総督、そして紀元前60年にローマに戻ると世界史でも出てきたあの三頭政治が動き出す事になると…

 かくしてポンペイウスとクラッススとカエサルが裏でつるむ事になると(笑)この辺りはまさに世界史の教科書の流れ通りですので、詳細は本書をドゾ。見事にカエサル達にしてやられる元老院の皆様には(キケロも含む/笑)言葉もない感じかなぁ?

 カエサルの才能が頭抜けていたのは間違いないしても、元老院がまともであったのなら、カエサルが独自路線に進む事もなかったのではないかなぁと一縷の望みをかける事もありかもと…結局、能力のない、しかも既得権益だけはある人達の群れって、ゴミより拙い癌にしかならないという事なんだなぁと…それは2000年以上たっても同じか(笑)

 かくして、ローマ市民を味方につけて紀元前58-51年まで、カエサルは属州統治へと向かうのであった、世に言うガリア戦役でございます。

 アリス的に、ローマ…というより今回というか、ここのところずっとカエサルな気がしないでもないが、上巻がカエサル胎動期とするなら、本書はカエサルいっきまぁーすっの怒涛の展開…40歳以降と以前ではというか、アラフォーになってからのカエサルは一味違うぜっと(笑)今まで、ためにためていた勢いを一挙に噴出した感が(笑)まずは、権力に対してノーと言えるカエサル、しかも実行しちゃうもんねぇという(笑)

 ポンペイウスは政治家ではなかったにしても、カエサルは軍事だけでなく政治も、経済も出来る人だったとこがやはり天才だったんだろなぁと…その手腕についての詳細は本書をドゾ。カエサルの政治家としてローマ市民を味方にしたのは大きいと思いますが、公共事業もどきを自費でしたりね、ある意味人気取りの為に姑息な事もしてますが、何よりカエサルの偉いとこは税制改革をきちんとしているとこかなぁ?しかも、庶民には減税に近く、しかも税の透明性をはっきりさせたとこ…これを属州だろーが、ローマだろーが(グラックス兄弟の悲願の農地法とか)決めちゃうんですよっ。

 税金問題はどこの国も頭が痛い問題だと思うけど、払う方に疑惑を抱かせては反乱しか起きないんですよねぇ…払う側に不公平感を抱かせたたらお終いなんですよ…しかも、カエサルの凄いとこは私利私欲に走らないとこですかねぇ…とはいえガリア権益は手にしていた模様ですけど(笑)取りあえず、ゼロからっぽいスタートを切ると…

 ガリアに到着してからのカエサルは春夏は軍総司令官で戦争につぐ戦争、秋冬は統治者というか、管理者としての政治と外交と経済ですか…派手さでは戦いに目がいきがちですけど、冬のカエサルが一番こあい気がするのは気のせい?かくしてライン川は渡っちゃうわ、ドーバー越えるわ、西はスロベニアとかクロアチア辺りからライン川からの西側のヨーロッパ全域(イベリア半島とスカンジナヴィア半島を除く)辺りを支配下におくとな…

 本書は紀元前54年が過ぎていくとこまでですが、カエサル40代のこの期間に軍と経済力をつけてしまうんですねぇ…まぁ戦記ものとしては、カエサル自身が書いたというガリア戦記を読めという事に尽きるみたいですが…何とゆーか、マルチな人だったんだなぁとーその才能に嫉妬という領域はとうの昔に過ぎていくよな…剣も筆も弁も立つって、どーよ(笑)

 まぁ、とにかく実務的にも凄いなぁと思うのは、軍を動かすにあたってロジスティクスがしっかりしているとこでしょかねぇ…兵站を忘れる事なかれというか、かのソクラテスの科白じゃないけど、物量あっての従軍なんですよ、奥さん(誰?)それと、これまた政治家としては当たり前だろーけど人を見る目が確か過ぎるとこかなぁ?それはガリアの地でも発揮されて「ガリア人とは噂の奴隷であり、しかもそれも、自分たちが望ましいと思う色をつけた形で信じてしまう」と下しているんですね、腹の内に秘めてガリアの地を駆け巡っている訳ですから…そして紀元前54-53年の冬のガリアの蜂起の後始末はどーなるのか?次巻を待てってか(笑)

 目次参照  目次 文系

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