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2013年2月 7日 (木)

不思議な回路?

帝国以後と日本の選択  エマニュエル・トッド  藤原書店

 何とゆーか、トッド先生を囲んでといった雰囲気か?トッド氏の複数のインタビュー記事ありの、帝国以後の書評ありの、日本講演ありのetc.と盛りだくさんな内容(笑)トッド先生オマージュ本的かもなぁ?帝国以後は個人的には実に仏目線だと思っていたんだが、この反ではなく脱米観というのが、日頃米につきあっていてうんざりしている日本のおじさん達には好評だった模様(笑)まぁ目の上のたんこぶというか、上から押さえつけられている訳だし、殿方的思考からすれば思うところはあるよねぇ…そこに、もう米は超大国ではない、弱体化するのみ、世界的に脱米をと言われればヤタァーっとなると(笑)

 本書でもやはり米観は揺るぎないと見えて「ヨーロッパ人にとってアメリカ合衆国とは、あらゆるものにおいて質が劣った国なのです」とか、「もはやアメリカを必要としないのです」とか、技術系、科学系においても「アメリカ人を「打ち負かす」ことができます」とか、殆ど旅行する事がない米人、多分国外へという意味だろーけど、とは自己中心的、尊大、ネオコンサヴァテイズム、超過激共和党支持、ダーウィン説の排斥等の感覚があると…で、エリート層の米人は帝国としての米の中にいると…幻影かもしれないけど(笑)

 米に対するそれも痛烈ですが、米から見た仏及び欧州についての記述も「アメリカ人のヨーロッパ嫌い」「反欧主義、ないしは新たなヨーロッパ嫌いなのです。かつてはヨーロッパに対するアメリカ人の態度は、一種上から優しい眼差しで見下ろすといったものでした」と…仏の米嫌いはよく言われるけど、その逆もまた真なりだったのか?何とゆーか、欧米関係も半端ねぇ…

 その他、米の市場主義、イデオロギー万歳、更に宗教の根深さについては「今の時代、非常に工業化された国々での宗教への逃避、宗教性への逃避は、現実からの逃避のひとつの形態なのです」となって、米が現実主義から乖離しているんじゃないの?と…対イラク戦についても「現在、現地で見境なく人を殺しているのはアメリカ軍だということは実に明らかです」とまで言い切っていらっさいます…ちなみに「アメリカ軍の大きな弱点は伝統的な陸上戦の無能にあります」とな…

 と、これはもー反米も反米じゃないかなぁーと思うんですが、「実のところ私は、アメリカをとても愛しています」とまさかの告白きたぁーっ!「私はロシア文化よりはずっとアングロ・サクソン文化のほうに親近感をいだいています」とな…さすが愛の国の仏…愛はクリスタルの輝きなんですねぇ…屈折率については何も言うまい(笑)

 アリス的に、米、ヨーロッパ、ロシア、イラクにアフガン…うーん、英となればウルフ先生だけど、後はヴェロニカさん達がスウェーデンか…ただ、ヨーロッパと一括りにした時に北欧の話しはあまり出てこない事が多いよな?

 英については言いたい事がたくさんあると見た(笑)英が米に追随している事は欧州でも含みがありそー…ユーロ圏に属してなくてもヨーロッパには属していると、でもアングロ・サクソンだから米に親近感抱いているよねと理解を示していらっさると(笑)「イギリスが置かれた状況はきわめて複雑で、理解と寛容をもって見守ってやらねばなりません」とは、さすが仏人、上から目線乙な世界炸裂(笑)ちなみにトッド氏は「大のイギリス好き」なんだそー…米の時にも思ったけど、トッド先生の愛はとてつもないなぁー(笑)凡人には理解できない領域のよな?

 とにかく、英は米よりだけど、米の「新しい暴力性と不安定性、そして傲慢」に愛想つかして「ヨーロッパに回帰」するだろうとな…「彼ら自身がヨーロッパの価値共同体に属していることに気付くでしょう」とな…昔ドゴールだったか、ドーバー海峡は大西洋より広いみたいな事口にしていたよーな気がするが?グレートブリテン島は漂流してたのか(笑)はともかく、英の伝統が米との同盟にあると指摘しながらも、「ブレアがイギリスに提案した合衆国との同盟はきわめて強い階層的原理に基づいたものでした」とは、大英帝国の看板が泣くのではないだろか?

 他国の事で仏人だなぁと思わされたのがロシア観でしょかねぇ…「ロシアはもはや危険ではありません」とか、「フランス人とロシア人のあいだにある問題は、比較的少ないのです」とか、プーチンに対してのコメントが「理性的で現実主義な人物だと私には見えます」だそで、「ベルルスコーニとプーチンの間にはすばらしい関係があります。イタリアはイタリアなりにヨーロッパとロシアの接近に一役買っているのです」とは知りませんでした…どのよーな間柄なのか?非常に気になるけど知りたくないよーな…

 他にも「ハンガリーやチェコは親アメリカ的ではありませんが、ポーランドは親アメリカ的です。ポーランドの立場はばかげていると思います」とはとはとは…ポーランドの立ち位置は…まぁ昔から仏は露よりだからなぁ…隣に露とか、国境を接している当事国の気持は分からないとゆー事でしょか?この辺り同じく国境接しているフィンランドやトルコの意見とか、ついでに元ユーゴの方々はどないなもんなんでしょねぇ?

 ちなみに「ヨーロッパ人にとって、平和という考え方、交渉による紛争の解決という考え方はすばらしい武器なのです」とな…自画自賛も何かここまで言い切って下さると、いっそ天晴れな気がしないでもないが(笑)そーゆー仏は、イラクは一抜けたけど、アフガンには派遣していると、ついでにリビアどーでしょーとか(笑)アルジェリアも?

 もー突っ込みどころ満載で著者のとこだけどもお腹いっぱいな気がしないでもないですが、解説というか、座談というか、エッセイというか、の他の日本人の皆様のご意見もパネェので詳細は本書をドゾ。一例をあげると、帝国以後では米をローマ帝国になぞらえているとゆー話しで「欧州および日本という「属領」からの貢納が、アメリカという本国を経済的に支える。アメリカが持っているのはローマ軍団、つまり軍隊である。それもアフガンやイラクのような弱小国に対する力にしかならない。だからはアメリカの戦争は「演劇的」なのである」(@養老)と要約されているとこでしょか?日本のメディアがこーゆー報道をしないのは何故かとね(笑)

 最後にアリス的なとことして、准教授の仕事にちょっと被るんじゃなかろーか?とゆーとこで「この本に書いてあることがすべて本当だなどとは、夢にも思っていない。しかし、こういうふうに考える「べき」なのである。仮説が間違っていれば、訂正すればいい。いまの日本の学界に欠けているのは、この種の思い切った仮説である。右も左も配慮して、穏当な意見を吐くのが学者の仕事だと私は思わない。それでは事実は現状の通りですといっているだけだからである」(@養老)は准教授のフィールドワークと重なるんじゃなかろーか?無難である事が最優先の国だからなぁ…人の顔色を見てものを言えの世界だし、そこに想像性とか、オリジナリティとか言われてもまさにちゃんちゃらちゃんちゃらちゃんちゃらおかぴーなんだろなぁ…

 他にもたくさん凄いエピ満載ですので、詳細は本書をドゾ。個人的に一番印象に残ったのは、シカゴのスラムにインドのNGOをやってきて給食活動をしていらっさる件でしょか…それよりも「もしアメリカとの間で経済摩擦あるいは通商摩擦、貿易戦争が起こってもフランスはだいじょうぶです。ユーロで守られています」(@トッド)の方かなぁ?今でもトッド先生はユーロは永遠に、もとい当面は不滅ですと思っていらっさるんだろーか?まぁ先生によると「フランスははっきり言いますが核抑止力を持っている」(@トッド)そーだし…

 執筆者は、養老孟司、井尻千男、西部邁、佐伯啓恵、三木亘、武者小路公秀、濱下武忠、池澤夏樹、高成田享、飯塚正人、榊原英資、小倉和夫、中馬清福、伊勢崎賢治

 目次参照  目次 文系

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