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2013年3月 4日 (月)

日暮れて夕波小波?

異国へ嫁した姫君たち  マイケル・ケント公妃・マリー・クリスチーヌ  時事通信社

 サブタイトルがヨーロッパ王室裏面史でして、18-9世紀の花嫁事情でしょーか?時代というか、まぁ王家にありがちな政略結婚の果てですかねぇ?かくして、自国の誰かというより、他国への外交手段となっていく訳で、ある意味お姫様奮戦記の気がしないでもないけど?本書に出て来るお姫様は、エカテリーナ女帝、マリー・アントワネット、マリア・カロリーナ、レオポルディナ、ウジェニー、ヴィッキー、アレクサンドラ、ミニーといったラインナップ、この顔ぶれで分かる人には一発で分かるお話なのか(笑)

 さて、読後の一番最初の感想は、狩猟が趣味の人とは結婚しない方がいいという事ですかね(笑)鳥とか獣を追っかけている分には動物愛護的にどーよというのはあるかもですけど、むしろ女追っかけているのが多いって、どーよじゃ済まないよな…たいていのお姫様達は夫の浮気に苦渋する羽目になると…

 後は、本書の特徴の一つが著者も言っているよーに歴史的、政治的な事よりお姫様個人について言及しているとこでしょーか?それも日常のそれみたいな?生活第一のノリですかねぇ?著者は名前を見るまでもなく超セレブなのですが、文章は平易で分かり易いお話が続いているよな、まぁ時々「もし、ロンドンに社交期がなく、したがって大舞踏会が催されないとしたら、服を作ったり、装飾品、宝飾品を作る工芸職人や、調理関係の人々の間には失業者も出てくるだろう。また、金持ちの紳士階級の人々が領地からロンドンに出て来て金を使うこともなくなるだろうし、外国からの訪問客も減るだろう。こうした心配が、アレクサンドラがイギリスに来たことで解消したのだ。イギリスは繁栄と威信の度をますます強めて行った」とゆーセレブ視点乙なエピもありますが(笑)

 アリス的に、お姫様…に憧れる世代ってマキちゃん位か?将来の夢はお嫁さんと屈託なく言えるのも幼稚園前までだよなぁ?どだろ?まぁ読んでいてしみじみしてしまうのは、そして王子様とお姫様は幸せに暮らしましたとさ、というのがいかにファンタジーかという事が痛切に分かる話のオンパレードだろか?私的なとこでは王子様が嫁に興味が全くないか、浮気が趣味というかの日常が多々で、嫁いだ先に尽力を尽くしてもエカテリーナのよーに絶対権力を掌握しないと最後には追い出されるならともかく、マリー・アントワネットを見るまでもなくギロチンへゴー…これは当時の王侯達にもよく分かっていたと見えて、ナポレオン三世のお嫁さん探し…第二帝政を築くにあたって嫁さんの実家、嫁さんの血筋が高い方が箔が付くからええじゃないかと各国に打診したけど、仏王室の王妃達の悲劇を見てきた王家達は皆首を縦に振らないんですね…かくして、ウジェニーと結婚したと…

 後、これまた今更の話しですけど、当時の欧州では物凄く外人嫌いが普通だったのだなぁと…政略結婚というのは「国の政策が変わると、人質である外国人の王妃に対する国民の感情も変わりました」って言うのは…「オーストリアの雌犬」とか、「スペイン女」とか、「イギリス女」とか…いざとなると罵り合いの歴史って…欧州の伝統って本当に凄いなぁ(笑)

 他には各国事情が分かって何だかなぁとゆーのもあっておべんきょになります。例えば露の場合は「噂話や陰口、賭けごと、不倫、あらゆるぜいたく-それらが、うわべだけは敬虔そうにとりつくろわれて、堂々とこの国の社交界をまかり通っていた」とか、「この宮廷は、「知的な会話がなく、…(しかも)謀りごとに通じる者こそ賢い人であると単純に思い違いをするようなところだった。科学とか芸術などが話題にのぼることはまったくなかったろう。そのような学問にはみな無知だったからだ。賭けてもよいが、宮廷の人たちの半分は字が読めなかった。さらに、字の書ける人が三分の一以上いると言われたら、私は驚いただろう」」とか、「彼女は、ロシア人というのは、「心の底ではどうしても外国人を好きになれず」、そして「その弱み、欠点、異質な部分」をいち早く見抜く人種だと知った」とか…いやまぁ四面楚歌的な状況乙でしょか?

 ちなみにエカテリーナ的エピで圧巻なのは世継ぎを産んだエピですか?「子供はすぐさま彼女のもとから連れ去られた。難産のあとのベットに、エカテリーナはまったく一人ぼっちで取り残された。世話をする者などなく、シーツを替える者すらおらず、子供が生まれたという大騒ぎの中で、彼女は完全に忘れ去られた」とな…皇太子妃なんて、そんなの関係ねぇー(死語?)ってか(笑)まぁ、そんな事情の中で暮らしたせーでしょーか、後に「女帝はヨーロッパの哲学者たちを熱心に後援するばかりで、ロシアの才能ある人物には目もくれなかった」って…昔から露という国はパネェんですねぇ…

 では、仏はどーだったかというと、マリーアントワネットの頃は旧態以前というか、既得権益をいかに守るかが回りの皆様の関心第一だった模様…「ヴェルサイユというのは、廷臣の地位によってその寝室用便器の形が丸いか楕円形であるかを決めたりするところだった」とな…アントワネットの日常についての詳細は本書をドゾですが、かのお菓子がないならパンを食べればいいじゃないのエピについては興味深い記述が「実際には、フランスの法律を知っての上での発言だったのだ。もしパン屋がパンがなくなった場合は、パンより値段の高いブリオッシュや「お菓子」を同じ値段で売らなければならない、という決まりがあった。彼女は単にパン屋にそれを促したにすぎない」とな…成程仏の法律ってか?しかし、それ本当に施行されたんだろか?と疑問にも思うが?

 時代が下ってウジェニーの頃も仏は仏で、「フランス人は、堅苦しくて不自然な行儀作法しか理解しなかった。そして自分たちの習慣、作法以外のものは、すべて、道徳に反するものと考えていたのである」でまぁ、自国の人以外は皆おかしな人、変わった人というレッテルなんですね、そーですか(笑)

 そしてナポリという国…どーも日本人的には伊って一つの国として見がちだけど、伊統一って歴史的にはつい最近な話しだったんですよねぇ…墺からお嫁に行ったマリア・カロリーナ(マリー・アントワネットの姉)は風光明媚なナポリに嫁いだとな…そしてそこは景色はいいけど、どーするよそれな世界だったと…「彼女は国民の間では長い間人気を保ったが、スペイン側につく人間には嫌われた」とな、にも関わらず最後にはウィーンに戻される訳で…当時の国際情勢を見るとまさに政治のコマ扱いそのものなんですよねぇ…

 それにしてもハプスブルクのお姫様達は波乱の人生が確約されているのか、フランツ二世の娘、レオポルディナもポルトガルにお嫁に行ったはずなのに、何故かブラジル皇后という事になるし…隣に大国西を持つという事は葡的生き残り戦術も厳しいものが…詳細は本書をドゾですが、本書的には一番真っ当というか普通の感覚のお嬢さんだったよーな気がするが、それだけに早死にしたって感じだよなぁ…

 英王室って独系だから独とそれなりに親密なのかと思っていたら、世の中そんなに甘くないってか?ヴィクトリア女王の長女ヴィッキーはプロシアへ嫁に行くのは政治的なモノはともかく、文化的に物凄い格差があったと見ていいんでしょーか?何せ嫁ぎ先に行って「ヴィッキーの指には、しもやけができた」って…英もそれなりに寒いはずだけど、独の寒さはそんなの尋常じゃねぇーというレベルだった模様…しかも、建物、室内設備共前時代的だったよーで…生活環境を下げるという事は、それこそ普通耐えられる事じゃないのは、経済学でいうバターとマーガリンの関係説を引き合いに出すまでもないよーな(笑)

 で、夫たるフリッツは「ヴィッキーの苦情も、むしろ諦め気味に聞き流していた」とな…環境変化に対してはどちらかというと女性より男性の方が耐性ないよーな気がしていたんだけど、あまりそーゆー配慮はない模様…いやー海外に出かけていくのにウォシュレット一つでもあるなしで一番騒ぐのって男の人の方が多いよーな気がするのは気のせい(笑)

 まぁヴィッキーに言わせると100年前の生活のよーだったらしーし…風呂なし、敷物なし、書き物机もなし、ベットも使用に耐えるものじゃなし…寒い国ならせめて絨毯系は発達してそーなものだと思うけど、そんなの関係ねぇー(死語?)だったんだろか?

 生活環境の旧態依然にもそーりゃたまげたびっくらこいたぁーな世界だったけど、さすがビスマルクの国「各公子たちのそれぞれの家臣の中に、「スパイのような役割をする人間を抱えていて、ほかの公子、公女たちの言動をさぐらせ、さらにその結果を噂として町に流す」」のが日常とな…ちなみに「王女は、あまりにお若くて、この世界では経験が浅いのです。ベルリンは、嫉妬とそねみ、陰謀と不正行為の温床のようなところなのです」(フェオドラ・ホーエンローエ=ランゲンベルク公女談)だそな…道長もびっくらな世界なのか(笑)

 当時の独はこれまた朱子学のお友達だったのか「社会的にも政治的にも非常に遅れていたので、女子教育は不必要である、女は家事をする以外に役割を持っていない、というのが一般の意見だった」とな…これをヴィッキーが言うと「女が、単に高級召使いの地位しか与えられていないような国は、発展しないにきまっています。男は自分勝手だから、無知な女ならば簡単に踏みつけにできるという浅はかな考えを持っているのです」となる模様…かくて古い因習と戦う王女様ってか(笑)

 本書的に比較的幸せだったお姫様は丁からお嫁にきたアレクサンドラでしょかねぇ?夫には浮気されまくったけど、最後まで嫁ぎ先でその地位にいられて死ねた人ですから…露に嫁いだ妹のミニーは家族的な旦那運的には上だったかもしれないけど、結局ロシア革命で丁に逃げ帰る羽目になって晩年は英から生活費を送る事にもなる訳だし…

 まぁ何にせよ、この当時の医療、福祉関係にどのお姫様も大なり小なり改革改善に努めていらっさいます。時代はナイチンゲールってか?それにしても公共機関の充実っていうのをないがしろに国って運営していけるものなのか?便器の形や、侍女の順位なんかより大切なものがあると思うのはこれまた気のせい?

 何とゆーか、どのお姫様もドラマドラマ、またドラマな数奇な人生を歩んでいらっさいますので詳細は本書をドゾなんですが、個人的に面白エピを一つ上げるとしたら、酪農ですかねぇ…「ヴィッキーはまた、城内の小さな酪農農場で使うミルク鍋をいくつか送るよう、オスボーン主任庭師に電信で頼んでいる。ドイツのミルクとバターは、とても食べられたものではなかったので、作り方を改善しようと考えたのだ」とな…英人に不味いと言われる独の食材って…ちなみにアレクサンドラも酪農場を造って、「デンマーク式のバターの作り方を紹介したのである」とな…独的には地続きで、丁も仏も瑞だってあるのにミルクとかバターの作り方を改善するとか、技術を導入するとかいう発想はなかったんだろーか?

 何か、まぁ乳製品一つとっても、ヨーロッパなんですよ、奥さん(誰?)な世界が展開しております、かくして輿入れのお姫様の御付きは多い方がいいのだろーか(笑)

 目次参照  目次 国外

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