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2013年3月 3日 (日)

将来の夢はお嫁さん(笑)

かぐや姫の結婚  繁田信一  PHP研究所

 サブタイトルが、日記が語る平安姫君の縁談事情なんですが、何だかなぁ(笑)ここで取り上げられているのは、フィクションのかぐや姫ではなくて、当時かぐや姫と噂されていた藤原千古の生涯といった感じだろーか?肝心の結婚話よりもその生い立ちやら、父親やら、貴族社会やらの前振りが長くで、結局結婚しましたと出でくるのは本書の末尾に近いよな、で、しかも結婚したよ、やれやれと思ったらその数年後?には離婚していて、多分死んでるって、何事?結婚生活期間のとこは皆無に近いと…著者的に書きたかったのは、平安のおじさんこの場合は父親の藤原実資の人生だったのかなぁと疑ってしまうほど(笑)

 というのもこちらのメインとなっている資料が小右記で、これその藤原実資の日記なんですよ…まぁ本書は娘中心にチョイスしているから、父バカ日記みたいな娘溺愛して育ててますみたいなノリなんだが、これでも京都の名門貴族、右大臣にまで上り詰めた殿上人なんである…

 舞台は京都、時代はというとちょうど藤原道長の権勢が絶頂だった頃ですか?かの、この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へばって、道長の和歌だったんですねぇ…いえ何か平清盛とごっちゃになってました…

 そんな中で50歳過ぎてからの娘誕生ですから、おいらくの恋ならぬ溺愛の日々…まぁ親バカなとこはともかく、家格からいったらその娘は后がね候補に十分なりえる高貴なお姫様となるんですが、勿論、道長の天下ですから、道長一門の姫でないと入内できる訳がないと…ちなみにこの実資は反道長派らしかったので、幾ら望んでも後宮は無理、じゃ、婿とりゃえーやんけ、となるけど高貴な娘に釣り合う殿方というのが、これまた道長一門に独占されている状態だから、かぐや姫と言われるお姫様でも妥当な婿が見当たりませーんという状況が…

 アリス的にかぐや姫…まぁあまり関係ないか(笑)舞台が京都という事で、その点が少し掠る位かなぁ?お姫さまというのは女の子の夢だから、京女で朝井さんの出番か(笑)女子大生代表で貴島さんにでも登場していただくとか?

 さて、これだけ好条件のまさにお姫様中のお姫様でも、当時の京都、貴族社会では結婚はかなり厳しかった模様…この今かぐや姫、千古姫も三回目の結婚話でよーやく決まるという程、一度目は源師房、藤原道長の孫にあたる貴公子、千古が13歳の時の話というからアレですけど、実資はあまりいい顔をしなかった模様…何せ道長一門だしね…で返事を保留して、とうの師房は同じ道長一門の娘と結婚してしまうと…

 まぁ、まだ裳着前だしと余裕ぶっこいていた父、実資だけど、二回目の結婚話は藤原長家、こちらは道長の妾腹の末息子…ちなみにバツ2の21歳、一応貴公子…でこれが千古15歳から17歳にかけて考え中を継続した上でなかった事に…今回は実資のせーではなくて、長家の死別した前妻の実家、藤原斉信(一門)の横やりらしー…道長の縁切られまじという事らしー…再婚するならうちの身内でと…ダメでも道長派でという事か?

 で、都の人もうらやむかぐや姫も適齢過ぎていくで、父あせるけど、適当な相手がいない…すったもんだの末、三度目の正直で19歳にて藤原兼頼…藤原頼宗の息子、頼宗は道長の三男だからこれまた一応は貴公子か?でも前の二人に比べると大分落ちるみたいだが(笑)

 でで、めでたく結婚、二人はいつまでも幸せに暮らしました…ではなくて、この結末は何ともアレだけど、兼頼は数年もたたない内に実家に戻っているんですね…どーも、結婚して数年後に娘が生まれるんですが、それのせーか?どーかはともかく千古が死亡…そしたら子供(娘)残してさっさと実家に戻るんですよ、婿状態より気楽なやもめ暮らしの方がええって、女も手当り次第だしとゆー事か(笑)

 ところが、実資家の財産は千古に全財産が行く事になっていて、それが死亡した今、千古の娘に行く事が分かった途端、何と嫁の実家に舞い戻って暮らし始めるんですよ…後は、実資が死ぬのを待つばかり…で実資がなくなったら、娘が相続した財産を殆ど横領するという体たらく…それが親のする事か?ちなみに都でも噂になったらしーが、天下は道長一門にありですからねぇ…罰する人なんていないと…

 こーしてみると、今かぐや姫と詠われてもあまり幸せとは言えないよな…でも、まだ、千古は名門の姫として人生を全うできたけど、他の高貴な姫たちはもっと過酷だった模様…宮腹や父親が大臣職であったとしても、後見がないと道長一門の姫のところに女房務めしないといけない事になってしまったらしー…勿論、これイジメ、辱めでございますよ…断れないよーにして道長の姫たちは権力見せつけてこき使うと…で同じ女房職についている同僚達、普通は中級、下級貴族の娘達、は零落した高貴な姫たちをそれ見た事かとこれまたなぶりものにしていた模様…女ってこえぇー…

 何か、平安のお姫さま暮らしも楽じゃないとゆー事か?父親が権力者か、長生きしてくれないとエライ事になっていた模様だし…こーしてみると、そして二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ、というおとぎ話は本当におとぎ話にしか過ぎないんですねぇ…時代的には紫式部や清少納言の一世代後…いやぁ、平安も半端ねぇという事で…宮廷社会ってどこも顔は笑って、テーブルの下で蹴飛ばしていたんだなぁ(笑)

 目次参照  目次 文系

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