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2013年4月16日 (火)

昭和のけむり?

けむりの居場所  野坂昭如  幻戯書房

 どゆ本かというと有名人による煙草をメインに据えたエッセイのアンソロジーかなぁと(笑)何とゆーか古き良き時代が漂っている感じといおーか、今だと禁煙権が凄いから、こんなおおらかな煙草話しなんてまず書けないだろーし、愛煙家とか、もー死語というか、絶滅危惧種か?それに伴って、本書にあるよーな煙草を巡る情景なんかもなくなっていくんでしょーねぇ…

 例えば「シガレットを吸ってうまかったのはハンフリー・ボガートだった。荒涼と優雅のまじったあの、いたましい顔で、故人がタバコをくわえると<禁煙>のサインも忘れてポケットに手がいったものであった。いったいどうしたらあんなふうに吸えるのだろうかと、人知れず真似してみたけれど、身についたらしい気配はなかった」(@開高)なんてシーンもなくなってしまうんでしょーねぇ…君の煙草に乾杯ってか(笑)

 も一つ、煙草と人物で行くならこの人上杉鷹山にご登場頂くとか(笑)一汁一菜、木綿一筋、財政改革大倹令、贅沢は敵だの「その鷹山の、ただひとつの楽しみは煙草だったという」(@藤沢)人間鷹山がここにあるとゆー事ですか、そーですか(笑)

 アリス的には、煙草と言えば言わずもがなな准教授の出番(笑)いえ、もー准教授で私的に想起するものは、猫と煙草と若白髪なんですよ、奥さん(誰?)ヘビスモ友の会があったら、即入会できるんじゃないかと思う位、煙草な人なイメージがこれまたあるんですけど?実際ばどなんだろ?取りあえず、「チェイン・スモーキングは焦燥の表徴だと心理学者は言う」(@開高)だそだけど、准教授に焦りなんてあるんでしょか?何かいつも泰然自若なタイプじゃね(笑)

 その准教授が愛飲しているキャメルなんですが、「米軍の携帯食料のなかにあった、三本入りとか五本入りとかのタバコを思いだす。そのころは、「ラッキー・ストライク」が目立ったのに、携帯食料のなかのタバコは、ラクダのマークの「キャメル」が、なぜかおおかった」(@田中)とな…キャメルの歴史ってか?しかし、携帯食料の中に煙草が入っていたんですねぇ?

 他にもキャメルの話題では「太宰治は、戦前でも、戦後でも、ちょっと気晴らしをしたと言った時に、よくキャメルを吸った」(@壇)だとか…太宰がキャメルを吸っていたとは…何かこーイメージが違うよーな気がするのは気のせいか?

 煙草を吸うタイミング的なとこで「推理小説で、いよいよ犯人がわかるページにさしかかったとき、「待て待て」と逸る心を押し鎮めて、煙草に火をつける。そしてゆっくりと煙を吐き出すときの官能的な陶酔こそが、ミステリー読者の真髄なのであって、じつは犯人のわかる瞬間などどうでもよいことなのである」(@紀田)だそーですが、これはアリスと森下さんからものいがつきそー(笑)

 さて、煙草と日常ですけど、一昔前の日本では「酒もタバコもやらんような奴は信用するなッ、とか、そんな野郎に娘を嫁になんかやれるもんか、なんてことを昔のニッポン人はよく言ったもんだ」(@殿山)だそーな…これではさぞかし吸わない人は肩身が狭いかったんだろーなぁと想像していたら、「あるサラリーマンがいっていた。ぼくはタバコを吸わぬので、会社でどうも損をします。仕事に疲れた時や考えごとをする時にタバコをくゆらしていると恰好がつきますが、タバコを吸わぬ者がじっとしていると、間ぬけ面に見える。あいつ、何をポカンとしているんだ、と思われるんですよ、と」(@佐藤)ゆー告白があって…吸わない人の哀愁漂っている感じ…時のマジョリティーにならないとどこも理解は得られないって事ですかねぇ…

 さてさて、そんな吸うか?吸わないか?それが問題だは、当事者達の認識の違いが顕著だよなぁ感心したのが、「世の中は酒のみには厳とし、煙草のみには比較的寛大である。煙草は、酒のように飲んだときと飲まないときの落差がないし、また煙草を喫ってずっこけたり、乱暴したりする人はいないという日常性が認められているためである」(@藤沢)というのが吸う側の主張とするならば、吸わない方はどーかというと「酒は一定量を飲むと眠るか、騒ぐか、とにかく最後は酔いつぶれて静かになる。甘党もおはぎを二十も食べさせれば、ひっくり返って静かになる。しかしタバコのみだけはそうは行かぬところが困るのである」(@佐藤)とな…

 とかく、何事も両者の間には深くて暗い河があるという事ですかねぇ(笑)分かりあえるってむずかしー(笑)他にも煙草にまつわる面白エピ満載ですので、詳細は本書をドゾ。

 執筆者は、開高健、市川崑、井上ひさし、杉浦日向子、尾上辰之助、東海林さだお、岩城宏之、藤沢周平、サトウハチロー、今井正、池部良、田中小実昌、中川志郎、池田満寿夫、殿山泰司、吉行淳之介、遠藤周作、滝田ゆう、古井由吉、仰木彬、荒川洋治、三國連太郎、佐藤愛子、鈴木清順、色川武大、中島らも、紀田順一郎、高峰秀子、赤塚不二夫、壇一雄、辻村寿三郎

 目次参照  目次 らくだ

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