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2013年5月15日 (水)

男は顔(笑)

美少年日本史  須永朝彦  図書刊行会

 いやもータイトルから凄いわと安易に手に取ったら…日本国内における古今東西の美少年がズラリ…最初の内はヘェー位で済んでいたんですけど、さすがにこれだけ並ぶとどっとくるものがあると…よーするにこれは、殿方は美少年がお好き?というより、男の人って男女関係なく若くて奇麗ならなんでもいーんだなという事実のオンパレードではなかろーか?

 ちなみに美少年も少年も元は中国の言葉だそーな…もっと凄いのは少女、これ美しい少年を意味した漢語だったとな…平安時代から入っていたそーだけど、使うよーになったのは近世からとゆー…で当時はどー言っていたかというと、少人、少童だそーで、これか室町に入ると美少、美童とここまで漢語で、これの倭言葉が児、稚児だとか…そして室町後期になると若衆となったな…言葉の変遷も凄いよなぁ(笑)

 では、少年期とはどこまで?となると、本書的には鬚が生えるまでとなってますけど、花の命は短くての最たるものじゃなかろーか?ちなみに「お小姓の命は長うて三年」と言われてたそーで、14、5、6、7才辺りなんですかねぇ?男色という言葉も元は漢語からだそーで、元々は「男ないし少年の中で優れて美しい者」を指す言葉だったそな…鎌倉時代には入ってたそーで戦国末期には当たり前な言葉だった模様…

 アリス的に美少年…うーん、准教授の少年期は確かに奇麗だったろーけど、迫力のある美人というか、不機嫌な美人というか、美少年のイメージ的にどだろ?ついでに言うとアリスの場合は美少女アリスですからねぇ…でも漢語的意味合いでいけば、少女とは美しい少年だから、それに更に美がついてるアリスって何者(笑)という事にもなるのか?他にアリス的というと聖徳太子か?美少年かどーかは別にしても王子様ですから(笑)あっそれから、明治に入ってから性科学が入ってきたとなクラフト・エピングの本なんかも翻訳されているんですよ、その名も「変態性欲心理」…変態性欲ときたら准教授の出番だよね、アリスの言う通り(笑)

 話しは戻って、本書の凄いとこは時間軸的に神話辺りから始まってしまっているとこでしょーか?ええ、アマテラスの頃から続くよ、どこまでもぉーの世界なんですよ、奥さん(誰?)でまぁこの頃の神様って両性具有っぽいよね的な指摘があったりのとこですね…有名どこではアマテラスがスサノオと戦うとこで男装しているとか、倭健の熊曾退治で女装しているとことか…まぁでも本書的元祖美少年でいくと天若日子とかその親友の神様とかは永遠の少年姿形なんですよねぇ…

 元祖モテ男と言ったらやはりこの人の右に出る人はいないんではないか?の在原業平ですかねぇ?「女好きで恋愛に憂き身をやつす貴公子像」なんだとか…で、そんな女好きのはずなのにこの方にもふたなり説、両性具有説が存在するとな…もー美しいと性なんて超越しゃうんでしょーか?ははは…

 その他にも光源氏の話しとか、清少納言のとことかまではヘェーで済んでいたんですけど、この後院政時代の話しに入るとこの人とこの人がカポーでしたの実名バシバシ出て来て…いや、世の中って平和だなと(笑)何にせよ、貴人の少年好きが記録として残っているとこがまずスゲェですよねぇ…最初に出てくるのが藤原頼道、どゆ人というと道長の嫡男…次が白河天皇で後宮に女性は勿論の事、更に「少年にも思し召しがあったようです」とな…

 かくて、そこから始まって近世までのカポーが並ぶんですよ…まぁ江戸後期からはどちらかというとリアルというよりファンタジー的要素が幅をきかせてきますが(笑)でまぁ、そのカポーな人達の名前列挙していったら紙幅が埋め尽くされてしまう気がするので、詳細は本書をドゾ。ある意味、これが本当の裏面史という事になるんじゃなかろーか?

 面白いのはその記録なんですけど、「普通、公家の日記には子孫の参考に供するという目的があるので性関係の事なんか書かないんですが、頼長にはその意識が希薄だったらしくて、彼が残した「台記」には男性と交わった記事がずらずらと出てきます」って…自由恋愛万歳って事なのかしら?愛こそ全てだよねぇ(笑)

 でまぁ男色系で一番ありがちだよねぇなとこというと寺院関係で、稚児の世界きたぁーっとなるのでしょか?ちなみに彼らにも階級があって、一番上は皇族や貴族の子弟達でこれは「公達」と言ったそな…でその次に「上達」とか「ちご」とかの人達がいて「これが高級僧侶の寵愛の対象となった、いわゆる「稚児」であったようです」とな…上級稚児は化粧までしてたとな…

 そして武家の方はどーよとなると、信長で有名なあの敦盛が来たぁーとなるんでしょーか?室町の義満の能辺りの話しは有名すぎる程有名なのでこれも詳細は本書をドゾですが、貴族の常識として奈良とか神社仏閣参りなんかで宴会を催すと「氏寺に従属する猿楽の美童が祇候して接待をしたんですね。一種の売色ですが、貴族は神仏に奉仕する芸能の徒である少年を肌を触れ合う事によって、神仏と交わるというような感覚を味わったのかも知れません」って、そんな論理ありですかぁー?

 も一つ連歌師という職業ってかなりおいしい職業だったと思われですか?「連歌師には、地方巡りがいい収入になったんです。諸大名と対等に交際でき、出向くと別れ際に金品を贈られるし、もちろん逗留中は御馳走に与り、その上、泊まり泊まりで土地の若衆と交歓できたわけですからね」な…ちなみに後の芭蕉なんかも「同じような世渡りをしていたんです」なんですと…サラリーマンは気楽な商売ときたもんだってか(笑)なる程、夢でも旅路を駆け巡っている訳だ(笑)

 いかん、武家だった武家…で戦国になると小姓制度が確立していくそで、最初は身辺雑用係的なとこから始まったみたいなんだけど、更にそんな少年達が美しければいう事ないよねぇ…で、「美童を侍らす事が一つのステータスになるんです」って男の見栄って何なん?美少年をいぱーい持っているオレ様エライってか(笑)かくして、「男色に関心の薄い大名でも美少年は抱えていました」となるそーな…

 個人的に凄い美少年としては浅香庄次郎でしょか?ちなみにこの人、江戸時代には戦国時代三代美少年の一人にされているんですけど、最初は奥州の木村に仕え、この人が没落したら、次は石田三成に仕えたけど関ヶ原アレで、その次は前田利常に仕えたとな…「この時代は、仕え主が没落しても、美少年には次々と「いい口」が掛かったという事ですね」だそー…関ヶ原で武士の多くがリストラ浪人説多しですけど、実は美つくしければそんなの関係ねぇー(死語?)だったんですねぇー(笑)

 まぁお殿様と私ではないですけど、所謂お手つきから出世した人はいらっさる訳で、そーゆー人達は「主君の死に際して必ず殉死するのが、或る時期までは当然の事と見なされていたんですよ」とな…ちなみに「殉死しないと、恩知らずとか不忠者とか指弾されたんです」となるそな…小姓から一万石以上の大身へとあったみたいだから、殿方の出世社会ではやっかみ相当ありそーだしなぁ?それも殿が生きている間だけなら免じてござ候の世界なんでしょか?何かこの辺りの対応は仏王室の愛妾問題とちと似てると思うのは気のせいか?

 で、これまた何というか、元祖都合のいい男もしくは恋人、愛人?なんでしょか?「当時、寵童に求められた事は、まず「潔さ」だったんですね。嫉妬なんかは慎まなければならない」とな…よーは見限られたらさっさと身を引けって事ですよ、おぞーさん(誰?)それにしても武家的には肉体関係って元服前までなんですね…双方元服後というのはあきまへーんの世界だった模様…ちなみにこれで家光、堀田正盛との関係を酒井忠世に目撃されて怒られます(笑)衆道的には役割分担きちんとしていたそで、念者と若衆は明確にの世界だったとな…

 そんな訳で次から次へのあっけらかんな世界かと思えば、その実念者と若衆の関係って念者的には若衆の責任を持ち、若衆的には念者の為なら命を投げ出す覚悟とかになるそで、何か一挙に暑苦しい感が漂ってきましたが、これも戦国以降のお話となる模様…一つは政略結婚で妻を信じるにあたわずが跋扈していたと…下手すりゃ寝首かかれるしね(笑)も一つが戦争戦争また戦争で年中男所帯だったゆー…いつも一緒だし、目的意識も同じだし、貴方なら信じられるの世界ですか(笑)いや、もー何を言えと(笑)

 とまぁそんな感じで続いてきたそれも江戸を下るにつれてファッション化していくのが何ともなぁ?元祖V系ですか?流行の先に行っちゃった人達が志向するものみたいな?だから女好きは田舎者とか呼ばれてたりするんですよ…男色って都市型の産物だったんですねぇ…

 そんな訳なのか?若衆の好みの人って何?というと「一に大名、二には同年頃の容ちよき人、三に再々物を遺る人」だとか…じゃ嫌いなタイプはというと「すりきり(一文無し)、大道具、年寄り、意見口、あまりしたるき(甘ったるい、なよなよした)人」となるとな…ねっ都市型でしょ(笑)かくして、幕末になると衆道は衰退していったけど、芝居とか小説とかでは美少年趣味展開していく事になるそな…いやー詳細は本書をドゾ。

 豆知識も満載で、舞楽についてとか、もーこれ日本にしか残っていなとか…遊女の名前って実は若衆的な名前が流行っていたけどその後源氏名に統一されるとか…若衆的な名前は芸者の名前に残ったそーで、「ですから、芸者さんに「源氏名は」などと聞くのは失礼なんですよ」となるそーな…後、名言的なとこでは「暗君には、えてして御寵愛の美少年がいたりするんです」ですかねぇ(笑)英雄色を好むっていうけど、実際は色ボケは国を滅ぼすんですよ、姐さん(誰?)

 とまぁ本当にこれでもサワリだけというのが凄い…てな訳で最後に一つ、本書で一番ハーヘーホーと納得されられたとこは、「歌や詩もいやなる物は花の枝、稚児喝食の恋のよがたり」ですか(笑)読んで意味がすぐ分かった人はアレですが、これ稚児達の事を歌った歌なんですよ…で意味が「遊び盛りですから、和歌や漢詩の勉強も厭だけれども、もっと厭なのは、坊さん達が寄越す恋文だというんです。恋文は梅や桜の枝に結びつけて届けられるんですね。「花の枝」が届くとうんざりする、そんな事を少年達が夜中に「いやだねえ」とこぼしあうような光景が不断に目撃されたんでしょうね」だそな…

 まぁ上にも書いたけど、好きなタイプは同年代で、嫌いなタイプが年寄りなんですよね、昔からおっさんって、ええ、二十歳過ぎれば皆おじさんですから(笑)稚児文化というか、男色文化というのも、権力的部分が多しって事ですかねぇ?稚児側からしたら、爺イラネの世界だったとしたら、恋愛の双方向性について考える一助になるんでしょか?おじさんは美少年をお好きなのにねぇ(笑)

 目次参照  目次 文系

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