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2013年6月15日 (土)

鏡映像は、人が見ていないときには存在するのをやめてしまう(笑)

鏡という謎  リチャード・グリゴリー  新曜社

 サブタイトルが、その神話・芸術・科学なんですが、古今東西の鑑列挙というか、総集編的意味合いの方が強いよな?鏡に関係ある事なら、全て並べますみたいな(笑)著者は視知覚心理学者という事で科学的アプローチも多いけど、それ以外もあだやおろそかには致しませんというノリで、鏡の作り方的なお話もあれば、哲学的アプローチもあり、英らしく鏡の国のアリスあり、右きき左ききありでいやもー博覧強記の世界ですよ、奥さん(誰?)

 惜しむらくは、あまりに範囲広いので、全ての項が小走り系になってしまったとこかなぁ?ただ、本人の本職である実験心理学系のとこは頭が高いもとい図が多くて、心理学と鏡のアプローチも根が深いわと溜息もとい堪能できます(笑)

 ちなみに鏡の歴史とは、「工芸と技術、古代科学と現代科学、そしてオカルトが豊かにまじりあっている」とな…鏡には特別な力が宿っているのだ、という事は世界的にというか、神話的にあったという事か?まぁ日本でも鏡は三種の神器の一つだし…

 尤も、「鏡は、初期キリスト教会では、事実上禁止されていた」そな…ちなみに中世ヨーロッパでは「鏡は、魔法や占い、そして一般に、「黒」魔術と関連していた」そな…鏡の道のりも千里からってか(笑)いや、マジでこの本翻訳した人はさぞかし大変だったろーなぁと本書で一番感心したとこはそこかもしれない、守備範囲が広すぎるんですよ、おぞーさん(誰?)

 アリス的に鏡となると、鏡の国のアリスでしょーか?本書にもアリスの章といっていいのか、一章あるし…後はモロッコじゃないけど水晶占いのとこかなぁ?古くは水占いからあったそーだけど、輝く表面から未来を占うというのは相当に歴史ある行為だった模様…ちなみに「水晶占いは、すべての前キリスト教文化に共通する特徴だった。特別な力をもった鏡は、アーサー王の宮廷の魔術師マーリンが作ったものである」とな…かくして「水晶占いは、ヨーロッパ中を旅する職業になった。しかしそれは、教会にそむく行為だった」とな…それでも需要があったという事ですかねぇ…魔女狩りの迫害を通り抜けて現在に残っているのだから、相当根深いものがあったのか?うーん…

 他にアリス的なとこというと、ダリ繭のダリそのものですか?「象を映す白鳥」とか「ナルキッソスの変身」とかは「知覚的な錯覚への陶酔を投影させている」ものなんですか?そーですか?逆さに見ても大丈夫とか、ダリも実験精神の塊だったんだろか(笑)

 更に猫の目と言う事で夜行性の動物の目は、夜、光をあてるとひかるとな…これは「光が網膜の後ろにある鏡に反射して返ってくるからである」そな…それらタペーラム(反射膜)と言うとか…猫の目って、もっと光をの世界だったんですねぇ(笑)

 豆知識も満載で、例えばダーウィンは顔の赤面を「罪の意識の外的なサイン」としてとらえていたとか…一般には「悪い行為は、右から左に起こっているように描かれ、良い行為は、右への動きとして描かれるとか、「美術学生では、一般の人々の約二倍の割合で左利きがいる」とか、フレーザーによると未開人とは「動物が生きて動いているならば、それは、その動物を動かす小さな動物が内側にいるはずだ」とな、マトリューシカの世界っすか(笑)古代ギリシア人は、「眼を、そこから光が出て、対称に触れることによってはたらくと考えていた」とな、それは新手のビームか(笑)光のスペクトラムが7色としたのはニュートンだとか、「ニュートンは魔術を好んだので、7という数は、彼にとっては意味があった」とな… 鏡を用いた最初の望遠鏡はフランチェスコ・ボナヴェントゥーラ(ボローニャ大教授)だとか…

 他にも面白エピはたくさんありますので詳細は本書をドゾ。鏡の見方が変わるかも(笑)て事で個人的に二つ程、エピを選択するとしたら、一つは錯覚の実験を行ったキャントリルの嘆きに対してのアインシュタインの答え破顔一笑して言ったそな「私は、同僚に納得させようとして時間を浪費してはならぬということを、何年も前に学びましたよ」とな…笑い事なのか、アインシュタイン(笑)

 も一つは実に英的だなぁと思う笑い話の件…「鍵を落とした酔っぱらいが、まぬけなことに、光があるのはそこだけだからというわけで、街灯の下だけを探したんだってさ。とは言え、理解や証拠、あるいは理論が欠けていたとしたら、いったいどこを探せばよいのだろうか?」成程、明るい夜道ばかりではないという事ですね、わかります(笑)

 目次参照  目次 理系

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