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2013年6月12日 (水)

じゅげむじゅげむ?

図像観光  荒俣宏  朝日新聞社

 サブタイトルが、近代西洋版画を読むなんですが、何というかこれは一つの情熱という奴ではなかろーか?いえ、当時購入していた人もそーだし、それを製作していた人もそーだけど、今これらの本を見て唸っている人が一番アレかな(笑)まず、図鑑なので絵ありき、その絵も細密画に近いものを感じるのは気のせいか?でもって、フルカラーというか、版画なのて手彩色とか…まさにこだわりの逸品…とゆー訳で本書は取りあえず、読んで下さいというより、見てやぁーっに近いかも、目が驚くというか、純粋に面白いです(笑)

 著者によるとこれらの版画は「一、これは人工の光景である。二、これはメディアである。三、これは書物である。」になるそーで、とにかく、ほんまでっか?に近いよな(笑)また、大航海時代真っただ中に刊行されている本は、上から目線乙なとこかなぁ?動植物、そして人間も入ってきたけど何か違うと…「原産地から移した動植物が異国ではうまく育たないこと。また植民地に長年住んだ西洋人が明らかに倫理や礼儀を忘れ果てるという傾向」とか、ノアの子孫が広がったら「中には悪に踏みまどう者も出た」という逸話から「植民と劣化の関係を暗示する」そで、結果「異国の生物に一方的な野蛮性、劣悪性、不可解さを見た」とな…かくしてサル類とは「堕落した人間の成れの果て」とみなしていたんだから凄すぎる…とはいえ19世紀に入ると風向きが少し変わってエキゾチック・植民地になる訳だから、これまた変わり身早すぎるってか(笑)

 アリス的に、この手の本って物凄く好きそーな気が勝手にしているんですけど?どだろ?最初から最後までいっちゃった感が漂っているそれらは、まさに謎そのものを内包しているよねぇ(笑)まぁ所蔵しているのはむしろ海老原先生みたいな方なんでしょか?いえ、何といっても値段がピンキリですし…マジではまるなら取引先は海外の本屋さんですし…目利きじゃないとダメだしで(笑)

 アリス的には、図に意味があるというとこでしょか?絵は見るんではなくて読めなんですね(笑)で、著者によると「こうした奇怪きわまる図像の意味を追いかけるゲームは、謎解き小説を読むよりも断然刺激的だ」そな(笑)次にアリスと言えば月とは切っても切れない関係となれば、西洋の月は何故実物より大き目に描かれるのであろーか?とか、その心は、「ヨーロッパでは月が天頂に昇らない」から(笑)欧州で見る月は低く、大きいのが普通なんですね…それでどこの絵でもそーなると…後は世界地図的なとこで、後のヴェグナーの話しでパンゲアのが出てきたり、J=J・グランヴィルの風刺画が後のシュールレアリスムみたいな話しが出てきたり、不思議の国のアリスもグランヴィルっぽいよねとか…顕微鏡のイメージが昔は「宝石鑑定家や水晶占いのような光を使う芸人のイメージ」だったそで、水晶占いって芸人だったのか?

 後、時代の至言も結構あちこちに出てきます。例えば「自分の片手で覆えるだけの広さをこの地球上で研究することに一生涯を送れれば、死に際して後悔なし」(@リンネ)とか、「中国人は悪賢くて、本物の茶の木を巧みに隠し通した」(@T・マーチン/英)とか、寓意図に対して「これらのイメージを美術と見てはならない。これらはある種の形象文字なのだ。美術として評価しては、どんな意味も出てこない。これらはただ、詩的産物でしかないのだから」(@ショーペンハウエル)とか一理どころか二理も三理もあるよーな(笑)

 いつものよーに豆知識も満載で、中世の宗教画は何故金色がいぱーいかというと、「描かれた情景の彼岸のただずまいと永遠性を付与するのに象徴としての金色が必要だったからだといわれる。これがすなわち<黄金の背景>で、薄い金箔を貼りつけるなどして苦労の末に仕上げられたらしい」とか、寓意口絵なんかには擬人法が使われていたり、ルネサンス期の遠近法はまさに「「あり得ざる眺め」を描くことができたのは、ひとえに幾何学的遠近図法のお蔭だった」とか、さて、昔の帽子の羽飾りのあの羽、ダチョウとかシラサギが主らしーんですけど、とても人気でかくして「イギリスのシラサギはほぼ全滅した」そで…羽飾りの為に絶滅…あると思いますなのか…さすが英…

 さて、本書的に一番ハーヘーホーと思ったのは絵(図?)の描き方のとこ…「実物は模写できても、土着文化の伝統に育まれたのち実物に代わって定着となった図像を、土着民のように反射的に再現することはできないのだ」でしょーかねぇ…共有するイメージって文化だったんだなぁ(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

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