« 始まりは、いつも… | トップページ | 男はみんな野垂れ死に(笑) »

2013年7月13日 (土)

この人は正しい、そして偉大である…

フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル  明石信道・文・実測図面 村井修・写真  ㈱建築資料研究社

 稲門建築会50周年と、明石信道生誕100周年を記念して発刊したのが本書という事らしーです。何とゆーか、写真集のよーでもあり、図面集のよーでもあり、カタログ集のよーでもあり、エッセイ集のよーでもあり、記録集のよーでもあり、学術書のよーでもあり、見る人によって印象違うんじゃないかなぁーと思いますが、一つだけはっきりしている事はシリアスな本なのに、情熱が違うというとこではないでしょーか?

 フランク・ロイド・ライトおたくというより、ライトが建てたとされる旧帝国ホテルおたく、もといフリークの皆様には号泣ものの書だと思われ…いやー圧巻です。ライトの設計した旧帝国ホテルの重厚さがバババババァーンっと迫ってくる勢い…今の帝国ホテルと雰囲気全然違っていたんだなぁーと泣けてくるとか…建物としての格が違うというか(笑)

 判型もA4位あるので、写真は勿論、何よりこの図面が凄い、凄すぎる…解体される前に実測しましたという著者の執念が出てるよな…これ見て感動した人は明治村にいって一部分でも旧帝国ホテル見に行った方がいいのかも?これがあれか?と現地で納得する事になりそー…全部残せなかったのは傷みが激しかったとはいえ、残念ですよねぇ…今なら3Dで往時のソレが残せるんだろか?

 アリス的に建築…ロイド・ライト…うーん、英都大の煉瓦造りのそれも十分古く、こちらは元ネタ通りヴォリーズ設計なんでしょかねぇ?どちらにせよ、米人、西洋建築、維新後の日本の一つの歩みそのものですから、これも文化って奴ですか(笑)個人的にライト設計というと自由学園の幾つかの建物を拝見した位なんですが、うーん、これまた個人的印象ではライトのソレって見栄はってないとこかなぁ?凄い建築だと分かっているんですけど、何とゆーか普段使いのソレな気がしないでもないんですけど?等身大の普通さ加減とでもいいましょーか?中に居て、苦にならない感じといったらいいのかなぁ?

 本書は昔を偲ぶという側面もあるんですけど、日本的な記録の残り方かもなぁとも(笑)まぁ何といってもこの地震国なので、建物の破損と補強は宿命ですから…この旧帝国ホテルのお披露目予定日があの関東大震災の日ですから…一応、その時には倒壊しないであった訳ですけど、その被害が及ばなかったかと言えば嘘になる訳で…その時の亀裂がその後の帝国ホテルの運命を決めたともいえるのかな、と…いつまでも使い続ける事が出来たらそれにこした事はないけど、このままだと崩壊の危険があるとなれば、建て替えやむなしという結論になるのは必定なんでしょね…マジで誰も悪くない、仕方ない事さぁーの世界が展開していた模様…まぁ誰の心の中も、もったいない、の一言だったと思われですけど(笑)これはもー一つの文化財ですから…

 さて、本書の前書きが檄文っぽくて微笑ましいです。「優れた建築はいかなる人の手になる場合でも、図面によってそのすべてを規定することはあり得ず、その多くの重要な特質は、現場における思考と判断によって決定されるものである」とか、「もし、建築が商業的パッケージに堕すのではなく、社会的芸術として生きるのなら、目を驚かす力ではなく人を動かす力によるしかないのではないか」とか、建築とは何ぞや?の世界ですよ、奥さん(誰?)

 帝国ホテルの歩みについての詳細は既にアレですので、本書的にライト関係のとこというと、1916年に正式にライトに設計を依頼したそな…で、全館落成披露式が1923年9月1日の予定だったそな(当日関東大震災で中止)…後のホテルの全景が写された写真があるのですが、これは凄い…今のアレの方が箱的には大きいと思われですけど、ホテルの容貌としては数段落ちたのは認めざるをえないよな…強度も大切だけど、文化もだよなぁと、一目見れば分かるって奴でしょかねぇ…

 とはいえ、当時のライトはと言えば「1900年頃のアメリカの建築界はボザールの人々に主導権を握られて、ライトの建築経歴や性格からいって、その人々とは孤立している状態であった。あるいは異端者視されていたのか…」とか、「1914年頃のF.L.ライトはアメリカの一般大衆には建築家として無名にも等しかった」でして、とかく、何事も無難をもってよしとする日本的気質からしたら、よくぞライトに白羽の矢を立てたと…時代に左右されない目を持つ人が日本にも居たという事ですかねぇ…そしてそーゆー人が後世の遺産を残す人なんでしょか(笑)

 それにしても建築とは、何ぞや?を問いかけている感がしないでもない本書ですが、知識のみでは建築にはならないというのは何とも…建物をトータルで考えられる人というのはそーはいないという事なのかなぁ?外観もそーですが、細部に渡るそれも今見ても古さはあっても陳腐さはないとこが凄いよな…らしーと言えばらしーけど、ちゃんと椅子の一脚まで設計しているんですね、ライト先生は(笑)

 さて、アリス的なら201号室だろーけど、ライトの言葉からしたらアレじゃねという事でその一説を「サボテンこそは補強構造の完全な標本である。より真正なる摩天楼である。この砂漠に於ける植物の歩み、構造体パターンに、経済性を示している。その茎は謙虚に建築家やエンヂニヤに教訓を垂れている」とな…サボテン、実は凄い奴だったんですよ、おぞーさん(誰?)

 ちなみにライトの凄いところは「1908年に随想を書き始めて、死するまで半世紀の長きにわたり、同じ思想を育み、それで作品を生むということは普通の作家には考えられないことだ」そーで、それをやり続けたところが偉人の偉人たるところでしょーか?天才はぶれないんですよね、だから普遍になるんでしょーか?

 まぁこれが一時でも日本にあったという事が僥倖という事なんだろなぁ…取りあえず、詳細は本書をドゾ。あまりに濃すぎてまとめるの無理っす、姐さん(誰?)なので、本書を読めというより、見てですかねぇ…見て見て(笑)

 目次参照  目次 庭園・建築

|

« 始まりは、いつも… | トップページ | 男はみんな野垂れ死に(笑) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

庭園・建築」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: この人は正しい、そして偉大である…:

« 始まりは、いつも… | トップページ | 男はみんな野垂れ死に(笑) »