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2013年7月 4日 (木)

人を呪わば穴二つ?

街場のアメリカ論  内田樹  NTT出版

 うーん、アメリカとは何か?なのかなぁ?著者が欲しているのは「日本人はどのようにアメリカを欲望しているのか?」らしーのですが、どちらかというと、私的米ってこんな国みたいなノリかなぁ?目次的に章が11あるので、11の切り口からの米ですかねぇ…米に幻想を抱いている人は(正直いるのか?/笑)知りたくなかったのノリかもしれないし、事実というのは見方によって変わるって事かもね、だし(笑)賛否両論ありそーだけど、概ね米人以外の人にはなるほろねぇな出来じゃなかろーか?

 まぁ一番受けなさそーなのは、米専門家というか、その道のプロの方々かなぁと…「英語の覇権は英語話者たちの帝国の政治的覇権の帰結であって、原因ではない。非英語圏の人々が覇権国家の国語を習得に勤しむのは、権力を欲している(フーコー的に言えば、「権力が内面化した」)ということと同義である。だが、このことはアメリカ問題専門家にとってはあまり意識化したくない種類の論件である」とな…結局、差別化の問題か?みんなより出来るオレ万歳ってか(笑)

 そして当の米人に関して言えば「こんなこと言ってもアメリカ人は歯牙にもかけないだろう」ですかねぇ…どこぞの何とか局長じゃありませんが(笑)

 とはいえ、著者は「歴史における「因果関係」というが、歴史に限らず「原因と結果」を口にする人間を軽々に信じてはいけません」と言い切っているし(笑)「「原因」ということばを人が使うのは、「原因」がよくわからないときだけなんですから」とな…物事は分からないだけが残るのだろーか(笑)ちなみに「歴史について他人の「意見」をそのまま鵜呑みにするというのは、知性の活動を放棄するということに等しいと思います。どんな偉い人が言ったことでもそれは「真実」ではありません」だとか…考えよ、ってか(笑)

 アリス的に米というと、鮫山警部補のNYのエピ位だと思うんですけど、後はアリスの神様EQと(笑)本書でアリス的なとこというと、「私たちの知性は「起きた出来事の因果関係」を発見するのと同じくらい、「起きてもよかったのに起きなかった出来事」をどれだけ多く思いつけるかによって試されているんです。この問いの立て方は推理小説の読み方に似ています」のとこかなぁ?犯人捜しには、入力がフラットでないとあきませーんと言う事か?

 歴史的なとこで面白いのは維新後の仏との関係かなぁ?まぁ維新の時も幕府方についた仏ですが、いわゆるラストサムライ的な人達って実は仏だったんですねぇー…「幕末に、滅びゆこうとする日本の侍の運命に一掬の涙を注いだフランス士官はいましたけれど、日本人のために戦ったアメリカ人は残念ながらいません」まぁハリウッド映画を信じている人なんて米人位しかいないと思いたい(笑)成島柳北のエピなんかも仏なんですねぇ…「柳北は明治維新の後に訪欧派遣団の一員としてフランスに赴き、そこで幕府陸軍の訓練を担当したフランス人士官シャノンと感動的な再会をしたという記録が残っています。でも、そういうような「人情話」が残っているのは幕末ではフランス人だけなんですよね」愛だけでなく意外と情の国なのか?仏(笑)

 維新後からこっち、日英関係で、戦後は日米関係が重視されているよーな気がするんですけど、その実日仏関係って維新後からずっとつながっていたとゆーのにおろろいたりして(笑)WWⅠでも、WWⅡでも日本は仏とは戦っていないとな…WWⅠは分かるとしても、WWⅡって仏は連合、日本は枢軸、敵味方じゃないの?というのは戦後の話しらしく…「実質的には、フランスは「敗戦国」だったのです。1940年から1944年までのヴィシー政権は対独協力政権でしたし、北半分はドイツの直接統治でした」実は終戦間際まで、枢軸だったとは…

 ちなみにあのレジスタンス運動も42年当時には数千人しかいなかったと…ところが戦局が悪化してドイツが負けそうだというとこで「敗戦数か月前にレジスタンスにどたばたと合流して、「勝った、勝った」と終戦を迎えたという人がけっこういたわけです」でその数数十万人に膨れ上がると…「フランスではドイツ軍が去ったあと、対独協力者の粛清が行われ、数千人が殺害されたと言われています。「口封じ」のために殺された人もけっこういたんじゃないかと私は思っています」って…どこも都合の悪い事は地面に埋めるって事か?

 「ですから、私たちが日本のインドシナ支配についてあまり知らない理由のひとつは、「共同統治」のパートナーであったフランスがそのことを忘れたがっているせいでもあるのです。フランスと日本が、戦争の初期に協力関係にあったことは、語らせない、研究させない、文書も公開させないという無言の圧力が働いている。どうしてかというと、戦後フランスのエスタブリッシュメントの中核を占めていたのはヴィシー政府の官僚だったからです」とな…ヴィシーが倒れてドゴールになるけど、ドゴール政権に行政官なんていねぇーとなればヴィシーの官僚が雇われる訳で、それが「1970年代までずっとフランスの官僚層の中核を形成してました。そんな彼らが、ヴィシー政権に関する研究や文書の公開を許すはずがありません」うん、二枚舌外交は英だけじゃなかったってか(笑)

 かくして文書が公開されるのは1980年代に入ってから、それも加、米、イスラエルの学者達の手によってだそーで…「その情報公開に対して、フランスの保守系メディアは猛烈に圧力を加えました。「昔の話を持ち出すな」「誰にも触れられたくない過去はあるんだ」と。日本とフランスのインドシナの共同統治時代に誰が何をしたか、ということもおそらくはそのような「触れられたくない過去」の一部だったのでしょう」歴史とは本人の都合です(笑)

 かくして、「インドシナ半島では日仏の戦闘は行われていません」だそな…という事は「日本はフランスの植民地支配を国際法上は認めつつ実質的に軍事占領するいう「共同統治」をしていたからです。それは言い換えれば、インドシナから中国にかけて、巨大な「枢軸国」ができていたということです」さて、ではこれが米からどー見えるのか?「アメリカの実質的な属国であるフィリピンまではもう指呼の間です。アメリカが脅威を感じるのは当然だと思います。さらに日仏の同盟によって、東アジアを日仏が支配し、アングロサクソン勢力が一掃されるとしたら…という想像は1940年の段階ではアメリカにとってすごくリアルな、「最悪のシナリオ」だったと思います」ふふふふふ…

 食と歴史なら今流行りのスローフード(笑)さて、こちらピエモンテが発祥の地…理念はすんばらしーと言う事ですが、食による正しさって「強い排外主義をもたらしかねないこと。人間というのは、同じような食物を同じように調理して食べているうちに、間違いなく生理的・解剖学的組成に類似性を持つようになります。当然ですね。同じ食物を食べている人間には強い親近感を覚え、自分が食べ慣れないものを食べている人は「ゴミ」を食べているように見える。そういうものです」とな…手っ取り早く差別化できると…結局それを上手く使ってきたのが宗教で、今だとエコロジー団体でしょーか(笑)

 本書での過去の一例として「汚らわしい都会の食物を食べるのをやめて、美しいドイツ固有の伝統食品に帰ろうという「ドイツ伝統的食文化を守る」という運動はそののち「ユダヤ的都市文化からゲルマン的自然へ」を呼号するヒットラー・ユーゲントの自然回帰運動に流れ込みました」って…それだけでどーしたと言うかもなので、実はピエモンテ、ムッソリーニのファシズム運動発祥の都市だったりして…まぁ過去は過去、今は今だよねぇ(笑)さて、マックはどこへ行くってか(笑)

 他にもアメリカンヒーロー(コミック・映画など)による米の不満「自分たちはこうやって悪を倒して、世界に平和をもたらしたのに誰も感謝してくれない、というのがアメリカのサイレント・マジョリティの切なる声だと思います」って…傍から見たら日頃の行いじゃね、なんては言ってはいけないんだろーなぁ(笑)とか、戦功の過大評価とか、真珠湾の死者は3000人、東京大空襲の被災者は100万人、死者は10万人とか、「アメリカの正規軍が自国領土内で他国の軍に攻撃されて死者を出したのは歴史上たったの二回しかなかったことになります。一回目はスー族がカスター将軍率いる第七騎兵隊を全滅させたとき、二回目が真珠湾攻撃。スー族への復讐はそのあとウーンデッド・ニーの虐殺で終わり、日本軍への復讐は先に述べたようなかたちで果たされたわけです」…やったらやり返すはともかく、目には目をではなく、目と歯と耳と鼻とその他もろもろとゆー事ですか?そーですか…

 「アメリカは自国民の死者のためには必ず報復しますし、つねに実際の損害に比べても強い被害者意識を持つ傾向があります。でも、自国軍が殺傷する他国民についてはあまり(ぜんぜん)気にならないようです。その点がちょっと問題ですね」って、ちょっとなのか?そーなのか(笑)

 米の親と子の関係性についてはちょっとこあい話しなので、詳細は本書をドゾ。ヘンデルとグレーテルなんてまだ甘かったんだなぁ…それに伴いシリアルキラーのとこも、これも一つの側面としては母と息子の関係性もあると…それにしても「殺人者は殺せば殺すほど自責の念を免れることができるのです(なぜなら、ころしているのはもはや「私」ではないからです)」って、どーよ…

 同性婚問題のとこもメインが年金と保険とか…これまた詳細は本書をドゾ。結局結婚とは資産問題に行きつくのか?またメタボ問題や完璧な肉体志向も…「身体を愛していないし、身体に敬意を払っていないという点では同じ種族」だそな…ただし肥満については「肥満が社会的な記号の一種として現に機能していることです」だとか?「「豊かな文化資本を享受できない社会階層の怒り」を表現するためには、豊かな文化資本を享受できない社会階層にステレオタイプなふるまいを演じてみせるしかない」って…「記号としての肥満」「階級的異議申し立てとしての肥満」って…確かにそこまでしないと分かってもらえないというのは「アメリカの悲劇」だなぁ…

 米の企業活動も数値化できないものは評価しないというのが長年のソレでしたが、今は信用とか、ブランド・イメージとか加算されている模様です。でもそれを資産として載せるって…所謂「インビジブル・アセット」…そんな簡単明瞭なものなのか?結局、こーゆーのってクラブ化に続く道ですか?もしくは秘密結社とか(笑)中の人は水面下のお話共有してますって…ここでアリス的なとこを一つ、著者の高校もエリート校だったそで、「この種のクラブの萌芽的形態が存在していました」そな(笑)「やや妄想的なプランを抱いた高校生たちが将来に備えてネットワーク形成につとに励んていたわけです」ソロリティーって奴でしょか(笑)

 あらゆるネットワーク、クラブ、秘密結社、友の会、まぁ何でもいいんですが「情報をリークすることよりもリークしないことからより大きな利益を得る人間は情報をリークしません」に尽きるよな…儲かりまっか?ボチボチでんな、は世界共通語なんですよ、奥さん(誰?)

 かくして社会階層の格差が発現していくと…「経済格差に始まって、希望格差、意欲格差、IT能力格差に次いで、ついにネット・コミュニケーション能力格差が私たちを階層化する指標として採択されつつあるようです。やれやれですね」一番じゃなきゃいけないんですかぁー?差別しちゃいけないんですかぁー(笑)まさにやれやれですね…

 司法制度も「制度改革というのは制度がうまくいっていないときにしか必要ないものですから」というのは真理だよなぁ(笑)まぁそれはともかく、米の訴訟天国(地獄?)は「アメリカは自己決定・自己責任ということを金科玉条にしていたはずです」それなのに熱いコーヒー引っ繰り返しても、肺がんになるまで煙草吸うのも、自己責任が問われないというのはいかがなものか?もはやエンターティメントな弁護士様の一人舞台ってか(笑)

 さて、アリス的にはバタフライ効果が出て来るとこなんかもあるんですが、最後に本書で一番おおっと思わされたとこを一つ。「例えば、「有事法制」は「有事」という以上国家的存亡の危機を想定しているはずだが、法則はアメリカあるいはアメリカの許諾を得た外国が日本領内に侵略してくる可能性を勘定に入れていない。日本にとって真の軍事的危機は゛外国の侵略に際して日米安保条約が機能しない」という局面である。しかし、まさにそのもっとも危険な事態だけは「ありえない」ものとされている」何か最近「絶対に安全です」という言葉がこの世で一番信用ならない気がするんだが、気のせいだろか(笑)

 結局「アメリカが日本に期待しているのは他の東アジアの国々と信頼関係が築けず、外交的・軍事的につねに不安を抱えているせいで、アメリカにすがりつくしかない国であり続けることである」とな…「アメリカに依存することでしか生きられない程度に弱く、アメリカの世界戦略の支援者として有効である程度に強い国という徹底的に中途半端な立ち位置をアメリカは日本に望んでいる」とな…

 良い事は悪い事、悪い事は良い事、ふらつきまわろう、霧と濁った空の中ってか(笑)

 目次参照  目次 国外

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