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2013年7月 9日 (火)

真理は単純だ、しかし事実は複雑だ(笑)

虫のフリ見て我がフリ直せ  養老孟司 河野和男  明石書店

 ある昆虫採集家の嘆きかな(笑)日常に目にする虫から始まって、生物学全体から、全世界を憂う対談かも(笑)世の中、何だかおかしいぞ、というのはこれまた日常誰もが感じる事ですが、虫屋さんには虫屋さんの実在があるんですね(笑)抽象論や観念論で物事を考えている人は一度野山を駆け回るといいと思うよ、の世界か?

 さて、物事を客観的に見るというよりも、達観できるか?否か?の世界観かなぁ?本書的にいくと「(ダーウィンは)最終的には、目の肥えた分類学者に任せよう、その人が違うと言ったらそれは違うんだ、というようなことを」(@河野)ですかねぇ…理想はベストだけど、現実はベターなと言っていいのか(笑)

 何というかお二人とも自然を相手にしてきた人達なので、理論の危うさを熟知しているタイプかなぁ?ある意味現実見ろよ、の世界かも(笑)その共通項がたまたま昆虫だったとゆー事か?「マイヤーが「ダーウィン進化論の現在」に書いていたことですが、先住民が区別している区別と、鳥科学者が完全に分類した区分と全く重なってしまうのだと」(@養老)とか、世の中なんてこんなもん(笑)

 アリス的に虫…アウトドアアリス…あまり思いつかないが…そーいえばマレーで虫取りに来てる人達と遭遇していたっけ?マレーの自然も凄い事になってそーだしなぁ…後はあのホタルの木…「あのクリスマスツリーみたいな」(@河野)とな…ちなみに何本も同じ木が並んでいても、ホタルが何万も来る木もあれば、全然来ない木もあると…その違いはホタルにしか分からないというのが実情のよーです…違いが分かる虫にこの一本ってか(笑)

 西洋対東洋というか、日本だと虫の世界も西はやはり還元主義の国だもの…らしい…「でも、所詮、日本人の虫好きなおじさんがやっとる19世紀的な博物学だ、という認識が彼らにとっては強いと思うんです」(@河野)とな…日常では「ヨーロッパのように最近は虫を採ってはいけないなんてことが一般レベルにまで浸透しているところがあるから」(@河野)だそーで、成程人間よ自然に還れな国だものなのか…

 今の生物学がどこへ向かおうとしていのか?はともかく、教科書レベルで再検討した方がいーんでないかい?ではなかろーか?と…例えば一昔前の教科書に掲載されていたレベルでイングランド地方のオオシモフリエダシャクの黒化現象とか(笑)「例の有名な写真、黒い木に黒いガと白いガがはのついて、黒いガは目立たないけれども白いガは目立つ。白い木だと黒いガが目立つけれども黒いガは目立たない。これは高等学校の教科書にも出ているほどすごく有名なことなんですが、実はこれはやらせなんですね」(@河野)ネオ・ダーウィニズム万歳ってか(笑)

 さて、遺伝と遺伝子辺りだと「私は幸いにして実際の育種ということをやったものですから、遺伝率なんて、そんなものは操作する気になればなんぼでも操作できるということがわかる。環境を変えて材料になっている遺伝変異を変えてやれば、0から100まで自由自在ですよ」(@河野)遺伝率だけでいーんですか(笑)となり「人間社会を例にとると、「情報系」と同じで、単語と辞書だけあったら文章が書けるかという議論ですね。そんなこと、できないに決まっていますよ」(@養老)遺伝子だけあればいーんですかぁー(笑)

 虫の話しがメインのはずなんですが、他国事情も散見していて例えば米なんかだと「アメリカ人なんていうのは、地ベタ這っているものは全部ひっくるめてクリーピング・クリーチャーですから」(@河野)さもありなんな気がするけど(笑)「(草間慶一さんが)アメリカでは虫のいるところを見つけるまでがまずたいへんだった、と言ってました」(@養老)虫が少ないから虫屋が少ないのか?虫屋が少ないから虫が少ないのか?そこが問題だってか(笑)

 米の進化論も「アメリカの進化学者は非常に発言に臆病になっているところがあります。アメリカのキリスト教保守派というのは、いま流行りの「インテリジェント・デザイン」なんですけれども、われわれから見ればめちゃくちゃな論理です」(@河野)でまたこれがパンピーな話しだけではなくて専門家の中でも「バリバリに活躍している人の中で、「実は私は創造論者なんだ」と言う人はいます。いくら分子生物学をやっていてもわからないものはわからないんだから。そこでポーンといっちゃうんですね」(@河野)何事も一部でもいるという事がその国の社会ってか(笑)かくして「科学的なことを書く場合に、宗教的なものを意識して抑制がかかるということですね」(@河野)とな…ええ、それでも地球は回っているんですよ、奥さん(誰?)

 米との対比で成熟度とは何か?「成熟度を計る尺度が西洋側にはなかった。だからマッカーサーが来て日本人は12歳だなどと言うんですよ。僕、ときどき考えるんですが、アメリカが仮に戦争に負けたとしたらどうなっていただろうかって。日本みたいな状況で、全面的に降伏して…。また福音主義になるのかな。それこそ、特攻なんてしないかもしれないけれど、単独行動主義になるとかかな」(@養老)むしろ、日本から見たら米の方が余程子供に見えるけど…中の人は皆自分が大人だと思いたいんだろーしなぁ(笑)まぁ未だに米から見た日本って誤解の嵐だし…「(ジャレド・ダイアモンドは)日本の徳川の最初の三代の将軍を異様に高く評価していますよね。ディフォレスティションを結果的に起さなかった国であると。しかも日本は上からのトップダウンの政策でやっていたと繰り返し言及しているんですが、それは誤認していますね」(@河野)に「僕もそれは指摘しておきました。あなたは日本のことを知らないでしょ、って」(@養老)って言うかその前の本からそーだし、訂正する気あるんでしょかねぇ?たいていの米人って自分の正しさに心酔しているし(笑)

 自然と人間という事では中国も負けていなくて、「中国人は、生き物を人為化していくんですよね。シフゾウがそうでしょう。清朝皇帝の狩猟場だけで飼われ、それ以外を絶滅したのを、ダヴィッドという神父が見つけ、ヨーロッパに紹介したんです」とな…その後革命勃発で中国のソブゾウは絶滅、ヨーロッパにあったシフゾウを繁殖して今ではどこにでもいるそーだけど、そのせいで原産地が不明だと…何故かと言えば「中国人の感覚をよく表していて、皇帝に献上してしまったら、原産地にはいなくしてしまったほうが価値が高い(笑)という感覚が自然に働いたんじゃないかと思うんです。もとはどこから出たか、記録もない」(@養老)何かコレクターのエピに似たよーな話しがあったよな?皆で持とうじゃなくて、俺だけが持つ、とそゆ事なんですかねぇ…

 ちなみに中国は進歩したという話しに世界(?)ではなっているはずなのに「もう中国は戦前に戻ってしまいましたからね」(@養老)とな…それは進歩なのか?進化なのか?「私は仕事で中国ではドサ回りばかりでしたから、中国の田舎の貧しさ、権力者にやりたい放題されている様を見てきました。零細農家が直接ではないけれど仕事の相手だったわけですから」(@河野)に「あれが中国の伝統なんですよね。中国の官僚の伝統でもっとも呆れるのは、中央政府が給料を出さないんですよね」(@養老)「それで搾取する。それはいまだに顕著ですね」(@河野)とな…さすが文化と伝統の国は違うなぁ…

 さて、翻って日本はというと、「脊椎動物のコレクションにしても、とても西欧のナチュラル・ヒストリーにはかなわない」(@養老)となり、解剖学とか、博物学とか、分類学とかは物凄くバカに、もとい冷遇されている模様…「上野の博物館なんて大英博物館と比べるのも愚かという感じ。アメリカにはスミソニアン・インスティテュートというバケモノみたいなものもありまして、それと同じことをとても日本はできないと思います。バブルとかなんとか、景気のいい時代もあったはずなのに、そちらのほうには何もいきませんでしたね」(@河野)文化国家日本、そんな話しだけを聞いた覚えがあるよーな(笑)まぁ絵に描いた餅は日本の特技だからなぁ(笑)

 てな訳で「日本の国会にいたっては、ここ10年で一体いくつ法律を作ったんでしょうか。それで日本がよくなると真面目に思っているんだから、本当にバカげているとしか思えない(笑)」(@養老)と中の人がそれだとしたら、外の人はどーかというと「日本はお金には気前はいいけれどもアイディアはほとんどないから、手なずけるには非常にやさしい相手だという扱いをここ30年ぐらい受けていますよね」(@河野)かな…で、バカにされてると…うん、内も外もバカバカバカなんですか(笑)

 ちなみに米英ではマグロが激減したのは「日本人が食べつくして絶滅させる」と認識している模様…「いまはそうではないんですよ。ノルウェーなどが魚を高根で買いつけるようになって、魚が高級食材になったら、マグロは急速にいなくなるだろうと」…なのに「いまのような日本の外交戦略のあり方だったら、日本人がマグロを絶滅させたと後世語られますね。中国や韓国の反日デモと同じで、なんであんなめちゃくちゃなことを通しているんだろう」森林問題も「「木材需要が高くて熱帯雨林の伐採が止まらない。日本人が使っているんだ」とあちこちから言われます」(@養老)昔から疑問だったのだけど、外務省って本当に働いているんだろーか?自国に不利になる話しを野放しなんて、それ放置プレイ?吉田茂や白州次郎じゃないけど、やはり外務っていらない子なんだろか?パスポート発行する以外に国民の役に立っているのか(笑)

 最後に本書で愛国心の無理強いについて著者は怒っていらっさいます(笑)「「愛国心」を主張する人たちは、その言葉を使うことによって、まさに日本そのものといってもいい「日本語」すなわち「大和魂」を真の意味で尊重していないことを、むしろ身をもって示しているのである」そな…更に「そもそもこの言葉そのものが、いわば粗暴だからなのである」とな…「「愛国心」を主張する人たちは「正しい」ことをいっていると思っているのに「不当にも」広くそれを認めてもらえない結果になる。「真の愛国心」があるなら、日本語の語感くらい、ちゃんと磨いたらどうだ。暗黙のうちに人々がそう思っているから、愛国心論争が不毛に陥る。つまり「話が違う」のである」(@養老)その国の国語の重みが分かるというのは…目先の利に走るのが正義な人多しだし(笑)そもそも感性がまっとーだったら、強制するなんて言動に出ないと思うし…

 で「日本語を山浦先生のように大切にする人が、一億を超える国民のなかにどれだけいるのだろうか。英語教育を充実させろ、ネイティブと同じように英語が話せるようにしろ。一億総オランダ通詞か」(@養老)となる訳で詳細は本書をドゾ。なんですが、いやぁ、文化国家ニッポンですから(笑)出島が日本って事なんですかねぇ…屋久島も種子島も日本だと思っていたんですが(笑)

 さて、著者お二人の言葉で一番ハーヘーホーと思ったとこは、対談についての後書きで「養老さんとの対談はこの私のイメージと望みに沿った形で進み、好みと思考パターンが始めから一致している仲良し子供会的な話し合い(日本では結果的にこのパターンがきわめて多い)ではなかったのは当然として、またもう一方の極論である思い込みと見解の表示様式に初めから全く共通点のないすれ違いの意見交換(日本で声を大きくしてのディベートとされるものはこのパターンで終わるものが多い)でももちろんなく、知的緊張感がバランスよく保たれた議論の時間だったと思う」(@河野)は、よく分かる気にさせられたからなぁ…全会一致か、ちゃぶ台返ししかないものなぁこの国は…

 で、も一人の方は「19世紀の生物学は、結局は情報の法則なんですよ。西洋人はある法則を神に与えられたと思っているから、客観的な科学世界の中にある法則を自分が取り出したと考えますが、僕は東洋人なので、自分の脳で見るんだから、こちらにないものは見つからないだろうと考える」(@養老)さて、見、え、る、か、なぁー(笑)他にも至言の嵐ですので、詳細は本書をドゾドゾ。

 目次参照  目次 生物

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