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2013年7月 7日 (日)

日本のノスタルジー?

味と映画の歳時記  池波正太郎  新潮社

 前半が食の12ヵ月で、後半が映画の12ヵ月のエッセイだろか?その月にちなんだ、食と映画で構成されているんですが、何となく日本人なら分かる分かるかな(笑)例えば12月の映画は忠臣蔵なんですよ、そんな雰囲気でつづられる作家の日常雑記とか…

 食の方は思い出横丁な雰囲気もなきにもしあらずで、むしろマドレーヌと紅茶の響きか(笑)取りあえずタイトルだけでも、一月橙、二月小鍋だて、三月白魚と蛤、四月鯛と浅蜊、五月鰹とキャベツ、六月鮎とさくらんぼ、七月茄子と白瓜、八月トマトと氷水、九月小はだの新子と秋刀魚、十月松茸と栗、十一月葡萄と柿、十二月柚子と湯豆腐など、というラインナップ…ちなみにこはだのはだの字が出ない…昔の字なんだろか?うーん…

 で、この目次を見れば、なんとなく日本のご飯とゆー気がしないでもないよーな?昭和にはまだ季節感があったのだなぁと納得の出来…二月の小鍋だての項なんかは「長火鉢に、底の浅い小さな土鍋がかかってい」とあって、古き良き日本の夕餉というか、酒と肴ですか、雰囲気満載…

 豆知識的には柿のとこで、「幕末のころ、アメリカの使節を幕府が饗応するとき、やわらかい柿に味醂をかけまわし、デザートとして出したところ、大いに好評を得たそうな」とあって、ジュレっぽいとこがウケたんでしょかねぇ?

 個人的に気になったのはコハダの項…毎年八月一日に著者は寿司屋に言って新子を食べる習慣があったみたいなんですが、今だとも少し早くないかなぁと…まだ小さいので新子の何枚づけというのは、日によって変わっていくんですよね…あのこれいったい何枚だぁーと数えたくなる枚数の新子は確かに一見に値すると思います(笑)尤もこれ江戸前でしかやらないみたいな話し聞いた事があるんだけど、西の方ではどーなんだろぉ?

 アリス的に和食というのは、日常的に行くなら婆ちゃんに軍配が上がりそーだけど?どだろ?京都的なところでは愛宕山の近くの掛け茶屋、平野屋が出てきます。何と享保の頃から続いた茶屋なんだとか…さすが京都だと思うけど、京都的にはこれでも新しいになってしまうんだろか?夏だと鮎がある模様…やはり鮎は川の側で食べるというか、地産地消じゃないけど獲れたてで行きたいよね(笑)

 その他アリス的なところというと、色んなとこでよく出て来るローストビーフかなぁ?こちらは資生堂で食べたという、ホット・ローストビーフ・オン・トーストでしょか?著者十代の思い出の味の一つみたいですが、今でもあるのかなぁ?これ多分銀座の資生堂パーラーだと思うんだけど?そーいえば、トーストもロシア紅茶をはじめあちこちで出て来てるし、その内こゆのも出て来るのだろか(笑)

 食のとこで面白いと思ったのは、著者が南仏はニースのカフェでシャンパンを飲んだ時、シャンパンにもっとも良い肴を頼んだら、何とポテトフライが出てきたとな…昔どっかの映画でシャンパンと言えば苺か?と認識しておりましたが、現地の仏ではフレンチフライか…シャンパンって揚げ物と合うという事なんだろか?それとも、シャンパンも現地の人にとっては日常食という事なんだろか?

 つい食い意地が張って食に偏ってしまいましたが、映画の項も戦前戦後と何かしみじみとしてしまうラインナップです。それにしても戦前の人の映画観というのが、今とは全然違っていて、「テレビもなく、日本国内の観光旅行ですら、「一生のうちに、一度行ければ、ようほうだ」などといわれていたころの庶民たちにとって、芝居・映画・寄席の三つは暮らしの中に深く溶け込み、月に一度か二度の見物に、人びとは働きづめの労苦を忘れたものだった」とな…なので身近なんですよね、映画が…

 色々と映画談議も出ているので詳細は本書をドゾなんですが、日本映画とゆーのは景色が違うというか、ものを言うというか、それだけで、ああと納得できるよな?例としては、雪のシーン…トンネルを抜けたらではなくて、映画となれば、八甲田山もありましたけど、日本史的なとこでいくと桜田門外の変、忠臣蔵の討ち入りのところなど、雪が出て、各々方でござるよ…これだけで情景がババーンと浮かんでくるよーな(笑)

 それにしても相変わらず著者の女性観は手厳しい(笑)「生得のものといおうか、親の躾がそうさせるのか、ともすれば自分のことのみしか考えぬ女の本性から外れた、このような女たちも少いがいるのだ」とな…

 目次参照  目次 文化・芸術  目次 食物

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