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2013年8月31日 (土)

大空を吹く風は?

秀吉はいつ知ったか  山田風太郎  筑摩書房

 所謂一つの作家のエッセイ集だと思われですかねぇ…前半は作家自身の日常編とするなら、後半はタイトル通り歴史編かなぁ?主に戦国、幕末、明治と後WWⅡですかねぇ…とはいえやはり日本史的には激動期的な時というと戦国、幕末の切ったはったが一際目立つよーな(笑)

 実生活編というかで話題になっているものは結構色々あるんだけど、夜更けの散歩とかね(笑)で、割りと煩雑に話題の上っているのが税の話しだったりするんですよ、奥さん(誰?)「余りにも唯々諾々と税金を払うことの不義ににつながる例は、税金を出せば出すほど役人の飯食いの質と量をあげ、財政再建に高級料亭再建の結果を呼ぶのみの事実に徹して明白なり」とか…財政破綻を阻止する為に増税だとか、脱税ふせぐために国民総背番号制導入とか政治家と役人は言うけど「国民に対して何らかのがまんを求める以上、それを口にする者がある程度清廉でなくてはならない。自分たちはワイロや脱税をほしいままにし、闇給与をとり、公金で飲み食いしながら、国民に対しては、がまんもヘッタクレもない」とか…先生、余程税務署と何かあったのか?いえ、気持ちは痛い程分かるけど(笑)

 アリス的に歴史上の人物というと聖徳太子と秀吉と幸村なんですけど、本書に登場している中ではタイトルにもあるよーに秀吉かなぁ?戦国史的にというより、日本史上最大の破天荒な人物としては信長に追随を許さない感じかなぁ?出来過ぎた男という面もあるし、破壊と創造をつかさどった人でもあるし、何より自分だけが正しい人だったよーな?

 本書にも信長の話しがあちこちに出ていて、また信長自身だけでなく、その信長にかかわった人達の信長像的な話も出てきますが、うーん、歴史上の人物として遠目に見るには偉大な人物とか、凄いとか、歴史っておもろーとか言えるけど、これ身近にいたらたまらないよなぁ…出来る事なら一生かかわりあいになりたくないタイプの筆頭じゃなかろーか?

 秀吉の話しはそんな信長にいかに取り入ったか?取り入ったとみせないで取り入ったか?ですかねぇ…相性の問題もあっただろーし、何より秀吉は「愛嬌とおべんちゃら」とあるけど、どちらかというとその手のプライドがなかった、もしくは無い振りができたという事ですよねぇ…仕事の出世と地位の為なら米つきバッタで頭下げて回るのも全然平気というのは、確かに戦国武将で出来そーなのは秀吉位だよなぁ(笑)

 かくて著者によると「秀吉の出世階段の上がり方は、たいへん意図的、かつ巧妙であり、きわめて術策に満ちたものではなかったか、と想像されるのである」とな…後に本能寺の変の後の跡目争いで一番目障りだった三男信孝を謀殺しているし…家康と組んだ次男信勝は自軍に引き入れてからは見返る事もなしだし…結局のとこ織田家を滅亡させたのは秀吉という事になる訳で、晩年彼は信長の亡霊を見る羽目になるとな…これ前田利家が記録を残していらっさるんですよ(笑)秀吉にも良心の呵責があった模様…そして今度は家康にそれやられる訳で天下の業は巡るってか…

 さて、本書のタイトルにもなっている秀吉はいつ知ったかですけど、これ何をと言えば、本能寺の変、信長の死ですね…史実的には六月二日に信長の死、三日に秀吉が知り、四日に清水宗治切腹という時系列らしーけど、どーも辻褄が合わないんじゃないか?というのが著者の見解…特に秀吉が知ったのが三日の午後十時過ぎで、切腹が四日の午前十時頃となると、夜なべして敵方と直談判って、水攻めで夜中、時は戦国、灯り一つとっても大変な訳で常識的に考えてアリエネェーだろーというのが著者の主張…もし本当ならあまりにスムーズ過ぎるとな…

 また情報封鎖にしても、あの光秀が隠密、密使を一人しか放たなかったなんてある訳がないだろで、これまた諜報戦でも裏があったのではないか?という事ですかねぇ…まぁタイミングよすぎるから疑わしい事はいぱーいある訳で(笑)史実は小説より奇なりなんしょか(笑)

 他にも色々歴史上の人物達が登場してきますので詳細は本書をドゾ。個人的に一番エーエーエーと思わされたのは明石元次郎でしょーか?明治にはかよーな男の人もいらっさったんですねぇ…主戦場にいない人の武勇伝ってこゆ事なんでしょか(笑)

 本書的には戦後史的なとこで戦前南京の百人斬り競争が新聞紙上に掲載された事があったそで、調査によるとヨタ記事だった模様…ただし当時実名で掲載された将校二人は「敗戦後中国へ連行されて、法廷にひきずり出された。二人は必死になって、それが事実無根のヨタ記事であることを証明しようとしたが、その記事を書いたかんじんの毎日新聞の浅海一男という記者は間が悪いものだから言を左右にして、そのために二人はついに処刑されてしまったのだ」そな…さすが天下の毎日○○新聞、昔からすんばらしー記者魂なんですね、これぞクオリティペーパーの風格(キリッ)

 戦後は続くよ、どこまでもなのか「オランダ女王の来日に対し、第二次大戦におけるオランダに対する日本の罪を謝罪したのはまあいいとして、植民地から解放されたインドネシアの大統領までが、日本の罪を口にしたのには唖然とした」とな…「インドネシアの大統領も、とにかく一発かませておくのが日本に対する何よりのあいさつだ、ということを承知していると見える」とな…いやもー親日とか、反日とかね、今更アレですけど、いざという時、その国のトップがどういう態度と対応をとってきたのかは後々の為にも日本人として覚えておいた方がいいと思うの…老婆心ながら(笑)

 著者的歴史観としては、「歴史は一つだ、というのは、真実は一つだ、という命題をスリ変えたものであって、「歴史」は人により、国民によって同じものが光となり影となるのはやむを得ない」というのはけだし名言ではなかろーか?正義は一つとか、歴史は一つとか、真実は一つとか…大菩薩峠かよの世界か(笑)かくて著者の実感がしみじみと籠っていらっさる一言はこれに尽きるかも?「何にせよ、過去百年の自国の歴史を否定する国家なんて、ほかに聞いたことがないのである」いやはやいやはや(笑)

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