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2013年8月16日 (金)

鰻とカレーと圧力鍋と時々アイスクリーム(笑)

サムライブルーの料理人  西芳照  白水社

 サブタイトルは、サッカー日本代表専属シェフの戦いなんですが、2004年の独W杯アジア予選からずっと著者が代表のシェフを担当してきた訳なんですねぇ…しかも、ほぼ一人…代表スタッフは他にも色々いるのですが、食のスタッフはほぼ著者一人(後にも一人シェフ入るですけど)、後は現地のホテルの調理人にも手伝ってもらって総勢55人分を毎食、場合によっては間食も作っている訳ですから、これは物凄い重労働なのでは?

 しかも拝読していると、食材もシェフ担当みたいで、現地での調達も他にスタッフの手を借りながらも本人が行っているし、大まかなメニュープランをたてていても現地の状況次第で幾らでも変わるし、何とゆーか究極の現場監督な気が(笑)

 それにしても当たり前なんですけど、スポーツ選手にとっては食べる事も仕事なんですね…どんなに過酷な状況でも体重を落とす訳にはいかないと…ただ、選手も人の子なんで、栄養学にのっとった完璧な食事なら大丈夫という訳でもなく、普通に安心して食べれるものが、一番だったりする訳で…いかにストレスなく、いかに身体によく、精神的に満足して戦えるか?

 食の葛藤って凄い…そしてそんな選手の為に単身、他人様の厨房に飛び込んで調理する著者も凄い…読めば分かると思いますが、アウェー感半端ねぇーなんでございますよ…言葉も慣習も、ついで言うなら能力も違う中で著者のメンタル、及び根性がすざまじー(笑)というか縁の下の力持ちに徹しているとこがスゲェ…

 アリス的にサッカー…阪神おたくのアリスにはそんなの関係ねぇー(死語?)の世界か?でもここに出て来る料理はアリスなんかが好きそうな気がするけど?こーゆー普通の日本の家庭料理っぽいメニューって、30代独身男性的には心ひかれるものがあるんではなかろーか?

 それにしても、代表の試合って必ずシェフ同行しているものかと思っていたら、これって、監督が要請する場合と、日本サッカー協会のスポーツ医学委員会が要請する場合の二つがあるそな…で、シェフが帯同って選手のご飯作ってるだけかと思っていたら、まず第一は滞在先の食の衛生管理だったのですねぇ…

 ちなみに「食品をつくる過程における衛生管理の国際的な管理手法HACCP」とゆー決まりがあるそーな…まぁ国内ならほぼ完璧に守られているそーだけど、「世界のなかには一流ホテルといえどもハサップが徹底されていないところもまだ多い、と言わざるを得ません」とな…

 とゆー事は完全アウェーの他所様の厨房の衛生管理のチェックして、食材確保して、調理場借りて、相手料理人に指示出しして、栄養学にのっとった食事を提供しつつ、チームの状態に合わせてメニューをマイナーチェンジしつつ、選手の食の食い付きもチェックすると…しかも美味しくて、奇をてらった料理じゃなくて、和食というか日本の日常食をメインに据えつつ、マンネリしない為にサプライズも用意し、和み系のメニューも配すと…

 日本から全部持っていけばとなるけど、それ輸送費が物凄くかかるので現地で調達できるならそれにこした事はない訳だし、生鮮食料品は特にそゆ事になるだろーし…調理場一つでも各国違うし…ましてや国民感情なんかねぇ…現地の調理人を使う訳ですから、ねぇ…特に水がやばくね?な世界なので…生水は使えないのが相場となればサラダなんかでも野菜洗う、その後水切りしっかりした後ミネラルウォーターで再び洗うんですよ、奥さん(笑)何とゆー二度手間…まぁ歯磨きでうがいの水はミネラルウォーターでという事もあると思いますの世界だし…何よりびっくりしたのは現地で豆腐を冷奴で食べれない…食べようと思ったらまず一度煮沸してからなんですね…ええ、豆腐って水分凄いですから、そのまま冷奴で食べたらお腹壊す事になる可能性高しって…それ飲料水って言うのか?

 まさに孤軍奮闘の戦場状態…しかも、食の打ち合わせとか他のスタッフとしたり、摺合せも大変じゃなかろーか?で、病人出れば別メニューでお粥なんて作っているし…朝、昼、晩だけでなくて、試合前のおにぎり、試合後のおにぎり、食材が注文したのに届かない、現地が高地すぎて火が弱い、更に沸点違うと…暑すぎて衛生問題が浮上とか?原因不明の腹痛とか…鉄分補給のメニューの開発とか…睡眠時間五時間切るのは当たり前…な生活を、しかも選手達は試合の勝敗如何では対応も違う中でですから…

 しみじみ思うんだけど、現地でこの人が倒れたら、むしろその方がチーム的にやばくね?何せほぼ一人だし…(W杯とか大きい試合機関の時は二人だとしても…)本書にも出てくるのですが、日本のスタッフの総勢は23,4名らしーのですが英だと55名だそーで…人員からしてかけている費用が違うって事ですか?

 何から何まで初耳の話しが多くて凄い…まぁW杯なんて男所帯で一か月半以上、その前準備期間を入れたらどんだけになるのか?何事もなくつつがなきやなんて…という戦場でなお話は臨場感ありまくりですので詳細は本書をドゾ。いや、マジで戦う男達が目の前に…

 豆知識的には明治製菓とキッコーマンでしょか?明治がアスリート用の栄養補助食品を手掛けているとは知らなんだ…だから栄養学的なメニューは明治側が提供していたりするんですよ…でキッコーマンの方ですけど、こちらヨーロッパにも子会社ありで日本の食材は何でもありまっせの世界らしー…ネットワーク的に先人の築いたものって凄いんだなぁと感服いたしました…

 それにしてもこれだけ何でも世界で揃う世の中になっても、魚関係はやはりアウトなのか?後葱とかゴボウとか…お米は現地調達していらっさいますが、おにぎりには日本米じゃないとねの世界らしー…冷めても美味い米ってそんなにないのか?ちなみに世界各国の料理人達が教えてくれといった料理が、照り焼きのタレ、から揚げ、ラーメンだそーで…

 面白いのは南アの時のエピ…ラーメンを作ると現地のホテルのスタッフが食べさせてと殺到してくるんだとか?それが、調理関係だけじゃなくてフロントから何から皆やってくると…南アでラーメン屋やったら儲かるかも?なんて著者も言ってますが、今南アは中韓の人多しだそーなのに…中国人の人は現地で麺類提供していないんだろか?

 いやー食の世界は本当奥深いっス…何回も言いますけど他にもエピ一杯ですので詳細は本書をドゾドゾ。巻末のレシピも必見です(笑)

 目次参照  目次 スポーツ  目次 食物

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