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2013年9月 5日 (木)

風が吹けば桶屋が儲かる?またはポジティブ・フィードバックへようこそ(笑)

ものぐさ社会論  岸田秀  青土社

 サブタイトルが岸田秀対談集でして、その名の通り対談本。しかもタイトル通りにお題は社会というか、日本と日本人かなぁ?

 科学的なとこもありますが、全体的に文系な話しのよーな?ある種社会批判的だから仕方ないか(笑)ネット関係も社会問題提起な感じだしなぁ?「電子メディアによって交わされている言葉は、現実生活にとってどうでもよいものが多い」(@西村)とな…「とくに彼らが話したがるのは、自分の身辺雑記です」(@西村)はあるあるかなぁ?一億総私小説作家とか(笑)

 人間関係の円滑化と幼児化についてのとこでは「子供のいちばんの特徴は、相手の立場に立ってものを考えないということです」(@岸田)とかあって、先生厳しー…まぁ、だだこねれば得だというのは人もあれですが(笑)「どんな情報を入力しても、自分の現実を強化する方向でしか受け付けない」(@養老)って大人でもいるし…ええ、どことは言いませんが(笑)

 それにしても身体の大きさと声の大きさというのは反比例しているんだろーか?「小さい人はやっぱり怒鳴るんですよね。怒鳴らないと相手が言うことを聞かないと、子供のころから学習していると思うんですよ」(@石堂)人も犬と大差ないのか?とふと思い…となると、国会議員もガタイのでかい人を選んだ方がいいんとちゃう?とか(笑)うん、選挙ポスターには身長もあるといいと思うよ(笑)

 まぁ政治家なんて怒鳴ってナンボの世界みたいだし…「間違いなくオレは正しいことをやっているんだという確信を持っている。はたから見ればいろいろ悪いことをいっぱいしているにもかかわらず、なぜそういう確信が持てるか。永田町や霞が関の世界がどういうものかよくは知りませんが、そこに原因がありそうですね」(@岸田)は頷くしかないかなぁ?あそこの住人とパンピーの意識の乖離は、最早天地の開きより大きいと思われ…閻魔様も年々仕事増えてそーだよなぁと(笑)

 それにしても石堂氏のお父さんは凄い人だったんだなぁと感心しました。息子が子供の時に大きくなったら外交官になると言ったらば、「おまえ、何を言うんだ。揉み手をするだけの卑怯者になるのか」と激怒したとな…昔から国益に適っていない外務省なんて何であるんだろぉ?「外務省のやっているのは謝罪外交ばかり」(@石堂)だもんなぁ…「自分の個人的な身の安全の確保しか関心のない連中のあつまりで、外交なんかやっていないですよ」(@岸田)いやはや全くご尤も…

 ちなみに「外交官は接待以外に何もすることがないのです」(@岸田)となれば、もしかして外務ってホストの集まりとゆー事なのか?

 アリス的に社会論…うーん、三面記事的ならミステリ的に被りそーだが、本書のそれはマクロとしてのそれが多そうだしなぁ…教育問題の辺りは准教授と被るのか?子供が親や教師を見はなしているのは「今の時代は身近な人たちが頼りにならなくなってしまった」(@杏中)からとか?そんなもんなんでしょかねぇ?逆に教師から見た学生というのは「十年前、二十年前の学生に比べると、今の学生は勉強しなくなったという印象が強いです」(@岸田)とな…まぁ勉学で身をたてるのでなかったのなら、成績よりコネがもの言う世の中だもんなぁ(笑)

 さて、本書に一番出て来る挿話はペリー来航ですかねぇ…まさに米の呪い、日本の呪いといった感がぬぐえないよな…これまた全然知らなかったのですが、あの浦賀沖の時、「開国に応じないなら戦争を始める、和睦を乞うなら白旗を立てよ」(@松本)と言ってきたんですね、米国は…呼ばれもせずにやってきて、戦争か?降伏か?ってそれが米外交…150年前から変わらない米ってオステキってか(笑)

 で、返答待っている間に品川沖で江戸湾の水深を測っていたとな…「他国の領海に入って水深を測ることをやったら、戦争の予備行為とみなされます。ペリーのとった行動は完全に国際法違反です」(@松本)ついでに品川沖で空砲まで打っているし…ちなみに本当に空砲かどうかも分かっていないとな…で、もっと凄いのが浦賀に来る一月前に沖縄に上陸していたそーで…「乗組員が実際に沖縄の女の子をレイプしたそうですね」(@岸田)なのに「ええ、にもかかわらずいま「ペルリ提督上陸之地」の碑まで建っています」(@松本)とは…初っ端からそれか?米ェ…

 建て前としては日本の文明化と通商だったけど、本音としては捕鯨船のメンテと中国との貿易の中継地の確保だったと…「しかしアメリカは、国内ではそう説明しなかった。開国通商を要求する決議を採択する議会も欺瞞に満ちている。日本を開国させないと万が一船が難破した際に、乗員であるアメリカ人の人権が守れない、日本に漂着したら殺害される、そう世論を導くがそんな事実は無いんです。鎖国政策とはいえ、漂流民は全員長崎へ船で移送して、そこから中国かオランダの船で上海に送り出しているのです」(@松本)嘘で固めた外交に、騙される国民が悪いんやとでも言うんだろーか?歴史なんて、どこの国も自国を善、他国を悪でいいじゃないってか(笑)

 てな訳で「アメリカにも、依然として日米戦争でのアメリカの勝利は日本国民を軍国主義から解放し、日本国民のためにもいいことであったとか、昔のペリーが開国を迫ったことは日本の民衆を圧迫していた徳川幕府が滅亡するきっかけを作ったのだから、日本のために役立ったとことであったとか、考える傾向はまだあるようです」(@岸田)には、いっそ天晴れだよなぁ…あのどこまでも自己肯定というか、自信過剰とか、自己中心的な性格はそれこそナノグラムも成長してはいらっさらないのね(笑)相手の立場になって考える事なんてないんだろーなぁ?まさにそんなの関係ねぇー(死語)

 著者的に言えば、己への誤魔化しを認め真実を見ろというか、言葉にしろみたいな話しかなぁ?精神分析的には、事実を捻じ曲げてはいけないという事らしー…その場は何とかなって、今も何とか平安が続いているよーでも、その鬱屈は症状として出て来ると…まぁフロイト的に言うならヒステリー患者なんかでしょーか?認めれば完治するってか?

 豆知識的な話しも満載で例えばリストラってあれ植民地主義の名残なんでしょかねぇ?「資産や人間を使い捨てにできるということですね」(@岸田)資源を枯渇するまで搾取し、「奴隷制というのはその露骨な例ですが、人間を使い捨ての道具とみなして、ダメになったら廃棄すればいいのです」(@岸田)、それが今も続いていると…経営者は社員なんていらなくなったらポイっとな…大切なのは社員ではなくて、会社ではなくて、株ではなくて、己の資産ってか(笑)

 他にも色々出てきて、例えば香港の教科書にはアヘン戦争がないに等しいらしくて、香港人はアヘン戦争を知らずに育つとか…英の教科書パネェ…ボストンティーパーティーじゃないけど積荷を海に投げ捨てられたから、「フリートレードの原則を反故にしたので戦争になった」って…その積荷の中身はアヘンでんがな…中国的には禁輸品目なんですけど?さすが大英帝国サマばねぇ…

 北朝鮮についても「現実の国際情勢に対応しているのではなくて、過ぎ去った過去の幻想、あるいはありもしない未来の幻想にとらわれているからです」(@岸田)は言いえて妙ですかねぇ…しかも日本にも「北朝鮮を称賛することが良心的だったのです。それは大いなる幻想でした。日本の左翼はそれを幻想と思わずにきたわけです」(@岸田)みんなで夢見ているというのは、どーだろぉ(笑)「現実的なメリットはありません」(@岸田)って…でもまぁ未だに夢の途中な人いぱーいいらっさるしなぁ(笑)

 ちなみに北朝鮮から見た日本というのは「アメリカの占領下にある国がなんだかんだと、大きな口をきいていいのかということがある(笑)国連の安全保障理事国の常任理事国になるといっても、自分で自分を守ってもいない国が、金を出して守ってもらっているというのに、突然、親分顔して入りたいって言っても…」(@三浦)だそな…結局、皆で見下しあっているというか、コンプレックスの反動でつつきあっているという事なんだろか?

 どこも自分で立ちたい、でもそれが出来るか?否か?はどの国も人も厳しいって事みたいです。アルザス人は仏からも独からも独立してアルザス国になりたいけど、現実無理とか…ペルーではスペイン系がインディオ系を虐待し差別していると若きフジモリ元大統領が言ってたそな…留学先で母国を憂う…何だかなぁ…その他の国々も掲載されていますので詳細は本書をドゾドゾ。まぁ歴史の幻想って奴ですか…「根拠がない存在だから説明が必要になる。どの民族も起源神話や建国神話を持っているのはそのためです。人間には歴史が必要なのです」(@岸田)何より特に自分に都合のいいのが一番♪

 さて、最後に個人的に気になったとこを二つだけ上げるとしたら、一つは表現としての言葉かなぁ?「幕末にペリーに強姦されて西洋文化を受け入れて」(@岸田)と隠喩としての強姦発言が結構あちこちにありまして…まぁ男の人の発言だなぁと…意に染まぬ事を強制された事を暴力的だと事の重大さを表現するのに使うのでしょーけど、それを強姦されたと表現しても、殿方は決して去勢されたとは表現しないんですよね(笑)ペリーやGHQのせーで日本の政治家も官僚も皆宦官になったとか、日本はずぅーっとED状態とは言わないんですよね…そこに著者風に言うなら抑圧やらコンプレックスやらがあるのではないか?と疑うのは穿ち過ぎってか(笑)

 も一つは、依存症と盲信について…日本国憲法の前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」となるそで、「まさに依存性の表明ですね。他の人がいい人で守ってくれるんだから、自分で自分を守る必要はないというわけでしょう。善意を信じてりゃいい。これが憲法前文ですからね」(@岸田)世の中、善人だけの世界だと思いたいってか?そこは天国というのだろーか?日本の横には日本海と東シナ海があるんですが?これまたそんなの関係ねぇーってか?これは美文乙って事で済ましていいんですかぁ(笑)

 「一部の権力者、支配者が現実を隠蔽して、国民を騙すということをやると、その権力者、支配者自身が今度は現実を見失うことになるんです」とは、昨今を見まわすまでもなくでしょかねぇ…そして本書の一番の至言は「自分の嘘に自分が騙されるんです」…もーこれ以上何も言えねぇ…他にもすんごい見解の嵐ですので、詳細は本書をドゾドゾドゾ~目から鱗がいぱーいってか(笑)

 対談者は、養老孟司、西村清和、石堂淑朗、中沢けい、平田オリザ、杏中保夫、松本健一、田中滋、三浦雅士、大須敏生、石川清張、ひろさちや

 目次参照  目次 文系

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