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2013年9月 6日 (金)

理想は実行すべきものなり、実行すべからざるものは夢想なり…

近代国家を構想した思想家たち  鹿野政直  岩波書店

 タイトルがタイトルなので物凄く硬い本かと思っていたら、明治から戦前にかけてはこんな人達いましたという紹介本かなぁ?近代歴史観というと、右と左でごっつんこみたいなノリ多しで今一、手を出し辛いとこがあるんですけど、まぁニッポンの夜明けじゃーってとこから、スッキリなのか、泥沼なのか、とにかく登場人物達が濃いぃーです…

 で、こちらに掲載されているのは、渡辺崋山、吉田松陰、坂本龍馬、中山みき、福沢諭吉、中江兆民、植木枝盛、馬場辰猪、陸羯南、吉野作造、美濃部達吉、市川房江、内村鑑三、岡倉天心、宮崎滔天、朝河貫一、金子文子、石橋湛山、出口なお、幸徳秋水、大杉栄、北一輝、山川菊栄、戸坂潤、河上肇のラインナップ…ディープっしょ…

 知ってる人はああなるほろな解説が待ち受けておりまする…

 アリス的に思想…うーん、乱鴉の海老原先生辺りはどーなんだろー?まぁこちらに出てきている人達は皆、緊迫感が半端ねぇ境地でいらっさいますが?まさに死ぬの、生きるのの世界…特に幕末辺りに活躍していた人達は、幕府の後手後手にかなり焦燥感を感じていらっさった模様…国の一大事だというのに「身分が高いというだけでその地位についた者、賄賂で成り上がった者、また儒教にこりかたまった者ばかり」とは、これ如何に(笑)

 最近流行りの情弱がいるやんかぁー?なアレですけど、吉田松陰君の場合、獄中、蟄居、獄中、護送、処刑とその間行動に自由がなかったにも関わらず「驚くほどひろく情報を収集し、情勢を動かすための方策を練りつづけた」そな…ちなみに獄中で囚人たちと学習会を開いていたそーだから、根性の座り具合が凡人とは違うって事ですかねぇ…日本の危機の前に時も場所も選んでられるか?ですか?ですか?

 まぁ啓蒙という点では、福沢諭吉の形より中身だろ?的な今でいうとハードよりソフト志向がパネェ…「無形の「人民独立の気力」こそ、「文明の精神」として要になるもの」…日本人なら心意気と心映えとゆー事でしょか?激動の明治というより、混迷の明治はどこへ行くだったのかなぁ…「名分や風雅にひたりきりの儒者的人間像や、名分を捨てて利にはしりがちの町人的人間像を、痛撃しているのであった」とな…さすが福沢先生ってか(笑)

 後はやはり自由民権運動ではないですけど、人権問題が国内外で大問題だったのは確かなよーで、人種も、性差も厳しい状況だった模様…現地に行って実際に外国というものがどーいうものかを目にしてくる人が増えれば、「アメリカというキリスト教国とその国民が、どんなに拝金宗や人種差別観に汚染されているか」を書いた内村とか、欧米各国による黄禍に対して、「西洋こそ東洋にとっては「白禍」だった」言い切り「西洋は中世的迷信から自由になったことを自慢しているが、それに変る富の偶像崇拝はどうなのか?」と疑問を放った岡倉とか…ここまでくると見えてしまいましたの世界か(笑)

 それにしても中山だとか出口だとかの教祖様的な生き方もある種女性の人権問題がその土壌にある訳で、戦前の女性人権問題は根が深そー…でたとえ開明派の民権家でさえ「女性を道具視する」殿方が多かった模様…ただ、女性解放運動に賛成の男性もいた訳で、そこは特筆すべきとこだろーけど、一方で娼館廃止を訴えながら自らは通っちゃうとか、愛人いぱーいで泥沼とか…ええ、上半身と下半身の統合については如何なものか?という話も出てきたりして(笑)

 当時の弾圧の凄さに対しての「律がこわいか、神がこわいか」と言い放った中山とか、出口の不屈の精神は凄いを通り越してすざまじいとしか言いよーがないよーな…「もっともはげしく世直りを希求し、またできた体制にもっともつよく拒否感を吐露したのが、いずれも女性であったことは意味ぶかい」とな…薩長というか、明治以降の戦前の政府には女性が、女性観が無かった事が見事に露呈しているよな…まぁそれが日本のその後の瓦解への序曲だっだったよな…アマテラスの国なのに(笑)

 取りあえず、本書で一番のしみじみ感は山川菊栄のお言葉ではなかろーか?「日本は男の国だと、つくづく感じ入った」…さて21世紀はいずこへ(笑)

 目次参照  目次 文系

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