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2013年10月24日 (木)

おちこんだりしたけれど、わたしは…

限界芸術論  鶴見俊輔  筑摩書房

 芸術でも何だかなぁ?な気がするのに、限界とつくとどーゆー事になるのか?解説によると、限界芸術とは「隅っこに押しやられたもの、芸術か非芸術かがなかなか識別がつかない境界にあって、誰の眼にも忘れさられたままになっているもの。子供や老人といった視点から論じられることがなおざりにされてきたもの」(@四方田犬彦)という事になるらしー…

 で、芸術とは、純粋芸術と、大衆芸術と、限界芸術の三つに区分されるそーで、最初の二つはどっちかというとその道のプロの仕事という範疇に入るみたいだけど、限界芸術はパンピー、それもメインストリームの方じゃない方に比重がある感じじゃね?な世界観らしー…

 よーは名も無き人々の群れというか、その中でも更に意識されているものじゃないんじゃね?みたいなとこじゃね?か(笑)著者のこの市井をくみ取る姿勢は本当、凄い…ある種パワーがあるよねぇ…文化なんてものはね、一括り出来るもんじゃないんじゃよの世界かもなぁ(笑)もしくは器の広さとは何ぞやか(笑)

 でで、そんな多方面に絨毯爆撃なさっている本書ですので、はっきり言ってトーシロには目が回ってしまい、何が何だかですので、いつものよーに目次に逃げると、
 限界芸術の発展、大衆芸術論、黒岩涙香、新聞小説論、円朝における身ぶりと象徴、「鞍馬天狗」の進化、まげもの のぞき眼鏡、冗談音楽の流れ、一つの日本映画論、現代の歌い手、国民文化論というのが大まかなラインナップか?

 アリス的に本書で一番関係ありそーなとこというと黒岩涙香のとこかなぁ?幕末の土佐生まれ、自由民権運動家を経て新聞主催者という事になるのかなぁ?それはともかく、この人が新聞小説、翻訳小説、そして探偵小説を始めた人という事になるらしー…ちなみに「無惨」(1889)を創作していたりして(笑)

 どちらかというと大衆小説の翻訳家としての方が有名か?全然知らなかったんですが、明治の当時、新聞の売れ行きって新聞小説の出来にかかっていたみたいです。涙香のそれは「当時涙香個人についていた読者は一万人といわれる」ですから、相当な売れっ子と見ていいんでしょーか?ちなみに新聞も明治の創業当時は論説ジャーナリズムだったらしーんですが、時代が進むにつれて連載小説、大衆文化のノリになっていった模様…面白くないと売れないんですよ、奥さん(誰?)

 でもって、涙香作の「無惨」が「日本の推理小説の最初のものであったという考証と分析は、すでに江戸川乱歩の「幻影城」、中島河太郎の「日本推理小説史」にくわしい」という事になるそーで、この辺りアリスならもーそやねんどころか読破してそーだよなぁ(笑)

 さて、本書は、勅語、カルタ、じゃんけん、漫才、らくがき、生け花、ラジオ放送、広告、言葉あそび、マスメディア、落語、音楽、映画etc.ともー縦横無尽に語られていますので、詳細は本書をドゾ。芸術というか、文化の枠って広いや、の世界か(笑)

 でまぁ、アリス的にいくと新聞小説、まげもの(時代)小説、戦前戦後のそれなど、やはり小説とついていたらそこを見ない事にはいかないでしょーが(笑)

 ちなみに「小説は幸福の容器だというのは、E・M・フォスターが「小説の側面」でのべた説である。フォスターによれば、幸福が各個人の内面性にかかわることがあきらかになった十八世紀以後に、幸福をえがく最も完全な手段として小説が発達したのは当然である。第三者にのぞきみることのできない各個人の内面生活の中にカメラをおいて、そこから世界をうつすのが、小説の方法だからだ」そな…

 何かこれが一番アリスらしーかなぁと思いますた(笑)ミステリと言っても、アリスのというか夕陽ケ丘を取り巻く世界というか、何か京阪神の幸せ探しな話じゃね?と…いえ、准教授もアリスも西に東に行脚していらっさいますけど、でも日常の生活は普通というか、穏やかに流れているよーな?自身たとえカンヅメがあったとしても(笑)

 でもって、乱鴉の准教授の科白を思い出してみたり、結構、この幸せがあれば生きていけるってか(笑)本のある幸福ってあるんですよ、多分(笑)

 ちなみに「まじめな文学と大衆文学のちがいは、大衆文学においては読者が安心して小説の主人公に自分を同一化できることにあると、アメリカの作家ジェイムズ・T・ファレルが書いたことがある。ファレルによれば、大衆文学の主人公はいやな性格をもっていないから、その主人公になったつもりで読みすすんでいっても、読者は自己嫌悪におちいったりすることがない。そして自己批判をしいられることもない」となるそーな…

 うーん、アリスについていくのはともかく、准教授についていくのはそれなりにアレな気がするが気のせいか?准教授の過去も結構重そーだと思うんだが、どーか?それでもミステリ的にはウェットでないところが、そなのかなぁ?教えて朝井さんってか(笑)

 その他、小説については「日本の大衆小説が三遊亭円朝から始まるという説は、タカクラ・テル以来、文学史上の定説になっている」そーで、そーだったのかぁー?と(笑)円朝の「怪談牡丹燈篭」(1884)は「ドイツ人のランケが、ローマ字になおして、ドイツの大学で日本語の教科書として用いられたこともあると言う」って…ドイツではもしかして日本語ってホラーから入ったという事でしょか(笑)まっ落語からとも言うですか?そーですか(笑)

 黒岩涙香の殺人犯物語とか、戦前の時代小説の立ち位置とかについての詳細も本書をドゾ。一つ例をあげるなら「時代物の姿を借りるならば、妥協のない思想が公然と戦時下にもとおり得たと」な…時代小説っておじさんの最後の牙城って気が勝手にしていたんだけど、熱いものだったのかぁーっ?

 後、大衆のヒーロー好きなとことか、「英雄が自分たちの「正義の味方」だという"共同幻想"の上で、われわれは英雄に酔う」そーで、だから「大衆小説は、この英雄に酔う読者にこたえて、超人的な人間を中心に、物語を構成する。それが小説の"主人公"である。ところが、主人公だけでは、読者は満足しない」とな…で、脇役登場という事になる模様…ちなみにこの脇役は「どこか間が抜けていて、お人よしで、ひょうきんで、それでいてなにか一つ常人ではできない能力をもっている」って…何かどこぞと被ると思うのは気のせいか(笑)

 他にも本当にいろんな説が出てきますので詳細は本書をドゾ。とても一口で言える本じゃないんですけど、でも小説好きなら黒岩涙香の章だけでも読みではありそー、いやー、明治、大正、昭和の戦前、終戦直後と、激動の歴史だったけど、文化の方も濃いぃぃぃ日々だったんだなぁと(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

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