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2013年10月22日 (火)

カフカとルイス・キャロルの共演?

偽りの来歴  レニー・ソールズベリー アリー・スジョ  白水社

 サブタイトルが、20世紀最大の絵画詐欺事件でして、事実は小説より奇なりって奴でしょーか?何かもー最初から最後までホンマでっかぁーっ?な話のオンパレードじゃまいか?さすが、大英帝国なのか?人材に偽りなしだよなぁ…どゆ話かというと、サブタイトル通りになるんでしょーか?ロンドンを中心にしての贋作連続事件なんですかねぇ?

 主役は二人、一人はジョン・ドゥリュー教授、原子物理学者、実業家、軍事・機密にも関係しており、美術に対して理解がある紳士。も一人がジョン・マイアット、美術史の専門家。という事にテート・ギャラリーではなっていたと、その他騙された御一同様も…

 その実、ドゥリューは大学にすらいっていない詐欺師、そしてマイアットは画家、もしくは芸術家崩れとでも言ったらいいのか?そんな二人が出会ったら?あーら不思議、世界を巻き込んだ一大贋作団になってました…かなぁ?

 詳細は本書をドゾ、なんですが、担当刑事達の事件後の感想が「これほど複雑な詐欺を一人の詐欺師が単独で計画し、実行することが可能なのかといぶかっていた」程なんですよ、奥さん(誰?)

 ちなみにこの詐欺師にかかわった人達は皆不幸になるというお墨付だよ、うほほぉーいってか…

 アリス的に絵画となれば、天農画伯になるんですけど、彼ならこの事件は知ってそーか?業界騒然だもんなぁ…たった一人の詐欺師によって、英だけではなくて、世界中の関係者を巻き込んだ一大スキャンダルに発展した訳で…しかも、その影響は多分、未来永劫続くとなれば、いやはやいやはや…

 タイトルに来歴とあるんですが、これまた全然美術関係に詳しくないので何じゃそりゃ?なんですけど、美術品って芸術家の手によって生み出された後、誰に売られていったのか、誰が所有していたのか、そのドナドナな人生もとい画生が残っているんですね…で、これで真贋を見極めていたとゆー事らしー…

 で、大手の画商とか、オークション会社とか、セレブが持っている分にはなるほろになる訳だったりして…で、その手紙とか、領収書とか、契約書とか、そーいった類のデータが、美術館なんかの記録簿的に残っていると…で、ここに記載されていると本物ですというお墨付がもらえる訳です。まさに天下御免の、ヘタすると世界的権威の判断より上回る話な訳で、それだけデータには物証としての権威があった訳です。

 さて、偽物とは何ぞや?贋作とは何ぞや?で、巨匠と言われた有名人の作品なら、ある程度の才能があれば真似っこは出来る、似たよーな表現方式で作品は出来るという事ですね、で、その才能を、天才的な才能を有していたのが、マイアットになる模様…

 最初は売れない画家もどきだったマイアットをドゥリューが見つけてしまったところから、贋作作成は始まる訳で、それを安全に売り払うにはどーしたらいいか?お墨付があればいいねんとゆー事で、ドゥリューは鮮やかな手並みで厳重に隔離されていた保管庫に入り込み、改竄してまうんですね…そこはこれまた英の美の殿堂、本丸たる、テート・ギャラリーを始めとする美術館その他のアーカイヴのデータを…

 この手口についての詳細は本書をドゾ。いや凄い、本当に凄い…騙された方が悪いんだぁーとはよく無関係の人が言うセリフですが、これはもー英美術界の重鎮達も絡んでくる訳で、責任者出て来いって、簡単に言える世界ではないよな…それでも、最初から引っかからない人も僅か、本当に極僅かにいたりするんだけど、進行形の時は、まさに異端で、オオカミが来たぞーっと叫んでも誰も信用してくれないんですよ、本当にオオカミなのに…

 で、事態はドンドン進行して行く訳で、これまた世界の二大オークション会社なんかにも競売に出すの出さないのな話にもなる訳で、また画家の真贋のお墨付については、画家によってはその後の家族が判定するとこありで、NYやパリやその他もー世界中が絡む話になってくると…

 いやもー何と言っていいのか?本書に関しては詳細は本書をドゾとしか言いよーがないよーなお話でして、画商的には本物であって欲しい訳ですよ、それだけで高く売れるし、またあの画家の隠されていた絵画を発見みたいな、美術史に残る一歩なりの見栄や思惑もあるし…またスコットランドヤード的に詐欺師に逃げられない内に立件しないといけないわぁーなとこもあるしで、最終的な狂騒曲じゃないかの裁判への道、裁判の日々は、いやもー体力勝負というか、気力の勝負ですかねぇ…特に陪審員の皆様は…あんまり凄いから、この裁判の陪審員になった人達はその後これから先一生、他の裁判で陪審員に呼ばれる事ないよ、という陪審員免除までもらえたといういわくつき…

 てな訳で下手なミステリーより遥かにスリリングなお話がドドドドドドーっと並んでいます。その章、その章、話は飛んでいるよーな、これまた誰が主役やねんなエビなんですけど、それをまとめると皆、この詐欺事件につながるという図式…何せ秘密の為に放火事件まで起きて、結果的に死人まで出してますから…贋作による被害総額は少なく見積もっても200万ドルは下らないと…しかも貴重なアーカイブは汚染されたまま…ある意味英の美術界の恥部という事になるんじゃないの?な事件なんですけど…それでも犯人は捕まっても実質一年弱位で出られるんですね…英の美術関係の法ってどーなってんだろー?というより、世界的に美術関係の法って…教えてアリスの世界か?

 なので、もー読みだしたら止まらないの世界なんですけど、いや読み物としてものすごく面白いと思うんですけど、何とゆーか、仏料理の趣きなんですよね…読んでいて、胸にくるというか、こってりというか…米、味噌、醤油の日本人には出て来る人出て来る人、オレが正しいというか、体力余っているというか、気力がみなぎっているというかで、ついていくのが体力いるよな…ある意味、この本の中で一番しおらしーのは主犯に近い、巻き込まれ型のマイアットですかねぇ…何か一番、普通の人っぽい…どーしてこーなったの典型な人とも言うか?みんなみんな貧乏が悪いんだってか…

 ドゥリューの人格は、詐欺師に人格というのも何だけど、うーん、自己顕示欲が強くて、自己評価が高くて、自信家で、自分の物語を盲信、妄信している人って本当にいるんだなぁと…こーゆー人は心理学的にどゆ事なのか?説明つくんだろか?の前に前頭葉前部の白質が多さって、なのか?

 壮絶なのはドゥリューの前夫人(内縁の妻)の人生、元医者だったのにまさにどーしてこーなった?ですか?詳細は本書をドゾですが…詐欺師ですから子供を騙すのも訳ないと思うけど、医者の診断書とか、英の医療倫理もアレなんですかねぇ…ドゥリューの現妻については本書をドゾ。何か地中海の伊の船長の妻を思い出してしまいましたが…

 でもって、この贋作、今も流通している模様でして、「美術館やオークション・カタログの中で自分の作品を見つけることがあったが、彼はいつもそれを自分の心の内にしまっておいた」とな…それでいいのか?マイアット…というより、美術業界か?元々、贋作が流通しているのが当たり前の世界だったとしても、ピカソ的に「その偽物がいい作品なら、嬉しいさ。すぐに座ってサインするよ」になるんだろーか?

 本物か偽物かそれが問題だ?とは一概に言えないとこが、これまた美術業界パネェ…超パネェ…

 目次参照  目次 文化・芸術

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