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2013年10月20日 (日)

リストマニア(笑)

芸術の蒐集  ウンベルト・エーコ  東洋書林

 正しい寿限無のあり方でしょーか?いえ、もーエーコですから、最初から最後までエーコ節炸裂で何これ読書のマラソンなノリか(笑)事の起こりはルーブル美術館での「会議、展覧会、公開講座、コンサート、映像などを企画してほしいとの依頼を受けた」時に、エーコの提案は「列挙」即ち「リスト」「カタログ」「目録」いかがっすかぁーっ?とゆーノリで、本書はその数えて数えて数えて見せるというおたくマニアな本ではなかろーか?

 世の中こんなに羅列する事が好きな人がいぱーいと思わなかった…ええ、エーコだけじゃないんですよ(笑)それを取り上げるのがエーコですから、全世界が舞台(笑)こんなにお仲間がいるぞいるぞいるぞと(笑)それを豊富な例を出してまとめたのが本書という事でしょか?

 かくてB5、400頁超えの本書が出来たと…美術を扱っている本ですからカラーな図像多しで、カラー図版入るとたいてい紙がいーんですよね…ハードカバーでB5で400頁超えると、重いちゅーねんっ…何かエーコの本は手首と腕の筋力の戦いのよーな気がしてきた…本読んで筋肉痛って…単に己の運動不足か…

 それはともかくとても美々しい本ですので、画像だけでも眺めるのも宜しの世界かと(笑)ちょっと今回のげいじつひん達は目のピントがどこだ(笑)ですが(笑)

 アリス的にエーコ…アリス、何だがエーコ好きそーな気がするが?アリスも雑学データベースだし…このマニアックなとこが二人よく似てる気がするのは気のせいか(笑)後アリス的というと、ダリの作品が結構こちら掲載されているとこかなぁ?「パッラーディオのタリアの柱廊」(三重県立美術館)、「人間の形をしたキャビネット」(ノルトライン・ウェストファーレン美術館)、「スペイン」(ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館)、「2ヤード離れて見ると中国人に変装した二人のレーニンとなり、6ヤード離れて見ると立派な虎が現れる50の抽象絵画」(ガラ=サルバドール・ダリ財団)、「小麦の数によって爆撃された頭部」(個人蔵)と、結構な数掲載されているんですよ、特にこの小麦のは本書のラストを飾る絵でして、もしかしてエーコはダリがお好き?

 後、アリス的というと、「天使の解剖学と深淵」(ダミアン・ハースト)ですかねぇ?いえ、こちらの作品、タイトルがコレなんですけど、確かに天使の像もあるんですけど、全面、これタバコの吸い殻がズラリ…これだけあると圧巻としかいいよーがないよーな…准教授のキャメル思い出してしまったり(笑)

 とにかく、本書は数えて数えての世界ですので、モブがメインか?という作品がドドンとな、の世界が展開している模様…ある意味空間嫌悪症ではないかという位に埋め尽くされているので、誰がメインなのか?何がメインなのか?ちょっと測り兼ねる作品がこれまたズラリ…何か年末の築地場外市場か、真夏の湘南海岸かのノリと言えば分って下さるだろーか?そーゆーののまとめみたいなノリなんですよ、最初から最後までこれでもかこれでもかと並んでいる、ついでのエーコの解説もついている、そして更に文学的な引用文も多しで、古今東西というか、ヨーロッパの文化・芸術が並んだ並んだ、あかしろきいろのノリか?

 文献も羅列するのがお好き?な世界でして、その例文がこれまた並ぶと、「神統記」(ヘシオドス)から「イリアス」(ホメロス)から「アエネイス」(ウェルギリス)から「神曲」(ダンテ・アリギエーリ)からetc.と古今東西の名作がズラリ…詳細は本書をドゾですが、これらの文はまさに寿限無の世界…何でこんなに並べないといけないんだと思う位出て来る出て来る(笑)

 その一例としては何と天使の名前リストなんてのもあって、アのつく名前だけでも「アイヘル、アウメル、アカイア、アキビール、アサエル、アザゼル、アサリアー、アザリエル、アジエル、アジメル、アスビビエル、アスフォル、アスモデル、アズライール、アスラデル、アスリエル、アゼルエル、アソリエル、アダン、アドナエル、アドナキエル、アドリエル、アナウエル、アナニ、アニエル、アハヤ、アブティズエル、アブリエル、アミシエル、アムティエム、アムビエル、アメザラク、アライル、アラエル、アラゼヤル、アラティア、アラフォス、アリエル、アリエル、アリオク、アリシエル、アルスエル、アルセヤレヨル、アリティエル、アルティンク、アルデフィエル、アルトール、アルニビエル、アルヘニエル、アルマディエル、アルマニー、アルマロス、アルメシエル、アルメルス、アルモエル、アレアシィ、アレバク、アンソエル」なんだそな…この後、イ以下ズラっと続く訳で天使の数っていったい幾つあるんだぁーっ?(エコー付)で聞いてみたい気が(笑)

 それにしても天使ってそんなにいたのか?と圧巻なんですが、実はこれ悪魔の名前リストもあって、そちらのアのつく名前は「アイヴィオン、アウブラス、アガレス、アグアレ、アサゼル、アスタロト、アスモダイアウモデウス、アドラメレク、アビゴール、アブラケス、アミー、アムドゥスキアス、アモン、アモン、アラストル、アラゼル、アリオク、アロケス、アンドラス、アンドレアルフス、アンドロス、アンドロマリウス」とあるそーな…アレ?悪魔の方が名前が少ないってか(笑)ちなみにワルって名前の悪魔もあるんだぜぇー(笑)

 引用文でアリス的なとこというと「シベリア横断鉄道とフランスの小さなジャンヌの散文詩」(プレーズ・サンドラルス)のとこに「死都ブリュージュの鐘の鈍い響き」とかあって、乱鴉にあったよなぁと(笑)日本人的には「サン・シュルビス広場、第一日」「パリの場所を究める試み」(ジュルジュ・ベレック)の中に「日本人がひとり、観光バスの中から僕の写真を撮っているようだ」とか「さらに日本人の団体、別の観光バスに乗って」とかあるとこでしょか(笑)何とゆーか、1982年当時のパリが分かるってか(笑)他にアリス的というと「彼自身によるロラン・バルト」(ロラン・バルト)の自分の好きなものの中に「グレン・グールド」とあったりするとこでしょか(笑)嫌いなものに「オルガン」とあって、好きなものに「ピアノ」とある位ですから、グールド好きもむべなるかななんですかねぇ?

 他にもいぱーい色々な記述が出てくるので詳細は本当、本書をドゾなんですが、文的に一つ上げるとしたら「人間が一生のうちに読める陳述の総量は、1日に100頁読み、各頁に1000字書かれていると計算して、36億5000万である」そな…ホンマでっかぁーっ?ライプニッツですけど、まぁ著者も「これらは数字が形而上学をかすめるファンタジーである」って、言ってるしなぁ(笑)どれだけ読めるか?それが問題だ?問題だ(笑)

 掲載されている芸術作品については本書をドゾ。個人的には「沈黙の眼」(マックス・エルンスト)がいっちゃった感パネェと思いましたが、本書の中で一個だけ譲ってもらえるなら「パテナ」がいいかなぁ?金ぴか宝石付のお皿みたいのなんですけど、うんバラして売ったら儲かりそーじゃなくて、このお皿もどきの中央に魚か鯨もどきが描かれていて、これが実にかわいいのだ(笑)とは言え、本書で一番ユーモラスで分かり易いという画像はというと「コデックス・セラフィニアムス」(ルイージ・セラフィーニ)でしょかねぇ(笑)

 てな訳で、詳細は本書をドゾ。何か気分は昆虫標本を覗き見る感じかなぁ?興味があっても、興味がなくても、それらは存在するんですよ、おぞーさん(誰?)

 目次参照  目次 文化・芸術

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