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2013年10月31日 (木)

不安の美学の発見?

幻想の画廊から  澁澤龍彦  青土社

 何となくシュルレアリスムとシュルレアリストの本のよーな気がしないでもないのですが、うーん、21世紀に読んでも澁澤節は健在なりってか…このブレなさが時代を超えるものなんだろか?

 取りあえず取り上げられている画家の皆様は、マックス・ウォルター・スワンベルク、ブロオネル、フランソワ・ジョゼフ・クレバン、ルイス・ウェイン、ポオル・デルフォー、ハンス・ベルメエル、レオノール・フィニー、バルテュス、タンギー、ルネ・マグリット、ゾンネンシュターン、サルバドール・ダリ、マックス・エルンスト、フランシス・ピカビア、M.C.エッシャー、モンス・デシデリオ、ハンス・ホルバイン、パルミジャニーノ、ジョゼッペ・アンチンボルト、ベックリン、マックス・クリンガー、ギュターヴ・モロオetc.

 この面子でもー分かる人は分かるんではなかろーか(笑)何とゆーか、タイトルに偽りなし、幻想というか、奇想というか、今なのか、昔なのか、総じて言える事は普通じゃないでしょか(笑)一風変わった作品ばかりなりなんですよ、奥さん(誰?)

 アリス的にシュルレアリスム…ダリ繭ですね、分かりますの世界か?本書にもダリの項はあるし、しかも執筆当時にダリ展まであった模様で、その章もあったりする(笑)ダリは好みがはっきり分かれるよーな気がするけど、取りあえず著者は「ダリの厳しさに対する嗜好、ぐにゃぐにゃしたものに対する倫理的な嫌悪が、彼の芸術の秘密を解く重要な鍵でもあることを料簡する必要があろう」とゆー事になるらしー…ちなみに「ダリは顕著な内閉的な傾向を示す禁欲主義者であり、彼の好む世界は、近代の自由主義やアナーキズムと対立する、堅固な秩序に支配された、神学的な冷たい世界なのだ」そー…となると、描いている絵は何か曲線多しな気がしないでもないけど、実際は平行四辺形でもなくてきっぱりくっきり正方形みたいな世界がダリ的なのか?

 でもって、ダリの原画、現物を拝んでの著者のお言葉が「意外にもダリが若いころから、じつにいろいろな手法を実験的に駆使しているのを知った」とゆー事になるとな(笑)「天性、おどろくべく達者なテクニシャンだな、と思わざるを得ない」となる模様…かくいうげいじつ音痴の己でも前にモノホンのダリを拝見した時には上手いなぁと思ったんですよ、おぞーさん(誰?)上手いには上手いけど、好みか?と言われると、正直、うーん…でしたが(笑)

 著者による評価は「ダリは、空間の広漠たる無限感を表出することによって、ヨーロッパ絵画に久しく失われていた風景の荘厳さを復活させ、一方、トリヴィアリズムに耽溺することによって、十六世紀マニエリスム時代の静物の魅惑を復活させた」となるらしー…どーも復活の画家と読んでくらはいなのか、ダリってば(笑)

 シュルレアリスム的にダリは一つのベンチマークじゃないかなぁと?どゆ事かというと、本書、結構あちこちにダリが引き合いに出されていたりするんですよ、姐さん(誰?)デルフォーやベルメエルの章のとこで「エルンストやダリのような正当シュルレアリスムの幅広い活動」とか、タンギーの章では「ダリには、ぎらぎらした白熱のスペインのカタロニアの気質」とか、マグリットの章では「ダリのようなフェティシズムは、彼にはほとんど無縁である」や、「ダリがイタリア・ルネサンスの光り輝く自然を復活した」とか、モンス・デシデリオの章では「(エルンスト、タンギー、ダリ)もまた、それぞれの悪夢のなかで、病める地殻のわななきを視たのである」とか、パルミジャニーノの章で「現代でも、たとえばダリのような気質の画家が、高度の技術的能力を要求するだまし絵を巧みに利用して、数々の傑作を残していることは、注目に値しよう」とか、アンチンボルトの章ではダリの「パラノイアックな顔」の絵を「これを横にして眺めると、サド侯爵が鬘をかぶった顔に見える」そな…何か引用されている画家、本書の中では一番多い気がするのは気のせい?

 他にアリス的というのならば、その名もズバリ、アリスでして…パルデュスの章で「不思議の国から帰ってきて、もう一度そこへ行きたいと思っても、なかなかうまく行かないアリスの苛立ちのようなものではないだろうか」とか、エルンストの章でエルンストがスナーク狩りの挿絵を描いているとゆー件とか…シュルレアリストはキャロルがお好き?の世界か?他に文章的なとこではホフマンの「砂男」が出てきたりするシーンもあるんですが、詳細は本書をドゾ(笑)

 何とゆーか、絵画って女性像が多い気がしないでもないんですが、シュルレアリスム系になるとそれが少女系が多い気がするのは気のせいか?それもリアルじゃないリアルって感じで、ただ、時代は20世紀といってもまだまだ画家の頭の中はマッチョ思考だよなぁと思うのは「欲望される女のイメージは、欲望する男のイメージによって、あらかじめ決定される」(@ベルメエル)の言ですかねぇ(笑)まぁ著者によると「軽犯罪的なセックスの妄執を、美に昇華させることができた芸術家は幸いである。ハンス・ベルメエルは、そのような稀なる資質に恵まれた、特異な画家というべきであろう」となるそーな(笑)

 とゆー訳で、他の画家の項も皆それぞれに至言の嵐ですので、詳細は本書をドゾ。どの画家も一筋縄ではいかないげいじつを展開されていらっさいます(笑)でもって、それを淡々を解説している著者は相変わらずパネェっ…言葉一つ一つが澁澤節きいていて、アレなんですが、最後に一つだけ上げるとしたら、「悪魔とは「問いかける者」であり、「他者」であると言われている」辺り、どでしょ?成程、言いえて妙だと納得の悪魔ですかねぇ(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

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