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2013年10月18日 (金)

みんな、ケーキの分け前にありつきたいのさ(笑)

FBI美術捜査官  ロバート・K・ウィットマン ジョン・シブマン  柏書房

 サブタイトルが、奪われた名画を追えなんですが、巻末に本書は自伝でも暴露本でもないと注意書きがあるんですが、著者曰く回想録だそーですけど、この違いについて考えるとか(笑)ノンフィクなのか、ドキュメンタリーなのか、それが問題だですかねぇ(笑)

 かくて、著者がFBIに入局してからの奮戦記、主に美術品関係のお話となる模様かな?著者的にラッキーだったのは新人の時に最初についた指導官、担当官が美術関係の仕事をしていた事でしょか?ほぼFBI内で美術窃盗・盗難なんて見向きもされない時に、個人的にコツコツやってた人に当たったというのは、これ宝くじばりの引きの良さではなかろーか?

 の、前に、本書の著者は日本人との間のハーフでして、更にカトリック…まさに米ではマイノリティ出身である事を隠さずですか?何せ、その母親が街頭で「ジャップ」だの「ニップ」だのと差別発言受けていたシーンすら入っていますから…少年期の思い出にしては苛酷じゃね?とゆーか、これが米の現実って事ですか…更にFBIに勤め出してから事故とはいえ、助手席に同乗していた同僚を亡くしているし(そして長い裁判沙汰に巻き込まれるし…)、いやー結構、著者はハードな人生を歩んでいらっさる模様…

 そしてそれら数々の逆境にもめげず、潜入調査官として活躍する…ストーリーだと思われですけど、それが山あり谷あり、その他諸々ありで凄いんじゃ(笑)かななななな?

 アリス的に美術関係なら天農画伯の出番なんですが、本書的には主人公がFBI捜査官という事で、どっちかというと警察・官僚・公務員って話かなぁと…となると、大阪、京都の両府警とか、兵庫県警とかの皆様方の方になるのだろーか?准教授絡みだと殺人事件が主だけど、美術関連の担当もいらっさるのかなぁ?

 まっ何が凄いって、米ってやっぱマッチョの国だったという事ですかねぇ…銀行強盗とか、麻薬犯罪とかには人出も人気もいぱーいなのに、美術品盗難に対しては冷遇されているというより、関心がまるでないに等しいのかと?

 とは言え、美術および骨董品を対象にした組織犯罪に関する国際会議なんてものが国連の下開催されていたりするんですよねぇ…一応世界各国参加者いますよっての世界らしーが、やはりギリシャとイタリアが参加者多いとゆー事らしー…ちなみに「美術犯罪は年間60億ドルのビジネスである」とか…まぁ会議的には統計とか、国際法とかが幅きかせているんだろなみたいですが(笑)「インターポールの統計では、美術犯罪の74%がヨーロッパで発生している」とか…で、この数字も誰が真面目に統計をとっているか?が肝要という事になるらしー…統計のアテになるか?ならないか?もこれまたアレなんですね(笑)

 例えば米人とは「すぐれた芸術というものにたいする無知が指摘されて」いるとかね…「美術館より野球場を好む」とかね…だけど統計的にはスミソニアン博物館の見学者は年間2420万人、NBAの観客動員数は2180万人、以下NHLは2120万人、HFLは1700万人と美術館関係の方が多いんじゃという例が出ているんですが、まぁそゆ点もあるかもだけど、美術館の場合観光客の数もあるし、スポーツ観戦の場合毎日試合が開催されているのか?と開催時間もあるしなぁ…一試合ってたいてい2-4時間位じゃなかろーか?美術館は10-5時まででも7時間は開いている訳だし(笑)簡単に比較できないと見るが、どーか?

 で、美術犯罪チームの各国差は如実に違っている模様で、例えば「フランスの国家美術犯罪班はパリに献身的な30名を擁し、国家憲兵隊大佐の指揮下にある」とか、「スコットランドヤードは1ダースの人員をフルタイムで配置し、嘱託を招いた美術や考古学の教授を刑事と組ませて捜査にあたらせている」とか、イタリアは「300名からなる美術品および古美術品班は評価の高い活動的な組織で、憲兵隊将軍ジョヴァンニ・ニストリに率いられている」とか、ちなみに伊の場合「ヘリコプター、サイバー探偵、それに潜水艦まで配備しているらしい」とな…うん、伊の本気を見たっ(笑)

 でで、翻って米はどーかというと「アメリカ全土を見わたしても、美術犯罪を担当する刑事はほんのひと握りにすぎない」とな…「専従的の美術犯罪捜査官を抱えているのはロサンジェルス市警だけである」そな…一般の警察は懸賞を出す位が相場らしー…でもって「美術犯罪に関して管轄権をもつFBIと入国管理・税関取締局は、捜査に人員を割くということをほとんどしないのだ」とな…ちなみにFBIのフルタイムの潜入捜査官は一人しかいなかったそーで、それが著者という事になる模様…しかも著者がFBIを退職した今、一人もいないという現実が…さすがFBIさんやで(笑)

 どゆ事かというと「FBIは巨大官僚組織である」というこれに尽きるよーな(笑)事件は専門に関係なく、その事件の起きた都市のチームに割り当てられるのが相場なのだとか…美術犯罪の場合は窃盗担当部署、即ち「銀行強盗/暴力犯罪班」が担当する事になると…で「いったん割りふられたあとは、管轄が変更されることはめったにない」そで、「たいていの中間管理職にとって、優先事項は事件ではなくキャリアである。また組織のトップに、大きな事件を本部や美術犯罪チームなどのエリートに移管するというような、あえて物議をかもす決定をくだしたがる人間はいない」という、どこかで見た事のあるよーな光景が展開される模様…何との事はない、米も結構閉鎖的じゃないかという話…

 そして、これまた米の美術館もたくさんあるし、これまた強盗が結構あるとゆー事か?具体的な事件の例が幾つか掲載されていますので詳細は本書をドゾ。まぁFBIの捜査的には異例の方になるのだろーなぁと思う…ドンパチはダメ、美術品傷ついたらどーする?だし、犯人逮捕より盗難品の確保の方が上だし、何とゆーか、とてもマッチョ的じゃないのだ(笑)ちなみに「1995年までは美術館から芸術作品や古代の遺物を盗んでも連邦犯罪にはならなかった」というお国柄なんですよ、奥さん(誰?)さすが、文化国家米(笑)

 ただ、20世紀末美術品の価格の値上がりがパネェ時でもあったし、メディア的には結構特ダネ扱いされるとゆー事で著者が在職当時は少しずつ局内で認知されていったでござるですかねぇ…ただ、これも結局最後まで読むと、例の縄張り争いで振出に戻るになっちゃっているみたいですが…ええ、FBIのお仕事は、ギャング、銀行強盗、汚職政治家に麻薬だとな…そして9.11以降はテロもあるし…

 で、更にFBIだけじゃ犯罪捜査は進みませんでして、連邦検事もそれなりに理解がないとねという事で本書に出てくる連邦検事補ロバート・ゴールドマンが、これまた凄い…著者の回りには結構人材で秀でている人が多いよーな気がする…新人の時の担当官のボブ・ペイジンとか、このゴールドマンとか…まだまだ米にもそれなりの人材がいますよっての世界か…尤も、この出来る検事も本書最後には上からの圧力で手を引けで、ふざけんなと辞職するはめになるし…もったいないといえばこれほどもったいないはないよーな…適材適所って言葉は米にはないんだろーか?

 とまぁ、FBI内の確執もあるし、現場の盗難行為もあるし、美術館の思惑、個人持ち主のソレ、保険もあれば、警備もある、犯罪組織のそれもあるし、美術商はあるし、法的にどこまでがオケなのか国によって違ってくるし、でも盗まれた美術品に国境はなしだし、国と国の警察機構のそれもあるしで…いやー、詳細は本書をドゾ。著者はスペインからデンマークからフランスから潜入捜査の為ならどこへでも行ってらっさいますが、いやパネェなんてもんじゃない…命がけで本当によくやるよの世界かも(笑)ちなみに「美術犯罪において、窃盗の9割は内部の犯行なのだ」となるそー…

 そんな訳で、窃盗犯とか、ブローカーとか、マフィアとか色々出てきまする。皆それぞれに個性的で凄いんですけど、詳細は本書をドゾ。そんな中でヨソモノ的キャラで光っていらっさったのが、仏のピエール・タペ、国内美術犯罪班の長、国家憲兵隊の中佐がもーなみなみならぬキャラで凄いです(笑)そして仏も、政治的、官僚的、上司的に凄い事になっているという事らし…こーゆー職場で淡々と仕事をこなしている人もいるとこにはいるんですねぇ…仏人らしくその皮肉めいた言葉がおステキすぎる(笑)

 このみんなで足を引っ張り合おうというのはキャンペーンなんだよの世界なのか?「主要な連邦執行機関-なかでもFBI、DEA、IRS、ATF、入国管理・税関取締局-は、合同捜査の主導権争いにしょっちゅう参戦している。異なる法執行機関同士が、どれくらいの頻度で隠し事をしあったり足をすくいあったりしているかを知ったら、一般市民はさぞや仰天することだろう」とゆーのが実情らしー…事件解決より、己の、所属の権利、縄張りが大切ってか(笑)「FBIは老害ネットワークだった」とな(笑)いやもー、どこも組織ってそゆもんなのか?そーなのか(笑)

 ガードナー事件の顛末はある意味衝撃的かなぁ…10年に一度の取り戻せるチャンスだったらしーのですが、結果は…まぁみんな自分のキャリアが一番大切ですからねぇ…特に上に行く程に(笑)詳細は本書をドゾ。官僚主義万歳ってか(笑)

 他にもたくさん事件が掲載されていますので詳細は本書をドゾですが、本書豆知識も満載というか、お国柄が出ていてこれもまたパネェと(笑)例えば、盗難と賄賂について「堕落した税関の人間を拙速に裁いてはいけない」「賄賂をつかませた人間は誰か、欧米人ではないか」(ジョージ・オケロ・アブング@ケニア国立美術館館長)の言もあったり…仏の潜入捜査官アンドレさん曰く「やっかいだったのは、あのサルコジだ。大統領になるまえの内務相時代に、そりが合わなくてね。彼は法と秩序を最優先に考える男だった。国家警察にたいして、サルコジが興味を持っていたのは結果だけだった-逮捕、逮捕、逮捕だ。数字ばかりに固執した。犯罪者と戦っている自分をアピールしたかったんだ」そー…成程、サルコジ、中の人の評判も頗る頗る頗るヨロシカッタ模様(笑)おフランスも大変でござるの巻か(笑)

 とまぁ美術犯罪の世界について書かれた本書ではありますが、パンピー的には商売とは何ぞや?というとこでこれが至言かなぁ?「人は商品を気に入っても、売る人が嫌いだと買わない。だが商品はたいして気に入らなくても、売る人のことを気に入れば、まあ、ともかく買ってもらえる可能性が残る。商売をするには、まず自分を売りこまなくてはならない。印象がすべてなのである」ですかねぇ(笑)まず、人ありきなんですよ、おぞーさん(誰?)

 目次参照  目次 文化・芸術

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