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2013年11月 7日 (木)

触媒都市?

パリの異邦人  鹿島茂  中央公論新社

 どーゆー本かというと、パリと作家かなぁ?パリを訪れた者、滞在した者、パリを舞台にした者、それはどーゆー人達か?もしくはどーゆー作品か?で、掲載されているのが、リルケ、ヘミングウェイ、ジョージ・オーウェル、ヨーゼフ・ロート、ヘンリー・ミラー、アナイス・ニン、エリザベス・ボウエン、ガートルード・スタインの各氏…有名どこがズラっとか(笑)

 で、最後の女性三人を除いて共通しているのは、貧乏(貧困)と愛(エロス)かと…何か、作家というのはこー究極貧乏、底辺の生活、社会悪と見せかけて自堕落な自分史というか、私小説というのがセオリーなのか(笑)若き日の持てるものが何もない突き抜け感とかが凄いって事なのか?はたまた19-20世紀にかけての社会保障が無いに等しいすざまじさなのか?まして異邦人ですから、旅行者や長期滞在者でいる分にはまだしも、突き抜けていけば移民問題に通じていきそーで…

 また、当時の生命観が違うのもあぶりだされていく訳で、タイタニックの沈没事件についても乗客の中で女性と子供が優先的に救助されたという美談が、パリの侍女の見解だと違うと見えて「そんなことをするのは愚かであると断定」したとな…その心は「もし婦人と子供だけが生き残ったところでなんになるのだ。一家の働き手を失った家族は途方に暮れ、一家離散になるだけではないか」だからとか…「それよりも、乗客全員で籤を引いて、何組かの家族を救出したほうが賢明ではなかったのか」だそな…スタイン的にはこれが「フランス的伝統」なんだとな…

 とにかく、驚いたのはホームレスも犯罪者なんですよ、パリって…「1992年の新刑法施行の前までは、ヴァガボンダージュといって「定まった住所も生計ももたず、定職のない状況」はそれだけで軽罪を構成するとされていたのである」なんだそな…自由、平等、博愛、フランス万歳ってか(笑)パリの警察はホームレスを犯罪者として捕まえるものだったんですねぇ…

 で、これが何を意味するか?というと、外国人旅行者もひとたび宿を失ったら、「一気に「犯罪者」の身分に落ちてしまったはずである」なんですよ…スゲェ現実感…パリに来た作家が貧困をテーマにするのも切実ってか…

 アリス的に作家の生き方(?)みたいなとこで、どだろ?と思って読んでみたけど…パリに住む(もしくはかかわる?)作家って…皆、どっかヤバクね?な人達がいぱーいって、どーよ?元々、本人がそういう気質なのか?それともパリという街が人をそーさせてまうのか?貧乏のとこも涙も突き抜けて、何も言えねぇ気持ちにさせられますが、愛の方ももっと半端ねぇ気が…さすが愛の国フランスなのか?でもフランスの愛ってエロスが本分なのか…

 パリに住んでいたとしても米人なんかは、パリの中の米人コミュニティーから逸脱しないでその中で回転木馬している雰囲気だけど、それでもパリにあてられているのか?単純に解放感からなのか?怒涛のごとく愛に走っている模様…この辺りになると、アリスより変態性欲の権威の准教授の方に分があるのかとふと気になるが…ヘミングウェイはともかく、ヘンリー・ミラーとアナイス・ニンのとこは、真っ当な恋愛感をお持ちの方ならマジかよ?とつい呟きたくなる関係ですよね…多分…げいじつかだからとか、パリだからとか、恋は盲目というより性は盲目といった感がしないでもないが…いっそ天晴れなのか…

 と、本書には一筋縄ではいかない人達が出て来る出て来るなので、興味のある方は本書をドゾ。さて、日本人的にはロスト・ジェネレーションの名付け親のスタイン女史のとこが、ホーホーホーかな?の前にパリのアメリカ人の精神的切実さが、ある種哀愁でしょーか?「外国人の芸術家や文学者たちは、パリにやってきて、「外国人性」を喪失してパリジャンに「なってしまう」のではなく、反対に、パリにいることで自らのうちにある「外国人性」を自覚し、それを育てることで、独自の文学や芸術を確立することができたということだ」とな…どこまでも異邦人ってか(笑)で、これを最も必要としていたのが米人だと…「アメリカという実際に生活に役立つことしか認めない文化の中で育った芸術家や文学者の卵たちは、アメリカでは「生きて」いくことができなかったから、パリにやってきたのである」となると、負け組の敗者復活戦なのか?

 それはともかく、20世紀初頭は印象派の絵画が物凄く安かった模様…これらを買いあさるスタイン兄妹なんだが、「こういう画家の絵なんてまったく二束三文の値打ちしかなかったのです」だそな…うらやましスだが、スタイン兄妹は目利きだったという事か?はともかく、セザンヌ、ルノワール、ゴーギャン、マチスetc,と出て来る絵も人もスゲェですけど、真打はピカソでしょ(笑)スタイン兄妹とピカソは互いの家を行きかう程の親密になるがそのきっかけが「レオが見せようとした日本の浮世絵を、ピカソが大嫌いだと明言したことによる、というのも、ガートルードも浮世絵が大嫌いだったからだ」、だそな(笑)いやー、世の中なんてこんなもん(笑)

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