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2013年11月22日 (金)

インドを知らずにしてカレーを語る事なかれ(笑)

カラー版 インド・カレー紀行  辛島昇 大村次郷・写真  岩波書店

 軽くレシピなんかも掲載されているし、現地の写真なんかも結構載っているしで、単純なカレーの本かと思ったら…いや、これはむしろ壮大なインド史というか、インド紹介誌というか、風土記ですかねぇ…一口にカレーなんていう事からおこがましい位現地のカレーは多種多様の模様です。そしてカレーの種類以上に人も文化も錯綜していらっさると…まさに多様化の国家インドなんですねぇ…

 さて、本書の見どころはそれこそたくさんあるのですが、まずその前に個人的におろろいたところから…何がと言えば、シーフードなんですよ、奥さん(誰?)何かカレーというと、がっつり肉というイメージがあって、インドはヒンドゥーだから牛食べないなら羊とか鶏かなぁ?後は何気にベジタリアンが多いイメージがあるから、野菜カレーか?なんて考えていたら、甘かった…

 よく言われるよーにインドにはカレー料理はないと、あるのは多種多様な地方料理、そのスパイスが他国人から見るとカレーなんじゃね、と一括りにしているだけで、大国だけにカレー料理それこそ星の数程あるんじゃなかろーか?と…で、本書も一応あちこちのカレー料理を紹介して、時にはレシピも掲載されているんだが、その中に結構魚を使ったカレーが多いんですよ…

 プローンカレー(ケーララ)は海老のカレーだし、フィッシュカレー(ケーララ)はサワラとか、マナガツオのカレーだし、マチェル・ジョル(ベンガル)はこれまたサワラとかマナガツオを使ったフィッシュカレー、またスリランカのカレーはオクラ・カレーといいながらその実モルディブ・フィッシュという日本でいうなまり節系(鰹節のソフトタイプ?)がペースト的なのか、ダシ的なのかふんだんに入っているし、結構海辺の街は海産物食べてますの世界なのか?

 アリス的にカレーの基本は英都の学食のカレーという事になるんだろーけど、マレーでも豆カレー食べていたし、そーいや結構あちこちで食べている?その内、インドカレーの謎とか出してくれないものか(笑)

 さて、カレー料理に基本のスパイスとは何か?と言えば、現地人曰く、ターメリック、クミン、コリアンダール、コショウ、マスタードなんだそー…取りあえずこの五種があれば、カレーと名乗っても大丈夫なのか?ちなみにこれらを混ぜあわれたカレーペーストは、現地では基本調味料のような使い方をしている模様…日本人的感覚で言うと醤油に近い感覚かとも?

 カレーの語源のところはまさにニワトリが先か?卵が先か?の世界で、異文化間コミュニケーションの結果じゃね?というとこが正しい気がするが?どだろ?ちなみに寺院の刻文にカレーらしきものが彫られているそで南インドでは少なくとも9世紀から、それらしきものはあったとな(笑)どちらかというとスパイス文化の南インドと、乳製品系のミルク文化の北インドが徐々に融合して出来たのが今のインド料理という事になる模様…

 文化的なところではやはりインドでカーストは避けて通れないよーで、肉食は穢れとつながるから、肉食をする人には触れてもいけないし、肉食する人が触ったものも穢れているから触れてはいけないって…何それの世界が展開している模様…だから、お皿がバナナの葉で、カップは素焼きとなる訳で、食べた後葉っぱは丸めて捨てればいいし、カップは叩き割ればいいと…割りばしより凄い一期一会の世界だったんですねぇ…身分的なそれもあって自分より下のカーストの人のつくったものを食べても穢れるからって、一昔前はベジタリアンのお店は、バラモン食堂と呼ばれていたとか…カースト的に一番上のバラモンが作った食べ物ならだれが食べても穢れないからって…さすが印様もパネェ…

 印的に凄い話となると、D.N.ジャー教授(デリー大)の発禁本の件だろーか?「インドでは、イスラーム教徒がやってくるはるか前から、バラモンですら牛肉を食べていたという内容の本を出版しよう」としたからなんですね…別に教授の妄想でもなんでもなく、本教授の専門はインド古代史…それに基づく「学術的価値の高いもの」だったとな…結果「ヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒、仏教徒の心情を傷つけた」と糾弾されて裁判所命令で発禁…21世紀なのに、さすが印様やでぇ…「教授の暗殺や逮捕もささやかれ、教授は身の危険にさらされたという」とはとはとは…その後、英で出版、今は政権が変わったからインドでも出版されているそーだけど…「ヴェジタリアン、ノン・ヴェジタリアンの問題は、インドでは今日なお重大なのである」って…

 アリス的にカレー料理でいくと、豆系でダールとか、サンバルとか、ラサムとか、毎日お豆は食卓に何かしらのぼるとな…インド的にはポピュラーな食材という事なんだろか?

 さて、本書は豆知識も満載で、チャトゥニーとアチャールの違いとか、カバブは水を使わないキャラバン料理だったとか、昔中国から青磁が輸入されていたんだけど、その理由が「毒に触れると変色すると信じられた」からって…ただ、日本人的に知っといた方がいいだろーなインド史的な話では、ゴアの解放のとこですかねぇ…「ゴアは、ほんの50年前までポルトガル領だった。インド共和国は、そのイギリスからの独立前に、ポルトガル領だけではなく、チェンナイ南方のポンディシェリーをはじめ、フランス領その他の領土もあった。それらは、1947年の独立にさいして、インド共和国に併合された。しかし、ポルトガルはその併合を拒否し、ゴアはその後もポルトガル領でありつづけた。そして1961年、最終的にインド共和国の武力行使によって「解放」されたのである」とな…

 日本的にポルトガル人で思い出すのはかのザビエルですけど、そのザビエルの本拠地がこのゴアですからねぇ…歴史って…それより今は領土を巡る国のあり方についてか…そーいやマカオもポルトガル領でしたもんねぇ…

 さて、最後に日本的つながりでインドでカレーを頼む方法とは?についてのクエスチョン(笑)マドラスの日本総領事館員の場合…米から転勤したばかりの館員が日本からきた代議士を接待する羽目になったとな、で代議士先生が言うならばせっかくインドに来たのだから本場のカレーを食べてみたいとな、実生活ではホテルの中華か、領事館の和食しか食べた事がない館員は困った、困ったけど「代議士の頼みとあっては断れない」とな、で村の小さなレストランで「カリー・アンド・ライス」を注文したら、出てきたのは白いお粥もどきだったとな、現地の人はカレーライスを知らなかったから、カードゥ・ライスを出したとな、ちなみにそれはヨーグルトかけご飯でござるの巻(笑)代議士先生も館員も一口食べてギブアップする代物…

 まっ一つの笑い話なんでしょーけど、現地の食べ物も知らない館員にガイドというかアテンド任せるのか?外務省?まぁ考えよーによっては、ベテラン館員をつける程たいしたセンセーではなかったという判断だったのか?外務省?それより何よりレベル的というより、スキル的にどーよ、と思うのは気のせいか?最近の外交問題についてしみじみと思うんだけどまともに仕事しているんだろか?とつい疑いの目を向けてしまう…いや、外務省こそ本当に必要なんですか?に見えるのは気のせいだと日本人なら思いたい(笑)

 その他、面白エピもシリアスエピも満載ですので、詳細は本書をドゾ。カレーで世界が見えまする。

 目次参照  目次 カレー  目次 国外

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