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2013年11月 4日 (月)

どの不如帰にしますか(笑)

ローマ人の物語 20 悪名高き皇帝たち 四  塩野七生  新潮社

 時は紀元54年第五代皇帝ネロが即位致します。ちなみに御年16才、紅顔の美少年もとい美青年きたぁーっとなる訳ですね、分かります(笑)ローマは歓喜に包まれたとな(笑)市民は心機一転、元老院は解放奴隷による秘書官政治、官僚制の撤廃を望んで、皆さん希望が見えたぁーの世界だった模様…まぁ爺より若人だよね、分かります(笑)

 そしてこの若き皇帝の後見人というか、補佐はかのセネカなんでござる。でしてよーは回りの大人の手が上手く立ち回って、青年皇帝誕生となった雰囲気でしょか?勿論、リップサービスも忘れません(笑)でまぁ元老院よりの施策がどどんと出てくると…元老院を立法の最高府に戻すよとか、司法を元老院に戻すとか、ええ裁判の陪審員って元老院と騎士階級で占められていたんですよ、そこで属州民が裁判するとして、判決はねぇ…しかも私邸と官邸を分けるというのも早い話秘書官の排除ですから…元老院としてはヤタァーでしょお(笑)更に、貧困状態にある元老院議員に毎年年金を支給するよとなれば歓喜しかないでしょー?別に食うに困っている訳じゃないんですよ、「元老院議員にふさわしい生活水準が保てない人への年金支給」なんですよ(笑)

 かくして、今までにない大人気、高支持率でネロが舞台に登場したとな(笑)

 アリス的にローマ…とずっと言っているけど、うーむ…今回のネロはもーローマ皇帝一悪名高いでは他者に追随を許さないお人でんなの世界か?尤も、これキリスト教徒迫害がネロからハッキリしたとゆー事で欧米で人気絶大にないのも理由の一つらしー…ええ、カエサルよりアウグストゥスよりネロの名前の方が有名だとな…どんだけ嫌われているねんの世界か?

 さて、皇帝が代替わりすると、もしくは皇帝が老年になると、付け込む隙が出来たぁーと言わんばかりにオリエントで蠢動が起きるのは最早お約束の領域のよーな気がする(笑)今回も毎度おなじみのパルティアが隣国のアルメニアの王位を狙って動き出すんですね…これに低地ゲルマニア軍の司令官を8年間も務めたコルブロを転任させて対応させまする…敵にも味方にも人望があったとな…ええ厳格なお人だったので…ただ、セネカは頭いー人ではあったが所詮机上の人だったと全権委任しなかった事で現場での少なからずの混乱を招く事になると…ええ、元祖縦割り行政ですよ、奥さん(誰?)

 意外とと言うと失礼なのかもしれないが、軍人にしては外交というものを知っていたコルブロだったよな…ただし、相手が納得すればの世界かな(笑)まぁどこで手打ちにするか?はトップの器量と判断力がものを言うけど、当時のパルティアの王ヴォロゲセスは蹴る方向性で一つとなり、コルブロはアルメニアの首都を無血入場する事に…ええ、ヴォロゲセスの弟、現アルメニア王のティリダテスは一戦も交えずに逃亡したんですね…

 ローマはアルメニアの第二都市も落とし、アルメニア内のパルティア勢力の一掃の後に親ローマ派の王ティグラネスを据えると…まぁアウグストゥス以来のいつものパターンですが…

 さて、外交問題はこれだけではなくてブリタニア問題も浮上します。何かもーセネカ-ネロ体制は軍事と外交はかなりド素人的感覚が漂う気がしないでもないんですが、結局は官僚政治体制というか、任期短いからそれなりでいーや的なとこと、いつもの金融業者ですか?高利貸しとも言う…ローマ市内じゃ通用しないから目の届かない遠方で暴利を貪れとな…地元民が決起するのはよく分かる気が…ただ統制のとれたローマ軍がこちらにはあったとな…取りあえず鎮圧し、統治を改定したとな…

 ブリタニアの方は一件落着したけどパルティアはこれまた年中無休で動乱の地というか、野心が続くよ、どこまでもの世界と言うべきか?それにネロはコルブロをシリア属州総督の任務に、アルメニア戦線を新たにペトゥスを派遣する事になると…結果から言うとベトゥス軍は失敗でござったの巻でしょか?何とローマ軍がパルティアに降伏する羽目になってしまうんですね…一応コルブロの救援で奪還しますが、事はそれだけで済まないよな…結局ペトゥス更迭、コルブロが東方の絶対指揮権を有する事になんですが、いざ尋常に勝負しろではなくてコルブロは外交戦を行うんですね…

 とまぁその前に、更迭されたペトゥスにネロが言った言葉がきつい…「お前をすぐに許そう。責任を問われる恐怖でお前が病気にならないうちにだ。恐怖に駆られるとすぐに平静を失うのが、お前の特質らしいからね」とはとはとは…官僚タイプのペトゥスは実践タイプではなかったんですよ、頭がいいだけの男に現場を任してはいけないという事ですかねぇ…

 さて、宜しいそれなら戦争だのローマの判断だったはずなのに外交でまとめたコルブロは強かな実践タイプだったと…結局ティリダリスをアルメニアの王位につけるとただしその戴冠はローマ皇帝が行うとな…ていのいい属国化ですよね、姐さん(誰?)まさに「戦争は、武器を使ってやる外交であり、外交は、武器を使わないでやる戦争である」ですかねぇ…どちらも使えたコルブロという男は…「有能なリーダーとは、人間と労苦と時間の節約に長じている人のことではないかと思いはじめている」とは著者の談だけど、まぁ何事も省エネ第一だよね(笑)

 次に行く前に話しを遡ってネロ個人というかネロと周囲の人間たちの方に目を向けると、前巻であったよーに、前皇帝クラウディウスをその妻アグリッピーナが毒殺した事によってネロが皇帝に即位したとゆー件だったんですが、その心はネロを傀儡皇帝にして自分が実権を握ってローマ帝国を采配したいというアグリッピーナの野望から、ですよね(笑)が、ここまでにそのアグリッピーナが出て来ない。それは何故かと言えば蛙の子は蛙と言うか、ネロもやはりアグリッピーナの子供だったという事でしょか?何がと言えば邪魔なヤツは殺してしまえホトトギスなところですよ、おぞーさん(誰?)

 紀元59年の春、ネロはアグリッピーナを殺害します。まず邪魔者その一退場と言ったとこでしょーか?62年に近衛軍団の長官ブルスが病死します。それに伴ってセネカが補佐から引退します。これでネロの保護者的な存在が排除できたと…ついでその年にネロは妻のオクタヴィアを離縁します。それだけならまだいいが、島流しの上に殺害してしまうんである…アウグストゥス的血縁という建て前なんてそんなの関係ねぇーってか(笑)かくしてこれまたその年にポッペア・サビーナと再婚する訳です…ネロ独裁やってきたーの世界でしょか?

 新たに皇后となったポッペアですが、贅沢三昧きたぁーに夢中とな…「ただし、ポッペアの贅沢嗜好は、首都ローマのユダヤ人社会に、皇宮内にくい込むすきを与えた」となる訳でして、贈り物がたんまりやあってくるぅーってか(笑)「皇帝の妻ポッペアとローマのユダヤ人社会との親密な関係は、ポッペアのユダヤ教への関心から生まれたものではない」そで「自分が保護者になる団体が、宗教に拠って立つところに特色があろうとも問題視しなかったのかもしれない」そななな…ただこれがネロが2000年たっても反キリストの悪評を浴びる原因をつくることになったと…

 その他、細々とした問題が勃発しますが、ネロと言えば、これでしょーのローマ大火きたですかねぇ…時は紀元64年7月の事でございました…九日間燃えに燃えたローマは再建に進む事になると…当初、建設と財源確保両面によるローマの再建策は市民には好評だったのでござる。それが何故に傾いていったかというと、ネロと言えばギリシャ趣味…再建と同時期に私庭の工事も始めてしまったとこと、ローマ市民の好みでないギリシャ様式を取り入れよーとしたとこですかねぇ…自然公園的なものより大浴場の方がローマ市民の好みだった事ですか?かくして噂が流れる訳ですね、ネロは自分好みのそれらをつくる為にローマ市内に火を放ったと…

 当時、ローマは多神教国家でござるでして、それ故に宗教面では寛容であったそな…だからローマ市内にはユダヤ教徒もいるし、キリスト教徒もいたと…で、ここにおける寛容とは「相手に同意することではない。同意はしないけれども、相手の存在は認めるということである」ちなみにローマ市民的見分け方としては「他教徒への布教に不熱心なユダヤ教と、熱心なキリスト教のちがいだ」ったとな…

 キリスト教とは唯一絶対の神であり、それを信じない人は「真の宗教に目覚めないかわいそうな人なのだから、その状態から救い出してやることこそがキリスト者の使命と信じているからである」押しの強さは2000年前も同じとか…「非キリスト者にしてみれば、余計なお節介」以外の何物でもないけど、正しい宗教、正しい己ですからねぇ(苦笑)

 ちなみに歴史家のタキトゥスのみたてによるキリスト教徒とは「ローマ人の創設した人間共生体のルールを乱そうとする、暗く不吉な敵であったのだ」とな…「三百年後のローマ帝国を予言するかのような、正確な把握であったと言うしかない」とはとはとは…

 かくして「人々から忌み嫌われていたキリスト教徒を放火犯に仕立てることで、自分に向けられていた市民たちの疑いを晴らそうとしたネロ」でありましたが、結果は惨敗…むしろその拷問や処刑に人々の同情がよせられる事になると、ついでにやはりネロがやったんだろーと噂も残る事になると…ちなみにこのキリスト教徒迫害事件が、「ネロを、ローマ史上第一の有名人にしたのだ」そーで、今だにキリスト教徒はネロを反キリストで弾劾しているとな…2000年たっても衰えないそな…いやはやいやはや…

 歯車という奴は一つ狂い出したら、ひたすら狂っていくしかないのかもなぁな的な流れに続くよーな?反ネロ的な動きが蠢動していく訳ですね。まずはピソの陰謀、ベネヴェントの陰謀、ガリアの決起、ついにスペイン総督のガルバがローマに進軍、ここに至って元老院はネロを見限りガルバにつくと…ネロ、ローマ脱出も自死する事になるとな紀元68年6月、30才の事でございました…そしてここでアウグストゥスの始めたユリウス・クラウディウス朝の終焉でござったと…さて、次期皇帝について次巻を待てですか(笑)

 何にせよローマの皇帝職というのはアウグストゥスのファンタジーの上に成り立っていた訳で、共和制に見せかけた帝政であり、その皇帝任命権は元老院と市民にあるという筋書き…絶対王政というノリではなくて、いくつもの権力の集中職みたいなものでその一つ一つが他者からの承認によって成り立っているところが何とも…

 かくて「権力とは、誰でもつかいこなせるものではない。駆使する能力に恵まれなかったり使う勇気がもてない人の場合、権力はもたないも同然になる」とな…ちなみに「高度な政治上の技能の持主をトップにもつことが、いかにまれなる幸運であるかは、人類の歴史が示す人間性の現実である」というとこは、今日本人程理解しているものはいないのではないか(笑)と思うけど、いかがなものか(笑)

 さて、「ローマ人は、イデオロギーの民ではなかった。現実に闘う意味においての、リアリストの集団であった」とな…だから誰がやるのか?が問題なんですね…本書の末尾はこれまでの、そしてこれからの事を思うと非常に意味深ではなかろーか?と…「アウグストゥスの苦労の結果であった帝政におけるチェック機能の問題は、未解決で残されたことになった。いや、チェック機能としての皇帝暗殺が、正当化されるようになったとするべきかもしれない」お後が宜しいのか、どーか?って、どーよってか(笑)

 目次参照  目次 文系

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