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2013年11月 1日 (金)

どこでもご飯?

戦場でメシを食う  佐藤和孝  新潮社

 どーゆー話かというと、紛争地のご飯だろーか?ちなみに著者はフリーのジャーナリスト…で、本書に出て来る国が、アフガニスタン、サラエボ、アルバニア、チェチェン、アチェ、イラクと名前聞くだけで、何となく分かる気にさせられるよな…報道も現場まで出張ると凄い事になっているんだなぁと納得の一冊でしょか?

 お題がご飯のせーではないんでしょーけど、本書はある種この世の極限状態の地でありかながら、全体的に殺伐としていないとこが凄いとかなぁ?更に言うなら、上から目線でないとこも…この手のルポって現地は、世界はこんなに凄い事になっているのに、平和ボケしている日本はぁーっというお怒りモードというか、説教モードというか、大上段モードが多いよーに見受けられる昨今…本書の著者は現地に入るまで知らない事は何も知らなかったと、分かったふりはしないんですよね…この押しつけがましさがないとこは素直に凄いと思いまする。正義はふりかざすものじゃないんですよ、奥さん(笑)

 それでも、各地でえらい目にあってはいますが、一例をあげると留置場でハンバーグを食すの巻でしょか?アフガンにもハンバーグあったのだなぁと、何か日本のイメージと違う気がするけど(笑)ちなみにアフガンのハンバーグはチャプリカバフというそーで羊肉で作られているそな…さすがイスラムなのか?で、日本なら小ぶりのそれが向こうだと鍋大の特大サイズのハンバーグになるらしー…ひき肉の他には香菜と靑唐辛子入りだとか…それをナンにはさんで食べると…切り分けてというか、ちぎってというか、で留置場の人達と一つ鍋もとい皿を分け合って食べる事になるんですが…ちなみにチャブリとはサンダルの事を指すそーで、日本語にするなら草鞋ハンバーグじゃね?と(笑)

 と、かよーに戦場でも、留置場でもご飯食べていますよの世界か?現地的なものもあれば、インスタント的なものもあるし、悲喜こもごもで臨場感ありまくりでございます…

 アリス的にご飯、アリス、大阪人だからご飯には一家言ありそーだけど(笑)本書的にはサラエボでパンピーの人が歌っていた曲があの天国への階段だったりするのは…著者も言っているけど、日本で聴くのと、サラエボで聴くのでは全然重みが違うらしー…後は本書を執筆する為の友人の作家の助言「一日五時間、机の前に座っていれば何かが生まれる」(@高山文彦)だとか…そーなんですか?アリス(笑)

 他にアリス的なとこというとアチェの取材で下宿先のおうちでの夕ご飯がバナナの葉にくるまれた魚とご飯なんですけどかけられているのがカレーなんですよね…やはりアジアはカレーなのか(笑)ちなみにこの後、アチェ人のゲリラの食堂のメニューも野菜の入った汁、肉を煮込んだ汁、ごはん、揚げた海老という組み合わせらしー…この二つの汁がカレーらしくご飯にかけて食べるとな…裸電球一つらしーのでよく見えないから闇鍋状態らしーが(笑)

 その記述を見て思ったのは、あちらのカレーとかご飯ってもしかして熱々炊き立て、カレーもぐつぐつ煮立ったのではないだろーなぁと…だって手でつかんで食べるとなればあまり熱々だと触れないよーな気がするんだが?となると、手で食べる文化の人達はもしかしてみなさん猫舌なんだろーか?と素朴な疑問が?

 も一つ本書で納得の説が、イスラムは羊食べる、豚食べないは何故か?なんですけど、「家畜の中で、羊が最も移動に適しており、豚は移動に適さない家畜である」のとこでしょか?成程遊牧民、移動に耐えるか?否か?は大問題だったのかも?ある意味、理に適っていたという事か?

 さて、アフガンも凄い事になっているけど、空爆当時のサラエボもパネェ…ホテルと言えるのかどーかのレベルだけど、野菜はポテト以外見た事がない位の食事だけど、現地の住民達は援助団体の炊き出しや配給に並んでいる状態…味はどうですか?の問いに「これが、現実です」と答える老人が切ない…まだ、ホテルで食事が出ているだけでも「別世界だった」とな…それにしても当時、ユーゴスラビアのディナールに価値がなくなかったのはともかく、米ドルさえ「紙くず同然」だったそーで、唯一ドイツマルクが使えるお金って…ヨーロッパもパネェ…

 後、世界の庶民食(?)は鰯料理だったのだろーか?と、経済破綻したというか、無政府状態に陥ったアルバニアの食事は毎日鰯、アチェの魚も鰯…鰯は世界を救うってか?ちなみに本書でご飯だけを見れば、チェチェンの羊肉でしょか?イスラムらしくカバブなんですけど「アフガン、パキスタン、トルコにイラク、ボスニアやアルバニア、数え上げればきりがないほど串焼きやローストを食べたが、チェチェンの羊の美味さにはかなわない。肉自体が美味いのである」とな…こんな状態でなければ、チェチェン畜産の輸出国になってたかも?それにしても、「ロシア将校がグロズヌイを評し、「ヒロシマだ」と、そう言った。いったい誰が「ヒロシマ」にしたのか」とあるのは…独立問題を抱えているとこはいつもな藪の中という事でしょーか?

 これはインドネシアにも言えて、アチェの独立運動も暴力と暗礁ばかりなりの世界かなぁ…これまた今更なんですけど「日本の東北電力や東京電力が、アチェで精製された液化天然ガスの七割を輸入している。東北電力にいたっては、年間購入量の八割近くをアチェ産に頼っているのだ」って…しかもアチェの位置はマラッカ海峡の入口…日本のエネルギー政策的にも他山の石では決してないという状態なんですねぇ…

 さて、最後にイラクでのお話が本書では日本人的にどーよ?の世界かなぁ?食事は忙しくてインスタントぱかりだったみたいですが、例のサマワの自衛隊派遣の件は、それぞれに皆違う世界に住んでいるかのよー(笑)スンニ派の反米武装組織もアルカイダもいないけど、金目当ての誘拐は多発している模様…「最近、自衛隊の仕事を請け負った建設業者の社長が、身の代金目当てに誘拐されているのですよ」という現地人談…現地の人でも金持っていそーなら誘拐だぁーの世界だったのでしょか?

 サマワの復興支援で学校の修復はしても、新たに建設する事はない。また、この修復も自衛隊が行う訳ではなく、地元業者に依頼してという事で、「その工事内容も、市民が満足するには程遠い杜撰なものが多く、そのためペンキを塗り直している学校もある」そな…よーは二度も塗りなおしているなら新しく建てられるという事らしー…

 まぁ何せよ、「サマワ市民の自衛隊に期待することは分かりやすく、「トウキョウになること」だという」だそーで、何かもーね、アルバニアのねずみ講といいイラクといい国民の皆様は非常に素朴でいらっさるよな…日本の戦後復興はそんなに簡単に進んだと思われているんだろーか?自衛隊にアラジンのランプはないと思うが?

 対する自衛隊キャンプ地への取材を申し込めば「退避勧告が出ている地域なので、なるべく安全な方法で出てください」と外務省の職員はそれだけを繰り返すみたいで、自衛隊の広報に申し込むと「防衛庁に取材申請をしたら、できるかもしれません」との回答。婉曲的お断りという事らしー(笑)ちなみに日本人記者の取材は許可しないが、イラク人記者の取材はオケなんだそー…日本の国民にもメディアにも説明責任はないんだね、外務省も防衛省も(笑)

 更に凄いのが浄水場の完成式典があるから現地の記者が招待されたそーな。日本人の記者も同行していいかと訊いたらば「それは、だめです」と外務省の広報官が答えたそーな…「その日本人記者は、日本政府からイラクに渡航する許可を受けていませんから。ここに存在してはいけない人なのです」ってよ、奥さん(誰?)外務省の広報官って素晴らしス(笑)いや、そんな役人をやとっている外務省を持っている日本人って、天井知らずの素晴らしさではなかろーか?と思う今日この頃ってか(笑)

 他にも面白エピから身につまるエピまでたくさん揃っていますので、詳細は本書をドゾ。世界は広い、そして限りなくパネェっス…

 目次参照  目次 国外  目次 食物

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