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2013年12月28日 (土)

安寧と豊穣と祈りと…

民間暦  宮本常一  講談社

 本書は主に二つの分かれていて、一つが新耕嫁年中行事、も一つが民間暦となる模様…後、おまけ的というか、全てはここから始まった的な亥の子行事-刈上げ祭りというレポートでしょーか?まぁ何にしても時間軸的には戦前戦後時代みたいで、今読むと、日本って農村社会だったのだなぁーと驚くと共に、文章は大変平易なんですけど、単語の意味がパッと思いつかないとか、まるっきりわからないのが多くて…どーしよおぉ…

 例としてあげるなら鍬と鋤…どっちがどっちやねん?と農具の一種とは分かるんですけど頭で理解しているだけなので、はて、となるし、まったく分からない系では牡丹餅だか、小豆粉餅だかを切って食べる時にミゴを使うって…このミゴ、一体何なのか?皆目見当もつかないんですが?かくて、そんな単語が散りばめられている本書は、日本のお話なのに何がファンタジーのよーと言ったら、問題発言になってしまうのだろーか?いや、ディスカバージャパン、古き良き日本がわんさか掲載されておりまする。

 まっ年末なので、年間行事的なとこで、日本的行事の一覧というと、
 正月元日、年神棚、年宿年縄、松立て、年木新木、幸い木と懸魚、年男の役目、身祝と年玉
 正月二日、門あけ門おとない、わざ始め、初山踏み
 松の内
 正月六日、六日年
 正月七日、七日正月
 餅あわい
 節分行事
 正月十五日、田打ち正月、花正月、物作りと皐月祝、祝箸祝棒、世の中ためし、木まじないと嫁祝、墨塗りと白隠し、鳥追土竜送り、小正月の訪問者、火祭りと小屋生活者、もちの粥
 仏の正月
 正月二十日、二十日正月
 正月二十四日、忌の日
 正月三十日、蔦の年越え
 二月一日、初ついたち
 二月二日、二日灸
 二月八日、事八日、
 初午と春亥の子
 社日と春彼岸
 三月三日 雛遊び
 春ごと
 四月八日、卯月八日
 五月五日、五月節句
 六月一日、氷朔日、川祭り
 六月十五日、祇園祭り
 半夏生、新箸の祝
 六月晦日、夏越し節句
 七月一日、釜蓋朔日
 七月七日、七月釜と眠流し、七夕
 七月十三日-十六日、盆花迎え、吉事盆、宵盆、盆棚飾り、荒棚と無縁棚、精霊火、送り盆、盆釜と門飯、盆の終わり
 八月一日、八日朔日
 八月十五日、芋名月
 九月 三九日
 九月十三日、十三夜
 十月 亥の神祭り
 十月十日、十日夜と十夜
 十月晦日、神迎え
 十一月十五日、霜月祭り
 十一月二十三日、大師講
 十二月一日、川渡り朔日
 十二月八日、納め八日
 十二月十三日、正月始め
 十二月 神々の年取、暮の魂祭り、松迎えと正月支度
 十二月晦日、年夜年籠り

 と、あるそな…これ普通の農家というか庶民でやってたレベルなんだろか?とすると、毎月祭りだ祭りだの世界なのか?規模の大小はあるにしても、日本人って…
 

 アリス的に行事系というと、クリスマスとかバレンタインとかお誕生日とか、どーも横文字文化の方が幅きかせているよーな気がしないでもないですけど、アリスん家も大阪のど真ん中だし、都市部で祭り、行事といっても、どだろ?の世界か?本書的表現を借りるなら、「都会の発達や新しい暦の導入、新しい文化は、こうした晴の日と平生の日の区別をしだいになくした。大都会の盛り場などはいつみても美しく、いつ行っても田舎の祭りよりは御馳走が食えるのである」に収束されるんでしょかねぇ?祭りの存在意義について考えるとか?

 まぁそれはともかく、婆ちゃんなんかは今でも行事事は行っている雰囲気がするんですが?どーか?これまた本書によると、この文化の伝承、伝搬について「姑が私一代は大事に家の勤めを勤めますから、嫁の代にはやめることを許して下されと頼んだので、私の世になって止めた行事が多い」というのが、全国区で見られた模様…結局、祭事って詰まるところ飲み食いのどんちゃん騒ぎになる訳で、考えなくても女性陣の犠牲の上に成り立っていた事は想像にかたくないよなぁーな話か?何か、長野の蕎麦打ち名人の女性の談話と被るなぁ…お祝いごとに蕎麦を打ってきたけど蕎麦を見ると今でも悲しくなると…というのも朝から晩まで支度に追われて立ちっぱなし、ご飯もままならない女性達と違って男性陣は朝から宴だぁーっのノリらしー…坊主憎けりゃ袈裟まで憎いじゃないけど、蕎麦打ち名人が蕎麦見るのがいとかなしの世界とはとは…まぁ犠牲にした側は犠牲にされた側の事なんてそんなの関係ねぇー(死語?)なのは、大は植民地政策を見るまでもないからなぁ(笑)

 さて、アリス的なとこでは人形浄瑠璃で淡路島のお話が出てくるとこでしょーか?ちなみにデコまわしという言葉が何を指すのかこれまたアレなんですけど、人形浄瑠璃的には普通なのか?で、このデコまわし、神人とか、巫女とか、神主の担当だった模様…うーん、人形浄瑠璃も神事の一つだったのか?

 また、豆知識も満載で、タキギって遠足なんかでキャンプファイヤーとか、BBQの時位に使ったのかなぁ的な記憶しかないんですけど、タキギの木って一年ほっといて乾燥させた木をタキギとしたのか?なる程、乾いてないと燃えないもんなぁと…後、日本って藁細工の国だもの?の世界だったのか?いえ、これまた藁で作る物と言ったら、わらじ?位しかこれまた思い浮かばないんですが、昔は生活雑貨を藁で作るのが普通だった模様…で、これが夜鍋細工という事になる訳ですね…

 ただ、靴なんかもゴム底の靴が普及していくに従って、草鞋の需要も減り、藁細工もの全般に減り、夜鍋も減りで、いろりも減りという話になっていく模様…世の中、資本主義というか、大量生産大量消費の世界に突入していったのがよく分かるってか?

 後、お芋に対する日本のというか、日本人のスタンスは今一だった模様…北陸で広がったと本書にあるんですけど、これやっぱ救荒作物という事になるんでしょかねぇ?でもまぁ日本人なら米食いたしでして、芋の伝来、伝搬は色々とその土地によって立ち位置がありそーという事か?

 他に豆知識的なとこで、行事って「いまでもやや改まったことをおこなうときに用いているが、行も事も、もともとは日本においては祭りを意味する意味であった」とな…日本ってば、もしかして祭りの国だものだったのか(笑)「年間恒例の晴の日を定めて、これを守ろうとしたにほかならぬが、民間暦はむしろ制定暦に対するもので、制定暦が数理的であり、同時に国の政治と深い関係をもっているのに対して、国の固有の信仰と深い関係をもっており、これを守ることによって一村一郷の安寧を保持しようとしたものであった」とな…民間暦の方が土着的という事なんですかねぇ?

 更に行事ことといっても、貧富の差もあるし、職業や身分でも違ってくると…一例としては農民と漁民では違うよと、「これはまずまつる神からして差がある」となる訳で、農民なら田の神様を、漁民なら恵比須様をまつるの普通らしー…また武士と農民じゃこれまた違って「武士階級の行事には中国の影響を受けたものが実に多い」となるそな…ついでに「儒教的に作法化することが多かったらしい」とな…やっぱ朱子学か(笑)

 一つ一つの行事の考察、物忌とか、みそぎはらいとかetc.についての詳細は本書をドゾ。どこそこではこーだけど、あちらでこーなるとか千差万別でして、ところかわればしなかわるってこの事を言うのだろーか(笑)

 それにしても著者は亥の子行事になみなみならぬ情熱をかけていらっさる模様…うーん、亥の子って十一月かと思っていたら十月だったのか?行事ことには本当に疎いから、お茶で炉をきる時位しか思い浮かばなかったとは情けない…でも一番に浮かんだのは亥の子餅なんだぜなんて言えない…食い意地だけで生きてるよーな気がする今日この頃…いかん、もーすぐ大晦日、除夜の鐘なのに煩悩しかないわーないわーないわー(エコー付/笑)

 目次参照  目次 文系

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