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2013年12月 6日 (金)

これで、我々は全員悪党だよ…

禁断の科学  池内了  晶文社

 何とゆーか、20世紀初めは科学万能を夢見てで、末には科学絶望を彷徨う感じですかねぇ…極端から極端まで走るのは世のならいとはいえ、振り幅が大きすぎるのが科学の長所であり、短所なんでしょか?それはともかく、本書は科学の表裏一体さを如実にした本でしょか?所謂一つの警鐘本だと思われでして、科学とは何ぞや?科学者とは何ぞや?社会とのかかわりは何ぞや?と、そして最大の問題は責任感とは何ぞや?ですかねぇ…

 さて、科学者とは「かつては知的好奇心に発する真理研究への熱意にその行動の原点があった」人達のはずなんですが、19世紀末から20世紀になると状況が一変していくとな…「科学の持つ秘めた力に目を付けた権力者が科学を体制に取り込むようになったからだ」とな…「今や国家が科学の最大のスポンサーになっている」となななな…

 そーなればどーなるというと「社会のための科学」が奨励される事になると…一見いい話やぁーと思うやんかぁ…でもこれが時勢と協調すれば「科学の軍事化」という事にもなりまっせの世界が展開いていく事になると…で、も一つが「科学の商業化」となる訳で、科学は資本や市場の動向のも関連していく事になると…まさに儲かりまっか?の論理が科学界にも席巻していっている模様…

 社会一般にプラスの要素はいいとしても、マイナスの要素はそんなの関係ねぇー(死語?)とばっくれていていいのだろーか?とゆー…科学者はというより係わった人達全員だろーけど「情報を市民にきちんと公開する」事、「結果について科学者としての責任を負う」という「社会的責任を問い直さなければならない事態が頻発しているのだ」とな…

 さて、てな訳で科学の歩んできた道程を振り返って、21世紀の科学のあり方について考えよーというのが本書のメインでしょーか?

 アリス的に科学、理系…アリス根っからの文系だからなぁ(笑)のわりにはパズル好きというお人だけれど(笑)ただ、本書は科学者のお話のよーでいて、その実、社会と科学で、このアプローチはある意味社学的かもなぁ?科学はいい、ただ科学のアセスメントについてはどーよ?それ抜かして科学が突っ走ったら、どーなるか?どーなったか?なお話かなぁ?一番分かり易い例としてはマンハッタン計画でしょか?

 軍事研究と科学が結びついたらどーなる、どーなったな話が本書第一章から始まっているよーな?「個々の科学者・技術者は、良心の呵責もなく、むしろ戦場の兵を助けるという誇りを持ち、新しいものを創り出す喜びの中で作業していたことは疑いない」というのもある訳ですよね…ただ、軍事研究のマイナス面としては、省エネとか環境問題は考慮されない傾向がある事、軍事という特殊目的に特化してしまう傾向がある事、更に軍事研究という事で技術開発が機密扱いになってしまう事…とデメリットの詳細については本書をドゾ。いやはやな世界が展開していますが、科学者的には「軍事研究は採算やコストを考えずに実験や開発ができること」が第一の魅力ですかねぇ…お金が無いと研究できない、続けられないという事ですか、そーですか…更にもっとアレな理由としては「通常では倫理的理由から禁じられてる実験が自由にできる」もあるそーで、も一つ、軍事研究をするという科学者特権で「一兵士として軍に徴用されない利点もある」とな…徴兵免除ってか…

 よーは倫理に目をつむれば、真理を探究する事ができるとゆー事ですか、そーですか?でして、科学者の甘い誘惑という事でしょか?どんどん研究進めてOK、お金も幾ら使ってもいいよ、ただし軍事目的に適うなら(笑)

 軍事研究と科学者としてアルキメデスから出て来ますの科学の歴史もパネェ…シモン・ステヴィンとか、キュリー夫人の娘さん夫婦とか、例としてビシバシ出てくる本書もパネェのでこれまた詳細は本書をドゾですけど、一番ホンマでっかぁーっ?な科学者もしくは科学者集団としてはJASONですかねぇ…リアルに現代の話なとこが薄ら寒い気にさせられるとゆーか…これも米という事ですか、そーですか…

 第一次、第二次世界大戦と科学者の関係についても詳細は本書をドゾ。愛国心なんだよで割り切れる世界なのか?否か?それが問題だってか?これの真打があのマンハッタン計画なんでしょねぇ…後にアインシュタインが後悔したというそれですけど、ちなみにアインシュタインの大統領への手紙って一度じゃないんですね…尤も米が実行したのは英の強い薦めによるのが真相らしーのが、何とも…

 ちなみにマンハッタン計画には、20億ドル以上のお金、12万5000人近い人員、6000人以上の科学者が動員されたというから、当時の国家的にも半端ネェって事でしょかねぇ…その他ロケットとミサイルの発展の経緯や冷戦下の軍事研究やらについての詳細も本書をドゾ。広島長崎のその後、枯葉剤に核兵器と目白押しでございます…

 研究できればいいんやぁーという科学者ばかりなのか?というと、科学者も手をこまねいていた人ばかりではなく、フランク報告や、ラッセル=アインシュタイン宣言や、パグウォッシュ会議など科学の平和利用、科学の倫理を謳った例もいぱーい出てきます。日本だと日本学術会議とかね…この詳細も本書をドゾ。

 とはいえ現実は「いったんノウハウがわかってしまうと、止めようもなく世界中に広がってゆくことだ」でして、これまた例として分かり易いのが核兵器でしょーか?表向きは世界平和を訴えても、その実ではみんな持ってるの世界が展開しているよな…増えはしても減りはしないと、これが現実って奴ですか…

 かくて科学者の倫理規範が問われているという事になるみたいで、一に知的に誠実であること、二にあらゆる情報を公開すること、三に専門家でしか可能でない事例について率直に語ることだそですけど、言われてみればその通りで、多分科学者の皆様も平時ならば賛同して下さると思いますが、でもフクシマ見た後では、絵に描いた餅に近い気がするのは気のせいか(笑)

 で、まぁ本書の後半は「現代科学の光と影」と銘打って、その初っ端がこれまた原発なんですよね…本書は震災前の発行なので、フクシマ以前のお話なんですけど、「原子力発電所の事故や核兵器の危険性についての認識を日々新たにしておかねばならない。それを忘れて「安全神話」が罷り通るようになるのが一番怖ろしいことである」って…今となってはわろえないレベルのよな…もんじゅのナトリウム漏出事故やJCOの臨界事故など過去の事故問題についての詳細も本書をドゾ。それにしても本書発行時点でもんじゅに1兆円も注ぎ込んでいたのか?今となっては新エネルギー開発に使っていた方がナンボかマシだったかと思うと…

 ちなみに原発の問題点のとこで「事故、運転ミス、装置の欠陥、地震、金属疲労、火災、コンピューターの誤作動、不十分な整備、設計ミス、手抜き工事、データの改竄など、原子炉が破壊されかねない要因は多くある。むろん、それらを十分配慮して建設・運転・補修されているはずだが、技術には「絶対」はないし、「安全神話」で無責任気質が蔓延すれば、思いがけない事故が起こってしまうのだ」って、センセーこれは予言の書か?

 更に原発の利点については、今すぐ止めると電力不足になるよ、二酸化炭素出さないクリーンなエネルギーだよ、発電単価が安いよ、ウランの資源供給に問題がないよ(安定に輸入できるよ)、エネルギー源の多様性だよの五点でーす(笑)ホンマでっかの詳細についても本書をドゾ゛。いやもーね、今読むと本書は本当に先見の明があったとしか言いよーがないよーな…

 その他IT、化学物質、遺伝子操作、ロボット、ナノテクノロジーについての見解についての詳細も本書ドゾ。いや先生渾身の一冊、科学者が科学についてこんな大っぴらに懸念を表明して、著者の科学者生活が生き辛くならなければいいと切に願っておりますが、物事光あれば影ありで、その裏面を見ずに恩恵を受けようというのは、甘いという事なんですよねぇ…これも言われてみればその通りなんですけど…でも、人間いー事だけを見ていきたい生き物なんですよ、おぞーさん(誰?)

 さて、アリス的には乱鴉ではないですけど、遺伝子操作のとこの懸念ですかねぇ…アシュロマ会議なんて、そんなの関係ねぇー(死語?)から、遺伝子組み換え植物から、建前と本音のチラリズムがパネェ…一例としては「アメリカからアフリカに大量の遺伝子組み換え余剰産物を寄贈しようという動きがある。「飢餓を救う」人道支援であることを強調している。しかし、いったん手を出せば毎年種子を買わねばならないから、アフリカ諸国に遺伝子組み換え作物の生産を拡大して農業生産を従属化させるという意図が透いて見える。また、生態系への影響をアフリカで実験しようとしているとも勘ぐられる」とな…全ては儲けの為に、企業は利潤を追求する事が使命ですってか(笑)

 遺伝子操作ではかの有名な羊のドリーもアレでしたけど、既に蛙では1967年に成功していたんですね、そしてドリー以後、マウス、ウシ、ネコ、イヌと成功しているそな…さてさて、人間まで後何歩…

 も一つ人間的には杯幹細胞、ES細胞のとこもある訳で…倫理的な問題はどーするよ?とな…遺伝子治療や遺伝子差別についての詳細も本書をドゾ。それにしてもさすが米というべきか?何かと差別差別と年中叫んでいるよーな気がしていたのに、既に「将来遺伝病が発病しかねない遺伝子の持ち主であることを理由に、会社を辞めさせられた事例がある」って…保険も就職も遺伝子の時代か?そーなのか?

 と、右を向いても左を見ても真っ暗闇じゃないだろーか?と、ちょっとぐったりしてしまいそーになりますが、科学はローカルじゃねぇという事に尽きるのかなぁ…21世紀は知的に誠実である事がポイントですかねぇ…一人一人の倫理観が試されている、ハニー何とかしなくっちゃ?の世界到来ってか?

 目次参照  目次 理系

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