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2014年1月24日 (金)

ライン川とドナウ川?

ローマ人の物語 21 危機と克服 上  塩野七生  新潮社

 さて、前巻で皇帝ネロが亡くなって、それからどーしたローマ帝国なんですが、一言で言うと混乱に尽きるよな?大混乱といった方がいいのか?日本的に言うなら戦国時代的とでも言ったらいいのか?よーは、正統派の後継者がいないという事ですね、オレにもチャンスがみたいなある意味下剋上がやってきたってか?

 というのも統治するには、「正当性と権威と力量」が必至アイテムとな…で、力量とは「安全と食糧をはじめとする、帝国運営上の諸事を遂行していくに適した能力」、正当性とは「元老院と市民の承認」、そして権威とは「アウグストゥスの血を引くということ」だった訳ですが、ネロで断絶してしまった以上、新たな権威の創出も求められていたとな…まっそゆ訳で血筋的にこだわらないとなれば、野心家にはチャンス到来という事になるよねぇ(笑)

 で、華麗なる椅子取りゲームが始まる訳ですね、分かります(笑)と言葉にすると何てことないよーに聞こえるけど、実際は内乱がやってくるで、自国民同士の戦争に突入していく訳じゃまいか?とな…時は紀元68年初夏から始まるってか…

 アリス的にローマ…アリスの雑学データベースなら入っていそーだけど、この混乱期のローマとなると、どだろ?戦乱なので戦いだぁという戦史的なのは男の子は恰好のネタなんだけど、ただ今回の戦闘シーンは今までのローマ史の中ではこー言ったら何だけど、見劣りがかなりするよな…ハンニバルとか、スピキオとか、カエサルとかは本当に天才だったのだなぁと納得の確認とか…

 それはともかく空位の皇帝職に一番に名乗りを上げたのは、スペイン北東部属州総督のガルバでございました…そして私は旅に出るもとい、ローマに向かうで、この時代ならスペインからローマまでは一か月もあれば十分着く旅程のはずだったけど、事態をのんびり構えていたガルバのローマ入りは秋になってからだったとな…取りあえずガルバは貴族階級出身だし、要職についているしで皇帝になる為の有資格者ではあったとな…しかも属州総督時代にも地元民から訴えられていないという事で統治能力もポイント有だった訳ですね…

 だがしかし、政治家ではなかったという事かなぁ?本書的にはボーナスとなっているけど、これ賄賂といったらアレだけど、人気取りには市民にサービス、もといボーナス、よーは金配れという事ですか(笑)前例が続いている訳だから当然みんなもらえると思っている訳で、これが「わたしにとって兵士は、金で買う人ではなく自らの意志で志願してきた人である」と言って出さなかったそな…正論ではあるけれど、人心は離れるよね…良い悪いは別にして人の心を読み違えたってか…

 で、些細な事でも一つ躓けば、その後は雪崩うっていくものというのが世のならい?所謂組閣というか、協力者の人選にこれまた下手を打ってしまうと…これまたガルバを最初に支持してくれたルジタニア(ポルトガル)属州総督のオトーを除外して、部下だったヴィニウス、ほぼ無名をつけてしまうとな…かくて、オトーが離れ、帝国各地の将兵が離れ、元老院の議員が離れ、首都在住の市民が離れ…人気がた落ちってコレどっかの国で見た記憶が(笑)しかも選ばれたヴィニウスも能力的にも人徳的にもアレだったから、救いがない…

 更に財政再建…「ネロが贈った金銭や物品を返せ」策を展開…あまり昔過ぎてどーなったかなぁもあるし、今更感もあるけど、ついでに返却が達成されたとしても「この程度の金額では大帝国ローマの国庫にどれほど益したかも疑わしい」って、これまたどっかの国で見た記憶が?本当に必要なんですか?なんですか(笑)ごたぶんに漏れず、失笑を買うだけだったとな…とな…

 さて、ガルバ最大の失策は、自身の過信かなぁ?みんな自分を推挙してくれる、オレって人気者、できる奴みたいな(笑)ガルバが各地のローマ軍団から支持を得たのは、彼らが反ネロで一致していたからに過ぎないと…何せネロがコルプロを自死させてからまだ一年たってないもんねの世界だったし…

 なのに将来的に、もしくは今でも人気のある対抗馬はない方がいいよね、とライン川の高地ゲルマニア軍の司令官ルフスを解任、代わりに高齢のフラックスを、低地ゲルマニアにはヴィテリウスを着任させちゃうんである…かくて、怒りのライン軍団が出来上がってしまったとな…

 こーしてライン軍団は挙兵する訳ですね、分かります…で、ローマに進軍の巻ってか…これが紀元69年のお正月の事(笑)しかも旗頭は何故かヴィテリウスだったりする、うけるってか(笑)一方、ローマではガルバが養子をとって後継者を発表とかしていたり、これまたこの人物が妥当ならともかく、名門貴族好きでネロ嫌いの元老院におもねっての人選だったのはともかく、現場の将兵には全くうけなかったとな…ここでルフスを持ってくるとか、オトーを持ってくるとかの頭が働かないとこも凄い、空気読めってこゆ人の為にある言葉じゃなかろーか?人心は皆離れてしまったと…

 となるとどーなるか?「紀元69年1月15日、ローマの中心フォロ・ロマーノで、皇帝ガルバは、乗っていた輿から引きずり降ろされて殺された。計画どおり、ガルバとともに二週間前に執政官に就任したばかりのヴィニウスも殺される。哀れなピソも、ガルバの養子であったというだけで殺された」かくて秋冬シーズンの皇帝は去りぬの世界か…

 こーして次に皇帝職についたのはポルトガル属州総督、ガルバのローマ上京を共にしたオトーきたこれですか(笑)で、ローマ市内は問題なかったけど、ええ、怒りのライン軍団は只今ローマに向かって進軍中なんでございますよ…あんた達の敵のガルバ排除したんだから、帰って下さいと言って聞く耳持つ兵なんていません、ここまで突き進んできたらひたすら進軍あるのみ、皇帝はヴィテレウスだもんねの世界に没入…詳細は本書をドゾですが、何とゆーか動き出したら止まらないって軍隊とは暴走するものなり、なんだろか?いやまぁ怒りの矛先は大切に、初心貫徹なのか?

 中抜きでサクサク進めて、第一次ベドリアクム戦が勃発する訳です。時は紀元69年4月15日、我らが准教授の誕生日ってか(笑)まっそれはともかく戦史上最もかどーかはともかくしょーもない戦闘であったよーで、詳細は現在においても不明点多しらしー…何せ上が能無し、下がやる気なしでは散発的になならざるを得ないというか、統制のとれていない軍ってヤバって事ですかねぇ…まぁ何にせよ、終わりはある訳で結果的に初戦はオトー側が負けた事になった訳ですよ、おぞーさん(誰?)

 で、これまた再起、再戦をという気概がオトーになかったというのが何とも…最早ここまでとあっさり自死してしまうんですね…こーして冬春シーズン皇帝退場…で、棚ボタ三人目は、ライン軍団に何故か担ぎ上げられてしまったヴィテリウスが登場すると…

 ここまで目まぐるしくトップが入れ替わっても首都民は平穏だったというのの理由の一つが警察長官のサビヌス(ヴェスパシアヌスの実兄)の能力によるところと、も一つが「首都ローマの住民たちが、皇帝の不慮の死に慣れていたことがあげられよう」って…六月にネロ、一月にガルバ、四月にオトーと行く年来る年もとい皇帝ってか…「また代わったのか、とでもいう感じの、醒めた反応を示したにすぎない」って、これもどっかの国で見たよーな記憶が(笑)

 回りから担ぎ上げられた男というのは、勘違い男になる運命なんですかねぇ?ヴィテリウスも、ブルータスお前もか?じゃないけど、「やるべきことをやらなかっただけでなく、やってはならないことのほうまでやってしまったのである」とな…何かこれもどっかの国で見たよーな記憶が(笑)

 詳細は本書をドゾなんですが、ここにきて立ち上がる男達がいたっとどこぞのプロジェクト何たらじゃないけど、さすがに真打が出てこないと話にならないよーな(笑)さて、今まではスペインとガリア、ゲルマニアという西ヨーロッパ方面の方々のターンでござった(笑)だがしかし、ローマ帝国はイタリア半島を中心にした地中海全域だと思いねぇ…ですから、東側の方を忘れちゃいけないんですよ、姐さん(誰?)

 で、シリア総督ムキアヌス、エジプト長官アレクサンドロス、ユダヤ方面司令官のヴェスパシアヌスの揃い踏みとなるとな、これまた詳細は本書をドゾ。ただ、前の三人は行き当たりばったり感が強かったけど、今回のそれはヴェスパシアヌス皇帝擁立には計画的に遂行するぞという大人の駆け引きというか、図面がしっかりあらーなの世界に突入…ヴェスパシアヌスも凄いんだろーけど、このムキアヌスとアレクサンドロスの二人が何とゆーか宰相にしたら天下無敵になりそーな雰囲気満載のよな(笑)したたかな男はやるときゃやるんですよ、奥さん(誰?)

 で、人員の増員、兵器の製造、貨幣の鋳造、伊本土の反ヴィテリウス派の勧誘、東アジア国家への友好関係の再構築が第一段階なら、第二段階はローマへですか?ここでも三人きっかり役割分担をして、兵を率いてムキアヌスが進軍、ユダヤ戦役にはヴェスパシアヌスの息子ティトゥスが担当し補佐にアレクサンドロスがつく、ヴェスパシアヌスはエジプトで待機(統治とも言う/笑)でローマ、ユダヤ双方ににらみを利かすと…

 事態は計画通りに進むに見えたけど、ここでドナウ軍団が先走ってみましたみたいなアドリブというか、横やり?もあると思いますなのか?何か狂言回しのよーだけど、ドナウ軍団とアントニウス・プリムスの暴走についての詳細は本書をドゾ。いやーある意味露払いをさせられただけのよなですけど、それにしてもムキアヌスがパネェ、この冷徹さ、そこにしびれるあこがれる(笑)さすがやでというのはこの人に言うべき言葉じゃね?

 で勝手に第二次ベドリアクム戦ですよ、おぞーさん(誰?)再び、ドナウ軍団対ライン軍団の戦いってか?時は紀元69年10月24日の事でございました…二回目も混戦につぐ混戦…ただ、今回の戦いで非戦闘員のクレモナの住民も含まれていたとはいえ両軍の死者は4万2000人…これがどれだけ異常な数字かは、本書によるとカエサルとポンペイウスが戦ったファルサルス戦で両軍合わせて八万の兵が戦って、死亡者はポンペイウス側は6000、カエサル側が200だったそで「統率力に欠くリーダーに率いられた集団は、戦士ではもはやなく、野獣の群れと同じなのであった」と、よーは無能なトップの下では損害は計り知れないという事か…

 一応ドナウ軍団が積年の恨み晴らさずおくべきかぁーっを果たして勝利しローマに向かうと…この間の詳細も本書をドゾ。一つだけ上げるとローマ的には停戦会談の一縷の希望だったサビヌスを殺害していたりもします…最早、ヴィテリウスに何の力もない事が露呈しまくってますが、何せ本人が皇帝辞める宣言してもパアな世界ですから…

 かくて紀元69年12月20日、ローマ市内で市街戦が始まったってか…実に150年振りの暴挙ですよねぇ…これまた詳細は本書をドゾ。ちなみに市民はこの戦闘を「競技場で闘われる剣闘士試合でも見物しているかのように観戦した」そーで…戦争までが快楽かと歴史家タキトゥスを嘆かせているんですけど、著者によると確かに「ローマ帝国にとっては災難であった」と…だがしかし、「民衆は察知していたのだ。意識はしなかったにせよ、どちらが勝とうと変わるのは皇帝の首だけであることを、彼らは知っていたのである」に尽きるよな…何かこれもどっかの国のトップの首がに似ている気がするのは気のせいか?更に著者は続けるんですよ、「それに、何度も変わればそのうちに、自然に淘汰された結果にしろ、少しはマシな「首」が皇帝の座を占めるようになるであろうことも、庶民の智慧でわかっていたにちがいない」とな…そ、そーだったのかぁーっ(笑)

 まっともかく、ドナウ側がここでも勝利、ヴィテリウスは殺されてテヴェレ川へポイ…皇帝とは三日天下とは言わないけれど儚きものでござそうろー…何より凄いのはこの数日後におっとりがたなでムキアヌスが入市してくるのだから、凄すぎる…まるで計算してたかのよー(笑)しかも「この冷徹な統治のベテランは、たちまちすべてをコントロール下に置くことに成功した」って、これが本当のアンダーコントロールってか(笑)

 かくて年は明けるで紀元70年、執政官はヴェスパシアヌスとティトゥスに決まるでござると…ムキアヌスの手腕についての詳細も本書をドゾですけど、新年めでたい、ローマの内乱はひとまずとして、外にはラインの属州兵の反乱が待っていたと…それについては次巻を待てってか(笑)

 いやー相変わらず、ローマ帝国は激動に次ぐ激動のよな…端折りに端折ったので詳細は本書をですけど、権力に群がるそれってどこもパネェ…特に能力がないのに手に入れた人達は醜さ百倍という感じで見ていて痛々しい感じかなぁ?まぁ傍観者的にはダメじゃんで済むけど、これ当時の帝国民達にしてみれば、たまんねぇーっの世界だろーしなぁ…ある意味それで逆キレしちゃったのが、ラインとドナウの軍団の皆様だし…

 器の大小についても、ガルバのとこでは「平凡な資質の持ち主は、本能的に、自分よりも優れた資質の持主を避ける。自分にない才能や資質を迎え入れることで、自分自身の立場を強化するなどという思考は、平凡な出来の人間には無縁なのだ」となるし、ムキアヌスのとこでは「嫉妬とは、相手に対して能力の劣ることの無意識な表れにすぎないのだから」器の目利きがあった模様(笑)更に「予定どおりに進行する事態への対処ならば、特に優れた能力は必要としない。真の才能が問われるのは、予期しなかった事態への対応である」かくてムキアヌスの力量は並ではなかったとゆー…トップに問われるのは物事の対応能力だよなぁ…

 も一つトップに問われる資質として「勝負がかかっている場には自らが出向く必要がある」でしょか?外敵との戦いの場合は士気向上の為には勿論、内乱の場合には「トップ自らの臨戦の重要性はより決定的になる」そな…兵士のわだかまりを無くし、兵士の暴走を止める、そして敗戦の同胞の処遇への配慮…「内乱も、いつかは終わる。終わった後に待つ社会の再建に、怨念ほど害毒をもたらすものはない」とな…「勝つのは必要だが、怨念を残さないやり方で勝たねばならない」のが必定ってか…

 こーして見るとやはりカエサルってパネェって事ですかねぇ…まぁ常にあーゆー人が出てくるとは限らない訳で、アウグストゥスも凄かったけど、もー一段落ちでも何とか統治できるレベルの皇帝が続くシステム作りですかねぇ…それにしても元老院は年々ダメになっていくよーに見えるのは気のせいか?これ見てると既得権益の世襲制って、録な人生み出さない気がするんだが、これも気のせいか(笑)

 目次参照  目次 文系

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