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2014年1月 8日 (水)

善は変数だが、悪は常数である(笑)

悪の引用句辞典  鹿島茂  中央公論新社

 サブタイトルは、マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りきでして、どゆ本というと、箴言集になるんでしょーか?欧米か?(死語?)というか、仏では「言葉はすべて他人の言葉である」だそーで、いかに多くの引用句を知り、いかに多くの引用句を使いこなせるか?というのがメインらしー…

 でまぁ、そんな有り難いお言葉を項の前に一つ、その後数ページでその解説が掲載されている訳ですが、この解説が今時のと言っていいのか(笑)いやはや全くご尤もの世界で、うんうんと頷いていく内に読破できるという(笑)

 初っ端はちょい前流行った愛国心についてのサミュエル・ジョンソンのお言葉から始まっているとこもまたニクイ(笑)「愛国心は悪党の最後の隠れ蓑だ」とな…とかく世の中この言葉を口にする人程胡散臭いのはそゆ事だったのかと目から鱗が(笑)「厄介なのは、真の愛国心と偽の愛国心とを区別する明確な基準などどこにもないことで、極端なことをいえば、スパイでさえ「私は真に国を愛するがゆえに、敢えて祖国を裏切ったのだ」と言うことができるのである」よーは何とでもいえるその程度の話ってか(笑)

 かくて古今東西の名言がこれでもかこれでもかとやあってくるってか(笑)

 アリス的には、前書きの「物書きのオリジナリティというものは、他人からどのような引用を行って、それをどう並べ、「ついでに」、それをどう解釈するかということに尽きることになる」そーな…そーだったのか、アリス(笑)作家的なとこでは萩原朔太郎の弁がこれまた凄い…「それに故に作家達は、多くの著書を出した者ほど、比例に於て謙遜であり、自分への幻想を持って居ない。稀れにしか著作せず、売れない原稿を抱えたままで、生涯を彷徨しているような者達ほど、自尊心が高くして、花々しい幻想を持つのである」とは手厳しい…よーは人は皆、自己愛が激しいって事か?はたまた井の中の蛙なのか?更にアンデルセンの項も凄いので合わせてそちらをドゾ(笑)

 他に作家的になとこではゴンクール兄弟の項もですかねぇ(笑)「バブル崩壊以後に作家となった彼らは、自分たちの生活を、話に聞くバブル時代の「銀座の文壇バーでの豪遊」や「顎足つき贅沢旅行」と比較し、欲求不満を募らせていた」とな…そーだったのか、アリスというより片桐さんの世界か(笑)まぁ経費削減の昨今そゆのは出版社より電力会社だよね(笑)後、本に対するそれはT・S・エリオットの項ですかねぇ…本ある生活の評価って…うううううーん(笑)その本というか、資料というかで森鴎外の章はむしろ准教授の方か?最近は大学の先生すら専門資料売り払っているというか、廃棄しているよーで…最早簡単に海外に行けるし、ネットで最新情報入るしで、いらねとか、保管場所ありませんとか、そゆ世界に突入していたのか…さすが文化国家日本(笑)

 他にアリス的なとこでいくとアナトール・フランスの言葉からのとこで「「大衆を味方」にひきつけるという点においては、橋下徹大阪市長はやはり一頭地抜いていた。「大衆は断言を求めるので、証拠は求めない」ものだからである」そな…民主党のマニフェストが全廃した前例にも拘らず「有権者は橋下新党の目新しい政策に快哉を叫ぶかもしれない」とな…大阪的にどーなんですかねぇ?

 後は雛人形じゃないですけど、笑いについてのアンリ・ベルグソンのとこでは「いまのお笑いタレントにとって、この<幻想の共同体>が非常に狭く見積もられていることだ。極端にいえば、両手を広げてグルリと回った範囲、つまり、家族と友達とクラスメートと先生と…それ以上は存在しない。あとは、テレビないしはインターネットへ直に接続しているだけだ」って、これもちょい前に流行った想定内と想定外のとこじゃね?と…「笑いというものは、笑わせる側と笑う側のインテリジェンスが同一レベルにあって、しかもある程度「塞じられた」フィールドにある必要があるという、ベルグソンの「共犯性」を宿命としている」とな…最近の笑いが身内受けじゃね?が多い気がするのもその辺りに起因しているんでしょかねぇ?更に著者はお笑いタレントも政治家も同じドツボにはまっていると推測なさっているとこは…芸人が身内受けでも被害の範囲はアレだけど、政治家が身内受けじゃかんべんしてつかーさいだよなぁ(笑)

 まぁ政治家についての言及はあちこちにありますがここが一番今なら痛い程分かるってとこかなぁでピエール・ブルデューのとこの「東日本大震災という未曾有の困難に遭遇して、日本人のほとんどが心底情けないと感じたのは、専門家の意見を聞いて即座に決断を下し、その決定を自らの責任と言葉において国民に伝えられる指導者が不在であったことだろう」ですかねぇ…真のエリートなんてこの国にゃいねぇって事ですかい(笑)文科省がエリート教育を検討始めたそーですが、文科省ですから(笑)「真のエリート教育とは、エリート教育を馬鹿にすることができる総合的なエリートを育てることにほかならない」はずなんですけどねぇ(笑)

 それに付随してじゃないですけど、マックス・ウェーバーの項では政治家の「俳優のようにふるまい」とか、「自分の行為が与える「印象」ばかりを気にする」とか、「国民のための政治」ではなくて「自己表現のための政治」って…政治を私物化しているってこゆとこからもー始まっているのね…まぁこれも平時あればパフォの一つで見逃されるだろーけど、有事となれば、ねぇ…「わたしたちは典型的な権力政治家が、精神的にどれほど唐突に崩壊してしまうものか、いくつか実例を目撃してきただけに、この誇らしげでまったく空虚な身振りの背景に、どれほどの精神的な弱さと無力が潜んでいるのかわかるのです」(@ウェーバー)はこれまた未来予知かの世界か(笑)じゃ真っ当な政治家の資質って何となれば「情熱、責任感、判断力」でなかんづくその中でも「判断力」が必至アイテムって…どこぞの永田町や、霞ヶ関や、新橋のどの辺りにあるのか?それもウェーバーに訊いてみたい今日この頃ってか(笑)

 現実見ろよ的なとこではヴィクトル・ユゴーのとこでしょか?「ある者には、あらゆる利益を、他の者には、つまり民衆にはあらゆる欠乏を、(中略)これは、公共の力を個人の窮乏の上にうち立て、国家の強大さを個人の苦しみの上に築くという、まちがった危険な状態である」とユゴー先生はおっさっていらっさいます。で結局どゆ事かというと「これがいまの日本の社会の現状である。格差社会容認の方向に舵きりをしたとたん、各人の稼ぎに応じて担当分のポーションを得るのではなく、ピザは一人(あるいは二人)の人によって独占されてしまった」とな…親の総取りってか(笑)それでえっへんとしているセレブってどよ(笑)

 で、経済学ならこの人きたこれのアダム・スミスの項は野心と欲望についての自己正当化ですかねぇ…「アメリカン・マインドにおいては、金儲けの道は、栄光に通じる道と信じられているがゆえに、世の尊敬と称賛を集めるために強欲になるという逆転現象が起こりうるのだ」ってか…清貧なんてそんなの関係ねぇ(死語?)あるのはただひたすらにアメリカンドリームという名の一人勝ちってか(笑)「強欲一点張りで金儲けしても軽蔑されるだけだ」というメンタリティが欧州にはまだあったが、米にはないとな…何かこの拝金主義、クラディウス帝の時の奴隷官僚達を思い出してしまったんですが気のせいか?

 でで、まだ働いて金もらっているならまだしも宮本常一のとこでは、これが役人の伝統芸能というとこまできてますが何か?の世界が展開している模様(笑)「山形県の県庁を観察し、「裁判所では、二十人の職員が何もしないで遊んでいるのを見た」」(@イザベラ・バード)となる訳で…江戸の昔から続いてるそな(笑)武士も仕事してなかったんですね、なるほろなぁ…そして、それが現代にも続いているとな(笑)

 J・S・ミルのとこで自己責任を言及しているとことか、自己責任の主体者として想定しているのは「十分な理性と分別を持った「大人」」だったとか、まっ今は猫も杓子も範疇に入っていらっさるよーで(笑こーしてみると)20世紀末から21世紀にかけてした事って弱者の切り捨て以外の何ものでもないんだなぁ…シャルル・フーリエの項は女性必見か(笑)「女性の社会進出が進めば、売春は減るという社会学の事実を的確に指摘していること」とか、そーだったんですか、准教授?そのわりには最近先進国で売春合法化にいってねぇ?な気がするのは気のせいか?ちなみにフーリエ先生曰く「自由な状態にある女は、体力を要しない仕事であるかぎり、精神ないし肉体のあらゆる機能において男性を凌駕するであろう」とな…でこの言葉は「よほどの男権論者でもなければ否定できない歴史的真実となってしまっている」そな…そーだったのかぁ(笑)いやまぁだからマッチョ思考オヤジがあとをたたない訳か…あれって単なる老害じゃなくて最後の砦だったのか(笑)

 他にもたくさんたくさん本当にたくさんの至言の数々ですので、詳細は本書をドゾ。ドゾ。ドゾ。美と価格の真実とかのソースティン・ヴェブレンのとこなんかも秀逸だし、ゲオルグ・ジンメルの巨大な問題に立ち向かう人としてのあり方なんてのもなるほろなぁの世界なんですが、最後に一つ選ぶとしたら日本人としてはフランクリン・D・ルーズベルトの項じゃね?と…

 「11月23日、蒋介石夫妻とのごく私的な夕食の席で、ルーズベルトは、中国が琉球諸島に関してどのように考えているのかを質した。中国側の残した記録によれば、「大統領は、…琉球に関する問題に触れ、中国が琉球の獲得を望んでいるかどうか何度も尋ねた」。これに対して、蒋介石は「中国は本国と共同して琉球を占領し、最終的には、国際組織のもとで両国が共同で信託統治者になることに賛成である」と述べたという。(中略)この中国側の記録は、しばしばこの質問をしたルーズベルトが、中国による琉球の支配を歓迎していることを示唆するといえよう。(中略)もちろん、国務省の領土小委員会にとっては、予想もしない発言であった」(ロバート・D・エルドリッチ「沖縄問題の起源 戦後日米関係における沖縄1945-1952」)とな…北海道の上半分ソ連にやるよといい、マジ、ルーズベルト米大統領については日本人はおべんきょしといた方がいいんじゃね?じゃね?これが米という国なんですよ、奥さん(誰?)

 1943年11月のカイロでの米・英・露の会合の時のエビなんだそーですが、実はその時に更に「日本の暴力や欲望によって奪取したすべての領土もまた剥奪されねばならない」という文言をカイロ宣言に盛り込んだというか、ねじ込んだそーで…素晴らしい大統領ですねの世界が炸裂していた模様…かくて大統領と国務省と統合参謀本部と皆さん利害、もしくは意志が一致しない方向に突っ走っていたよーで…さすが米帝国主義、そこにしびれるあこがれるぅ(笑)大西洋憲章違反の「米国の領土拡大」なんて、そんなの関係ねぇーそんなの関係ねぇー(死語?)ですか?そーですか(笑)

 他にもいぱーい面白エビ満載ですので詳細は本書をドゾ。

 目次参照  目次 文系

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