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2014年1月31日 (金)

中体西用?

街場の中国論 増補版  内田樹  ミシマ社

 何だかなぁ…いや、近くて遠い国中国でございます…本書は大学院のゼミでのまとめ的な立ち位置にあるみたいですが、前に読んだ街場のアメリカ論と表裏一体な感じかなぁ?専門家目線でない○○論みたいなノリは、確かに普通に必要かもしれんと思いつつ、この大衆の認識というのもどこまで正しく、どこまで間違っているのか?現代に続く道でして、まさに歴史とはこわいものである、ですかねぇ?

 で、米論の時はそんな話出ていなかったと思うんだけど、中国論となったら「公安調査庁の中国担当の係官が大学を訪ねてきたことがありました」とな…「僕がどこから中国の「内部情報」を入手しているのかいろいろと訊かれました。「ニュースソースは毎日新聞です」と答えたら驚いて帰ってしまいました」とななな…

 かくて、本書はオープンソースだけでも何とかなるよな本でしょか(笑)日本の国民なめたらあかんぜよの世界か(笑)「僕は情報の網羅的な収集にはあまり興味がありませんが、推理には興味があります」初歩的な事だよ、ワトソン君(笑)て事はゼミの授業はホームズ先生とワトソン君の群れという事になるんだろーか(笑)

 取りあえず著者は「僕自身はとくに親米でも親中国でもありません」と宣言なさっておられますが、米論と本書を拝見した後ではむしろ親中の傾向かなぁ的と見受けられるかもと思われますかなぁ、だってその後に「ただ、千五百年続いた中国を中心とする華夷秩序と、嘉永六年のペリー来航から百五十年のアメリカ中心の華夷秩序を見比べると、中国が中華だった時代のほうが日本的には平和だったし、周辺諸国へ迷惑もあまりかけていなかったような気がするという感想を持っているだけです」って、先生(笑)

 アリス的に、中国…スイス時計でチラっと出てきた位かなぁ?まぁ大阪港があるので、中国、香港、そんなの関係ねぇー(死語?)とはいくまいての世界ですかねぇ?対中国に関しては、やはり西の人と東の人では温度差があるよーな気がするのは気のせいか?本書の著者も神戸の大学教授という事になる訳で、捉える感覚が微妙に違うよーな気がする?な気がする?けど、気のせいだろか?空気感的な違いについての比較として是非、名古屋というか、中京の方の中国論も拝読したいものだなぁと、ふと思ったり(笑)

 いや、結局、これもそれも地政学的なとこによるんじゃなかろーか?的な(笑)中国と米国の間に挟まれた日本というこの位置関係もそーですけど、東京、関東と、大阪、関西という位置関係もまたそんなの関係ねぇー(死語?)とはならないと思われで…何か、どこで、何を、見るか?という事は物凄く大きいのではないか?と思う今日この頃なんですけど?まぁ相変わらず、甘ちゃん思考で済みませんなのかもしれないですが…

 最近(?)の尖閣諸島問題も上がってますが、根底にあるのは「「領土的譲歩」は中国人に「屈辱の百年」を想起させる。「世界に冠絶する」はずの中華帝国臣民が欧米日の商人たちや兵士の下風に立って収奪され、野蛮人のように足蹴にされた百年の経験の精神外傷の深さを私たちは過少評価すべきでない。領土問題について、中国人は先進国中では「世界最悪の記憶」を有している」という事になる模様…結局、歴史か、歴史なのか(笑)まぁ、対岸の日本人としては、だからそれが反動の免罪符となるのか?という事に尽きるよーな気がするのも気のせい?

 で、事の一つが「中国の場合、近代史百年を振り返って、「あのときはこれでうまくいった」という経験があまりないのです。あまりないというか、ほとんどない」とゆー成功体験の欠乏ですかねぇ…文化大革命の後の改革開放路線の成功以外となると、抗日統一戦線の結成、中華人民共和国の建国、朝鮮戦争勝利という「日本と戦い、国民党と戦い、アメリカと戦った時期」という事だそな…とりもなおさずそれは「毛沢東を抜きにした成功体験というものを中国近現代史は持っていない」という事になるとな…中国人の毛沢東に対する感情も愛憎含めて物凄い葛藤がありそーだけど、それはひとつまず置いといて…

 まるめるとどゆ事かというと、抗日戦だけが「共産党も国民党も軍閥も小異を捨てて一丸となって「抗日」の旗のもとに結集することができた」とな…つまりどゆ事かと言うと「過去一世紀の歴史の間で、抗日戦だけが中国人にとって唯一の「国民的統合」の記憶なのです」となるとな…

 かくて中国政府、国内に問題が起きた時はには必ず「「抗日統一戦線」の記憶をかき立てようとするのは、心理機制としてははごく自然なことなのです」となるそな…そーでもしないと国民を制御できない中国って…

 で、どーしてこーなったぁーっ?的なとこのお話で出て来た真打(?)江沢民ですかねぇ?日中国交が開かれて、悪いのは日本ではなく日本軍国主義である、というファンタジーを共有して始まった日中蜜月期間は、中国の内政というか、派閥争いの中で終わりを告げると…でその後釜が「カリスマ性もなく、党内権力基盤の弱かった」江沢民という事になる訳ですね…1995年6月から反日教育が集中的に行われるよーになったとな…ちなみにその教育で育った人達が今の反日デモ、反日暴動に至った訳ですから、江沢民さまさまか(笑)

 さて、周恩来は日本人も中国人も「日本の軍国主義の被害者である」というロジックによってこれからの日中関係を築いていこーじゃないかぁーっと未来志向万歳なバラ色の未来万歳な世界が展開していたはず…というか、乗ろーじゃないか、このビックウェーブにのはずだったはず…しかし、江沢民が政権を取った時、あまりにも基盤が弱かった、何とか国内まとめなきゃあかんねん、じゃないと中国が瓦解するかも?まで状況は悪かった…ここで追い詰めれた施政者は何をしたか…「反日本軍国主義キャンペーン」なんだよ、なんだよってか(笑)

 最初は日本が標的ではなかった、あくまで日本軍国主義が標的だったはずなのに、ああ、そのはずなのに劇薬というのは、取扱注意が原則、薬も使い方を間違えれば毒になるし、毒は末端からジワジワと中央の思惑を外れて進んだりとか?ついでに中央にいても派閥の外にいる人にとっての文句のつけどころの下地になったり、ええ、政府を批判しているんじゃないんですよ、日本を批判しているんですが、何か?口実って大切だよね(笑)

 かくて、過去の悪いとこは日本の軍国主義のせー、今現状が悪いのも悪く変化したとこも日本化したせーだから日本のせー、まとめて全て悪いのはみんなみんな日本のせー…うん、凄く分かり易い論理だ(笑)江沢民的には反胡耀邦キャンペーンだった反日キャンペーンは、行き着くとこまで行ってしまうと…「個人的印象を言わせてもらうと、江沢民という人は歴代の中国トップの中では後世からの政治史的評価がかなり低い人ではないでしょうか。賢明で度量のある政治家だという印象はあまり(というかぜんぜん)しない」とな、先生、そんなハッキリ言っていいんですかぁーっ?それはともかく江沢民政権を維持する為に中国はどえらい時限爆弾を抱える事なったと見ていいんでしょーか?まぁ今のデモと暴動の日々に繋がるとは…

 でもって、中国でのデモ行為というのが、政治的集会の自由がないという事で「事前に当局の許可が与えられていた」という事に繋がると…領土問題だろーと、反日だろーと掲げる看板はともかく「「デモが行われている」ということそのものは、どのような政治的文脈においても、「ガバナンスがうまくいっていない」ということを意味しているからである」となる訳ですよね…「それは統治者にとっては、つねに「政治的失点」にカウントされる」とな…

 とゆー事は国の内外問わず世界中に向かって内政失敗しているんだぜと発表しているよーなもんのデモを何故、政府が許すか?となれば、ここで出ました「国民的統合」でござーるぅぅぅぅ(エコー付)社会集団を分裂させない為には、もはや外敵に頼るしかないという事態が勃発している模様…政府がこの「きわどい政治カードを切るのは、それだけ中央政府の求心力に自信がないということを意味している」とな…そして、も一つ、参加者側も反日を掲げればデモOKと了解してしまったとこですかねぇ…日本的には最初から最後までとんだトバッチリな気がしないでもないが、あちらさんの思惑は上から下まで俺はやるぜの世界だとするならば、確かに国民的統合ですよね…誰がコントロールしているかは問うてはいけないと(笑)

 こーして見ると日本との違いがくっきりきっぱりしてくるなぁかなぁ?「わが国の統治者の無能をメディアはずいぶんあしざまに言いますけど、それほど無能な統治者でも通貨危機も飢餓もテロも内乱も起こらない体制の盤石をこそ言祝ぐべきではないかと僕は思います」とか、「どれほど外交内政上の失策を犯しても、どれほど政治的無策が続いても、それでも法治が継続し、内戦が起こらず、テロリスト集団が形成されず、略奪や犯罪が横行しない「民度的余裕」において、日本は世界最高レベルにある」という事ですかねぇ?東北の大震災を見るまでもなく、日本人程略奪とか、暴動とかから遠いとこにいる人達いないのかも?そりゃ世界でニュースになるわ(笑)

 失敗を許せるか?許容できるか?というのもこれまた一つの民度なんだなぁと、穴掘って埋めなくても大丈夫ってか?まぁ民間人の自助努力はこれまたパネェってのもありますけど(笑)何とかしなくっちゃって時に何とかしてしまうこの国民性もまた、何とゆーか、アレだよねぇ(笑)

 他にもこんな事、あんな事ネタいぱーいですので詳細は本書をドゾ。こーして見ると大国って大変と思いますた…でも、そんな大国にはさまれている日本はもっと大変なんですよ、おぞーさん(誰?)まぁ世界的にはのほほん国民として認知されてそーだが(笑)

 さて、最後に本書で一番疑問に思ったとこ?というか、戦争賠償請求権の放棄のとこなんですが、日中共同声明(1972)で日本軍国主義の被害者の会的なオチで「日本に対する賠償請求を放棄した」という件…これ本書の結構あちこちに掲載されていて「周恩来が戦争賠償請求権を放棄したのは「長者の風」を示すためです」とか、よーは一種の演出だとしても中国って偉いという事なんだと言われているんだと思うんですが、この賠償金問題、確か最初は10兆円請求されていたと聞いた事があるよーな?ところが日本の満州に残してきたインフラ請求権が30兆円でこれ払うとなると中国の方が損するから棒引きになったという話を昔どこかで聞いた覚えがあるんだが、これガセだったんですかねぇ…

 まぁ中国に興味のある人は本書をドゾ。歴史っていう奴は、というマクロで見るもありだと思いますけど、かかわった個人のリテラシーを大切にというのは分かるよーな気がするよな…例えば、マテオ・リッチ、アダム・シャール、ウィリアム・アダムス、アーネスト・サトウといった面々が国の窓口に立っていた時は比較的すんなりと事は進むという事でしょか?その代り、東夷だの、黄色い猿だの上から目線乙の時は摩擦というより悲劇を生むという事ですかねぇ…台湾問題なんかも出てきますが、昔総督だったのがあの知将児玉源太郎、民政局に後藤新平、殖産局に新渡戸稲造というラインナップで分かる人は分かるかも(笑)世の中、まず人ありきとなれば、民度って結構大切というか、切実なもんだったんだなぁとぼんやりと思ってみるとこが心底日本人なのかもしれません(笑)

 目次参照  目次 国外

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