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2014年2月22日 (土)

あなたのねこはどんなねこ(笑)

猫だましい  河合隼雄  新潮社

 今日は猫の日という事で、猫の本をと思って手に取ったら…人間と猫のえにし、ただ事じゃなかった模様…さて、本書は著者のいつもの手法というか、物語で今を語るですか?ねぇ…今はヒトでもいいし、リアルでもいい、現実でもいい、人工でもいいのか?これもまた人生ぃぃぃーっな猫話がこれでもか、これでもかと登場致しまする(笑)

 で、タイトルが猫だけでなく、猫だましい、だましい、たましいという事で、たましいについて語ろうという、どこぞの大上段な話ではなく、いえ、たましいを語っている方が多いけど(笑)だましい、だまし、で騙しかもしれませんよというダブルミーイングだったりして(笑)かくて著者曰く「そんなわけだから、真面目な方はこんなもの読まない方がいい-実はそんな人こそ読むべきである-とはじめにお断りしておきたい」とあったりして(笑)

 でで、どゆ本かというと猫の物語を取り上げて、心理分析している感じでしょーか?取り上げられている本は世界名作文集というノリで誰でも知っているお話ばかり…なるほろ、昔話には真なるものが含まれているんだなとゆー一粒で二度おいしい大変おべんきょになる本でしょか?何より肩がこらないのがいい(笑)

 てな訳で、猫好きの人は既に読破済みだと思われですので、そーじゃない人も、だまれた、と思って読んでみるのも一興じゃないでしょか?とお薦めしとこー(笑)

 アリス的に猫と言えば北白川の三匹を上げすにどーするの世界ですが、何となくあの三匹は幸せの象徴みたいなイメージがあるのですけど、実際、猫と聞いてどゆ事を想起するのか?というと、世の中には何と猫マンダラ(バーバラ・ハナ)という物があるとは知らなんだ…いや、これ便利だわーと思わず思っちゃったもんね(笑)

 で、それはどゆ事というと猫の特性を四つに分けていて、一、ねずみとり、猟師、獰猛、残酷、二、女性的、母性的、両面的な、三、気持ちの良い怠けもの、四、自立的、ずる賢い、自主的という側面があるとな…言われてみればそんなもん?なんですが?この基準を頭において猫の物語の世界に飛び込むと、分かり易いんですよ、奥さん(誰?)

 でで、本書に登場する本達は、「牡猫ムルの人生観、並びに楽長ヨハネス・クライスラーの断片的伝記(反古紙)」(E・T・A・ホフマン)、「長靴をはいた猫」(ペロー)、「源氏物語」(紫式部)、「空飛び猫」「帰ってきた空飛び猫」「素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち」(アーシェラ・ル=グウィン)、「猫のうた」「猫と金蓋」「竜宮の猫」「犬と猫と指輪」「猫と蟹」「猫と十二支」「猫檀家(猫むすし)」「猫又屋敷」「伊勢参り猫」「猫女房」(日本昔話)、「セロ弾きのゴーシュ」「猫の事務所」「どんぐりと山猫」「注文の多い料理店」(宮沢賢治)、「しっぺい太郎」「鍋島猫騒動」(日本怪談・講談)、「100万回生きたねこ」(佐野洋子)、「100まんびきのねこ」(ワンダ・ガアグ)、ジェイムズ・ジョイスの孫への手紙の中の猫の小話、「こねこのぴっち」(ハンス・フィッシャー)、「まっくろけの まよなかネコよ おはいり」(ワグナー)、「ごろごろ にゃーん」(長新太)、「トマシーナ」(ポール・ギャリコ)、「猫と庄造と二人のおんな」(谷崎潤一郎)、「綿の国星」(大島弓子)、「牝猫」(コレット)というラインナップ…これだけ並ぶと壮観だけど、この中にあの吾輩は猫であるがないだけでも、どれだけ猫話が巷に溢れているかよく分かるってか(笑)

 それぞれの本についての著者の解説の詳細は本書をドゾ。いやまぁ半端ネェ世界が炸裂しておりまする(笑)猫が家畜化されたのが紀元前2000年の昔だそで、エジプトと中国が発祥の地という事でしょか?ちなみにエジプトでは猫神様のバストとしてあったとな…そして猫と人間の歴史が始まったという事ですかねぇ(笑)

 出てくるお話は猫との生活、もしくは出会いによって事態が動くという事なんでしょか?猫スゲェ(笑)牡猫ムルのミースミースへの恋愛というよりは恋に突っ走りましたが、何か?みたいなとこも「現代の青年たちは、このような偽ロマンスにはそれほど動かされなくなった。彼らは賢くなったが、ナマ賢い分だけ、人生の感激も以前より減少している感じがある」とあって、恋に恋する恋の嵐的な話は最近は下火なんですね、と分かるとか(笑)まぁ草食男子の国だもの(笑)

 長靴はいた猫のとこでは「古い秩序が消滅し、新しい秩序にとって代わられる。そこで誰が跡をつぐかということになるが、ここで、三人の息子が登場することが多い。そして、末っ子が結局成功する場合が多いのだが、このあたりは、ものごとの解決に伴う困難さ、繰り返される試み、そして、弱そうに見える者が成功する逆説などが示される」とは、あるあるな話かなぁ?そーいや、ゼウスにしても山幸彦にしても、三男坊の末っ子だよね?

 絵本的なそれで空飛ぶ猫という突飛さもさながら、その違いをどーよというとこで著者の蛇足ながらという言葉はとても重いよなぁと…「人間にもときに翼のある人がある。翼つきで生まれてきた子どもを見つけると、すぐに翼を手術によって除去し「正常」にする専門家たちが多い。臨床心理士とやらがその仲間入りをしないように願っている」とな…いやもー異端を嫌う、徹底排除の国だからなぁ…多様性が大切というお題目は唱えても、いざとなれば各論反対なんですよね(笑)

 まぁ普通に子供に対してもどーか?という日常でしょか?「子どもたちのたましいから発する多くのサインは、大人たちによって自分たちに都合のよいように読みかえられる」というのは、ですよねぇの世界か?ただ、正確に読める人がどれだけいるのか?も果たしてで、そー考えると子育て、教育に携わる人達は相当にアレだよなぁ…

 猫についての豆知識的なとこでは1233年に法王グレゴリウス九世は猫反対の連合運動を推進した人だったのですね…キリスト教圏もパネェ…黒猫ってそんなに異端なんだろか?ポーの世界っスかねぇ?ゴシックホラーな気配が?ポーの描く世界は的確すぎてアレですか?「どんなにやさしい人でも-いや、やさしければやさしいほど-心の奥底に残忍な心が隠されているのだ」って、最早、何を信じたらいーんでしょーか?おぞーさん(誰?)

 心との葛藤というか、親子の葛藤は世の中それこそ枚挙につきない世界で「親は子どもを心から愛している。子どものためなら何でもしてやったし、何でもしてやる気だ、と言う。それなのに、彼らの「愛」は子どもに通じない。どうしてなのか。愛こそすべてというのはわかる。しかし、それが通じないときはどうすればいいのか。多くの親が嘆き、そして、結局はその感情は怒りに変る。これほどまでして通じないのは、「子どもがおかしいからだ」と思う」は、何だかなぁー…ですかねぇ…最後には自分が正しいというとこに行っちゃうんですねぇ…正義とは何か?ってか(笑)まぁただ、それでもカウンセラーに相談に行くだけまだマシなんだと思われでしょか?たいていは一足飛びに自分が正しい、相手が悪いに行き着きますから(笑)

 殿方の中年の危機については「人間関係を強いか弱いか、支配するかされるか、で見る癖がついてしまって」というのはけだし名言だよなぁ(笑)かくて社会的な地位は獲得できたけど、幸福かというとそーじゃないと(笑)ただ、金儲けと地位こそ幸福と考える人も多くなってきたとな…「現代では「人でなし」であることは、それほど恥ではない。一般に最も恥とされているのは「オカネなし」である。それは、この世で、人でなしでオカネありの人が、尊敬されたり、出世したりしているのを見れば、よくわかる」って…で、ある程度到達した時幸福か?というと…皆まで言うなの世界か(笑)

 さて、アリス的なとこでいくと著者の作家観がパネェかなと?作家の人達というのは「誰もが実に繊細で厳しい心の持主で、うっかりすると以後絶交となるようなところがあるのをよく感じる」とな…アリスってばそゆ人だったのか(笑)またファンタジーとSFの違いについても「なぜなしの真実を語るのがファンタジーであり、うそを上手に理由づけて偽の真実を構築する遊びに精を出すのがSFである」とは、そーだったのかぁーっと目から鱗が(笑)

 後は犯罪者に見分け方で「怖いのは「普通の」姿をしたものである。無警戒でいるうちに、相手はいろいろと計算しているのだ。驚くような犯罪を犯した人の印象を語って、周囲の人たちが「ほんとうに普通の人でしたが…」というのが多いのも、このためである」というのはこれまたよく聞く話じゃないかぁなのか…も一つアリス的なとこで確か乱鴉のとこで宮沢賢治の話が出てきたよーな記憶がうっすらとあるんですが、それはさておき宮沢賢治ってあれだけ猫が出て来る話を書いておきながら「賢治は現実には猫は好きでなかったようだ」って…そんなのありですかぁーっ?

 で、最後に本書で一番考えさせられたとこを一つ、「これは実際にあったことだが、阪神淡路大震災のときに、避難所に入ってまだ不安におびえているような人に対して、ボランティアの人が「震災のときの話をして下さい」とか、「震災のときのことを絵に描いて下さい」などと言ったりした」そで、「恐怖の体験で障害のある人に対しては、その体験を言語化させれるば治るという単純な「法則」に頼ろうとしている。これは明らかな間違いである」とな…世の中そんなに安直じゃないよ、というのが先達のお言葉でしょーか?何か現代人は心の問題まで、ああすればこーなるの世界に無邪気に住んでいるのだなぁと思うと、と思うのは穿ち過ぎなんでしょかねぇ…

 本書は他にもたくさん、それこそたくさんの興味深いエビが出てきますので、詳細は本書をドゾ。ドゾ。猫を見て己を振り返る、あると思います(笑)

 目次参照  目次 猫

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