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2014年2月28日 (金)

愛人天国?

女王たちのセックス  エレノア・ハーマン  KKベストセラーズ

 サブタイトルが愛を求め続けた女たちでして、タイトルがタイトルなのでアレですけど、これは真面目な欧州宮廷史というか、女王、王妃の愛人履歴か?まぁ愛人と一言で言いますけど、何せ女王もしくは王妃の愛人ですから、事は私的な、家庭内だけの問題ではなくなって、一族、王侯貴族階級どころか国全体、更に欧州全体に影響を与えかねないというより、多分与えている世界でしょか?多かれ少なかれ愛人達に野心があれば、女王(王妃)の後ろ盾にモノを言わせて政治に走るのが男のサガか(笑)まぁ能力の有無やら、当時の欧州情勢やら、色々と絡んできて、ただ女王(王妃)の愛人というだけではおさまらない気が?歴史って凄い…

 そんな訳で本書の一章と二章はマクロな話だとすると、三章以降はこの人にはこの人が的なミクロな話になっております…まぁ女王(王妃)一人一人の自伝ではないので数ページの速足解説ですが、それにしても愛人がいっぱいってか?王様の愛人というとハーレム的なそれを想像するけど、女王(王妃)の愛人は一時にたくさんというより切れ目なく続くでしょか?後は、エカテレーナみたいに大っぴらに愛人に囲まれてますが何か?というのもあれば、秘密裡に続けないと命にかかわるみたいな世界もあり、不倫道も色々あるよで、本書によると女王(王妃)側に権力がある場合、政治的勝者の場合は表向きにオケという事らしー…「その関係が国家に有益であれば、姦通は大目に見てもらえるどころか、推奨さえされた」世界なんですね…よーは結婚も本人達の意志とは関係なく、国家間の政治的な問題であるとすれば、その後の愛人問題もこちらは国家の政治的な問題となる訳か(笑)どこまでも利害がもの言う、さすがセレブの世界は違うでぇってか(笑)

 その点では訳者の後書きにあるよーに「王妃とは、いわば王宮の備品である。王に愛されなくても、邪魔にならないかぎり半永久的にその地位は安泰なのである」とな…だけど、自国の侍女達その他も帰されて他国にたった一人で嫁ぎ、夫の愛情は全くない、頼みにする人が一人もいない宮廷生活で、孤独からの脱出が愛人生活となるのは時間の問題じゃね?とゆー事で、女王(王妃)の愛人遍歴が始まるとな…

 アリス的に女王(王妃)、ついでに愛人…うーん…不思議の国のアリス的な女王もあると思いますなのか?愛人系のそれでいくと鍵が一番近いのだろか?の世界かなぁ(笑)まぁあれは所謂一つのコキュ文学かもしれないが(笑)

 まぁともかく、本書いってみよーで一人一人を追うとなるとまずは中世、カスティーリャのウラッカ姫とアラゴン王のアルフォンソ一世の結婚(1109年)からですか、このアルフォンソ一世は妻だけでなく「娼婦や寵姫ばかりか、女性一般までもなぜ彼がこうも嫌悪するのか」というお人だったよーで、ちなみにウラッカはそんな夫に見切りをつけて愛人、軍総司令官ペドロ・ゴンザレスを伴って敵対諸国の遠征を行っているから、いやまぁ何とも…

 かくて以下、アリエノール・ダキテーヌ(ルイ七世/仏、離婚後ヘンリー二世/英)、イザベラ(エドワード二世/英)、ブランカ(エンリケ四世/カスティーリャ)、フアナ(エンリケ四世/カスティーリャ)、アン・ブーリン(ヘンリー八世/英)、キャサリン・ハワード(ヘンリー八世/英)、マリア・フランシスカ・イザベル(アルフォンソ六世/葡)、マルグリート・ルイーズ(コジモ・デ・メディチ/トスカーナ)、ゾフィー・ドロテア(ゲオルグ・ルートヴィヒ/ハノーファー後のジョージ一世/英)、エカテリーナ一世(ピョートル大帝/露)、エリザヴェータ女帝(露)、エカテリーナ二世(ピョートル三世/露)、マリア・ルイーサ(カルロス四世/西)、マリア・カロリーナ(フェルディナンド四世/ナポリ)、マリー・アントワネット(ルイ十六世)、カロリーネ・マティルデ(クリスチャン七世/丁)、ジョゼフィーヌ(ナポレオン/仏)、マルー・ルイーズ(ナポレオン/仏)、ポーリーヌ(カミッロ・ボルゲーゼ公爵/ローマ)、オルタンス(ルイ/蘭)、キャロライン(ジョージ四世/英)、イザベル女王(フランシスコ・マリア・フェルディナンド・デ・アシス/西)、ヴィクトリア女王(アルバート/英)、ルイーゼ(フリードリヒ・アウグスト/ザクセン)、マリア(フェルディナンド/ルーマニア)、アレクサンドラ・フョードロヴナ(ニコライ二世/露)、ダイアナ(チャールズ/英)etc.がご登場致しまする…

 彼女達の愛人達については列挙すると果てしなく遠いぃぃぃぃーっの世界でして、何つーか、何つーかですかねぇ…まぁ多分、王様の愛人数より女王(王妃)の愛人数の方が相対的には少ないと思われですが(エリザヴェータ、エカテリーナ二世を除く/笑)、何にしても政略結婚パネェという事でしょか?でもって、横暴な愛のない夫に耐えかねてという昼メロ路線もあると思いますだけど、エドワード二世をはじめのゲイな王(王子)の群れとアルフォンソ六世をはじめとする性的不能の王(王子)といい、何か欧州の王族ってそれ系の人が結構多い気がするのは気のせいか?

 でもって、男性視点から見ると告発的にゲイよりも姦通の方がマシな世界というのも、これ如何に…ヘンリー八世の離婚劇というか、結婚劇というかは、悲劇と喜劇が手をとってダンスしている感じかなぁ(笑)いえ、当事者は命懸けで、しかも国の名誉がかかっていますから笑いごとではないんですけど…自分が即、次の女性と結婚したいから現妻に「一番簡単なのは、アンに裏切りの罪をきせること-王妃なら不倫をはたらいたと告発することだ。それから処刑すればよい。そうすれば、寡夫となった王はすぐにも再婚できるだろう」とな…新婚を夢見る王様、古女房はいらないってか(笑)まぁそれはともかく「妃が不貞をはたらいた王はたいてい-本当に不貞をはたらいた場合-離婚の際にはあらゆる手段を尽くして「姦通」という言葉を避けるものだ。それは子どもの血統に疑念を抱かせるばかりか、王自身の性的能力も疑問視されることになるからである」となかくて、スペイン大使曰く「こんなに何度も大声で妻に裏切られたと言いふらし、それでいてずいぶんと平静な男は他にいない」とな…王子さまを求めては王なのか、妃なのか、まぁ多大な思惑で奔走する妃の一族達がこれまたアレだけど…

 悲恋的なとこではゾフィー・ドロテアが最たるものかなぁ?マリー・アントワネットじゃないけどスウェーデン貴族の愛人持つとこー悲恋物のBGM系になるのは何故なんだぜ?逆にエリザヴェータ、エカテリーナ二世の場合は、男も消耗品って感じか…まぁポチョムキンもいるけど…性的過剰性でいくなら後のラスプーチンもそーいえばロシアか…ちなみにロシアとはとある仏人曰く「人殺しでコントロールされる絶対王政」という事になるらしー…この頃からロシアって…しかも「神経質な若者のなかには緊張しすぎてチャンスを生かしきれなかった者もいたことだろう。自分の未来と一族の未来のすべて、自分のペニスの硬さにかかっているとあれば」って…まぁエカテリーナの名声、昼間の賢明な君主も夜の生活で色情狂の評判がもっぱらだったそーなので、何とも…最も、大半のロシア国民については「ロシアの農民はかくも豊かな国で食糧にも恵まれ、幸福な暮らしを享受できるはずだった。支配者が彼らから幸福と食糧を奪わなかったならば、だ」ってこれまた今も昔もロシアって…

 ポチョムキンの功績に対してのヨーゼフ二世のお言葉は的を得て過ぎてちょっとこあい位なのですが、「農奴に労働させて生活し、壊れたらすぐに再建できる国だぞ?金ならいくらでもある。人の命なぞなんでもない。これがドイツやフランスなら、われわれもこんな企画にあえて手を着けたりしないだろう。ここではそれが危険を冒して毎日行われる。なんの妨害も受けずに、非難の声も上がらずに」いやまぁ何とゆーか、今も昔もロシアって…まぁエカテリーナ的なとこでは元愛人のポーランド国王に対してもアレですから、徹頭徹尾ロシア女王として生きたという事になるんだろぉなぁ…

 まぁ愛人生活、所詮不倫じゃね、という退廃系もあるけど、カロリーネ・マティルデとストルーウンセとか、マリアとスティルベイとかは国家的にはこれは大当たりなカポーじゃね?デンマークとルーマニア的にはこの二人の王妃と愛人によって国が支えられていた訳で、他国人からも「ルーマニアには男が一人しかいない。それは王妃だ」とまで言われている位ですから…野心家で私欲のあまりない出来る男とくっついた場合、国は栄える、もしくは救われるんですねぇ…やはり国民的にも頼りになるトップの方が、そして国民生活を考慮してくれるトップの方がいいに決まっているし(笑)

 さて、まぁ女王(王妃)達が色々色々本当に色々出てきますが、最後を飾るのがあのダイアナ元妃で…本書によるとあのドディとも別れるつもりだったらしーのですが、それにしてもダイアナの愛人達って、こんなにいたのか?でもって多分もっといるはずなのか…でもって、多分最初の不倫相手のマナキーはダイアナのボディガードだったんだけど、「いきなり配置替えになった」で、後には「マナキーは奇妙なバイク事故で命をおとした」とな…それってアラビアのロレンスの頃からの伝統なんだろか?英?

 ダイアナ妃が「定期的にハーバー・クラブに通ってフィットネスに励んでいたが、それは運動して体型を維持するためではなかった」そで、「確かにダイアナは相手となる男性を求めていました」とな…「本当に、その相手といったら数えきれないほどです」とな…本人が認めた公式の愛人はヒューイット一人だけど、分かっている人はたくさんで、これまたその合間のフィットネスクラブ系のそれを入れたらドンダケなんだと…

 いやぁプリンセス物語パネェ、超パネェでおろろく位では済まないよーな?昔シャーロット王妃(英)は、「皆の範となるぺき自身の貞操を守るために、スキャンダルの徴候がほんの少しでも疑われる者は一人残らず宮廷から追放しなければならない」とな、消毒だぁーっですかねぇ…で結果どーなったかというと「彼女の宮廷は規模も小さく、どうしようもなく退屈なものになった」とな…ちなみに夫はジョージ三世…更にちなみに「廷臣の目には、この不細工な妃に不自然な操を立てたことこそ、王が最終的に発狂した理由だと映った」とな…宮廷ェ…

 何とゆーか、宮廷、王と女王の結婚も所詮は現実、生身に過ぎないって事でしょか?そして二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさなんておとぎ話しにしかないんだなぁというのが如実に分かる本書かな(笑)いやまぁ歴史がどー動いたか?というか裏面史としてなるほろな世界でして、これは歴史の教科書だなぁと…てな訳で詳細は本書をドゾ。本当はこあいヨーロッパ政治史に近いかも(笑)

 目次参照  目次 国外

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