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2014年3月 1日 (土)

かわいそうなオレ、神になりつつあるようだよ(笑)

ローマ人の物語 22 危機と克服 中  塩野七生  新潮社

 前巻で一年の内に三回トップが入れ替わりようやくヴェスパシアヌスに決まりで落ち着きそーなとこで終わっていたんですが、ローマのアレなとこは所謂ローマ市内の問題だけではなくて、周辺全てを飲み込んでいるとこですよねぇ…国の中心が揺らいだら、付和雷同というか、回り、地方がほっといてくれないところ(笑)かくて、この時期何が問題だったかというと、一つはゲルマン問題、も一つがユダヤ問題だったでござるってか…

 てな訳で本書の前半はその地方行政問題を、後半はヴェスパシアヌスの治世を見ていこーではないか?の世界か?さて、前巻で職場放棄して進軍して下さったライン軍団の皆様ですが、そんな空隙をほっといてくれる程、世の中甘くはなかったってか?まぁ甘かったら、ライン側のこっち側に軍団を何個も派遣し続けておく必要ない訳で、もっと言えばカエサルのガリア戦記なんて必要なくなってくる訳じゃまいか(笑)

 それでもこの時まで何となくガリア全域落ち着いていたのは、圧倒的じゃないか、ローマ軍はとその実力を認めていたとこと、ローマ化以前の生活よりかはマシじゃね?だったはずなんですが、第一次ベドリアタム戦の乱戦で属州兵にローマ正規軍がたいした事ないんじゃね?と疑惑を生んだ事が野望の始まりってか?

 そんなお人にユリウス・キヴィリス、パタヴィ族族長がいらっさいました…紀元69年は皆して俺にも天下が、の世界だったのか(笑)どゆ事かというと、ライン川の向こう側と連動してゲルマン独立国、表向きはガリア帝国、更に建前はヴェスパシアヌス派の蜂起という何段か構えでいてまえぇーと走り出したちゃったんもんねの世界か(笑)

 アリス的にローマ…今回の巻辺りだとヨーロッパ、西と東でこーくるか?の世界ですが(笑)今回改めて思った事はローマ帝国の守備範囲って物凄く広くね?じゃね?車も電車も飛行機もない時代にこれだけの広さをキープできていたというのは、本当に凄い事なんだなぁと改めて思いなおしたわ、か(笑)早馬で行き来するにしても伝令の移動距離ってナンボ?の世界だし、冬のアルプス超えはかのナポレオンでさえアレでしたし、ローマ人が何であんなに街道作りにせいを出していたか分かる気がしてくるよな…国を支えるものってインフラなんだなぁ…作る、使いこなす、保持できるこれ大切ってか(笑)

 さて、ユリウス・キヴィリスのガリア帝国で独立だぁーっの詳細は本書をドゾ。ですが、どーも欧州のライン川ってどこをどー流れているのか今一ピンと来なかったんだけど、オランダの上、ドイツの西と見ていいのか?今回蜂起したのは低地ゲルマニアの部族…以下周辺の皆様なんですが、この低地ゲルマニアって今で言う蘭のとこ辺り、それに高地ゲルマニア、ジュネーヴからマインツ辺りと、よーはローマに入っているけどゲルマン民族の血が主流じゃね?という地域らしー…ゲルマンは西を目指すってか?

 一方ローマではカンピドリア炎上するし、自分達が担ぎ上げたヴィテリウス殺されちゃうしで、守備隊のライン軍団の士気もだだ減りだったとな…この期を属州民は見逃さなかったって事らしー…かくて紀元69年夏から70年の秋まで続くローマ的には反乱軍との戦いが続くでござるよ(笑)

 さて、前巻最後にローマに入ったムキアヌスの前には市内(ひいては帝国内の)問題も山積みだったけど、対外的には二つの事柄が待ち構えていた訳で、ただちに手を打つんですね、まさに反撃の始まり(笑)詳細は本書をドゾですが、本気になったローマ軍団は強いぜよの世界か?しかもリアリストですからねぇ…物量全て投入しての戦いですから、もともと軍としての質も上、その上ロジスティクスも万全となれば後はもー兵どもの夢の後ってか…幻のガリア帝国万歳(笑)

 で、も一つ今回の事でアレなのはガリアって仏とか、他地域にも広がっている訳ですよね、そんな皆さんがユリウス・キヴィリスに賛同したかというと、そーではなくてNOと言える今で言うと仏が独を拒否ったとゆー世界が展開…ガリア帝国といっても一枚岩ではないし、ついでに言うと一皮むけばゲルマン帝国であったとな…そんなローマとゲルマン天秤にかけたらね、というそれもあると…

 これに派遣されたアニウス・ガルスとベティリウス・ケリアリスも、ローマだよなぁというか、ローマ軍人、司令官というべきか職務遂行能力が揺るぎなしなんですよねぇ…詳細はこれまた本書をドゾですが、このケリアリスの弁舌がいはやはまったくごもっともの世界で上に立つとはこのレベルでもローマはローマだよなぁ…ある意味王者の風格、寛容があった訳で…そもそも何でガリアにローマが来たかと言えばそちらの先祖達の要請を受けてじゃね?とゲルマンがやってくるから止めてくんろの世界じゃなかったのか?で、今、ゲルマンと手をつないで彼らが何を保証してくれると言うんだとちょって頭冷やして考えろ、よーは現実見ろよの世界か(笑)で、冷水浴びせた後に罪を憎んで人を憎まずじゃないけど、首謀者とその弟と息子以外はお咎め無しで全員無罪放免にする訳ですよね、わだかまりなし、今回の事はローマの権力中枢の混乱に乗じた結果だから誹はローマにあるというスタンス…ですべてはなかった事というか、元鞘というか、以前と同じに戻るというローマ得意の寛容政策を貫くんですよねぇ…

 で、一方、ユダヤ問題の方はというと、紀元66年夏から紀元73年春のマサダの玉砕まで続く訳で、こちらは前巻での通り、ヴェスパシアヌスの息子ティトゥスがイェルサレム攻略戦に立ち、ヴェスパシアヌスはその吉報をアレクサンドリアで待ってるぞが展開しておりました…

 まぁこの頃からユダヤ問題があった訳で、この話は根が深いという事になるんだろーなぁですよねぇ…で、詳細は本書をドゾ。本書的なユダヤの特殊性とは、一、大国(エジプトとシリア)に挟まれた地理的条件、これが後にローマ帝国に組み込まれると…で二が「彼らがすこぶる優秀な民族であることだった」とな、支配者の立場からしたら出来のいい民族の方が「支配しにくい」という事だとな…後の英の愚民政策一理あるのか(笑)そして三番目に「ユダヤ人の離散傾向」でしょか、当時でさえあらゆる都市に共同体ありまっせの世界だとな…で、これが何故かと言えば、外にいるユダヤ人も年に一度イェルサレムに奉納金の義務があった事、も一つが外にいるユダヤ人がユダヤ本国に何かあればいざ鎌倉状態にあるかもしれない事…よーはユダヤ人が入植している全都市の治安問題の懸念も出てくるとな…四番手には「ユダヤ人には、自分たち以外の民族を支配下においた歴史がないところにあった」とな、これ裏を返せば「他民族に長く支配された歴史をもつ民族は、現代人の考えではしいたげられた民族ということになり、同情をよせられるのが当然という感じになっている。だが、しいたげられた長い歴史をもつということは、それゆえの精神構造の変化をもたらさずおかないという、現実にも顔を向ける必要がある」とな…その結果どゆ事になるかというと、「思考の柔軟性が失われてかたくなになる。また、何にたいしてであろうと過激に反応しやすい。そして、過酷な現実を生き抜く必要から夢に頼る」まぁユダヤと言わずとも思い起こす事が多すぎるってか(笑)でもって、五番目に一神教きたぁーっで、つまるところ「多神教の民族では政治と宗教が分かれているのに反し、一神教の民族では、宗教が積極的に政治に介入してくる神権政治にならざるえない」そーだったのかぁー…も一つ豆的に付け加えると「ラテン語には、神権政治を意味する言葉からして存在しないという事実だ」ですか?そーですか(笑)

 と、これが前提条件とするならば、当時の状態はどーだったかというと、このユダヤの中でファリサイ派(宗教重視、もしくは過激派)、サドカイ派(政治重視、もしくは穏健派)と二分していた事とな…これイエスの頃のカエサルのものはカエサルにの時と同じか?でもって、更に今で言う海外組と国内組の違いもありーの、国内組ったって内陸部と海岸部の対立ありーの、イェルサレム内では富裕層と貧困層に分かれていたから、事は複雑、怪奇にならざる得ないってか?分裂の分裂の分裂は友達だぁ?な世界なんだろか?

 さて、ローマの傘下に入って60年、それまでのギリシア系の被支配から抜け出してユダヤ躍進ってか?市場経済参入で経済力もつけたぜと…という事はその市場を当時占めていたギリシア人達とも対立していく事になる訳なんですよね…

 で、まぁよーするに民族として希求するものが違い過ぎたのがユダヤの悲劇か?もしくは適当な妥協点が見いだせませんか?詳細はこれまた本書をドゾなんですけど、最終的に「ローマ人にとっての「自由」は、軍事力によって保証された平和と、法によって保証される秩序の中で、各人が自分にできることをやる」であったとしたら、ユダヤ人のそれは「神権政体を樹立できる」のがそーであったとな…

 かくてユダヤ統治はローマ的にも特殊性の中にも特殊性を帯びない訳にはいかない、とてもデリケートな問題でもあった訳ですね、取りあえずユダヤ長官はそこんとこ宜しくという匙加減がポイントだったと…外交はいつでもどこでも大変大変大変だだだ(笑)事の発端は、ローマに納める税は滞納しといてからに神殿の奉納金はちゃんと納めているとこですか、そーですか?で頭にきた長官が属州税を神殿の宝物庫からボッシュートしてしまったとこから始まる訳ですね、ユダヤ的には神殿は神聖不可侵、ローマ的にはその神殿が存在し続けていられるのもパクス・ロマーナのおかげやろで、維持費払えやの世界で、これまたどこまでも価値観の相違がアレなよな…

 こーして火の手は上がった、後は燃え上がるだけなんですよ、おぞーさん(誰?)ローマ側の態度の硬化とか、ユダヤ側の「列記すればそれだけで数ページを埋める回数にのぼる。「シカリオイ」(殺人者)と呼ばれたテロ集団の暗躍は、ユダヤ全域に広がっていた」とか…そして治安の悪化って失業率とセット販売がこれまた世のならいですから、どこもかしもメラメラと坂道を転げ落ちるよーに突き進む訳ですね、分かりますってか…

 ネロ時代の負の遺産ではないですけど、何だかなぁですかねぇ…当時の状況を一番伝えているのは同時代人的な視点でのソレでタキトゥスのそれなんでしょか?「ユダヤ人がわれわれにとって耐えがたい存在であるのは、自分たちは帝国の他の住民とはちがうという、彼らの執拗な主張にある」とな…これまたそれはどこのデジャヴ(笑)

 とまぁ間に色々あるんですがサクサク進んでこの討伐隊にヴェスパシアヌスが派遣される訳ですね…これまた詳細は本書をドゾで、この間にヨセフス・フラヴィウスだとか、ヴェスパシアヌスの息子のティトゥスとか、面々が出そろっていく訳でござーる(笑)

 で後、ヴェスパシアヌスは物凄く有能な人ではなかったよーなんですが、物凄くまともな人だったよーで、とにかく鎮圧を黙々と進め後はイェルサレム攻略を残すのみとなったとこで、ローマのあの一年に皇帝が三人も変わるじゃけんの内乱が勃発してしまって、さて、作戦を続けていいのか、どーか?一応真面目な人ですから上司変わったら命令書もお伺いたてないとねみたいなノリで頓挫してしまう訳ですよ、姐さん(笑)

 でで、この間に東地中海のトップ会談が相成り候ってか(笑)シリアのムキアヌス とエジプトのユリウス・アレクサンドロスの三者による談合の結果ヴェスパシアヌスが皇帝にで結託したと…ここで面白いのはこの三人の中で一番平凡なのがヴェスパシアヌスだったとこだなぁ…そしてこれまた他の二人が並の頭でなかった事は時代が望んでいるのは、切れ者や貴族階級ではなくて、「健全な常識人」であった事を読んでいた事でしょか?そしてヴェスパシアヌスはそーゆー人だったんですよ(笑)

 とゆー訳でイェルサレム陥落を確信してからローマ入りして皇帝職について、ヴェスパシアヌスの十年に渡る治世が続く訳ですが、これまた詳細は本書をドゾ。ちなみにヴェスパシアヌスの目指した政治、統治はアウグストゥスとティベリウスとクラウディウスに倣えだった訳ですね、この辺りも正しい歴史認識といったとこですか(笑)かくて歴史家的には「特筆すべき事件は何もなし」な治世をこれまたまっとうするんですよ、まっ歴史家的にはおもろない歴史かもしれないけど、当事者のとしての市民、帝国民としてはそれが一番大事ぃーじゃまいか(笑)むしろ、そんな政治家プリーズなんですが(笑)

 でまぁヴェスパシアヌスの統治時代の詳細は本書をドゾですが、一つだけ上げるとしたら、財政再建の功ですかねぇ…ローマ歴代最適の皇帝だった模様で、この金銭感覚もやはりまとも、健全に尽きるよな(笑)何をしたかというと「税率を上げないで、またむやみに新税を創設しないでいて、どうやれば税収を増やせるか考え、それを成功させた人」という事になるそな…現代、日本に来てくれまいか、かなり切実なんですけど(笑)ローマの今までのトップを見ていると、何となく分かる事は成功している人達は税制改革に成功している人なんですよね、間違っても新税導入とか、税制改悪とか、増税じゃないんですよ(笑)よーするに広く浅く、間接税は下げて直接税を上げる、儲けているとこから税をとると、当たり前といえば当たり前すぎる事を実行しているとこが凄いってか(笑)これ、セレブや賄賂くれる人達にいい顔しよーとしたら逆(間接税↑て直接税を↓)になるんですよ、ネロとかカリゲラ見るまでもなく(笑)

 こーして平穏に次期皇帝職を長男のティトゥスに譲るで、次巻を待ての世界ですが、詳細は本書をドゾ。それにしてもローマは本当にあるあるの世界でどこ見てもおべんきょになるというか、話題が尽きないよな(笑)まぁ今回の教訓は欲の皮がつっぱるとロクな事がないという事でしょか?後、敵をあなどると痛い目に合うとか?ローマ軍団的にはローマというブランドを損なう事は、命にかかわる大事に至るって事ですかねぇ?それまで属州兵の方が地方では多くてもローマ軍人に逆らう、ないがしろにする、見下すなんて事はなかった訳ですから、本家の内乱とはかくも被害甚大って事で…血迷っている場合じゃないんですよ(笑)他者からの「敬意とはしばしば、武力よりも有効な抑止力になりうるのである」とな…どこぞの監督じゃないけど、リスペクトこれ大事(笑)

 後、本書の登場人物の中では一番見てみたいなぁと思わされたのはムキアヌスですかねぇ…多分、この時期の人材の中では一番できたお方はこの人だと思うんだが、能力的に。にも拘わらず、中継ぎの仕事に徹して、露払いに徹して、下地をならしてヴェスパシアヌスがローマに到着したら全てを移譲しちゃうんですよね…で、その後は表に出ないで黒子のコンサルタントに徹したみたいだし…いやー欲に目が眩んだら負けなんですね…その事を本当に分かって実行している人って凄い…アントニーにこれがあれば破滅しなかったろーに、まぁあの人にはそれ以前にその頭がなかったよーな気もするが(笑)出来る人間って引き際と分がわかっている人を指すのだなぁと納得のムキアヌスでござった…潔さってこーゆー事を言うんだなぁ…

 最後に本書で一番笑かせてもらったところ「もしも、コンスタンティスからテオドシウスにいたるローマ皇帝たちが成立させた、キリスト教のみが宗教であるとした数々の立法がなかったならば、ローマ人の宗教は現代でも生きつづけていたかもしれない」(ブルクハルト@バーゼル大/1870)とな…これを、多分キリスト教徒の先生が言っちゃうとこが、欧州のこれまた凄いとこか(笑)

 目次参照  目次 文系

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