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2014年3月 5日 (水)

悪女の正義?

悪女の物語  藤本ひとみ  中央公論新社

 どゆ本というと仏、お姫様エッセイでしょか?登場人物は二人、マリー・テレーズとマルグリット・ドゥ・ヴァロワ。名前だけじゃ誰?やねんという事になると、マリー・テレーズの方はあのマリー・アントワネットの娘となり、マルグリットの方は王妃マルゴと言えば分かるだろぉか?仏王室にマルグリットという名のお姫様は多々あれど、マルゴと称されるのはこのマルグリットだけだそな…ちなみに「なぜか、マルゴという名詞ほ辞書で引くと、古語として、尻軽女という用例が出ている」となってこのマルゴ、当時から現代まで男狂い、色情狂として呼ばれ続けた女性だそな…

 一方、マリー・テレーズの方ですが、これまた「思いやりがなく、人の気持ちをくみ取らない人間といわれ、また慈悲薄い女性とも、復讐に戻ってきた女ともいわれた」そで、更に「白色テロの推進者の一人、あるいは実質上の指揮者」とさえ思われていたとな…いやまぁとにかく、仏の王女半端ねぇという事ですか、そーですか…

 とはいえ、仏王室史、王女の生活も波乱万丈というか、安定したものじゃなかった模様…ある意味エキセントリックな時代にエキセントリックに生きちゃった女性そのものの気がしないでもないが?いかがなものか?何せ、マリー・テレーズはあの仏革命で家族全員殺されているし、ちなみに革命当時は10才の少女…マルゴの方も母親があのカトリーヌ・ドゥ・メディシス、10人の兄弟姉妹がいたけど結局最後まで生き延びるのはこのマルゴ一人といっていいんじゃまいか?でして…そーゆーレディ達の人生いろいろなんですよ、奥さん(誰?)

 アリス的にお姫様って…うーん…まぁアリスの雑学データベースをもってすれば知ってそーではあるが?ついでにマルゴの方は仏で「王妃マルゴ」として映画になったから見ているかもしれないし?まぁそれはともかく、悲劇の王女となれば題材的にあると思いますになるのかなぁ?とか…

 取りあえず、マリー・テレーズいってみよーで、こちらも「生まれついての気位の高さが、主要な特徴」というお姫様だったよーで、周囲の努力によっても治らなかったそで、まぁこれが革命もなく、普通に王女生活続けていたのなら許されただろーけど、仏革命勃発して王女何それの生活に転落したら、気位の高さはもろに生き辛さになるんじゃね?で結局その後の人生もそれを支えに、もしくはそれによって苦労を背負い込む事になる模様…

 仏革命に関するエビの詳細は本書をドゾ。いやぁさすがおフランス様はエビ満載でござりまする(笑)一つ上げるとするならあのパンよこせっとヴェルサイユに行進したバリの主婦達と言われているけど、この中に「女装した男も多数含まれて」いたそで、空腹による偶発的なデモとかではなくて、色々とこれまた裏があった模様…革命派も王侯派もそれぞれに思惑が錯綜している感じかなぁ(笑)

 少女だったマリー・テレーズ的にはこの革命の認識は著者いわく「民衆とは、常に自分たち一家をひどいめにあわせる野蛮な人間集団でしかなかったのである」に尽きるんだろーなぁ…これと気位が重なれば、白色テロあると思いますになるのか…で、16才まで幽閉されていた訳だけど、まさに最後は独りきりだから「言葉を忘れかけ、明瞭な発音ができなくなってしまっている」「陰気な少女」になっていたそで…

 さて、この後はまさに大人の事情というか、政治に翻弄される生活が始まるでして、仏王室最後の生き残りとなれば、彼女を結婚したら王政復古の暁にはフランスの王冠を手に入れる事ができるとな…で、神聖ローマ皇帝フランツ二世とプロヴァンス伯爵(ルイ十六世の弟)のマリー・テレーズの身柄の取り合いという事になる訳で、その辺りの詳細も本書をドゾ。いやもーいざという時一番えげつないのは遠くの親戚とはよく言ったものだというのを地でいくおじさん達じゃまいか?

 結局、マリー・テレーズはプロヴァンス伯爵の弟、アルトワ伯爵の長男アングレーム公爵と結婚する事になるんだけど、この公爵が「知性も、男性としての魅力もなく、顔立は醜く背が低く、笑みは愚かで奇癖があり、単純で、宗教行事と狩猟の他は、何もしない」と後世の歴史家達が語る人物…身分はつりあうかもしれないけど、これだけでもこれからの結婚生活がバラ色じゃないのは分かるってか…で、まぁこの亡命仏王室御一行様はその後、ヨーロッパ中の国々を流転していく事になる訳ですよ、おぞーさん(誰?)

 その彷徨える異邦人というか、各国の思惑が絡んだ移動についての詳細は本書をドゾ。取りあえずナポレオン失脚で王政復古だとマリー・テレーズがパリに帰還できたのが1814年、18年と四か月ぶりのパリでござるってか…まぁ間に一時的ナポレオンの復活もあったけどワーテルローでアレで仏的には「個人の自由を束縛する「保安法」が議会を通過」して何がきたって、ナポレオン派の粛清、一掃ですよ、姐さん(誰?)パリの政変は血をみないといられないのがアレなのか?でもってこれに積極的に関与したのがマリー・テレーズという事になるらしー…まさに復讐の女神ですね…両親や自分を苦しめた民衆なんてみんなみな死んでしまえばいいんだわってか?

 これまた市民は立ち上がるで、叔父のルイ十八世が亡くなり、義父のシャルル十世が即位したけど、市民、国民の人気はただ減りですから、一族はまた亡命生活ってか…これが1830年の話…英のプリマス、エディンバラ、そしてプラハ、キルシュベルク、モーリッツと…悪女というとどーも歴史を手玉に取った女なイメージがこれまたあるんですけど、どちらかというとマリー・テレーズの場合は歴史に翻弄された女のよな?そして本人は只管懐古主義というのが不幸を更に不幸にしていったよな?時代の移り変わりを一生受け入れる事のできなかった女性という事にもなるんだろぉなぁ…ある意味真に王女として生まれ、生きた人とも言うか?

 さて、そんな仏王室の王女二番手はマルゴ王妃でございますってか?時代は遡って中世ルネサンスじゃね?ちなみにそんなマルゴのお誕生日は1553年5月14日だそな…母親はあの伊のメディチ家の娘で、父親はアンリ二世、両親共に色々逸話はあるけれど、アンリ二世についてはあの馬上槍試合で亡くなった人と言えば分かり易いのか?ついでに言うと王妃カトリーヌはノストラダムスをパリに招いたお人…ちなみにノストラダムスは王の死を予言したという…それがあの1999年7の月だったとか?あれアナグラムだったのか?

 ちなみに当時の仏宮廷というのが、カトリックとプロテスタントの対立の真っただ中という事だった模様…で、次に王位についたマルゴにとっては兄のフランソワ二世の妻があのメアリ・スチュアートなんですよ、姐さん(誰?)これで実質、政情はカトリック派に流れたの世界で、母親のカトリーヌが権勢奮ったよーにみえてその実、嫁の実家が権力握ったの世界に突入した模様…フランソワ二世は妻のいいなりだったそーで…

 さて歴史的にはアンボワーズの虐殺(1560)とかがありますが詳細はこれまた本書をドゾ、さくさく進んでマルゴの結婚となる訳ですけどこの相手がアンリ・ドゥ・ナヴァール、ブルボン家の当主アントワーヌの息子でプロテスタントだそな…よーは宮廷のカトリック勢力に対抗してプロテスタント側を引き入れたいというまさに政治的な思惑の上の婚姻ってか?これが1572年の八月、ノートル・ダム寺院での事でございました…ちなみにこの時の有名なエビがうなずき事件ですかねぇ…「自らの意志で、この男を夫と認めるか」に返事をしなかったとゆーアレ、「国王シャルル九世が怒って、後ろからマルゴの首をつかみ、無理矢理うなずかせたというのが伝説である」とな…まぁ新郎新婦共にのり気でなかった婚姻だった模様…

 で、話は戻るというか、マルゴ伝説は実は「最初の愛人は、一説によればマルゴが十一歳の時、最後の愛人ができたのが五十六歳の時で、彼女が六十一歳でこの世を去った時には、その愛人の胸に抱かれていたといわれている」という伝説の持ち主。しかも五十代に入って18歳の美少年を愛人にしていたというのだから、筋金入りなのか…さすが愛に生きる仏人ってか(笑)分かるだけでも24人の愛人がいたそーな…

 でで、それに加えて近親相姦説まであって、その相手が次兄シャルル、三兄アンリ、弟フランソワとしかもそれが「まず三兄アンリがマルゴに恋をし、力ずくで彼女を犯した後、次兄シャルルと弟フランソワが同様にふるまったということになっている」って…兄弟間でレイプですか?そーですか?これが仏的ジャスティスなんですかねぇ…マルゴの色情狂の前に王子達の強姦魔の方は不問なのか?そーなのか?

 いやまぁそんなこんなでマルゴの愛の遍歴の詳細については本書をドゾ。マルゴの結婚に戻ってこちらは「真紅の結婚式」と呼ばれているそな…何故か?「その式典に続いて、パリで、「聖パルテルミーの夜」と呼ばれている大虐殺が起こり、多量の血が流されたからである」とな…この詳細も本書をドゾですが、いやもー何とゆーか、仏王室半端ねぇという事ですかねぇ…そして政治の駒的なマルゴは離婚させて次の結婚を画策させている母と兄とか…結局、これで夫と共同戦線をはる事になる訳だから人生って分からない(笑)

 結局王家の人間というのは果てしない権力闘争の中で生まれ、一生を過ごす事になるんだなぁと…で合間合間に愛人がいつもいるみたいな人生って…戦いか、愛かの人生って仏人パワフルに生きていらっさるとしかいいよーがないよーな…華麗なる愛人遍歴でマルゴも有名(悪名?)が高くなっていくと、この辺りの詳細も本書をドゾですが、それにしても「夫ナヴァールも、マルゴ以外の女性を追いかけている。しかも、彼の愛人の数は、生涯に五十人を下らなかったといわれるほどである。にもかかわらず、彼の名前に、淫乱とか、色情狂とかいう文字が冠されたことはない。人々は、なぜ女だけを非難したがるのだろう」は全女性が完全に同意するんじゃまいか(笑)和泉式部だって実質二人で浮かれ女だしなぁ…英雄色を好むはオケで、女性はそんなのに貞淑でいろって…これこそ差別じゃね?じゃね?

 何にせよ、当時の結婚観がすざまじいというか、王家(上流階級)の結婚は徹頭徹尾国と国、資産と資産、政治と金の物々交換だからなぁ…当然愛のない結婚だから結婚してからの浮気は公然と行われたいたよし…まぁ本書も色々エビありますが、例えば王が王妃に懐妊している愛人の面倒みろよ的なのもあれば、引き裂いて殺しちゃえもありますけど、「当時、新婚の男が、昔の恋人の元に走るというケースは、珍しいものではなかった」のこれに尽きるよな…結婚前に恋人愛人いぱーいの男性陣と、結婚前は修道院にいて純潔を守ってきましたというか、処女性にかなり価値をおく因習の中での婚姻とは、「男性は、最初のうちこそ物珍しく妻にかかりきりになるが、飽きが来るのは時間の問題で、やはり心も体も自分に合った女、愛した女の方がいいということになるのである」とな…

 でまぁマルゴの浮名については国王アンリ三世が「王家の名を汚す妹の破廉恥を赦せなかった」と物凄い勢いで弾劾する訳だったりして…ちなみにこの人その妹を強姦した人だよねで、ついでに言うと現在「寵臣との同性愛にひたっていた」お人…それで「多くの王侯貴族の前で、マルゴの淫らな私生活を暴露し、パリから出ていくように命じた。追放だった」って、ドンダケェー…

 この当時の殿方の感覚が今一分からないんだけど、後に紆余曲折があってというか、利害関係の結果というかでナヴァールとマルゴは離婚するんだけど、その後もたびたびマルゴの館に訪問してるし、マルゴの愛人の病気見舞いすらしているのだ…更にマルゴの愛人サン・ジュリアンが殺された時の慰めの科白がこれまたパネェ「もっといい青年を、私が捜してやる」…

 何かとんでも仏王室な気がしないでもない本書…時代が違うとはいえ、常識について考えるとか(笑)その他、エビ満載ですので詳細は本書をドゾでなんでず、うーむ、個人的には本書、著者の本音だだもれ、もとい各所にちりばめられているコメントがこれまたアレで、クスっとしてしまう事うけあい(笑)

 既婚者で娘さんが二人いるみたいなんだけど、その子供エビが実感こもっていてパネェ…例えば子供の気質について「しみじみと感じるのは、生まれ落ちてからの教育というものの脆弱さと、それより以前に本人に組みこまれてしまっているものの屈強さである」とか、人生において子供の有無なんて、そんなの関係ねぇ(死語?)じゃねなとこ「私が子供に費やしたものと子供からもらったものは、ほぼ同等である。子供が私を豊かにしてくれた部分も大きいが、子供によって傷つけられ、失われた部分も、仕事を持つ一人の人間としては、決して無視できない。子供がなければ、なくてもよいにちがいないという気がする」とおっさっていらっさるんですよ、正直者乙ですかねぇ…この辺りの働く女性の本音を永田町や霞が関は永遠に理解できていないよーな(笑)

 まぁ女の本音乙というか、スノッブに生きたい時もあるの世界では、バリのクリヨンに宿泊している時にマニフィックに思い切り浸ろーと「夜中に広々としたバルコニーに出て、一人でシャンパンをあけると、イルミネーションをきらめかせかなから回る観覧車と流れ落ちる噴水に乾杯し、更けていく群青の闇の中に、ありし日のチュイルリー宮殿を夢想しなかせら、朝まですごしたのである」とかね…浸りきっていないとやれないよねぇ(笑)仏で友人が代理でよこした運転手兼ガイドもどきは、神経質で、ぜいたくで、方向音痴というお人…面倒だから本人来たら断ろうと思っていたけど「やって来た彼を見たとたんに、一気にそんな気持ちは飛んでしまった。ハンサムだったのである」とか…まっ見た目が全てってか(笑)

 案の定、行先の建物内で迷子になって泣くのは仏人なんである…著者曰く「フランス人は、男でもよく泣く。同時に、よく怒る。要するに興奮しやすいのである」とな…著者の仏人評はとどまるとこ知らず、あちこちにこれも散見して王家の逃亡劇の果てにパリに戻される途中での食事について疲労困憊の一家に食欲などあるはずもなくの世界でその点の配慮について「そういう想像力のなさ、思いやりの欠如は、フランス人の国民性といえるものだからである」って言い切っているし、著者仏人と何かあったのか?

 まぁノートルダム寺院で「ノートル・ダムの歴史について説明しますという看板をかかげていた暇そうな司祭に、私が声をかけたら、彼は、なんと、キリスト教徒にしかレクチャーしないと断った」そーで、著者は「彼らは、はっきりいって差別主義者である」と憤慨なさっております(笑)何か、これでキリスト教徒が声をかけたなら宗派の違いでダメだししそーだよなぁと思うのは気のせいか?どちらかというと働かない事に価値を見出しているよーな気配の仏人とキリスト教だからなぁと思うのは穿ちすぎか?看板を真に受けて聞いてくる日本人こそ空気よめの世界かもしらん、あちら的には(笑)

 欧州人が書く回想録、回顧録についても懺悔とか次代の為ではなくて、「美しい自分、価値ある重要人物であった自分というものを、自分でも信じ、他人にも信じさせたい一心で書く人間が多いのである。ついでに他人を攻撃することもある」とゆー事で歴史的信憑性は「疑いをはさまざるをえない」出来らし…成程、どこまでも自画自賛ってか(笑)

 後政治的なそれといっていいのか?ヴァレンヌの街というより村かでローリック中尉の連隊のエビが出てくるんですが、「この連隊というのはドイツ騎兵で、村人とトラブルを避けるため、午後五時以降の外出を禁止されていた。200年以上前のフランスでそういう規則があったということを、沖縄の基地にいるアメリカ人は、知っているのだろうか」とな…いやまぁ米様はペリーのアレからアレですからねぇ(笑)

 も一つはアンリ三世と弟フランソワとの戦いの後の「ボーリューの勅令」の件…「これは、相当にフランソワ側の言い分を認めて」いたそで、何故国王より反旗を翻した弟が?となれば「彼の集めた軍隊の方が、アンリ三世の軍より強大だったからである」という単純な理由…「自分の言い分を通すためには軍事力を誇示する。これは、昔から現在まで変わることのない政治界の論理である」とな…これまたいやはや全くご尤もってか(笑)

 最後にこれまた今も昔も変わりなしな蝙蝠が来たぞーなエビ…ナポレオンがエルバ島脱出し、仏本土に上陸してからの新聞の見出し、初っ端は「怪物、流刑地を脱出」だったのが、パリまで進軍してくると「皇帝、フォンテーヌブローへ入らせらる」に語調が変化しているんですよ、奥さん(誰?)旗色と共に簡単に変わるというメディアの性向はこれまた今も昔も、皆まで言うなか(笑)

 そんなこんなで他にもエビいぱーいですので、詳細は本書をドゾ。いや、仏パネェ、超半端ねぇ(笑)

 目次参照  目次 国外

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