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2014年4月 6日 (日)

翻訳は女に似ている。忠実なときには糠味噌くさく、美しいときには不実である(笑)

不実な美女か貞淑な醜女か  米原万里  徳間書店

 タイトルがタイトルなので何の話か?と言えば、通訳とは何ぞや?というエッセイというか、解説というか、弁明というか、青年の主張というか(笑)まぁ、通訳は気軽な稼業ときたもんだ、とはいかないよーで(笑)こんなにこんなにこんなに大変なんですというお話かなぁ?大変なわりにはやめられないとまらないの世界らしーか(笑)

 さて、ちょい古というより何を今更な本なので、もー蛇足につぐ蛇足にしかならないのは分かっているが、今読んでも面白いものは面白いし、ためになるものはためになるんですよ、奥さん(誰?)まぁ騙されたと思って、この通訳嘆き節を読んでみなさせぇーと(笑)

 それにしても通訳の行くところネタありなのだろぉか?これでもか、これでもかとエピが並ぶ有様は壮観の一言…いっそ天晴じゃね?じゃね?まぁ何にせよ、通訳の一番のそれは一発勝負、その場限り、一期一会の世界の住人だという事だろなぁ?ちょっと待ってとか、たんまとか、パス1とかは基本出来ない世界で、現実にあるもので今すぐ、この瞬間に答えを出さないといけないとゆー話らしー…

 個人的には会話の授業を思い出してしまったが、分かるにしても分からないにしても必ず反応を示さないといけませんというのが会話の基本らしーのだ…フリーズしてちゃあかんぜよ、と…通訳の場合も、あの手この手の通訳術を引っさげて意志疎通をはかるとな…いやーニュータイプの道は厳しいってか(笑)

 アリス的に通訳…アリス、サムライ・イングリッシュだからなぁ(笑)マレーの時は、あれも一つの誤訳だったのだろか?と思いつつ…そーいや雨天決行もそーなるのか?うーん…もしかしてアリスみたいなタイプの方が通訳は向いているのかもしれないし?雑学データベースだし、好奇心は人一倍強いし(笑)後、アリス的なとこでは鍵じゃないけど、オットセイの貞操帯のとこでしょか(笑)

 通訳の詳細については本書をドゾ。でまぁ本書的には蛇足的なとこなんだろーけど、豆知識の数々がこれまたすんごいんでごさるの巻か?

 例えばロシア人の日本語通訳の場合、「アダルトビデオ撮影のためにロシア入りした撮影隊に雇われたけれども、なんとかロシア人の素人の娘さんを口説いて裸になってほしいというのを通訳させられるので、自己の倫理観と外貨だてで支払われる通訳料の魅力の狭間で心が揺さぶられている」とか、「日本に武器を持っていくとヤクザが買ってくれるという噂を信じて、手榴弾の密売に来た船員が逮捕され、その裁判の通訳」にとか…

 字句の取り扱いでは「1959年、時のソ連邦共産党第一書記兼ソ連邦首相のフルシチョフがアイゼンハワー大統領との会談のため訪米したおりのことである。ロスアンジェルス市長主催歓迎晩餐会に招かれ、主賓挨拶にたったフルシチョフが「お前らを地中に埋めてやる」と言ったため、歓迎の宴は修羅場と化した」って、それってありですかぁーっ?ちなみにフルシチョフの弁要旨は「資本主義は滅びゆく体制であり、社会主義のほうが生命力がある。だからわれわれ(ソ連)のほうがあなた方(アメリカ)より生き延びる」という事で、最後の部分をロシア的慣用句で締めくくったのが事の原因とな…曰く「われわれのほうがあなたか方のお葬式をしてさしあげることになる」とな…これは通訳が慣用句を逐語で約した悲劇なんだろーけど、今となると二重の意味で何だかなぁ…なエピじゃね?じゃね?

 ちなみに「レーガンは非常に諺が好きで、ゴルバチョフは文学作品の引用を好んだ」そーな…まさに欧米か?(死語?)の世界か(笑)ちなみにちなみにどこの言葉でも「成句、慣用句の中でも最も恐ろしく手ごわいのは、罵り言葉、貶し言葉の類である」だそな…まぁ個人間の話なら失礼なやっちゃで済むかもしれないけど、国家間となれば、ねぇ…

 罵倒語系でいくとやはり母親系のそれはどこもタブーに触れる事になるのかなぁ?で、よーするに「娼婦の息子」的な「あばずれ」とか「ふしだら」系のソレですよねぇ…ただ、これってどちらにせよ女性の話であって、殿方にふしだらはあるかもしれないけど、あばずれとか雌犬系の言葉はないなぁとゆー件…「おおらかな母権制社会が崩壊し、私有財産制を基礎とする父権制社会の確立と軌を一にしている」とエンゲル先生はおっさっているそーな…そーだったのかぁーっ?「財産権や相続の発生とともに血で血を洗うような重大事になってくる。男は財産を自分の血を分けた子にのみ継承させたいという排他的願望の虜になる」でこれを正当化する為に制度とか法が整備されていった結果とは…成程、マッチョ思考って排他的だったのか?まぁ言われてみれば、どこぞのアレもソレもコレも、ねぇ(笑)

 日本語についても、外国人からすると「一つの言語を身につけるつもりだったのに、最低二つ以上の言語を相手にしている」事になるんだとか?話言葉としては簡単な気がするが、漢語系とやまとことば系、あると思いますなのか(笑)学習的なそれででいくと、同音異語が多いのもアレだけど、のばすのばさないでもあったのか?ローマ字的なら同じ表現となる場合ですね、本書の例でいくとSOSHIKI…これそしきと読むか、そうしきと読むかで、えらいこっちゃえらいこっちゃになるのはトーシロにも分かる(笑)促成で日本語習得している人にはありがちのネタらしーのが何とも…

 母音だと日本では五つしかなくて世界的にも少ない方らしーんだが、上には上がいてアラビア語だと母音は三つしかないとな…これまたそーだったのかぁーっ?

 海外系の話題では、タイではコーヒーを頼まない方が無難という事になる模様…別にコーヒーそのものが問題ではなくて、日本人の発音するコーヒー、ここでは特にヒーの発音が引っかかって「女性の秘所を意味するため、失笑を買っているそうだ」って、そーだったのか?違いと言えばベルギー人の仏語って「もともと日本語でいえば東北弁のような響きを持って」いるとは知らなんだ…欧州の中の言葉も方言ありまっせの世界なのか?

 通訳そのものに対するエピはそれこそ豊富過ぎて何にも言えネェの世界でして、これらの詳細は是非(エコー付)本書をドゾ(笑)悲喜こもごもですけど、一番端的なのは国連の通訳の皆さんの断固とした態度かなぁ?書面をフルスピード、ノンストップでフルスロットルな話者に対して「通訳者たちは一斉に席を蹴ってブースを出ていく。その時「発言者は現在文章を極めて速いスピードで読み上げておられますが、あらかじめ私ども通訳にその文章を手渡しておられません。私どもはかような条件のもとでは、到底満足な通訳ができません。誤訳によってご迷惑をおかけするよりも、通訳しないことを選びます」とな捨て台詞を吐いていくらしい」って…国連で発言する人でも、聞き手についての配慮が頭にない人がいるという事ですかねぇ?

 も一つなるほろなぁと思わされたとこは通訳、黒子なとこですかねぇ?話し手が拳振り上げ、声上げての場合に「通訳の同じように手を振り、声張り上げてやったら、これすごい滑稽なわけね。つまり、もしかして茶化しているんじゃないか。パロディやってるんじゃないか、というふうにしか映らないわけよ」とは、どこぞの監督の通訳だろか?とふと思ってみたりたり(笑)

 本書で一番の問題提起というか、事実の指摘というかでは、「ハーフである人たち」のバイリンガルなお話の件かなぁ…傍目からみれば二か国語を習得した「一見羨ましい言語学習環境に育った人たちだ」となる訳で…「しかし、実際には、日本語も、ロシア語も、そしていかなる他の言語もまともに身についてはいない。もちろん日常生活に事欠くほどではないが、しかし、少し複雑な抽象的な話になると、お手上げなのである」とはとはとは…ちなみに20年上前から外山滋比古氏は「幼児期にいくつもの言語を詰め込むことの危険性に警鐘を鳴らしている」とな…

 「もちろん、ハーフの人たちや帰国子女のなかにも日本語と外国語の両方を縦横無尽に操る超一流の会議通訳者がある。個人的な資質もさることながら、その人たちの言語習得史を尋ねてみると、一つの共通点が浮かび上がる。一定の年齢(八-十歳ぐらい)に達するまでは、日本に生活拠点がある場合には、徹底的に日本語のみで意思疎通をはかる生活をしてきたというのだ」とな…母語を軽くみるとアレでっせの世界か?

 言葉が出来るというレベルの問題は通訳の人ならばこれまた痛い程日常に感じていらっさるだろーしなぁ…ましてやパンピーと接すると、その国の言葉を他者が使う場合「その外国語を母語とする者の目には、明らかに幼稚で単純な、知能の劣った人間に見えてしまう」とな…「とくに生まれてこのかた一度も外国語で意思疎通をした経験のない者の眼ほど、そのように見る傾向が強い」は(笑)続けて更に「世界中どこへ行っても、もちろん日本に来ても自分の母語である英語が通じて当然と思い込んでいる人の多い国とか、フランスのように過去にたくさんの植民地を持っていて、属領の国民がフランス語を学ぶのは当たり前、その屈辱感や困難に対する想像力も思いやりも働かない人が多い国。ロシアのように、バルトやコーカサスなどかつて併合した国々の言語は決して学ぼうともしないくせに、その国の人たちのロシア語が訛っていると言っては馬鹿にする人の多い国」って…心当たりが多すぎるってか(笑)

 国際交渉では相手側の母語が英語の場合は「必ずプロの通訳を雇い」交渉するそな…最近流行りの「日本の首相がアメリカに行ったときに、英語で演説するのを得意げに自慢し、マスコミも盛んにそれを持ち上げる」風潮はいかがなものか?と著者は一石投じていらっさる模様…「一国を代表する権限を持ってそれをするのは、どうかやめてほしい」とな…結局、討論となれば母語の人とのソレは始まる前から不利じゃけんの世界だもんなぁ…これが個人間の話なら、やられたで済むかもしれないけど、国家間でやられたじゃ、ねぇ…

 言葉はそんなに軽いもんじゃないという事ですかねぇ…話し合えば分かり合えるって、とってもおステキ、だけど、これ外交なのよねの世界で、そんな大げさなとこれまた軽く思える辺りがやはり日本人、島国根性なんじゃね?じゃねなのか

 笑える話と見ていいのか?日本の財界の某著名人がソ連で当時の最高指導者とお話になった時、日本人としては北方領土問題にも触れないとねな事になったとな…「私が北方領土の問題を言いましたらば、ソ連の何々さん(非常に偉い方ですが)は「えー、その問題は…」と言って絶句した。絶句したということは、私どもの主張に対して適切な反論の言葉がなかったんでしょう。北方領土問題については、ソ連のほうもなかなかの感触がありますよ。これはもっと攻めればいいんじゃないか」と後にコメントされたそな…一方ソ連側は「いや、その問題はすでに解決済みで存在しない」だそで…オチ的にお互い確認するまでもないという事ですか?そーですか(笑)まぁ会話なんて、誰も自分の都合のいーよーに想定しているのが普通って事でしょか?まさにそんなの関係ねぇー(死語?)そのものかもなぁ…ちなみにこれがそれぞれに政財界のトップというとこが…皆まで言うなの世界か…

 他にも色々、色々、それこそ色々エピ満載ですので詳細は本書をドゾ。損はさせませんぜ、旦那の世界か(笑)〆に一つというならば、ゲーテ先生のお言葉がいみじうじゃねで「外国語を知って、人は初めて母国語を知る」ってか、お後が宜しいよーで(笑)

 目次参照  目次 文系

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